JPH0231456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、トツププレートとベースチエーンと
を合成樹脂で形成すると共に、ベースチエーンの
オフセツトリンクの連結ピンを利用してトツププ
レートとベースチエーンを分解、組立可能に連結
し、トツププレートとチエーン連結ピンとの相対
的回動を防止することによつて、取扱いに優れ、
搬送物を水平曲線経路において安定して搬送する
ことのできるテーブルトツプチエーンに関するも
のである。

(ロ) 従来技術及びその問題点 従来、搬送物を水平曲線経路に沿つて搬送する
テーブルトツプチエーンとしては、第５〜６図に
示すような搬送物を載せる三日月形トツププレー
トＴとこれに溶接Ｗまたはリベツトでかしめるこ
とによつて取付けたベースチエーンＣとで構成さ
れた金属製テーブルトツプチエーンが用いられて
いる。

しかしながら、このような従来の金属製テーブ
ルトツプチエーンにおいては、材質がスチール又
はステンレスなのでチエーン重量が大であり、チ
エーン駆動力も大にしなければならないばかりで
なく、チエーンの金属性騒音が発生し、作業環境
を悪化させる欠点を有すると共に、トツププレー
トＴの載荷面が摩耗、損傷した時、トツププレー
トＴとベースチエーンＣとが溶接またはリベツト
で一体に構成されているので、トツププレートＴ
のみ交換することができず、テーブルトツプチエ
ーン全体を取換えねばならないという欠点を有
し、更に搬送物を載置したトツププレートが水平
屈曲搬送時にテーブルトツプチエーンの連結ピン
を中心に回動することによつて、安定した搬送が
できないという欠点を有していた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案が解決しようとする問題点、即ち本考案
の目的は、従来技術の欠点を解消するものであつ
て、チエーン重量を軽量化してチエーン駆動力を
節減し、また騒音の発生を抑止し、更に摩損の著
しいトツププレートのみをチエーンより取外して
交換することができると共に、水平曲線搬送時に
おけるトツププレートの連結ピンに対する回動を
防止して安定した搬送をなし得ることのできる水
平循環可能なテーブルトツプチエーンを提供する
ものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、前記(ハ)の如き目的を達成するために
次の如き構造を有するものである。即ち本考案
は、オフセツトリンクの端部を順次重ね合せて連
結ピンで連結してなる合成樹脂製ベースチエーン
の該オフセツトリンクの周端部の１つを合成樹脂
製三日月形トツププレートの底面に突設した突起
状係止部に係止すると共に、合成樹脂製三日月形
トツププレートを前記連結ピンでオフセツトリン
クに取付けたことを特徴とするものである。

なお、連結ピンとしては、皿状の頭部と該頭部
より径の小さい段状部と該段状部より径の小さい
軸部とから構成されると共に、前記段状部にはロ
ーレツト加工が施されているものを採用するのが
好ましい。

(ホ) 本考案の作用 本考案は、上述した構成を有しているので、以
下の如き作用を有する。

ａ 合成樹脂製ベースチエーンと合成樹脂製三日
月形トツププレートとを連結ピンを介して連結
してテーブルトツプチエーンを構成したことに
よつて、搬送路案内部材との接触においてテー
ブルトツプチエーンの素材である合成樹脂が自
己潤滑性を発揮して搬送抵抗を軽減させる作用
を有するばかりでなく、合成樹脂製三日月形ト
ツププレート自体が搬送物の転倒等の衝撃に対
して緩衝作用を発揮する。

ｂ オフセツトリンクの周端部の１つを合成樹脂
製三日月形トツププレートの底面に突設した馬
蹄形等の突起状係止部に係止したことによつ
て、水平曲線経路を循環する場合等における合
成樹脂製三日月形トツププレートの連結ピンに
対する回動を抑制する作用を有する。

ｃ 合成樹脂製トツププレートの形状を三日月形
にしたことによつて、水平曲線搬送路において
前後に連結配置される合成樹脂トツププレート
相互の干渉を防止して水平屈曲が容易になると
共に平坦な載置面を維持し得る作用を有する。

(ヘ) 実施例 第１〜４図は、本考案の水平循環可能なテーブ
ルトツプチエーンの一実施例を示したものであつ
て、第１図は要部平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ
線の正面断面図、第３図は第１図の底面図、第４
図は本実施例で用いた連結ピンの拡大正面図であ
る。

