JPH02301517A - 低降伏比高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
低降伏比高張力鋼板の製造方法Info
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- JPH02301517A JPH02301517A JP12325689A JP12325689A JPH02301517A JP H02301517 A JPH02301517 A JP H02301517A JP 12325689 A JP12325689 A JP 12325689A JP 12325689 A JP12325689 A JP 12325689A JP H02301517 A JPH02301517 A JP H02301517A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、高張力鋼板の製造方法に関し、さらに詳しく
は、構造物の安全性、施工時の曲げ加工性の観点から低
降伏比が要求される鉄骨、橋梁をはしめとして、タンク
、ペンストック等の溶接構造物用の材料に適する低降伏
比高張力鋼板の製造方法に関するものである。
は、構造物の安全性、施工時の曲げ加工性の観点から低
降伏比が要求される鉄骨、橋梁をはしめとして、タンク
、ペンストック等の溶接構造物用の材料に適する低降伏
比高張力鋼板の製造方法に関するものである。
(従来の技術)
近年の構造物の大型化には目覚ましいものがあり、これ
に伴い使用される鉄鋼材料の高張力化も急速に進んでい
る。
に伴い使用される鉄鋼材料の高張力化も急速に進んでい
る。
しかしながら、−aに鋼材の強度水準の上昇とともに降
伏比も上昇する傾向にあるため、高張力鋼板を使用した
構造物は、大型地震のような過大な外力が加わった場合
のエネルギ吸収能力が必ずしも十分でなく、設計によっ
ては構造物の安全性の面で問題となる場合も生じる。
伏比も上昇する傾向にあるため、高張力鋼板を使用した
構造物は、大型地震のような過大な外力が加わった場合
のエネルギ吸収能力が必ずしも十分でなく、設計によっ
ては構造物の安全性の面で問題となる場合も生じる。
また、一方では曲げ加工においては大きな荷重が必要で
あり、設備能力上あるいは作業効率の点から改善の指摘
がされている。
あり、設備能力上あるいは作業効率の点から改善の指摘
がされている。
これらの問題点を解決すべく、最近、低降伏比の高張力
鋼板が開発されている。この降伏比低減の手段としては
、(α+y)2相域からの焼入れ工程を含む多段熱処理
によってフェライトと硬質の第2相の混合組織を生成さ
せる方法が一般的であり、具体的にはDQ’−T法(特
開昭57426916号)、IQ−Q’−T法【鉄と綱
、?3(19B?)、5345 ]および]DQ−Q’
−T法鉄と餌、?3(1987)、51312]等が広
く用いられている。なお、ここで、DQ゛:(α+r)
2相域直接焼入れ、Q:T域焼入れ、Q゛:(α+y)
2相域焼入、DQ: r域直接焼入れ、T:焼戻しを
それぞれ意味している。
鋼板が開発されている。この降伏比低減の手段としては
、(α+y)2相域からの焼入れ工程を含む多段熱処理
によってフェライトと硬質の第2相の混合組織を生成さ
せる方法が一般的であり、具体的にはDQ’−T法(特
開昭57426916号)、IQ−Q’−T法【鉄と綱
、?3(19B?)、5345 ]および]DQ−Q’
−T法鉄と餌、?3(1987)、51312]等が広
く用いられている。なお、ここで、DQ゛:(α+r)
2相域直接焼入れ、Q:T域焼入れ、Q゛:(α+y)
2相域焼入、DQ: r域直接焼入れ、T:焼戻しを
それぞれ意味している。
(発明が解決しようとする課題)
しかし、DQ’−T法は、オフラインでの熱処理は1回
ですみ、工程増加によるコストアップを招くことはない
、しかしながら、この方法は圧延完了からDQ’開始ま
での空冷に要する時間が通常数分から士数分必要であり
大幅な生産性低下は避けられない。
