JPH0232145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、印刷機のインキ供給ローラのイン
キ量調整装置に関するものである。

従来技術の構成とその問題点 印刷機において、所望の印刷効果を得るには、
まず、インキ供給ローラの外周面のインキ量を的
確に調整することが肝要である。これを達成する
ため、普通、複数のセグメントからなるインキ量
調整部材をその取付ブロツクに取り付け、インキ
量調整部材のエツジをインキ供給ローラの外周面
に一定間〓を置いて対向させ、インキ量調整部材
のエツジによつてインキ供給ローラの外周面のイ
ンキ量を調整しているのは周知のとおりである。
この場合、重要であるのはインキ量調整部材とイ
ンキ供給ローラ間の間〓であり、この間〓によつ
てインキ供給ローラの外周面のインキ量が決定さ
れる。

ところで、従来はインキ供給ローラの回転ぶれ
に付随する問題があつた。インキ供給ローラをそ
の中心軸のまわりに回転させるとき、インキ供給
ローラがある程度偏心するのはさけられない。し
たがつて、その偏心度によつてインキ供給ローラ
の回転ぶれが生じる。しかも、使用当初、インキ
供給ローラの回転ぶれがごくわずかの量であつた
としても、それは使用頻度に応じて増大する。こ
のため、インキ供給ローラの回転ぶれによつてイ
ンキ量調整部材とインキ供給ローラ間の間〓が変
動し、これを一定に維持することができず、イン
キ供給ローラの外周面のインキ量を正確に調整す
ることができないという問題があつたものであ
る。

発明の目的 したがつて、この発明は、前記従来の問題を解
決し、印刷機のインキ調整ローラの回転ぶれに関
係なく、インキ量調整部材とインキ供給ローラ間
の間〓を一定に維持し、インキ供給ローラの外周
面のインキ量を正確に調整することを目的として
なされたものである。

発明の構成 この発明によれば、インキ供給ローラ４の外周
面のインキ量を調整するインキ量調整部材８をそ
の取付ブロツク６に取り付け、前記インキ量調整
部材８のエツジを前記インキ供給ローラ４の外周
面に一定間〓を置いて対向させ、前記インキ量調
整部材８のエツジによつて前記インキ供給ローラ
４の外周面のインキ量を調整するようにした装置
において、前記取付ブロツク６を印刷機のフレー
ム２に対し前記インキ供給ローラ４の外周面に向
かつて移動可能に取り付け、前記取付ブロツク６
と前記印刷機のフレーム２間に設けた弾性部材１
６によつて前記取付ブロツク６を前記インキ供給
ローラ４の外周面と接触した状態に弾性保持する
ようにしたことを特徴とする印刷機のインキ供給
ローラのインキ量調整装置が提供される。

実施例の説明 以下、この発明の実施例を説明する。

この装置は印刷機のインキ供給ローラ４の外周
面のインキ量を調整するためのもので、複数のセ
グメントからなるインキ量調整部材８を有し、イ
ンキ供給ローラ４は印刷機のフレーム２に取り付
けられ、回転可能に案内され、インキ量調整部材
８はその取付ブロツク６に取り付けられている。
さらに、取付ブロツク６に一対の側板が設けら
れ、インキ供給ブレード５が取付ブロツク６の側
板間に配置され、各側板に取り付けらており、後
述するように、インキ供給ブレード５とインキ供
給ローラ４間に一定幅のインキ供給口７が形成さ
れる。

取付ブロツク６は印刷機のフレーム２に取り付
けられ、インキ供給ローラ４の外周面に向かつて
移動可能に案内されている。この実施例では、イ
ンキ供給ローラ４と平行にのびる支軸９が印刷機
のフレーム２に設けられ、取付ブロツク６の取付
部６ａがその支軸９に取り付けられており、取付
ブロツク６を支軸９のまわりに回動させ、インキ
供給ローラ４の外周面に向かつて移動させること
ができる。

また、取付ブロツク６の側板に湾曲部１２が形
成されており、取付ブロツク６をインキ供給ロー
ラ４の外周面に向かつて移動させたとき、この湾
曲部１２がインキ供給ローラ４の外周面と接触す
る。湾曲部１２がインキ供給ローラ４の外周面と
接触すると、取付ブロツク６はそれ以上移動しな
い。したがつて、湾曲部１２は取付ブロツク６の
ストツパ１０であるということもできる。湾曲部
１２はスチールまたはクロムなどの材料からな
り、インキ供給ローラ４の外周面と対応する曲率
をもつ。したがつて、湾曲部１２全体をインキ供
給ローラ４の外周面と接触させることができる。
また、この実施例では、湾曲部１２の上端１４が
鋭角をもつて屈曲しており、インキ供給ローラ４
が第３図の反時計方向に回転するとき、湾曲部１
２の位置において、その上端１４によつてインキ
供給ローラ４の外周面のインキ層が取り除かれ、
湾曲部１２とインキ供給ローラ４間にインキ層は
形成されない。

