JPH0233081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バーナにより加熱される水加熱用熱
交換器と浴槽とを接続する上下一対の水循環路
に、強制循環用の電動ポンプを介装し、その強制
循環によつて浴槽内貯苗水を温度ムラ無く均一
に、かつ、能率良く沸き上げるようにすると共
に、前記熱交換器での加熱水温を検出するセンサ
ーからの情報に基づいて、検出水温が設定値以上
となつたときに前記バーナへの燃料供給を自動的
に停止する異常加熱防止装置を設け、それによつ
て耐久性並びに安全性の向上を図つた循環式の燃
焼加熱型風呂に関する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、ポンプ電力を外部電源から採ることが
運転経費の増大を招く問題があり、又、省エネル
ギーの観点からも改善が必要であつた。

本考案の目的は、燃焼加熱型風呂が本来備えて
いる燃焼構成を利用した合理的な改良により、強
制循環用電動ポンプに対する外部電源からの電力
供給を不要化し、しかも、その不要化にかかわら
ず、熱交換器での循環水加熱を良好に維持しなが
ら、強制循環による均一加熱性を効果的に発揮で
きるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による循環式燃焼加熱型風呂の特徴構成
は、加熱昇温によつて電力を発生する熱発電素子
を、水加熱用熱交換器に対するバーナによつて加
熱されるように配設し、水加熱用熱交換器と浴槽
とを接続する上下一対の水循環路に介装した強制
循環用電動ポンプに対して、その電源電力として
前記熱発電素子の起電力を供給する電気回路を設
け、その電気回路に、前記ポンプを正逆転切換操
作するためのスイツチ回路を付設してなることに
あり、その作用・効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、強制循環ポンプは本来的に加熱運転中
（バーナ作動中）においてのみ作動させる装置で
あることに着目し、本来装備装置であるバーナに
より発生される燃焼熱を有効利用して、熱発電素
子により燃焼熱の一部を電力に変換し、その電力
によつて強制循環用ポンプを作動させるのであ
り、それによつて、強制循環用ポンプに対する外
部電源からの電力供給を不要化できる。

ちなみに、水加熱用熱交換器と浴槽とにわたる
強制水循環を上下一対の水循環路を介して行わせ
るに、浴槽に対して下側水循環路から加熱水を吐
出供給する方向に強制循環させた方が、その逆の
方向に強制循環させるよりも、浴槽内貯留水に対
する均一加熱性が向上するのであるが、熱発電素
子の起電力で作動するポンプによる強制循環方向
を、浴槽に対して下側水循環路から加熱温水が吐
出供給される方向に設定すると、バーナの着火直
後で熱発電素子の起電力が未だ定格値に達しない
運転立ち上がり時において、ポンプによる強制循
環力とそれとは逆向きとなる加熱水の自然対流に
起因した循環力とが平衡して熱交換器内で加熱水
が漸次滞留し、その滞留に起因して熱交換器内で
生じる異常昇温のために異常加熱防止装置が作動
して加熱運転が不測に停止してしまうことがあつ
た。

その点、本考案によれば、熱発電素子の起電力
をポンプに供給する電気回路に対して、ポンプを
正逆転切換操作するスイツチ回路を付設してある
から、熱発電素子の起電力が定格値未満でポンプ
による強制循環力が未だ不充分な運転立ち上がり
時においてはポンプを、それによる強制循環方向
が加熱水の自然対流による循環方向と同じ向きと
なるように作動させ、その後、熱発電素子の起電
力が定格値に対してポンプによる強制循環力が十
分となつた時点でポンプの作動を正逆転切換し
て、浴槽に対する加熱水吐出を下側水循環路から
行う方向にポンプを強制循環機能させることがで
きる。

すなわち、上述の如き正逆転切換操作により、
運転立ち上がり時において強制循環力と加熱水の
自然対流による循環力とが互いに逆向きで平衡す
ることに起因した異常加熱防止装置の不測の作動
を回避できて循環水加熱運転を良好に継続でき、
しかも、立ち上がり運転完了後は、浴槽に対して
下側水循環路から加熱水吐出供給する方向の強制
循環を継続できるから、浴槽貯留水を効果的に均
一加熱することができる。

〔考案の効果〕

上述の結果、高い均一加熱性故に沸き上がりが
早く、かつ、浴槽貯留水の上層部のみが熱くなる
といつたことも効果的に回避でき、又、運転が安
定的で安全性、並びに信頼性に優れているといつ
た機能上の利点を備えながらも、運転経費が安価
で省エネルギー面においても有利な極めて実用性
の高い風呂にできた。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を説明する。

