JPH0230984A - 水力機械のガイドベーン開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は水車又はポンプ水車等の水力機械のガイドベー
ン開閉装置に係り、特にガイドベーン開閉動作中の安全
緩衝機能を有する水力機械のガイドベーン開閉装置に関
する。

（従来の技術） 水車またはポンプ水車等の水力機械は、一般に流水の流
量及びその流れの向きを制御するために複数枚のガイド
ベーンを具備する。これらのガイドベーンは流量及び流
れ方向の制御のためにガイドベーン開閉装置によって開
閉駆動される。第６図及び第７図は、実開昭５３−７２
０３４号、特開昭５５−１１９９７２号及び実公昭５８
−３６８５９号に開示された水力機械のガイドベーン開
閉装置を示したもので、ガイドベーン１にはキー機構２
によりガイドベーンアーム３が回転に対して一体に取付
けられている。このガイドベーンアーム３には弱点ピン
４を介してガイドベーンアームレバー５が連結され、こ
のガイドベーンアームレバー５はリンクピン６を介して
ガイドベーンリンク７が連結されている。

図示を省略したサーボモータは、ガイドベーンリンク７
とリンクピン６とガイドベーンアームレバー５と弱点ピ
ン４とガイドベーンアーム３とを介してガイドベーン１
を開閉駆動する。この駆動の際にいずれかのガイドベー
ン１に異物が挟まったりすると、このガイドベーンに過
大な駆動力が作用しガイドベーン開閉機構を変形又は破
損するおそれがある。そこで、過大な駆動力が作用した
場合には弱点ピン４が破断してガイドベーン１と開閉機
構との連結を断ち上記変形・破損を防止する。ところが
、この弱点ビン４の破断によりガイドベーン１がガイド
ベーン開閉機構から離脱されると、このガイドベーン１
はこれに作用する水圧不均衡モーメントのため激しく揺
動し隣接するガイドベーン１やガイドベーンアーム３等
に衝突し損傷するおそれがある。これを防ぐためにガイ
ドベーンアームレバー５に嵌合した補助アームレバー８
と輪帯状の摩擦式トルク伝達装置９とが設けられている
。摩擦式トルク伝達装置９は、補助アームレバー８とガ
イドベーン１とを摩擦結合し、その摩擦伝達トルク限界
が上記サーボモータ駆動力°よりも小さくかつ上記水圧
不均衡モーメントよりも大きく定められている。従って
、摩擦式トルク伝達装置９は、上記異物介在時の過大な
駆動力に対しては摩擦面９ａで滑り、他方弱点ピン４の
破断後は水圧不均衡モーメントをガイドベーン開閉機構
に伝達しガイドベーンｌの揺動を防止する。

（発明が解決しようとする課題） ところが、従来の摩擦式トルク伝達装置９は、第８図に
示したように伝達トルク限界値Ｔが実線で示した設定値
に対し±４０％も変動し一点鎖線と二点鎖線とで示した
範囲になってしまう。このように大きな変動があると、
滑り出し時の伝達トルク限界値Ｔが一点鎖線のようにガ
イドベーン駆動力即ち、操作力によるトルクＡを大きく
越えてしまうことがあり、過大な操作力をもガイドベー
ン１に伝達しガイドベーンの変形・損傷を招く。

逆に二点鎖線のように水圧不均衡モーメントＢより小さ
くなるとこのモーメントをガイドベーン開閉機構に伝達
できなくなりガイドベーンの損傷を招いてしまう。

また、伝達トルク限界値Ｔは摩擦式トルク伝達装置９の
滑出し時に非常に大きく、滑出した後は半減してしまう
。このように滑出す時と滑出した後とで伝達トルク限界
値Ｔが大きく変化すると、滑出す時の伝達トルク限界値
Ｔと滑出した後の伝達トルク限界値Ｔとをガイドベーン
操作力と水圧不均衡モーメントとの間に収めることが非
常に困難になる。

