JPH02304001A

JPH02304001A - 植物の保存剤及び保在方法

Info

Publication number: JPH02304001A
Application number: JP12358189A
Authority: JP
Inventors: Kazuki Ishitani; 石谷　和樹
Original assignee: Daicel Chemical Industries Ltd
Current assignee: Daicel Corp
Priority date: 1989-05-16
Filing date: 1989-05-16
Publication date: 1990-12-17

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、切花、生花等の植物を長期に亘り保存する上
で好適な植物の保存剤及び保存方法に関する。

［従来の技術と発明が解決しようとする課題〕最近、切
花等は、家庭のみならず、結婚式、パーティ−、ホテル
、喫茶店等の業務用として多量に使用されている。一方
、この切花は、栽培状態とは著しく異なる環境下に晒さ
れるので、その寿命が一般に短く、特に温度の高い夏場
では、極めて短期間内に花びらの萎縮、花びらや葉の変
色等が生じる。

このような点に鑑み、切花を長く保存するため、物理的
方法、例えば、水を定期的に取換えたり、切断部からの
吸水を助長するため、新しい切口を付ける方法等が知ら
れている。しかしながら、これらの物理的方法では、取
扱いが煩雑であるわりに保存効果が小さく、切花や生花
を長期に亘り保存することが困難である。

また水の腐敗を防止するため、薬剤等を用いる化学的方
法も知られている。この薬剤としては、酸性亜硫酸ナト
リウム及びアンモニウムミョウバンの少なくとも一種と
、糖類とを含有する薬剤や、硫酸水素カリウム、フタル
酸水素カリウムと、酸性を呈する重合リン酸塩類の一種
と、糖類とを含有する薬剤等が知られている。

また切花の保存剤として、種々の成分を含有する商品も
市販されている。

これらの化学的方法では、成る程度の保存効果が認めら
れるものの、未だ保存効果が十分でなく、花びらや葉の
変色、萎縮等が短期間内に生じるという問題がある。ま
た短期間内に水が濁ったり、腐敗し、衛生的でないとい
う問題もある。

従って、本発明の目的は、水の濁り、腐敗や、花びら、
葉の変色や萎縮等を防止しつつ、長期に亘り切花や生花
等を保存できる植物の保存剤を提供することにある。

また本発明の目的は、水の濁り、腐敗、花びら等の変色
や萎縮等を防止しつつ、長期に亘り切花や生花等を保存
できる植物の保存方法を提供することにある。

［発明の構成］本発明者は、鋭意検討の結果、特定の薬剤を用いると、
切花等が長期に亘り新鮮な状態で生存し、かつ水の濁り
が生じないことを見いだし、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、少なくともホウ酸又はその塩を有効成分
として含有する植物の保存剤により、上記課題を解決す
るものである。

また本発明は、少なくともホウ酸又はその塩を有効成分
とする水溶液に植物の切口部を浸漬する植物の保存方法
により、」Ｌ記課題を解決するものである。

本発明の植物の保存剤は、有効成分としてホウ酸又はそ
の塩を含有する。ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタ
ホウ酸、四ホウ酸等のいずれてあってもよい。

ホウ酸塩は、オルトホウ酸塩、ニホウ酸塩、メタホウ酸
塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、へホウ酸塩のいずれであ
ってもよいが、下記一般式％式％（式中、Ｍはアルカリ金属又は有機塩基を示す。

Ｘ及びｙは、Ｙ／ｘ＝１．．２．５／２．４となるよう
に選択された正の整数、２は正の整数を示す）で表され
るホウ酸塩が好ましい。

アルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウ
ム等が好ましい。また有機塩基としは、アンモニウムが
好ましい。

ホウ酸塩のうち特に好ましい化合物は、ホウ酸カリウム
、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウムである。

上記ホウ酸及びその塩は、一種又は二種以上混合して用
いられる。

なお、保存剤は、他のホウ酸塩、例えば、ホウ酸カルシ
ウム塩、ホウ酸マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩
などを含有していてもよい。

これらのホウ酸又はその塩を含有する保存剤の形態は、
固形、粉末状又は水溶液状のいずれてあってもよく、使
用に際しては、水溶液の形態で使用される。使用時の水
溶液中のホウ酸又はその塩の濃度は、切花等の種類、大
きさ等に応じて適宜選択できるが、通常、０．００１〜
１重量％、好ましくは０．００５〜０．５重量％、更に
好ましくは０．０１〜０．１重量％程度である。ホウ酸
塩等の濃度が０．００１重量％未満であると、大きな切
花等に対する保存効果が低下し、１重量％を越えると過
剰量となり、経済的でない。従って、ホウ酸及びその塩
の含有量は、保存剤の形態が固形又は粉末状であるとき
、１００重量％以下であり、使用前の保存剤の形態が水
溶液状であるとき、０．００１重量％以上であるのが好
ましい。

切花等を長期に亘り新鮮な状態で生存させ、かつ水の濁
りを防止する上では、保存剤は、」二記ホウ酸又はその
塩単独であってもよいが、糖類を含有していてもよい。

ホウ酸塩等と糖類とを併用することにより、切花等の寿
命を著しく長くすることができると共に、糖類を用いて
も、水の濁りや腐敗を防止できる。糖類としては、リボ
ース、アラビノース、ブドウ糖、マンノース、ガラクト
−ス、果糖等の単糖類：ショ糖、麦芽糖、乳糖等の三糖
類；ラフィノース等の三糖類；スタキオース等の四糖類
；デキストリン、澱粉等の多糖類が例示される。上記糖
類のうち、単糖類や、三糖類乃至四糖類のオリゴ糖が好
ましい。上記糖類は、少なくとも一種使用できる。