ですみ、工程増加によるコストアップを招くことはない
、しかしながら、この方法は圧延完了からDQ’開始ま
での空冷に要する時間が通常数分から士数分必要であり
大幅な生産性低下は避けられない。
また、Q−Q’−T法あるいはDQ−Q’−T法はそれ
ぞれオフラインでの熱処理回数が3回または2回であり
、調質高張力鋼板の一般的な熱処理であるQ−T法ある
いはDQ−T法のオフライン熱処理回数が2回または1
回であることと比較して、工程増加によるコストアップ
は避けられない。
ぞれオフラインでの熱処理回数が3回または2回であり
、調質高張力鋼板の一般的な熱処理であるQ−T法ある
いはDQ−T法のオフライン熱処理回数が2回または1
回であることと比較して、工程増加によるコストアップ
は避けられない。
本発明は、上述の低降伏比高張力調板の製造方法の問題
点を一挙に解決すべくなされたものであり、低降伏比高
張力鋼板を効率的に製造する方法を提供することを目的
とするものである。
点を一挙に解決すべくなされたものであり、低降伏比高
張力鋼板を効率的に製造する方法を提供することを目的
とするものである。
(課題を解決するための手段)
そこで、本発明者らはDQ”−T法において圧延完了か
らDQ’開始までの冷却に関し、冷却時間を短縮するた
めに、各種の冷却方法について検討を重ねた結果、従来
の空冷に替えて強制空冷または水冷を行うことによって
、圧延完了からDQ’開始までに要する時間を大幅に短
縮することが可能であるという知見を得て本発明に至っ
たもので、その要旨は、C:0.02〜0.20%、S
i:0.02〜0.50%、Mn:0.20〜2.00
%、AI:0.010−0.100%を含み、さらに、
Cu:0.10〜2.00%、Ni:0.10〜2.0
0%、Cr:0.10 〜1.00%、Mo:0.05
〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、V:0
.005〜0.10%、Ti:0.005j0゜10%
、B:0.0003〜0.0030%の内から選んだ1
種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避不純物
から成る鋼片を、950〜1300℃の温度範囲に加熱
し、411点以上の温度で圧延を完了した後、鋼板の板
厚方向の174の位置の温度(T)がAr1<T<Ar
zを満足するように、かつ、鋼板表面の温度が600℃
を下回らないように断続的に強制空冷または水冷し、直
ちに300℃以下の温度まで直接焼入れを行い、その後
、603点以下の温度で焼戻し処理を行う低降伏比高張
力鋼板の製造方法である。
らDQ’開始までの冷却に関し、冷却時間を短縮するた
めに、各種の冷却方法について検討を重ねた結果、従来
の空冷に替えて強制空冷または水冷を行うことによって
、圧延完了からDQ’開始までに要する時間を大幅に短
縮することが可能であるという知見を得て本発明に至っ
たもので、その要旨は、C:0.02〜0.20%、S
i:0.02〜0.50%、Mn:0.20〜2.00
%、AI:0.010−0.100%を含み、さらに、
Cu:0.10〜2.00%、Ni:0.10〜2.0
0%、Cr:0.10 〜1.00%、Mo:0.05
〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、V:0
.005〜0.10%、Ti:0.005j0゜10%
、B:0.0003〜0.0030%の内から選んだ1
種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避不純物
から成る鋼片を、950〜1300℃の温度範囲に加熱
し、411点以上の温度で圧延を完了した後、鋼板の板
厚方向の174の位置の温度(T)がAr1<T<Ar
zを満足するように、かつ、鋼板表面の温度が600℃
を下回らないように断続的に強制空冷または水冷し、直
ちに300℃以下の温度まで直接焼入れを行い、その後
、603点以下の温度で焼戻し処理を行う低降伏比高張
力鋼板の製造方法である。
る。
(作用)
