JPH0232874Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、生コンクリートの輸送管の洗浄機能
を備えたコンクリートポンプに関する。

輸送管を有するコンクリートポンプによつて、
生コンクリート（以下生コンと略す）を打設現場
に圧送した場合、圧送作業終了後に輸送管内に残
留した生コンを排出する必要がある。上記残留生
コンの排出には、従来、輸送管にコンクリートポ
ンプとは別に、空気圧縮機、あるいは多段遠心水
ポンプ、または、往復動式水ポンプ等を連結し、
空気や水を輸送管内に圧送することによりなすよ
うにしていた。しかし、コンクリートポンプ車に
コンクリートポンプの他に上記のような空気圧縮
機、あるいは各種水ポンプを装備したのでは、車
体重量や規模が大きくなり、製品コストの面で不
利になるといつた問題がある。

そこで、コンクリートポンプ自体を使つて輸送
管に水を圧送する装置が考えられるようになり、
この種の装置として従来、第２図に示すものが知
られている。第２図に示す従来の装置は、生コン
を入れるホツパ１内に揺動自在に設けられた揺動
管２と、生コンの輸送管３との間に、吐出側逆止
弁４ａを備えた接続管４と、吸込側逆止弁５ａを
備え水タンク６に連絡された吸込ホース５とを着
脱自在に組み込んで構成されたものである。すな
わち、ホツパ１の外側に突出した揺動管２の一端
と輸送管３とが接続管４を介して連結されるとと
もに、吐出側逆止弁４ａと揺動管２との間の接続
管４が吸込ホース５を介して水タンク６に連結さ
れている。なお、上記吐出側逆止弁４ａは接続管
４から輸送管３側への流体の流れを許し、かつ、
その反対側への流体の流れを阻止するものであ
り、吸込側逆止弁５ａは吸込ホース５から接鮮管
４側への流体の流れを許し、かつ、その反対側へ
の流体の流れを阻止するものである。また、第３
図に示すようにホツパ１内の揺動管２の開口部２
ａはホツパ１の前面壁１ａに臨ませられる一方、
ホツパ１の前面壁１ａには左右一対の接続孔１ｂ
が形成され、ホツパ１の前方には上記接続孔１ｂ
に連結されたコンクリートシリンダ７が設けられ
ていて、揺動管２は揺動管２の出口側を中心とし
て揺動し開口部２ａを交互に左右の接続孔１ｂに
臨ませるようになつている。

上記従来の装置にあつては、生コン圧送時に
は、揺動管２と輸送管３とを直接接続しておき、
生コン圧送終了後に接続管４と吸込ホース５とを
第２図に示すように組み込んで構成し、揺動管２
を一方の接続孔１ｂに臨ませて停止させた状態で
コンクリートシリンダ７のピストン７ａを往復動
させることによつて水タンク６内の水を輸送管３
に圧送し、輸送管３を洗浄するものである。

ところが、上記従来の装置にあつては、コンク
リートポンプに新たに水タンク６や吸込ホース５
を設けなくてはならないといつた不満があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、水
タンクを設けなくとも輸送管の洗浄ができるとと
もに、洗浄時に設ける部材の着脱が極めて容易
で、しかも目詰り等のおそれもないコンクリート
ポンプを提供することを目的とする。

生コンクリートを収容するホツパに一対のコン
クリートシリンダが接続され、かつ上記ホツパ内
に、上記一対のコンクリートシリンダを生コンク
リートの輸送管に交互に連通させる揺動管が設け
られたコンクリートポンプにおいて、上記ホツパ
に取付管を設け、該取付管に、ホツパから外部へ
の流体の流れを許し、その逆の流れを阻止する吸
込側逆止弁を備えた吸込管を着脱自在に付設した
構成としたものである。

以下、本考案の一実施例を第１図を参照して説
明するが、この図において、従来例の装置と同じ
部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略
する。

図中１ｃはホツパ１の後方側の壁面で、この壁
面１ｃの所定位置に、フランジを備えた取付管１
０が固着されている。そして、この取付管１０
と、接続管４の吐出側逆止弁４ａより上流側（第
１図における左方側）との間には、吸込管１１が
着脱自在に設けられ、この吸込管１１の所定位置
に、ホツパ１から接続管４への流体の流れを許
し、その逆流を阻止する吸込側逆止弁１１ａが備
えられている。