そこで、本発明の目的は摩擦式トルク伝達装置のトルク
限界値の変動範囲を小さくすると共に、滑出し時と滑り
中との各トルク限界値の差を小さくして摩擦力性能を安
定化した水力機械のガイドベーン開閉機構を提供するこ
とにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上述の±４０％に達する伝達トルク限界値Ｔの大きな変
動及び滑出し時と滑り中との各トルク限界値の大きな差
が発生する原因は、第９図に示したように摩擦式トルク
伝達装置の摩擦面９ａとこれに接触するガイドベーン側
の表面１０とが共に同一方向、即ち軸の周方向に旋削加
工によって仕上げられているためであることが判明した
。詳述すると、摩擦式トルク伝達装置の摩擦面９ａとガ
イドベーン側の表面１０は、表面の仕上げ方向が同一で
あるので、ガイドベーン１に対する摩擦式トルク伝達装
置９の取付は具合に応じて接触面積が大きくなったり小
さくなったりし、これにより上述の伝達トルク限界値Ｔ
の大きな変動及びトルク限界値の大きな差が発生するこ
とが判明した。

そこで、請求項１に記載した発明は、通常はガイドベー
ン駆動源とガイドベーンとを連結し上記駆動源からの通
常の駆動力を上記ガイドベーンに伝えて上記ガイドベー
ンを開閉させ、異常時に生ずる過大な駆動力に対しては
破断して上記連結を断つ弱点部材と、上記通常の駆動力
よりも充分小さい駆動力に対しては上記ガイドベーンと
上記駆動源とを摩擦連結し上記通常の駆動力に対しては
滑りを生ずる摩擦式トルク伝達機構とを具備する水力機
械のガイドベーン開閉装置において、上記摩擦式トルク
伝達機構の摩擦面に接触するガイドベーン側表面の表面
仕上げ方向を所定の方向に定め、上記摩擦式トルク伝達
機構の摩擦面を、無方向性の仕上げ面とするかまたは表
面仕上げ方向が上記所定方向と大きく異なった仕上げ面
とすることを特徴とするものである。

請求項２に記載した発明は、通常はガイドベーン駆動源
とガイドベーンとを連結し上記駆動源からの通常の駆動
力を上記ガイドベーンに伝えて上記ガイドベーンを開閉
させ、異常時に生ずる過大な駆動力に対しては上記連結
を断つ伝達機構を具備する水力機械のガイドベーン開閉
装置において、上記伝達機構は、上記通常の駆動力に対
しては上記ガイドベーン駆動源と上記ガイドベーンとを
摩擦連結すると共に上記過大な駆動力に対しては滑りに
より上記連結を断つ摩擦式トルク伝達機構を含み、この
摩擦式トルク伝達機構の摩擦面に接触するガイドベーン
側表面の表面仕上げ方向を所定の方向に定め、上記摩擦
式トルク伝達機構の摩擦面を、無方向性の仕上げ面とす
るかまたは表面仕上げ方向が上記所定方向と大きく異な
った仕上げ面とすることを特徴とするものである。

この請求項２に記載した発明にあっては、摩擦式トルク
伝達機構の摩擦面の接触圧を調整する調整手段を設置す
ることが望ましい。

また、請求項１及び２に記載した発明とも、上記ガイド
ベーン側表面の表面仕上げ方向を軸の周方向に定め、上
記摩擦式トルク伝達機構の摩擦面を、バレル仕上げ等に
よる無方向性の仕上げ面とするかまたは表面仕上げ方向
が軸方向である仕上げ面とすることが好ましい。

（作　用） 請求項１に記載した発明では、過大な駆動力により弱点
部材が破断すると、摩擦式トルク伝達機構が水圧不均衡
モーメントに対してはガイドベーンとガイドベーン開閉
装置とを連結して水圧不均衡モーメントに起因するガイ
ドベーンの揺動を特徴する 請求項２に記載した発明では、摩擦式トルク伝達機構が
上記通常の駆動力に対しては上記ガイドベーン駆動源と
上記ガイドベーンとを摩擦連結してガイドベーンを開閉
させ、過大な駆動力に対しては滑りにより上記連結を断
ってガイドベーンの変形や損傷を防止する。更に水圧不
均衡モーメントに対しては上記連結を保ちガイドベーン
の揺動を防止する。

また、請求項１及び２に記載した発明とも、摩擦式トル
ク伝達機構の摩擦面に接触するガイドベーン側表面の表
面仕上げ方向を所定の方向に定め、上記摩擦式トルク伝
達機構の摩擦面を無方向性の仕上げ面とするかまたは表
面仕上げ方向が上記所定方向と大きく異なった仕上げ面
としたので、上記摩擦面と上記ガイドベーン側表面との
接触状態がガイドベーンへの摩擦式トルク伝達機構の取
付は具合に無関係にほぼ一様となり、摩擦式トルク伝達
装置のトルク限界値の変動が小さくなると共に、滑出し
時と滑り中との各トルク限界値の差も小さくなる。