以下、本発明の作用について詳述していくことにする。
先ずは、圧延完了からDQ’開始までの冷却について説
明する。
明する。
圧延完了からDQ’開始までに強制空冷または水冷を行
った場合の鋼板内部(板厚の174の位置)と鋼板表面
における冷却曲線をCC7図と合わせて模式的に第1図
に示す。同図(a)は強制空冷または水冷を連続的に行
った場合を、(b)は強制空冷または水冷を断続的に行
った場合をそれぞれ示す。
った場合の鋼板内部(板厚の174の位置)と鋼板表面
における冷却曲線をCC7図と合わせて模式的に第1図
に示す。同図(a)は強制空冷または水冷を連続的に行
った場合を、(b)は強制空冷または水冷を断続的に行
った場合をそれぞれ示す。
同[14(a)かられかるように、強制空冷または水冷
を連続的に行った場合、鋼板内部は冷却速度が小さいた
め、DQ’開始温度まで冷却されても、所定の量の初析
フェライトが生成し低降伏比が得られる。しかし、綱板
表面は過度に冷却され、一時的にベイナイトノーズを横
切り、また、場合によってはMs点を下回る温度まで冷
却されるため、ベイナ、イトあるいはマルテンサイトが
生成してしまい、たとえ、冷却を中止し復熱によってD
Q゛開始温度まで温度を上昇させたとしても、所定の量
の初析フェライトが生成せず降伏比が上昇してしまう。
を連続的に行った場合、鋼板内部は冷却速度が小さいた
め、DQ’開始温度まで冷却されても、所定の量の初析
フェライトが生成し低降伏比が得られる。しかし、綱板
表面は過度に冷却され、一時的にベイナイトノーズを横
切り、また、場合によってはMs点を下回る温度まで冷
却されるため、ベイナ、イトあるいはマルテンサイトが
生成してしまい、たとえ、冷却を中止し復熱によってD
Q゛開始温度まで温度を上昇させたとしても、所定の量
の初析フェライトが生成せず降伏比が上昇してしまう。
このため、本発明では第1図(b)に示すように強制空
冷または水冷を断続的に行うことによって、鋼板表面の
冷却速度を制御し、w4板表面もヘイナイトノーズを横
切らないようにし、鋼板内部と同等のフェライト分率を
得て低降伏比を達成するようにしたものである。
冷または水冷を断続的に行うことによって、鋼板表面の
冷却速度を制御し、w4板表面もヘイナイトノーズを横
切らないようにし、鋼板内部と同等のフェライト分率を
得て低降伏比を達成するようにしたものである。
第2図(a)に80kgf/a+s+”鋼のCCT図を
、(b)に60kgf/mm”鋼のCCT図をそれぞれ
示す。
、(b)に60kgf/mm”鋼のCCT図をそれぞれ
示す。
第2図(a)に示す代表的な80kgf/mm” ′g
lのCCT図かられかるように、ヘイナイト変態の開始
温度は冷却速度によって異なる。また、80kgf/m
m”鋼と60kgf/m+*”鋼のCCT図を比較して
わかるように、ベイナイトノーズの位置は化学成分によ
って異なる。即ち、80kgf/am” 鋼のベイナイ
トノーズの位置は60kgf/am2鋼のそれよりも長
時間側にある。従って、鋼板表面がベイナイトノーズを
横切らないための冷却終了温度の規定は、本来、冷却速
度および化学成分に応じて変化させるべきである。しか
しながら、本発明では(α+γ)2相域から直接焼入れ
を行うため、冷却終了温度は、むしろ、ベイナイト変態
の開始上限の温度で規定すべきである。実際には、第2
図(a)、(b)から明らかなように、ヘイナイト変態
の開始上限の温度は化学成分による変化はそれほど大き
くなく、現場製造時の温度制御精度と併せて考えると一
律600℃と規定しても十分に本発明の目的を達成する
ことができる。
lのCCT図かられかるように、ヘイナイト変態の開始
温度は冷却速度によって異なる。また、80kgf/m
m”鋼と60kgf/m+*”鋼のCCT図を比較して
わかるように、ベイナイトノーズの位置は化学成分によ
って異なる。即ち、80kgf/am” 鋼のベイナイ
トノーズの位置は60kgf/am2鋼のそれよりも長
時間側にある。従って、鋼板表面がベイナイトノーズを
横切らないための冷却終了温度の規定は、本来、冷却速