さらに、弾性部材１６が取付ブロツク６と印刷
機のフレーム２間に設けられており、弾性部材１
６によつて取付ブロツク６を弾性付勢し、これを
インキ供給ローラ４の外周面と接触した状態に弾
性付勢することができる。弾性部材１６は支軸９
と平行にのびるトーシヨンバー１６からなり、ト
ーシヨンバー１６は取付ブロツク６に取り付けら
れ、回転可能に案内されている。さらに、トーシ
ヨンバー１６の両端の位置において、第１および
第２レバー１８，２４がトーシヨンバー１６と直
角の面内に配置され、キー２０によつて第１レバ
ー１８の一端とトーシヨンバー１６が固定されて
いる。また、トーシヨンバー１６と平行にのびる
支ピン２６が印刷機のフレーム２に設けられ、第
２レバー２４の一端がその支ピン２６に取り付け
られ、回動可能に案内されている。そして、連結
ピン２２によつて各レバー１８，２４の他端が連
結されており、レバー１８，２４は連結ピン２２
のまわりを回動し、屈伸することができる。

トーシヨンバー１６はそれに固定されたウオー
ムホイール２８を有し、ウオームホイール２８は
トーシヨンバー１６の両端間に配置されている。
したがつて、第１レバー１８から一定距離離れた
位置において、ウオームホイール２８がトーシヨ
ンバー１６に設けられているものである。そし
て、ウオーム３０およびハンドル３６がシヤフト
３２に設けられ、このシヤフト３２が取付ブロツ
ク６に取り付けられ、ベアリング３４に支持さ
れ、回転可能に案内されており、シヤフト３２の
ウオーム３０がウオームホイール２８とかみ合わ
されている。

この他、トーシヨンバー１６の支持部材４４が
取付ブロツク６に設けられ、トーシヨンバー１６
はそれに固定されたリング４２を有し、支持部材
４４に支持され、回転可能に案内されている。さ
らに、トーシヨンバー１６のまわりにトーシヨン
スプリング４０が設けられ、その両端がリング４
２および支持部材４４に係合されている。したが
つて、トーシヨンスプリング４０のねじり弾性を
トーシヨンバー１６およびウオームホイール２８
に作用させ、これによつてウオームホイール２８
とウオーム３０のバツクラツシユを除去すること
ができる。

したがつて、この装置において、ハンドル３６
によつてシヤフト３２を回転させると、ウオーム
３０およびウオームホイール２８によつてそのト
ルクが伝達され、トーシヨンバー１６が第１レバ
ー１８と一体的に回転する。そして、トーシヨン
バー１６および第１レバー１８が第２図の反時計
方向に回転すると、第２レバー２４がそれに追随
し、支ピン２６のまわりを回動する。したがつ
て、第１および第２レバー１８，２４が連結ピン
２２のまわりを回動し、屈曲し、トーシヨンバー
１６と支ピン２６間の距離が減少し、第１および
第２レバー１８，２４によつて取付ブロツク６が
持ち上げられる。取付ブロツク６は支軸９のまわ
りを回動し、インキ供給ローラ４の外周面に向か
つて移動する。したがつて、第３図に示すよう
に、取付ブロツク６の湾曲部１２がインキ供給ロ
ーラ４の外周面と接触し、インキ供給ブレード５
とインキ供給ローラ４間に一定幅のインキ供給口
７が形成される。そして、インキ量調整部材８の
エツジがインキ供給ローラ４の外周面に一定間〓
を置いて対向する。

さらに、取付ブロツク６とインキ供給ローラ４
の接触後、ハンドル３６およびシヤフト２２に適
当量のトルクを加えると、ウオーム３０およびウ
オームホイール２８によつてそのトルクが伝達さ
れ、ウオームホイール２８と第１レバー１８間に
おいて、トーシヨンバー１６に適当量のねじりモ
ーメントが加えられる。したがつて、トーシヨン
バー１６のねじり弾性が第１および第２レバー１
８，２４および取付ブロツク６に作用し、トーシ
ヨンバー１６によつて取付ブロツク６が弾性付勢
され、その湾曲部１２がインキ供給ローラ４の外
周面に押し付けられ、取付ブロツク６はインキ供
給ローラ４と接触した状態に弾性保持される。