（実施例） 以下に、本発明による水力機械のガイドベーン開閉機構
の実施例を第６図乃至第９図と同部分には同一符号を付
して示した第１図乃至第５図を参照して説明する。

第１図において、摩擦式トルク伝達装置の摩擦面１１は
研削等により軸方向に仕上げられ、この摩擦面１１に接
触するガイドベーン側の接触表面１２は旋削等により軸
の周方向に仕上げられている。このように摩擦面１１接
触表面１２とは表面仕上げ方向が互いに９０°ずれてい
る。その他の構成は第６図及び第７図と同一である。

このように摩擦面１１と接触表面１２との表面仕上げ方
向が互いに大きくずれているので、ガイドベーンに対し
て摩擦式トルク伝達装置がどのように取付けられても摩
擦式トルク伝達装置の摩擦面１１とガイドベーン接触表
面１２との接触状態は常に一様となる。従って、この摩
擦式トルク伝達装置の伝達トルクＴは第２図に示したよ
うに滑り中のトルク限界値が滑出し時のトルク限界値の
約８５％〜９５％となり、両者の差が非常に小さくなる
。またトルク限界値Ｔの変動も設定値の±１０％〜１５
％と、非常に小さくなる。これにより、摩擦式トルク伝
達装置の伝達トルク限界Ｔを容易にサーボ操作力による
トルクＡと水力不平衡モーメントＢとの間に収めること
ができる。

第３図は上記実施例の変形例を示したもので、摩擦式ト
ルク伝達装置の摩擦面１１はバレル仕上げ等により無方
向性の表面仕上げとし、ガイドベーン接触表面１２は上
述と同様に軸の周方向に旋削等により仕上げられている
。

なお、トルク限界値Ｔの変動は表面仕上げの仕上粗さに
も依存している。摩擦式トルク伝達装置の摩擦面１１を
中心線平均粗さＲａで３，２ａ以上とし、ガイドベーン
接触表面１２を６，３ａ以上の滑らかな粗さにすると、
トルク限界値Ｔの変動は更に小さくでき±１（−）％以
下とすることができる。

第４図及び第５図は第２の実施例を示したもので、ガイ
ドベーン１にはガイドベーンアーム３が回転可能に取付
けられている。従ってガイドベーン１とガイドベーンア
ーム３との間には両者を回転に対して一体化するキー機
構は設けられていない。このガイドベーン１の先端の小
径部１ａとガイドベーンアーム３との間には輪帯状の摩
擦式トルク伝達装置１３が設置されている。この摩擦式
トルク伝達装置１３は、第５図に明示したように外周が
テーパ状をした内輪１４と、内周がテーパ状をした外輪
１５と、この両者の間に介在した、全体としてプルコー
ン形の一対の調節部材１６と、これらの調節部材１６を
締付けて摩擦力を調整するボルト１７とから構成されて
いる。内輪１４は内周面がバレル仕上げ等による無方向
性の表面仕上げであり、ガイドベーン小径部１ａの周面
ば軸周方向に旋削等で仕上げられている。即ち、内輪１
４の表面仕上げとこれに接触するガイドベーン表面の仕
上げは第３図に示した関係と同一である。

もちろん内輪１４の内周の表面仕上げはバレル仕上げ等
の無方向性の表面仕上げに限らず、第１図に示したよう
に研削等で軸方向への仕上げでもよい。

なお、この摩擦式トルク伝達装置１３は外輪１５側の接
触面が内輪１４の接触面よりも大きいので滑りは必ず内
輪１４側で起こる。従って、外輪１５側について考慮せ
ずに、内輪１４とガイドベーン１との表面仕上げの関係
を上述のように定めれば充分である。

