JPH0230654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、空気調和機（以下、「空調機」とい
う）に係り、特に、下吸込構造の天吊形空調機に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来の下吸込構造の天吊形空調機の例を第７図
および第８図に示す。

これらの図において、１は熱交換器、２はフア
ン、３はフイルタ、４は室内空気の吸込口、５は
処理空気の吹出口である。両構造はともに、吸込
口４から空気を吸込み、フイルタ３でろ過後、フ
アン２により熱交換器１に送り、熱交換させ、吹
出口５から処理空気を送り出す機能には、基本的
差異がない。

第７図従来例は、吸込口４をフアン２の後方下
面に配置してあるから、比較的薄くできる。一
方、第８図従来例は、吸込口４をフアン２の直下
に配置してあるので、奥行が短くなる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、第７図の例では、吸込口が後方
に位置することから、奥行が長くなつてしまい、
第８図の例では逆に、吸込口グリルとフイルタの
厚さだけ空調機が厚くなる欠点があつた。これで
は、より薄くより奥行が短くより軽くという要求
に合わず、コスト低減にも限界があつた。

そこで、本考案の目的は、従来のいずれの構造
よりも薄く奥行が短く軽くしかも低コストの天吊
形空調機を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、室内空
気吸込口を、従来のフアン後方やフアン直下に設
けていた構造に代えて、熱交換器とフアンとの間
の空間下面に設けた空調機を提案するものであ
る。

前記空間内には、室内空気吸込口からフアンへ
の流路とフアンから熱交換器への流路とを隔てる
中間ダクトを設けて、圧力損失を防ぎ、騒音を低
下させる。

〔作用〕

本考案においては、室内空気吸込口を熱交換器
とフアンとの間の空間下面に配置してあるから、
従来の如くフアンの後方に無駄な空間を作らなく
てもよく、空調機の奥行が小さくなる。また、フ
アンの直下に空気吸込口のグリルやフイルタを配
置したものと比較して厚さが薄くなり、フアンケ
ーシングとほぼ同程度まで減るので、小さく薄く
しかも軽い空調機が得られる。

ここで、吸込口を熱交換器とフアンとの間に配
置しただけでは、吸込部分の空気抵抗が大きくな
ることが考えられるので、本考案では、吸込口か
らフアンに至る風道を滑らかに形成するととも
に、フアンから熱交換器への風道も滑らかに拡が
らせる中間ダクトを配置して、空気圧力損失を防
ぎ、騒音を低下させるようにしてある。

〔実施例〕

次に、第１図〜第６図を参照して、本考案の実
施例を説明する。

第１図は本考案による空調機の一実施例を示す
側断面図、第２図は第１図実施例の−平断
面、第３図はその中間ダクトを示す斜視図であ
る。

本実施例が、第７図および第８図の従来例と異
なるのは、室内空気吸込口４をフアン２と熱交換
器１との間の空間下面に設け、前記空間に中間ダ
クト６を配置した点である。なお、７は左右のフ
アン２に共通なモータである。中間ダクト６は、
吸込口４からフアン２への空気とフアン２から熱
交換器１への空気とを隔て、かついずれも滑らか
に流れさせるために、第３図に示す形状を採用し
てある。すなわち、室内空気吸込口４から左右の
フアン２の吸込口までの天井を上へ凸の曲面に形
成するとともに、左右のフアン２間で更に上へ凸
の曲面を形成する一方、左右のフアン２の吹出口
から熱交換器１に向つては次第に大きく開口する
ようにしてある。このような形状の中間ダクト
は、樹脂の真空成形等の方法で成形すれば、比較
的大きな曲面でも容易に製造できる。

上記構造の本実施例においては、室内空気は吸
込口４から入り、フイルタ３通過後、第２図に白
抜矢印で示したように、中間ダクト６の外側を滑
らかに流れてフアン２に至り、中間ダクト６の内
側から熱交換器１に送られ、ここで熱交換し、吹
出口５から室内へ戻される。この場合、吸込口か
らフアンに至る風道を上に凸に形成してあり、空
気抵抗が低く押えられる一方、フアンから熱交換
器へ吹出す方も風道断面積をゆるやかに拡大させ
てあるのと、従来例よりもフアンの吹出口と熱交
換器のコイルとの距離を大きくとれるので、空気
圧力損失と騒音が低減される。

本実施例は、室内空気吸込口を熱交換器とフア
ンとの間の空間下面に配置してあるので、第７図
従来例と比べて奥行が短くなり、第８図従来例と
比較して厚さが薄くなり、全体として小型軽量の
空調機となる。

更に、吸込口を奥行方向の中間位置に配置した
ことにより、第４図に示すように空調機後部を壁
８と天井９との間に埋込む方式の設置が可能とな
り、設置後は、見掛けの大きさを小さくできる。
また、壁８の反対側または屋外では、配管１０の
接続が容易であり、ドレン１１の処理も種々の方
式を採用できる。

第５図は、本考案による壁および天井半埋込型
空調機の一実施例の設置状態を示す側断面図、第
６図は第５図空調機の斜視図である。

本実施例の場合、上記実施例の第４図との比較
から明らかなように、空調機の大部分を天井およ
び壁に埋込むことができるから、室内側から見え
る部分は極くわずかとなり、室内スペースを有効
利用可能である。また、見た目にはより小さくな
るので、室内がすつきりする。

〔考案の効果〕

本考案によれば、以下の効果が得られる。

空調機の奥行を短く厚さを薄くできるので、小
型軽量となり、コスト低減も可能である。

また、室内吸込口が下面中間に位置するところ
から、壁に半埋込み設置して外観をを小さく見せ
られるとともに、室内スペースを有効利用でき
る。

更に、壁に半埋込み設置した場合は、壁の反対
側での配管の接続やドレンの処理が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による空調機の一実施例を示す
側断面図、第２図は第１図実施例の−平断面
図、第３図は中間ダクトを示す斜視図、第４図は
第１図実施例を壁半埋込型で設置した状態を示す
側断面図、第５図は本考案による壁および天井半
埋込型空調機の一実施例の設置状態を示す側断面
図、第６図は第５図実施例の斜視図、第７図およ
び第８図は従来の空調機を示す側断面図である。 １……熱交換器、２……フアン、３……フイル
タ、４……吸込口、５……吹出口、６……中間ダ
クト、７……モータ、８……壁、９……天井、１
０……配管、１１……ドレン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前方に配置した熱交換器と前記熱交換器に略
   水平面上で後に配置したフアンとを有する天吊
   形空気調和機において、 室内空気吸込口を前記熱交換器と前記フアン
   との間の空間下面に設けたことを特徴とする空
   気調和機。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の空気
   調和機において、 前記フアンが左右ふたつのフアンからなり、 前記左右のフアンの吹出口から前記熱交換器
   に向つて次第に大きく開口する一方で上記室内
   空気吸込口から前記左右のフアンの吸込口まで
   の天井を上へ凸の曲面に形成するとともに前記
   左右のフアン間で更に上へ凸の曲面を形成し前
   記室内空気吸込口から前記フアンへの流路と前
   記フアンから前記熱交換器への流路とを隔てる
   中間ダクトを前記空間内に設けたことを特徴と
   する空気調和機。