したがつて、その後、インキをインキ供給ブレ
ード５とインキ供給ローラ４間のインキ供給口７
に導入し、インキ供給ローラ４を第３図の反時計
方向に回転させると、インキ供給口７のインキが
インキ供給ローラ４の外周面に付着し、インキ量
調整部材８のエツジによつてインキ供給ローラ４
の外周面のインキ量が調整される。さらに、この
装置の場合、トーシヨンバー１６によつて取付ブ
ロツク６が弾性付勢され、取付ブロツク６はイン
キ供給ローラ４の外周面と接触した状態に弾性保
持されているのは前述したとおりである。したが
つて、インキ供給ローラ４の回転ぶれが生じる
と、取付ブロツク６およびインキ量調整部材８が
その回転ぶれに追随し、支軸９のまわりを回動
し、これによつてインキ供給ローラ４の回転ぶれ
が吸収される。したがつて、インキ供給ローラ４
の回転ぶれに関係なく、インキ量調整部材８とイ
ンキ供給ローラ４間の間〓を一定に維持すること
ができ、インキ供給ローラ４の外周面のインキ量
を正確に調整することができる。

なお、この装置において、反対に、ハンドル３
６およびシヤフト３２を逆方向に回転させると、
トーシヨンバー１６および第１レバー１８が逆方
向に回転し、これによつて第１および第２レバー
１８，２４が伸長し、トーシヨンバー１６と支ピ
ン２６間の距離が増大する。したがつて、取付ブ
ロツク６を支軸９のまわりに回動させ、第２図の
位置に移動させ、インキ供給ローラ４の外周面か
ら後退させることができる。

発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、イン
キ調整部材８の取付ブロツク６が印刷機のフレー
ム２に対しインキ供給ローラ４の外周面に向かつ
て移動可能に取り付けられ、インキ供給ローラ４
の外周面と接触した状態に弾性保持される。した
がつて、インキ供給ローラ４の回転ぶれが生じて
も、それに関係なく、インキ量調整部材８とイン
キ供給ローラ４間の間〓を一定に維持することが
できる。したがつて、インキ供給ローラ４の外周
面のインキ量を正確に調整することができ、所期
の目的を達成することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示す第２図の１−
１線正面図、第２図は第１図の取付ブロツクをイ
ンキ供給ローラの外周面から離した状態を示す第
１図の２−２線側面図、第３図は第２図の取付ブ
ロツクをインキ供給ローラの外周面に接触させた
状態を示す第１図の３−３線側面図である。 ２……フレーム、４……インキ供給ローラ、６
……取付ブロツク、８……インキ量調整部材、１
６………トーシヨンバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インキ供給ローラ４の外周面のインキ量を調
   整するインキ量調整部材８をその取付ブロツク６
   に取り付け、前記インキ量調整部材８のエツジを
   前記インキ供給ローラ４の外周面に一定間〓を置
   いて対向させ、前記インキ量調整部材８のエツジ
   によつて前記インキ供給ローラ４の外周面のイン
   キ量を調整するようにした装置において、前記取
   付ブロツク６を印刷機のフレーム２に対し前記イ
   ンキ供給ローラ４の外周面に向かつて移動可能に
   取り付け、前記取付ブロツク６と前記印刷機のフ
   レーム２間に設けた弾性部材１６によつて前記取
   付ブロツク６を前記インキ供給ローラ４の外周面
   と接触した状態に弾性保持するようにしたことを
   特徴とする印刷機のインキ供給ローラのインキ量
   調整装置。 ２ 前記取付ブロツク６は前記インキ供給ローラ
   ４の外周面と対応する曲率の湾曲部１２を有し、
   この湾曲部１２を前記インキ供給ローラ４の外周
   面と接触させるようにしたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項に記載のインキ量調整装置。 ３ 前記取付ブロツク６が前記印刷機のフレーム
   ２に設けられた支軸９のまわりに回動可能に取り
   付けられ、前記弾性部材１６は前記支軸９と平行
   にのびるトーシヨンバー１６からなり、前記トー
   シヨンバー１６が前記取付ブロツク６に回転可能
   に取り付けられ、第１および第２レバー１８，２
   ４が前記トーシヨンバー１６と直角の面内に配置
   され、前記第１レバー１８の一端が前記トーシヨ
   ンバー１６に固定され、前記第２レバー２４の一
   端が前記印刷機のフレーム２に設けられた支ピン
   ２６のまわりに回動可能に取り付けられ、連結ピ
   ン２２によつて前記各レバー１８，２４の他端が
   屈伸可能に連結されており、前記第１レバー１８
   から一定距離離れた位置において、ウオームホイ
   ール２８が前記トーシヨンバー１６に設けられ、
   ウオーム３０を有するシヤフト３２が前記取付ブ
   ロツク６に回転可能に取り付けられ、前記ウオー
   ム３０が前記ウオームホイール２８とかみ合わさ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第２項
   に記載のインキ量調整装置。