JPH0232679B2 - Jidoshakotsunokoikikanshishisutemu - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動車交通の広域監視システムに関
するものである。

［従来の技術］ 交通流の制御を行う場合、交通流の状態を把握
することが重要であり、既に各種の交通流検出手
段が提案されている。しかしながら、これらの検
出手段では、特定点において車両の有無を検出す
るのが一般的であり、どのような車両がどのよう
な速度で走行しているのかがわからないのが通例
である。

従つて、交通状態に関する有効なデータの収集
及びそれらのデータに基づく効率的で安全を配慮
した交通流の制御を行うことはできない。

例えば夜間における特定道路への大型車の進入
等、車種によつて交通を規制しようとする場合に
は、予めその道路を走行する車両の車種を把握す
る必要がある。また、他の車両の安全走行に影響
を与えるような悪質な運転状態にある車両や、危
険な速度で走行する車両など、異常な行動をとる
車両が存在する場合には、その検出及び特定を行
つて、道路上の表示によつて警告を行い、必要が
あれば、早急にその運転者の再教育を行うのが、
安全な交通を確保するうえで重要である。

上述した交通状態に関する有効なデータの収集
を行うのには、少なくとも、走行している車両の
車種、運転者（または車両番号）、並びに車速を
検出する必要があり、これらを、車両上に何らの
装置も付加することなく検知することは、技術的
に大きな困難性を伴うばかりでなく、それが実現
できたとしても経済性の点で問題がある。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の技術的課題は、車両上に規格化された
車種コード及び運転者コードを送信する車上装置
を搭載し、それによつて送信されたコードを地上
側で受信することにより、走行中の車両の特定を
可能にし、これを車速や時間等の情報と組合わ
せ、交通状態に関する有効なデータの収集及びそ
れらのデータに基づく効率的な交通流制御を可能
にすることにある。

［課題を解決するための手段］ かかる課題を解決するための本発明の自動車交
通広域監視システムは、カードと、車上装置と、
地上装置と、交通流制御用処理装置とを有する自
動車交通の広域監視システムであつて、カードは
運転者コードが磁気的に記載されており、車上装
置はカード読取り機と、アンテナを有する送信器
とからなり、地上装置は、通信機と、タイムコー
ド発生器と、走行状況検出器とからなり、要所に
設置されており、交通流制御用処理装置は、管制
センタに設置される。

上記車上装置は、カードの内容をカード読取り
機により読取り、その内容を車両に固有の情報と
共に送信器よつて地上装置に送信するものであ
り、地上装置は、送信器からの送信内容を通信機
で受信し、且つその内容をタイムコード発生器と
走行状況検出器の出力データと共に通信機で交通
流制御用処理装置に送信するものであり、交通流
制御用処理装置は、地上装置からの送信データを
受信し、交通流制御のためのデータとして車両の
走行状態の把握を行うものである。

［作用］ このような本発明の自動車交通広域監視システ
ムによれば、管制センタにおいて走行中の車両の
特定が可能になるため、交通流の詳細についての
検出が容易となり、また車両の走行状態を把握す
る他の検出器と組合わせて運転者と走行状態の相
関を求めるためのデータを自動的に収集できるの
で、交通環境や運転者に関する情報を統計的に把
握し、正常且つ安全を考慮した交通流の制御を実
現することができる。

［実施例］ 以下に図面を参照して本発明のシステムについ
て詳述する。

本発明に基づく自動車交通の広域監視は、例え
ば都道府県単位あるいは全国規模で実施できるば
かりでなく、広大な面積の特定地域の車両に適用
することもできる。

この自動車交通の広域監視システムは、第１図
及び第２図に示すように、カードＣと、車上装置
１と、地上装置１０と、交通流制御用処理装置２
１とを主体として構成され、対象地域内において
監視の対象となる車両には、図に示す車上装置１
が搭載される。

上記カードＣとしては、例えば公的な運転免許
証カード、あるいは運転者ごとに別途作成される
カードで、磁気記録としてその運転者に固有のコ
ードその他を記録したものが使用される。

車上装置１は、カードＣに磁気的に記録したコ
ードを読取るカード読取り機２と、このカード読
取り機２によつて読取つたコード等を地上に送信
する送信器３と、その送信のためのアンテナ４等
を備えたものである。

上記カード読取り機２には、カードＣを所定位
置に挿入することによつて閉成されるスイツチ６
を設け、このスイツチ６を車両のエンジンにおけ
るイグニツシヨン・キーのインターロツクに使用
し、さらにそのスイツチ６の閉成によつてカード
Ｃに記録された運転者コードを送信器３における
バツフア３ａへ読出すように動作させる。この場
合、上記バツフア３ａにおいてはカードＣがカー
ド読取り機２に挿入されているときにのみそのカ
ードの情報を保持し、カードがない場合には運転
者が不在である旨の特定コードを保持させること
になる。