これらの糖、類は、前記ホウ酸塩等と共に水溶液の形態
で使用される。水溶液中の糖類の濃度は、通常、０．０
１〜５重量％、好ましくは０．０５〜２．５重量％、更
に好ましくは０．１〜１重量％程度である。糖類の濃度
が０．０１重量％未満であると、ホウ酸塩等との併用効
果が少なく、５重量％を越えると過剰量となり、経済的
でない。

また保存剤中のホウ酸又はその塩と糖類との割合は、前
記ホウ酸又はその塩１重量部に対して、糖類が１〜５０
０重量部、特に５〜１００重量部であるのが好ましい。

なお、本発明の保存剤は、水の濁り等が生じず、切花等
の寿命を低下させない範囲で、他の成分、例えば、アン
モニウムミョウバン等のアニモニウム塩；硫酸水素カリ
ウム、フタル酸水素カリウム、カリウムミョウバン等の
カリウム塩；重合リン酸塩類等のリン酸塩；酸性亜硫酸
ナトリウム等のナトリウム塩；これらの複塩；硫酸鉄、
塩化鉄、硝酸鉄等の鉄成分；硫酸マンガン、硝酸マンガ
ン等のマンガン成分：硫酸銅等の銅成分；硫酸亜鉛、硝
酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛成分；モリブデン酸ナトリウ
ム、モリブデン酸アンモニウム等のモリブテン成分等を
含有していてもよい。

本発明の保存剤は使用に際しては、ホウ酸又はその塩と
、必要に応じて糖類等とを混合し、水で所定濃度に希釈
してもよく、所定濃度に予め調製したホウ酸塩等の水溶
液と、必要に応じて所定濃度の糖類等の水溶液とを混合
してもよい。なお、予め高濃度のホウ酸塩等の水溶液と
、必要に応じて高濃度の糖類等の水溶液とをそれぞれ調
製したり、ホウ酸塩等と糖類等との高濃度の混合水溶液
を調製し、使用時に、水で、例えば１０〜１００程度に
希釈するのが好ましい。

上記のような保存剤により、切花等の寿命を長くするに
は、少なくともホウ酸又はその塩を有効成分とする水溶
液に植物の切口部を浸漬すればよい。なお、切口部は茎
部等の切断に限らず適所に部分的に形成してもよい。切
花や生花等の切口部を、保存剤の水溶液に長期間、浸漬
しても、水の濁り、腐敗、花びらの変色、花や葉の萎縮
が生じることがない。

本発明は、切口部を有する種々の植物、例えば茎葉植物
等、好ましくは切花、生花に適用でき、その種類および
品種は、特に限定されない。切花としては、例えば、バ
ラ、チューリップ、カーネーション、スイセン、菊、ダ
リア、フリージア等が例示される。

［発明の効果］以上のように、本発明の植物の保存剤によれば、少なく
ともホウ酸又はその塩を有効成分として含有するので、
水の濁り、腐敗や、花びら、葉の変色や萎縮等を防止し
つつ、長期に亘り切花や生花等を新鮮な状態で生存させ
名ことができる。

また本発明の植物の保存方法によれば、少なくともホウ
酸又はその塩を有効成分とする水溶液に植物の切口部を
浸漬するので、夏場等においても、水の濁り、腐敗、花
びら等の変色や萎縮等を防止しつつ、長期に亘り切花や
生花等を保存できる。

［実施例］以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する
。

実施例１〜５下記組成の水溶液２００ｇを２つのガラス製容器にそれ
ぞれ注入すると共に、一方の容器に３本のカーネーショ
ン、他方の容器に３本のスイセンをそれぞれ切口部を浸
漬した状態で入れ、温度１５〜２５℃の室温で保存し、
花の状態、水の濁りの程度を観察した。

実施例１ニホウ酸濃度０．０１重量％の水溶液実施例２
ニホウ酸アンモニウム濃度０．０１重量％の水溶液実施例３ニホウ酸アンモニウム濃度０．１重量％の水溶
液実施例４ニホウ酸アンモニウム濃度０．０１重量％とシ
ョ糖濃度０．１重量％の水溶液実施例５ニホウ酸アンモニウム濃度０．１重量％とショ
糖濃度１．０重量％の水溶液比較例１〜３実施例１〜５の保存剤の水溶液に代えて、市販の保存剤
「リピート」（大正製薬■裂開品名、比較例１）、「華
の精」　（パレス化学■製商品名、比較例２）と、水道
水（比較例３）とを用いる以外、上記実施例１〜５と同
様にして花の状態、水の濁りの程度を観察した。

なお、水の濁りの程度は以下の基準で評価した。

１：濁りなし２：容器を振ると濁る３：若干濁りあり４：明らかに濁りありカーネーションの結果を表１に、スイセンの結果を表２
に示す。

（以下、余白）一　　　１１　　　− 表１及び表２より明らかなように、比較例１〜３では、
いずれも水が濁り、短期間内に生花が萎れるのに対して
、実施例１〜５の保存剤で生花を保存すると、いずれも
濁りがなく、しかも寿命を長くすることができる。

特許出願人　　ダイセル化学工業株式会社代　　理　　
人　　　弁理士　　鍬　　１）　充　　生−１４＝

Claims

【特許請求の範囲】１、少なくともホウ酸又はその塩を有効成分として含有
することを特徴とする植物の保存剤。２、少なくともホウ酸又はその塩を有効成分とする水溶
液に植物の切口部を浸漬することを特徴とする植物の保
存方法。