度および化学成分に応じて変化させるべきである。しか
しながら、本発明では(α+γ)2相域から直接焼入れ
を行うため、冷却終了温度は、むしろ、ベイナイト変態
の開始上限の温度で規定すべきである。実際には、第2
図(a)、(b)から明らかなように、ヘイナイト変態
の開始上限の温度は化学成分による変化はそれほど大き
くなく、現場製造時の温度制御精度と併せて考えると一
律600℃と規定しても十分に本発明の目的を達成する
ことができる。
つぎに、本発明における鋼の化学成分の限定理由につい
て説明する。
て説明する。
Cは、強度確保のために0.02%以上の添加が必要で
あるが、0.20%を超えて過多に添加すると溶接性を
損なうので、0.02〜0.20%の範囲とする。
あるが、0.20%を超えて過多に添加すると溶接性を
損なうので、0.02〜0.20%の範囲とする。
Siは、主に鋼の脱酸のために添加され、通常その添加
量は0.02%以上であり、また、降伏比の低減にも有
効である。しかし、0.50%を超えて過多に添加する
。と靭性を劣化させるため、その添加量は0.02〜0
.50%の範囲とする。
量は0.02%以上であり、また、降伏比の低減にも有
効である。しかし、0.50%を超えて過多に添加する
。と靭性を劣化させるため、その添加量は0.02〜0
.50%の範囲とする。
Mnは、強度確保のために0.20%以上の添加が必要
であるが、2.00%を超えて過多に添加すると)容接
性を唄なうので、0.20〜2.00%の範囲とする。
であるが、2.00%を超えて過多に添加すると)容接
性を唄なうので、0.20〜2.00%の範囲とする。
AIは、鋼の脱酸および結晶粒の微細化のために添加さ
れる。この効果を得るためには0.010%以上の添加
が必要であるが、0.100%を超えて過多に添加する
と靭性を劣化させるため、その添加量は0.010〜0
.100%の範囲とする。
れる。この効果を得るためには0.010%以上の添加
が必要であるが、0.100%を超えて過多に添加する
と靭性を劣化させるため、その添加量は0.010〜0
.100%の範囲とする。
Cuは、0.10%以上の添加により高強度化に有効で
あるが、2.00%を超えて過多に添加すると溶接性を
損なうとともに熱間割れの問題も生じるので0.10〜
2,00%の範囲とする。
あるが、2.00%を超えて過多に添加すると溶接性を
損なうとともに熱間割れの問題も生じるので0.10〜
2,00%の範囲とする。
N1は、0.10%以上の添加により強度と靭性を同時
に高める効果が有るが、2゜00%を超えて過度に添加
するとその効果が飽和し、また、製造原価が大幅に上昇
するので、0.10〜2.00%の範囲とするCrは、
0.10%以上の添加により強度上昇の効果を有するが
、l、00%を超えて過多に添加すると溶接性を損なう
ので、0.10〜1.00%の範囲とする。
に高める効果が有るが、2゜00%を超えて過度に添加
するとその効果が飽和し、また、製造原価が大幅に上昇
するので、0.10〜2.00%の範囲とするCrは、
0.10%以上の添加により強度上昇の効果を有するが
、l、00%を超えて過多に添加すると溶接性を損なう
ので、0.10〜1.00%の範囲とする。
Moは、0.05%以上の添加により強度上昇の効果を
有するが、0.50%を超えて過多に添加すると溶接性
を損なうことおよび高価な元素であることから0.05
〜0.50%の範囲とする。
有するが、0.50%を超えて過多に添加すると溶接性
を損なうことおよび高価な元素であることから0.05
〜0.50%の範囲とする。
Nbは(α+γ)2相域直接焼入れ焼戻しを実施する場
合、0.005%以上の添加により強度上昇に効果を存
するが、0.10%を超えて過多に添加すると靭性およ
び溶接性を損なうので、o、oos〜0.10%の範囲
とする。
合、0.005%以上の添加により強度上昇に効果を存
するが、0.10%を超えて過多に添加すると靭性およ
び溶接性を損なうので、o、oos〜0.10%の範囲
とする。
■は、o、oos%以上の添加で強度を高めるが、0.