このようにしてカードＣから読出された運転者
の情報、及び車上装置１がもつている車種コード
その他の車両に固有の情報は、それらに同期のた
めの信号を付加し、規格化されたものとして、送
信器３によりアンテナ４を通じて常時送信し、あ
るいは地上からの送信指令に応答して送信され
る。

一方、地上装置１０は、通信機１２と、タイム
コード発生器１３と、走行状況検出器１４とを備
え、これらが交差点その他の要所に設置される。
即ち、交差点その他の要所には、ループアンテナ
１１あるいはこれに準ずるアンテナが設置され、
上記車両上の送信器３から送信された運転者及び
車両に固有のコードを通信機１２によつて受信
し、それが管制センタ２０における交通流制御の
ための処理装置２１に送られる。この場合に、通
信機１２に付設したタイムコード発生器１３から
得られる時間信号や、各種の走行状況検出器１４
によつて得られる情報も同時に送信される。例え
ば、上記走行状況検出器１４として車速の検出や
一方通行路を逆走行するなどの異常走行の検出を
行う検出器を用いれば、異常な行動をとる車両の
検出及び特定を行うこともできる。

上記車速等の検出を行う手段としては、公知の
各種方式を利用することができるが、第３図に例
示するような方式を採用することもできる。

同図について概略的に説明すると、上述の運転
者コード等は、振幅変調等によりある決つた周波
数で送信することになるが、それとは別の一定周
波数のキヤリア（車種によつて周波数を定めても
よい。）をミキサ７において混じ、送信器３によ
りアンテナ４を通じて送信させる。それを受信す
る受信用アンテナ１１としては、ツイスト状のル
ープアンテナを用い、このアンテナを通じて通信
機１２で受信した信号からバンドパス・フイルタ
１５でコードの成分を分離し、また上記キヤリア
の成分をバンドパス・フイルタ１６で抽出して位
相弁別器１７で位相弁別を行つた後に、ローパ
ス・フイルタ１８に通すと、車速に応じた正弦波
が得られ、車速Ｖを、 Ｖ＝Ｌ／Ｔ（ｍ／ｓ） によつて求めることができる。

また、各車両の位置に関する情報は、どこに設
置された地上装置１０からその車両の情報が管制
センタ２０に送られたかによつて、あるいは地上
装置１０における走行状況検出器１４からの各種
情報と共に位置の情報を管制センタに送ることに
よつて、得ることができる。

交通流制御用処理装置２１は、地上の管制セン
タ２０に設置されており、地上装置１０からの送
信データも受信して、それを交通流制御のための
データとして、車両の走行状態の把握を行うもの
である。

この交通流制御用処理装置２１は、従来から実
施されている自動車総合管制システムと同様な管
制制御を行い得ることは勿論であり、それに加え
て走行中の車両の車種や、特定車両の動向の把
握、運転者の特定等を行うことができるので、
種々の情報との組合わせにより、交通状態に関す
る有効なデータの収集を行つて、その交通状態を
的確に把握し、それに基づいて効率的な交通流制
御を行うことができる。

このような自動車交通広域監視システムによれ
ば、管制センタにおいて走行中の車両の特定が可
能になるため、交通流の詳細についての検出が容
易となり、OD調査と呼ばれる車両走行経路の調
査も容易に行うことができ、また車両の走行状態
を把握する他の検出器と組合わせて運転者と走行
状態の相関を求めるためのデータを自動的に収集
できるので、交通環境や運転者に関する情報を統
計的に把握し、正常且つ安全を考慮した交通流の
制御を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るシステムのブロツク構成
図、第２図は本発明の実施態様についての説明
図、第３図は車両の速度測定を行う場合について
の説明図である。 Ｃ……カード、１……車上装置、２……カード
読取り機、３……送信器、４……アンテナ、１０
……地上装置、１２……通信機、１３……タイム
コード発生器、１４……走行状況検出器、２０…
…管制センタ、２１……交通流制御用処理装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カードＣと、車上装置１と、地上装置１０
   と、交通流制御用処理装置２１とを有する自動車
   交通の広域監視システムであつて、 カードＣは、運転者コードが磁気的に記載され
   ており、 車上装置１は、カード読取り機２と、アンテナ
   ４を有する送信器３とからなり、 地上装置１０は、通信機１２と、タイムコード
   発生器１３と、走行状況検出器１４とからなり、
   要所に設置されており、 交通流制御用処理装置２１は、管制センタ２０
   に設置されており、 車上装置１は、カードＣの内容をカード読取り
   機２により読取り、その内容を車両に固有の情報
   と共に送信器３によつて地上装置１０に送信する
   ものであり、 地上装置１０は、送信器３からの送信内容を通
   信機１２で受信し、且つその内容をタイムコード
   発生器１３と走行状況検出器１４の出力データと
   共に通信機１２で交通流制御用処理装置２１に送
   信するものであり、 交通流制御用処理装置２１は、地上装置１０か
   らの送信データを受信し、交通流制御のためのデ
   ータとして車両の走行状態の把握を行うものであ
   る、 ことを特徴とする自動車交通の広域監視システ
   ム。