次に、上記のように構成された本考案の作用に
ついて説明する。

コンクリートポンプとして生コンを圧送する場
合には、接続管４を揺動管２と輸送管３から取り
外し、かつ、吸込管１１を取付管１０から取り外
した後、取付管１０に蓋（図示せず）を取り付け
るとともに、輸送管３を接続管４に直接連結す
る。そして、ホツパ１内に生コンを投入し、揺動
管２を揺動させるとともにコンクリートシリンダ
７を作動させて周知のように生コンを輸送管３に
圧送する。

一方、生コンの圧送終了後等に輸送管３の洗浄
を行なう場合には、まず、揺動管２と輸送管３と
の連結を解いて、その間に接続管４を接続すると
ともに、取付管１０の蓋を取り外して該取付管１
０に吸込管１１の吸込端を連結する。そして、ホ
ツパ１内に水を投入して揺動管２を一方の接続孔
１ｂに連通させた状態で停止させ、この一方の接
続孔１ｂに連結されたコンクリートシリンダ７の
ピストン７ａを作動させる。以上の操作によつて
コンクリートシリンダ７のピストン７ａは吸込管
１１を介してホツパ１内の水を揺動管２に吸入
し、この吸入した水を接続管４を介して輸送管３
に圧送する。この圧送された水によつて輸送管３
が洗浄される。

ここで、本実施例にあつては、第２図に示す従
来の装置では必要であつた水タンク６や吸込ホー
ス５が必要なくなるため、輸送管３の洗浄のため
に設ける機器が少なくなつて安価になる。また、
輸送管３を洗浄する水をホツパ１から揺動管２内
に吸入するようになつているが、このようにする
と、従来のように水タンク６から吸込ホース５を
介して揺動管２に水を吸入するのに比べて、吸込
距離が短くなり、吸込効率が向上するとともに、
輸送管３への送水効率が向上する。さらに、本実
施例では、吸込側逆止弁１１ａを備えた吸込管１
１はホツパ１の外部に設けられているから、その
着脱が容易でかつ安全であり、しかも、高圧のコ
ンクリートにさらされることがないので強度的に
有利であり、目詰まりのおそれもない。

以上説明したように、本考案のコンクリートポ
ンプは、生コンクリートを収容するホツパに一対
のコンクリートシリンダが接続され、かつ上記ホ
ツパ内に、上記一対のコンクリートシリンダを生
コンクリートの輸送管に交互に連通させる揺動管
が設けられたコンクリートポンプにおいて、上記
ホツパに取付管が設けられ、該取付管には、ホツ
パから外部への流体の流れを許し、その逆の流れ
を阻止する吸込側逆止弁を備えた吸込管が着脱自
在に付設された構成とされ、輸送管の洗浄時に
は、ホツパを洗浄用の水を収容するタンクとして
利用するものであるから、従来のように別個に水
タンク等を用意する必要がない上、吸込効率、送
水効率が高く、また、吸込側逆止弁を備えた吸込
管をホツパの外部に設けたものであるから、洗浄
時における部材の着脱が容易でかつ安全となり、
しかも、強度的にも有利で目詰まりのおそれもな
い。更にまた、ホツパに取付管が設けられるとと
もに、該取付管に吸込管が着脱自在に付設されて
いるので、必要があれば、それらを利用して、ホ
ツパ内の水を輸送管以外の、例えばホツパ回りな
ど他の部分に導いてその部分を洗浄することがで
きるといつた実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は従来の装置の断面図、第３図は同斜視図であ
る。 １……ホツパ、２……揺動管、３……輸送管、
４ａ……吐出側逆止弁、４……接続管、１１……
吸込管、１１ａ……吸込側逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 生コンクリートを収容するホツパ１に一対のコ
   ンクリートシリンダ７，７が接続され、かつ上記
   ホツパ１内に、上記一対のコンクリートシリンダ
   ７，７を生コンクリートの輸送管３に交互に連通
   させる揺動管２が設けられたコンクリートポンプ
   において、上記ホツパ１に取付管１０が設けら
   れ、該取付管１０には、ホツパ１から外部への流
   体の流れを許し、その逆の流れを阻止する吸込側
   逆止弁１１ａを備えた吸込管１１が着脱自在に付
   設されたことを特徴とするコンクリートポンプ。