まず、第１〜３図に示す如き水平循環可能なテ
ーブルトツプチエーンの合成樹脂製トツププレー
ト１は、搬送物を載置する面を三日月形に形成す
ると共に、該合成樹脂製トツププレート１の底面
に馬蹄形の突起状係止部２を一体に形成する。次
に、多数の合成樹脂製オフセツトリンク３の外側
に位置する端部に挿脱可能に圧入した連結ピン４
で内側に位置する端部を回動自在に遊挿連結して
合成樹脂製ベースチエーン５を形成する。そし
て、前記三日月形トツププレート１を前記ベース
チエーン５の連結ピン４によつてオフセツトリン
ク３の外側に位置する端部の１つの周縁をトツプ
プレート底面の前記馬蹄形の突起状係止部２に係
止して取付ける。ここで、連結ピン４は、第４図
に示す如く、皿状の頭部６と該頭部６より小径で
リンクとの回動を抑止するためローレツト加工し
た段状部７と該段状部７より小径でリンクの回動
を自在にする軸部８からなるものを用いる。した
がつて、該連結ピン４を嵌合する三日月形トツプ
プレート１の取付孔９は、第２図に示す如く段状
の孔断面を有しており、連結ピン４の脱落を防止
することができるようになつている。また、オフ
セツトリンク３における連結ピン４の取付けはト
ツププレート取付け側のピン挿通孔１０をピンの
段状部７の径に略々等しくし、反対側のピン挿通
孔１１をピンの軸部８と略々同径にするとピンの
挿通が容易となり、トツププレートの交換が容易
となる。

かくして、得得られた本考案の実施例の水平循
環可能なテーブルトツプチエーンは、搬送騒音と
チエーン駆動力とを少なくすることができたばか
りでなく、チエーンの交換修理に際しても極めて
取扱い易く、安定した水平屈曲搬送をなし得るこ
とができるものであつた。

(ト) 本考案の効果 本考案は、上述した構成及び作用を有している
ので、次の如き効果を奏する。

三日月形トツププレート、オフセツトリンク
が共に合成樹脂からなるため、合成樹脂固有の
自己潤滑性により搬送時に騒音の少ない静かな
運転ができるばかりでなく、水平循環搬送路上
において搬送物が三日月形トツププレート上で
転倒した際にもその損傷を少なくすることがで
き、しかも、テーブルトツププレート全体が軽
量であるから、その駆動に用いる動力費が安価
であると共に、腐蝕しがちな搬送雰囲気中にお
いてもテーブルトツプチエーン全体が優れた耐
蝕性を有している。

合成樹脂製三日月形トツププレートと合成樹
脂製ベースチエーンが連結ピンを介して装脱可
能に取付けられているため、合成樹脂製三日月
形トツププレートの摩耗による修理交換時に
は、合成樹脂製三日月形トツププレートのみを
容易に取り替えることができるので、経済的で
ある。

合成樹脂製トツププレートの形状が三日月形
であるため、水平屈曲循環搬送路においても合
成樹脂製トツププレート相互が搬送軌跡の内側
で干渉することがなく、円滑に屈曲し、搬送物
を安定して搬送することがができる。

オフセツトリンクの周端部の１つを合成樹脂
製三日月形トツププレートの底面に突設した突
起状係止部に係止したことによつて、水平屈曲
循環経路の搬送時等において合成樹脂製三日月
形トツププレートの連結ピンに対する回動を防
止することができるので、テーブルトツプチエ
ーン全体の横揺れ振動を抑制して安定した搬送
を確保することができる。

以上のように、本考案の水平屈曲搬送可能な
テーブルトツプチエーンは、チエーン重量を軽
量化してチエーン駆動力を節減し、また搬送時
の騒音の発生を抑止し、更に摩損の著しいトツ
ププレートのみをチエーンより取外して交換す
ることができると共に、水平屈曲搬送時におけ
るトツププレートの連結ピンに対する回動を防
止して安定した搬送となし得ることができ、そ
の実用的効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は、本考案の曲線搬送可能なテーブ
ルトツプチエーンの一実施例を示したものであつ
て、第１図はその上面図、第２図は第１図Ａ−Ａ
線の側断面図、第３図は下面図、第４図は本実施
例で用いた連結ピンを拡大した側断面図であつ
て、第５〜６図は従来例を示したものであつて、
第５図は側面図、第６図は下面図である。 １……三日月形トツププレート、２……突起状
係止部、３……オフセツトリンク、４……連結ピ
ン、５……ベースチエーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オフセツトリンクの外側に位置する端部に挿脱
   可能に圧入した連結ピンで内側に位置する端部を
   回動自在に遊挿連結してなる合成樹脂製ベースチ
   エーンのオフセツトリンクの外側に位置する端部
   の１つの周縁を合成樹脂製三日月トツププレート
   の底面に突設した突起状係止部に係止すると共
   に、合成樹脂製三日月形トツプリンクプレートを
   前記連結ピンでオフセツトリンクに取付けてなる
   ことを特徴とする水平循環可能なテーブルトツプ
   チエーン。