10%を超えて過度に添加すると効果が飽和するばかり
でなく溶接性を劣化させるので、0.005〜0.10
%の範囲とする。
10%を超えて過度に添加すると効果が飽和するばかり
でなく溶接性を劣化させるので、0.005〜0.10
%の範囲とする。
Tiは、0.005%以上の添加により鋼の強化に有効
であるが、0.10%を超えて過度に添加すると靭性を
劣化させるため、0.005〜0% 10%の範囲とす
る。
であるが、0.10%を超えて過度に添加すると靭性を
劣化させるため、0.005〜0% 10%の範囲とす
る。
Bは、綱の焼入れ性を高めることにより強度を上昇させ
る。が、この効果を得るには0.0003%以上の添加
が必要である。しかし、0.0030%を超えて過度に
添加すると靭性を損なうので、その添加量は0.000
3〜0.0030%の範囲とする。
る。が、この効果を得るには0.0003%以上の添加
が必要である。しかし、0.0030%を超えて過度に
添加すると靭性を損なうので、その添加量は0.000
3〜0.0030%の範囲とする。
さらに、製造条件の限定理由を以下に説明する鋼片の加
熱温度は、950℃を下回るとArz点以上の温度で圧
延を完了することが難しく、また、1300℃を超える
と結晶粒が粗大化し靭性が劣化する。このため、加熱温
度は950〜1300℃の範囲とする。
熱温度は、950℃を下回るとArz点以上の温度で圧
延を完了することが難しく、また、1300℃を超える
と結晶粒が粗大化し靭性が劣化する。このため、加熱温
度は950〜1300℃の範囲とする。
圧延完了温度は、Ar3点を下回ると初析フエラ2 イ
トが圧延による加工をうけ加工硬化するために、鋼の降
伏比が上昇してしまう。このため、圧延完了温度はAr
3点以上とする。
トが圧延による加工をうけ加工硬化するために、鋼の降
伏比が上昇してしまう。このため、圧延完了温度はAr
3点以上とする。
圧延完了後、鋼板の板厚方向の1/4の位置の温度(T
)がAr1 < T <Ar3を満足するまで強制空冷
または水冷を行う、ただし、この冷却は鋼板表面の温度
が600℃を下回らないように断続的に行うこととする
。冷却方法を強制空冷または水冷とするのは、冷却に要
する時間を従来の空冷よりも短縮し、効率的な製造を行
うためのものであり本発明の根幹をなす要件である。
)がAr1 < T <Ar3を満足するまで強制空冷
または水冷を行う、ただし、この冷却は鋼板表面の温度
が600℃を下回らないように断続的に行うこととする
。冷却方法を強制空冷または水冷とするのは、冷却に要
する時間を従来の空冷よりも短縮し、効率的な製造を行
うためのものであり本発明の根幹をなす要件である。
鋼板の板厚方向の1/4の位置の温度(T)をAr+
< T<Ar3の範囲に限定した理由は、軟質のフェラ
イトと硬質の第2相の混合組織を得ることによって、十
分な強度と低い降伏比を同時に達成するためであり、A
r+以下では、フェライト+パーライトlJ1織となり
強度が低下し、また、Arz以上ではベイナイトまたは
マルテンサイト組繊となり降伏比が上昇してしまう。
< T<Ar3の範囲に限定した理由は、軟質のフェラ
イトと硬質の第2相の混合組織を得ることによって、十
分な強度と低い降伏比を同時に達成するためであり、A
r+以下では、フェライト+パーライトlJ1織となり
強度が低下し、また、Arz以上ではベイナイトまたは
マルテンサイト組繊となり降伏比が上昇してしまう。
綱板表面の温度が600℃を下回らないように断続的に
行う理由は、前述した鋼板の板厚方向の174の位置と
同しように鋼板表面においても所定の量のフェライトを
生成させ、低い降伏比を達成するためである。
行う理由は、前述した鋼板の板厚方向の174の位置と
同しように鋼板表面においても所定の量のフェライトを
生成させ、低い降伏比を達成するためである。
強制空冷または水冷後、直ちに300℃以下まで直接焼
入れを行う理由は、温度(T)で残存しているオーステ
ナイトを急冷しベイナイトまたはマルテンサイトを生成
させることによって、鋼の強度を確保上るためであり、
300℃を超える温度では十分に焼きが入らないためで
ある。
入れを行う理由は、温度(T)で残存しているオーステ
ナイトを急冷しベイナイトまたはマルテンサイトを生成
させることによって、鋼の強度を確保上るためであり、
300℃を超える温度では十分に焼きが入らないためで
ある。
さらに、その後、Ac+点以下で焼戻ず理由は、胱6点
を超えると逆変態オーステナイトが生成し強度、靭性が
劣化するためである。
を超えると逆変態オーステナイトが生成し強度、靭性が
劣化するためである。
(実施例)
本発明の構成は上記の通りであるが、以下に実施例につ
いて説明する。