第１実施例と同様にこの摩擦式トルク伝達装置９も摩擦
力性能が安定し′Ｃいるので、ボルト１７の締付は力の
調節によって伝達トルク限界値を十分な余裕をもって過
大な駆動力、即ち過大操作力と通常のガイドベーン操作
力との間に設定することができる。従って、弱点ビンを
設けることなく、通常の操作力によるガイドベーン１の
開閉駆動は摩擦式トルク伝達装置９を介して行い、過大
な操作力が発生した時には摩擦式トルク伝達装置９が滑
ってガイドベーンと開閉機構との連結を断ち、更に水圧
不平衡モーメントに対してはガイドベーンと開閉機構と
を連結させる。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように請求項１記載の発明によ
れば、摩擦式トルク伝達機構の摩擦面に接触するガイド
ベーン側表面の表面仕上げ方向を所定の定の方向に定め
、上記摩擦式トルク伝達機構の摩擦面を、無方向性の仕
上げ面とするかまたは表面仕上げ方向が上記所定方向と
大きく異なった仕上げ面としたので、摩擦式トルク伝達
装置のトルク限界値の変動が小さくできる共に、滑出し
時と滑り中との各トルク限界値の差も小さくでき、摩擦
性能を安定化することができる。

請求項２記載の発明によれば、上記効果に加えて更に弱
点ピンを省くことができ構成が非常に簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による水力機械のガイドベーン開閉機構
の第１実施例の摩擦式トルク伝達機構の摩擦面とこれに
接触するガイドベーンの接触表面との表面仕上げ状態を
示した説明図、第２図は本発明による摩擦力特性を示し
たグラフ図、第３図は上記実施例の変形例を示した説明
図、第４図及び第５図は本発明による水力機械のガイド
ベーン開閉機構の第２実施例を示した断面図、第６図及
び第７図は従来の水力機械のガイドベーン開閉機構を夫
々示した断面図と平面図、第８図は第６図の従来の水力
機械のガイドベーン開閉機構による摩擦力特性を示した
グラフ図、第９図は第６図の従来の水力機械のガイドベ
ーン開閉機構の摩擦式トルク伝達機構の摩擦面とこれに
接触するガイドベーンの接触表面との表面仕上げ状態を
示した説明図である。 １・・・ガイドベーン、９・・・摩擦式トルク伝達機構
、１１・・・摩擦式トルク伝達機構の摩擦面、１２・・
・ガイドベーン側の表面、１３・・・摩擦式トルク伝達
機構。 出願人代理人　　佐　　藤　　−雄 部　ｆ　画 塾　３　囚 す八′り量 名　２　図 第　４　図 第 図 某 図 名 回 芋 副

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、通常はガイドベーン駆動源とガイドベーンとを連結
   し上記駆動源からの通常の駆動力を上記ガイドベーンに
   伝えて上記ガイドベーンを開閉させ、異常時に生ずる過
   大な駆動力に対しては破断して上記連結を断つ弱点部材
   と、上記通常の駆動力よりも充分小さい駆動力に対して
   は上記ガイドベーンと上記駆動源とを摩擦連結し、上記
   通常の駆動力に対しては滑りを生ずる摩擦式トルク伝達
   機構とを具備する水力機械のガイドベーン開閉装置にお
   いて、上記摩擦式トルク伝達機構の摩擦面に接触するガ
   イドベーン側表面の表面仕上げ方向を所定の方向に定め
   、上記摩擦式トルク伝達機構の摩擦面を、無方向性の仕
   上げ面とするかまたは表面仕上げ方向が上記所定方向と
   大きく異なった仕上げ面とすることを特徴とする水力機
   械のガイドベーン開閉装置。 ２、通常はガイドベーン駆動源とガイドベーンとを連結
   し上記駆動源からの通常の駆動力を上記ガイドベーンに
   伝えて上記ガイドベーンを開閉させ、異常時に生ずる過
   大な駆動力に対しては上記連結を断つ伝達機構を具備す
   る水力機械のガイドベーン開閉装置において、上記伝達
   機構は、上記通常の駆動力に対しては上記ガイドベーン
   駆動源と上記ガイドベーンとを摩擦連結すると共に上記
   過大な駆動力に対しては滑りにより上記連結を断つ摩擦
   式トルク伝達機構を含み、この摩擦式トルク伝達機構の
   摩擦面に接触するガイドベーン側表面の表面仕上げ方向
   を所定の方向に定め、上記摩擦式トルク伝達機構の摩擦
   面を、無方向性の仕上げ面とするかまたは表面仕上げ方
   向が上記所定方向と大きく異なった仕上げ面とすること
   を特徴とする水力機械のガイドベーン開閉装置。