JPH0231322Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、ラゲージフロアとともにリアシート
の背面に設けられる車両用ラゲージカーペツトに
関する。

《従来の技術》 この種のラゲージカーペツトは、一般に客室用
より安価な材質のものが使用され、第５図に示す
如くラゲージカーペツト１とともにリアシート２
のシートバツク３背面にも敷設されてクリツプ、
両面接着テープ等により適宜に取付けられてい
る。このようにラゲージカーペツト４をシートバ
ツク３の背面に設けることにより、例えばシート
バツク３を最前傾してシートバツク３の背面にも
荷物等を載せる場合などにラゲージルーム側との
一体感が得られることとなる。

ところで、前記リアシート２は、通常、ラゲー
ジフロア１の両側部に突出されたホイールハウス
５に対応して、シートバツク３およびシートクツ
シヨン６の側部に切欠部３ａ，６ａが夫々設けら
れており、ホイールハウス５に邪魔されることな
くラゲージフロア１上に配置される。またシート
バツク２が前傾可能な場合には、前記切欠部３を
ホイールハウス５よりも充分に大きく設定するこ
とによつて、前傾操作したときにシートバツク３
がホイールハウス５の前端部にぶつからないよう
になつている。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、このようにシートバツク３に切
欠部３ａを設けると、シートバツク３の起立状態
で切欠部３ａとホイールハウス５との間に隙間Ｔ
が形成され、この隙間Ｔを介して客室側とラゲー
ジルーム側との通気が良好となつて、冷房や暖房
の効率が悪くなるという問題がある。また前記隙
間Ｔからラゲージルーム内が見えてしまい、見栄
えの悪いものとなつている。

本考案は、上記事情に鑑みなされたもので、前
述のような隙間をシートバツクの前傾操作を阻害
することなく塞ぐことができるラゲージカーペツ
トを提供することを目的とする。

《問題点を解決するための手段》 すなわち、本考案は、ホイールハウスに対応し
て切欠部が設けられたリアシートのシートバツク
背面に設けられるラゲージカーペツトであつて、
前記ラゲージカーペツトは、前記シートバツクの
切欠部とホイールハウスとの間に形成される隙間
を塞ぐ二重カーペツト部からなる延出部が設けら
れるとともに、この延出部に前記シートバツクの
切欠部側縁に沿つてスリツトを設けてシートバツ
クの前傾に追随して延出部を折曲可能としたこと
を特徴とする。

《作用》 前記シートバツクに設けられた切欠部とホイー
ルハウスとの間に形成される隙間は二重カーペツ
トの延出部により塞がれ、かつこの延出部はシー
トバツクの切欠部側縁に沿つて設けられたスリツ
トによつてシートバツクの前傾操作を阻害するこ
となく適宜に折曲される。

《実施例》 以下、本考案の実施例を第１図ないし第４図に
より詳細に説明する。

第１図は本考案に係る車両用ラゲージカーペツ
トをラゲージルームに取付けた状態を示す部分斜
視図である。図において、車両用ラゲージルーム
には、ラゲーシーフロア１０の左右側部にホイー
ルハウス２０が突設され、このホイールハウス２
０の前端側部間にリアシート３０が配置されてラ
ゲージルームの前方を仕切り、かつラゲージフロ
ア１０およびリアシート３０のシートバツク３１
背面に一体のラゲージカーペツト４０が複数のク
リツプ７０等によつて取付けられている。

前記リアシート３０は、従来と同様にシートバ
ツク３１およびシートクツシヨン３２の両側部に
ホイールハウス２０と対応する切欠部３１ａ，３
２ａが夫々形成されるとともに、シートバツク３
１の切欠部３１ａをホイールハウス２０に対し充
分に大きく設定することにより、シートバツク３
１を前傾したときにシートバツク３１がホイール
ハウス２０の前端部にぶつからないようになつて
いる。