いて説明する。
供試w4板は第1表に示す化学成分を含有する鋼を常法
により溶製、鋳造し、得られた鋼片を第2表に示す製造
条件にしたがい、加熱、圧延、直接焼入れし、その後6
40℃の温度で焼戻し処理を行ったものである。これら
の鋼板から試験片を採取し引張試験を行った。その結果
を第2表に併記する。
により溶製、鋳造し、得られた鋼片を第2表に示す製造
条件にしたがい、加熱、圧延、直接焼入れし、その後6
40℃の温度で焼戻し処理を行ったものである。これら
の鋼板から試験片を採取し引張試験を行った。その結果
を第2表に併記する。
第1表には本発明法および比較法の化学成分を、第2表
には製造条件および機械的性質をそれぞれ示す。
には製造条件および機械的性質をそれぞれ示す。
(以下余白)
第2表の本発明法1.2.3は60に&f/ma+2級
鋼、4は8扱銅gf/+s+m”扱銅の実施例をそれぞ
れ示す。
鋼、4は8扱銅gf/+s+m”扱銅の実施例をそれぞ
れ示す。
本発明法l、2.3.4はいずれも比較法に対して冷却
時間が大幅に短縮されており、効率的な製造が可能であ
ることがわかる。一般に低降伏比鋼とは、60kgf/
am”扱銅の場合降伏比80%以下、80kgf/s+
m’級鋼の場合降伏比85%以下を意味することが多い
が、本発明法では60.80kgf/mm”扱銅とも低
降伏比鋼として十分に低い降伏比を有している。
時間が大幅に短縮されており、効率的な製造が可能であ
ることがわかる。一般に低降伏比鋼とは、60kgf/
am”扱銅の場合降伏比80%以下、80kgf/s+
m’級鋼の場合降伏比85%以下を意味することが多い
が、本発明法では60.80kgf/mm”扱銅とも低
降伏比鋼として十分に低い降伏比を有している。
比較法1.2.8は圧延完了からDQ”開始までの冷却
方法が空冷のものであり、良好な引張特性を有している
ものの、圧延完了からDQ’開始までの冷却時間は本発
明法に比較して2〜5分長く、製造効率が悪い。
方法が空冷のものであり、良好な引張特性を有している
ものの、圧延完了からDQ’開始までの冷却時間は本発
明法に比較して2〜5分長く、製造効率が悪い。
比較法3は冷却終了温度(DQ’開始温度)がAr2点
を超えているため降伏比が高い。また、比較法4は冷却
終了温度(DQ”開始温度)がArt点を下回っている
ため引張強さが低い。
を超えているため降伏比が高い。また、比較法4は冷却
終了温度(DQ”開始温度)がArt点を下回っている
ため引張強さが低い。
比較法5.9は圧延完了からDQ’開始までの冷却方法
が水冷の連続冷却のため、冷却中の鋼板表面温度が規定
の600℃を下回ったため、表面部の降伏比が高い。
が水冷の連続冷却のため、冷却中の鋼板表面温度が規定
の600℃を下回ったため、表面部の降伏比が高い。
比較法6は圧延完了温度がAr2点を下回っているため
降伏比が高い、同様に、比較法7は加熱温度が950℃
未満であり、その結果として、圧延完了温度がAr3点
を下回っているため降伏比が高い以上の実施例の結果か
らも明らかなように、本発明に係わる低降伏比高張力鋼
板の製造方法は低い降伏比を有する高張力鋼板を効率よ
く製造する方法として最も優れたものである。
降伏比が高い、同様に、比較法7は加熱温度が950℃
未満であり、その結果として、圧延完了温度がAr3点
を下回っているため降伏比が高い以上の実施例の結果か
らも明らかなように、本発明に係わる低降伏比高張力鋼
板の製造方法は低い降伏比を有する高張力鋼板を効率よ
く製造する方法として最も優れたものである。
(発明の効果)
以上説明したように、本発明に係わる低降伏比高張力鋼
板の製造方法は、上記の構成であるから低い降伏比を有
する高張力鋼板を効率よく製造することができるという
優れた効果を有するものである。
板の製造方法は、上記の構成であるから低い降伏比を有
する高張力鋼板を効率よく製造することができるという
優れた効果を有するものである。
第1図は圧延完了からDQ’開始までに強制空冷または
水冷を行った場合の鋼板内部(板厚の174の位置)と
鋼板表面における冷却曲線をCCT図と合わせて模式的
に示したグラフである。同図(a)は強制空冷または水
冷を連続的に行った場合を、(b)は強制空冷または水
冷を断続的に行った場合をそれぞれ示す。 第2図(a)は80kgf/egg” 鋼のCCT図を
、(b)は60kgf/am” @のCCT図をそれぞ
れ示す。 特許出願人 株式会社 神戸製鋼所 代 理 人 弁理士 金丸 章− 第1図 (a) (b) 晧 闇
水冷を行った場合の鋼板内部(板厚の174の位置)と
鋼板表面における冷却曲線をCCT図と合わせて模式的
に示したグラフである。同図(a)は強制空冷または水