第１図は、燃焼加熱型風呂の概略構成を示し、
浴槽１と並置する加熱装置２に、水加熱用熱交換
器３、及び、それに対する加熱バーナ４を設け、
熱交換器３と浴槽１とを上下一対の水循環路５
Ａ，５Ｂで接続してある。

６は、バーナ４に対する燃料ガス供給路、７
は、バーナ４への燃料供給を断続する電磁弁であ
る。

前記熱交換器３内における加熱温水の温度を検
出するセンサー８を設けると共に、そのセンサー
８による検出温度が設定異常温度に適した時に前
記電磁弁７を閉じ操作して加熱作動を自動的に停
止する異常加熱防止装置９を設け、もつて、異常
昇温に起因した熱交換器３の熱劣化を防止すると
共に、安全性の向上を図つてある。

浴槽１と熱交換器３とにわたつて水を強制循環
させる電動ポンプ１０を上下一対の水循環路５
Ａ，５Ｂのうち一方に介装し、その強制循環によ
つて浴槽内貯留水を能率良く沸き上げるようにし
てある。

第１図及び第２図に示すように、バーナ４によ
る加熱によつて電力を発生する複数の熱発電素子
１１を設け、それら熱発電素子１１の起電力を強
制循環用ポンプ１０に対してその電源電力として
供給する電気回路１２を構成し、もつて、ポンプ
１０に対する外部電力供給を不要にして運転経費
を節減するようにしてある。

そして、その電気回路１２に対して、熱発電素
子１１からポンプ１０に供給する直流電流の極性
を反転させることによりポンプ１０を正逆転切換
操作するスイツチ回路１３を付設すると共に、熱
発電素子１１が起電を開始してから設定時間だ
け、浴槽１に対して加熱温水を上側水循環路５Ａ
から吐出供給する方向にポンプ１０を作動させ、
かつ、前記設定時間が経過した後において、浴槽
１に対し加熱温水を下側水循環路５Ｂから吐出供
給する方向にポンプ１０を作動させるように、前
記スイツチ回路１３のリレースイツチ１３Ａをタ
イマー制御する時限回路１４を付設してある。

つまり、熱発電素子１１の起電力が不十分でポ
ンプ１０による強制循環力が未だ小さい運転立ち
上がり時においては、ポンプ１０による強制循環
方向と加熱温水の自然対流による循環方向とを一
致させることで熱交換器３内での水循環を良好に
維持し、それによつて、異常加熱防止装置９を不
必要に作動させないように、又、運転立ち上がり
完了後、熱発電素子１１の起電力が定格値に達し
てポンプ１０による強制循環力が十分となつた状
態においては、浴槽１に対して下側水循環路５Ｂ
から加熱温水を吐出供給するように強制循環させ
ることで浴槽貯留水を効果的に均一加熱するよう
にしてある。

〔別実施例〕

次の本考案の別実施例を説明する。

熱発電素子１１の装備個数、並びに、具体的装
備構造は種々の改良が可能である。

熱発電素子１１の起電力を強制循環用ポンプ１
０に供給する電気回路１２の具体構成、並びに、
ポンプ１０を正逆転切換するスイツチ回路１３の
具体構成は夫々種々の改良が可能である。

運転立ち上がり状態から定常運転状態への移行
に伴い前記スイツチ回路１３を切換操作するに、
熱発電素子１１の起電電圧を検出させ、その検出
結果に基づいて自動切換するような回路を備えさ
せても良く、又、自動切換操作に代えて手動切換
操作するように構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体概
略構造図、第２図は電気回路図である。 １……浴槽、３……水加熱用熱交換器、４……
バーナ、５Ａ，５Ｂ……水循環路、８……センサ
ー、９……異常加熱防止装置、１０……ポンプ、
１１……熱発電素子、１２……電気回路、１３…
…スイツチ回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ４により加熱される水加熱用熱交換器３
   と浴槽１とを接続する上下一対の水循環器５Ａ，
   ５Ｂに、強制循環用の電動ポンプ１０を介装し、
   前記熱交換器３での加熱水温を検出するセンサー
   ８からの情報に基づいて、検出水温が設定値以上
   となつたときに前記バーナ４への燃料供給を自動
   的に停止する異常加熱防止装置９を設けた循環式
   燃焼加熱型風呂であつて、加熱昇温により電力を
   発生する熱発電素子１１を前記バーナ４によつて
   加熱されるように配設し、その熱発電素子１１の
   起電力を前記ポンプ１０にその電源電力として供
   給する電気回路１２を設け、その電気回路１２
   に、前記ポンプ１０を正逆転切換操作するための
   スイツチ回路１３を付設してある循環式燃焼加熱
   型風呂。