また、前記ラゲージカーペツト４０はマツトを
含む広義のものを意味し、周知材質のものから価
格等を考慮して選定される。このラゲージカーペ
ツト４０は、ラゲージフロア１０上を覆うフロア
カーペツト部４１とシートバツク３１の背面を覆
うシートカーペツト部４２とのコーナ部４３を多
少たるませることで、シートバツク３１の前傾が
阻止されないようになつているが、例えば前記コ
ーナ部４３をヒンジ構造に構成してもよい。前記
シートカーペツト部４２は、第２図に示す如く概
略シートバツク３１の背面形状にトリミングされ
るとともに、周囲にオーバロツク加工が施されて
いる。またシートカーペツト部４２の両側下部に
は、ホイールハウス２０に対向して突出した延出
部４４が一体に設けられている。この延出部４４
は、カーペツト４０の裏面に別体のカーペツト５
０の裏面を重ねた二重カーペツト部４５の一部と
して設けられ（第３図参照）、かつ延出部４４に
よつてホイールハウス３０と前記切欠部３１ａと
の間に形成される隙間を塞ぐ大きさに設定されて
いる。また延出部４４は二重カーペツト部４５に
あつて前記切欠部３１ａの側縁に沿つて設けられ
たスリツト４４ａにより二重カーペツト部４５か
ら側部が区分されて、シートバツク３１の前傾に
追随して延出部４４がその先端をホイールハウス
２０の上部表面を覆いながら折曲される構造とな
つている。また二重カーペツト部４５により形成
される延出部４４は、切欠部３１ａとホイールハ
ウス３０との間に形成される隙間に折曲可能に垂
下がつていても先端がまるまつて変形したりする
ことがない。

前記二重カーペツト部４５を設ける場合には、
第３図に示す如くラゲージカーペツト４０に別体
のカーペツト５０を重ねて両外囲部をオーバロツ
ク加工６０により同時に接合してもよく、また第
４図に示す如くラゲージカーペツト４０と別体の
カーペツト５０の外周囲をそれぞれ別個にオーバ
ロツク加工６１，６２した後、両者を重ねて両外
囲部をミシン加工８０等により縫着して接合して
もよい。また二重カーペツト部４５を構成する別
体のカーペツト５０としては、ラゲージカーペツ
ト４０と同質のものを用いてもよく、また異なる
カーペツトを用いることによりリアシートや客室
側との均衡を図つたり、あるいはコスト軽減を図
ることもできる。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、例えば前記二重カーペツト部４５を延出部
４４と同一大に設定したり、また二重カーペツト
部４５からなる延出部４４をラゲージカーペツト
４０と別個に形成しておき、ミシン縫い等により
ラゲージカーペツトに接合することにより設けて
も同一の効果が得られることは勿論である。

《考案の効果》 以上説明したように、本考案によれば、シート
バツクの切欠部とホイールハウスとの間に形成さ
れる隙間はラゲージカーペツトに設けられたスリ
ツトを有する延出部により、シートバツクの前傾
操作を阻止することなく塞がれる。これによつて
客室側からラゲージルーム側に空気等が流れるこ
とがなくなつて客室側の冷・暖房効率を大きく向
上できる。また前記延出部は二重カーペツトによ
り形成されているので、客室側からラゲージルー
ム側が見えなくなるばかりでなく客室側およびラ
ゲージルーム側からの見栄えも良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ラゲージカーペツ
トを示す部分斜視図、第２図は同ラゲージカーペ
ツトの部分平面図、第３図は第２図の−線断
面図、第４図は二重カーペツト部の他の接合例を
示す断面図、第５図は従来例として示す車両用ラ
ゲージカーペツトの部分斜視図である。 １０……ラゲージフロア、２０……ホイールハ
ウス、３０……リアシート、３１……シートバツ
ク、４０……ラゲージカーペツト、４４……延出
部、４５……二重カーペツト部、４４ａ……スリ
ツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイールハウスに対応して切欠部が設けられた
   リアシートのシートバツク背面に設けられるラゲ
   ージカーペツトであつて、前記ラゲージカーペツ
   トは、前記シートバツクの切欠部とホイールハウ
   スとの間に形成される隙間を塞さぐ二重カーペツ
   トからなる延出部が設けられるとともに、この延
   出部に前記シートバツクの切欠部側縁に沿つてス
   リツトを設けてシートバツクの前傾に追随して延
   出部を折曲可能としたことを特徴とする車両用ラ
   ゲージカーペツト。