冷を連続的に行った場合を、(b)は強制空冷または水
冷を断続的に行った場合をそれぞれ示す。 第2図(a)は80kgf/egg” 鋼のCCT図を
、(b)は60kgf/am” @のCCT図をそれぞ
れ示す。 特許出願人 株式会社 神戸製鋼所 代 理 人 弁理士 金丸 章− 第1図 (a) (b) 晧 闇
Claims (1)
- C:0.02〜0.20%、Si:0.02〜0.50
%、Mn:0.20〜2.00%、Al:0.010〜
0.100%を含み、さらに、Cu:0.10〜2.0
0%、Ni:0.10〜2.00%、Cr:0.10〜
1.00%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.
005〜0.10%、V:0.005〜0.10%、T
i:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.
0030%の内から選んだ1種または2種以上を含み、
残部Feおよび不可避不純物から成る鋼片を、950〜
1300℃の温度範囲に加熱し、Ar_3点以上の温度
で圧延を完了した後、鋼板の板厚方向の1/4の位置の
温度(T)がAr_1<T<Ar_3を満足するように
、かつ、鋼板表面の温度が600℃を下回らないように
断続的に強制空冷または水冷し、直ちに300℃以下の
温度まで直接焼入れを行い、その後、Ac_1点以下の
温度で焼戻し処理を行うことを特徴とする低降伏比高張
力鋼板の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12325689A JPH02301517A (ja) | 1989-05-17 | 1989-05-17 | 低降伏比高張力鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12325689A JPH02301517A (ja) | 1989-05-17 | 1989-05-17 | 低降伏比高張力鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02301517A true JPH02301517A (ja) | 1990-12-13 |
Family
ID=14856070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12325689A Pending JPH02301517A (ja) | 1989-05-17 | 1989-05-17 | 低降伏比高張力鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02301517A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100414626B1 (ko) * | 1998-12-29 | 2004-03-31 | 주식회사 포스코 | 저항복비인장강도를갖는구조용강판의제조방법 |
JP2005298963A (ja) * | 2004-03-16 | 2005-10-27 | Jfe Steel Kk | 加工性に優れた高張力鋼板の製造方法 |
CN113235009A (zh) * | 2021-05-19 | 2021-08-10 | 宝武集团鄂城钢铁有限公司 | 一种经济型690MPa级高强钢板及其制备方法 |
-
1989
- 1989-05-17 JP JP12325689A patent/JPH02301517A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100414626B1 (ko) * | 1998-12-29 | 2004-03-31 | 주식회사 포스코 | 저항복비인장강도를갖는구조용강판의제조방법 |
JP2005298963A (ja) * | 2004-03-16 | 2005-10-27 | Jfe Steel Kk | 加工性に優れた高張力鋼板の製造方法 |
JP4715179B2 (ja) * | 2004-03-16 | 2011-07-06 | Jfeスチール株式会社 | 加工性に優れた高張力鋼板の製造方法 |
CN113235009A (zh) * | 2021-05-19 | 2021-08-10 | 宝武集团鄂城钢铁有限公司 | 一种经济型690MPa级高强钢板及其制备方法 |
CN113235009B (zh) * | 2021-05-19 | 2022-05-13 | 宝武集团鄂城钢铁有限公司 | 一种经济型690MPa级高强钢板及其制备方法 |
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