JPH022984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、デイスクブレーキに関する。

「従来の技術」 従来のデイスクブレーキとしては一例としてピ
ンスライド型デイスクブレーキが知られている。
このデイスクブレーキは、デイスクの一側におい
て図示しない車体の非回転部分に取り付けられる
キヤリアに、デイスクの外周をまたぎデイスクの
両面に、インナーパツド，アウタパツドを介して
互いに対向する、ピストンが収容されかつ開口周
縁部にピストンブーツが設けられたシリンダ部と
アウタ爪とを有するキヤリパを、デイスクの軸線
方向に向けられかつデイスクの円周方向に間隔を
おいて配置されキヤリパの両腕部に取り付けられ
た一対のガイドピンを介してキヤリアに摺動自在
に設け、シリンダ部内に、このシリンダ部に接続
されたホースによりマスタシリンダからの圧油を
流入させることにより、ピストンがインナーパツ
ドをデイスクの一側面に圧接させ、このとき生じ
る反力によりアウタ爪でアウタパツドをデイスク
の他側面に圧接させ、これにより回転するデイス
クを制動するようにしたものである。

そして、このデイスクブレーキにおいては、第
５図に示すように、インナーパツド１の裏金のピ
ストン側に熱伝導防止のために、金属板に断熱材
をーテイングしてなる断熱システム２とこの断熱
システム２をインナーパツド１の裏金に取り付け
たカバーシム３とを設けている。なお、この断熱
シムの他に、鳴き防止を目的とする鳴き防止シム
が設けられる場合もある。デイスクブレーキの作
動時にデイスクにパツドが当接すると、このパツ
ドに金属粉が混入しているために火花を発し、こ
の火花によりピストンブーツ４が損傷するのでこ
れを防ぐため、ピストンブーツ４をデイスク面か
ら遮断して断熱することができるように断熱シム
２の上端に、この断熱シム２の上端を上方（デイ
スクの径方向）に延ばしてなる突出部５を設けて
いる。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、従来のこのようなデイスクブレーキ
においては、一対のガイドピンの一方を取り外
し、他方のガイドピンを回動中心としてキヤリパ
を回動してパツドを交換しているが、パツドを交
換した後再びキヤリパを回動して組み付けるとき
に、第５図に示すようにピストンブーツ４がイン
ナーパツド１のピストン側に設けられた断熱シム
２の上端に当接して切損するおそれがあつた。

本考案は、従来のものがもつ以上のような問題
点を解決したデイスクブレーキを提供することを
目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、前記目的を達成するために次のよう
な構成としている。即ち、デイスクの外周をまた
ぎ、このデイスクの両面にインナーパツド、アウ
タパツドを介して対向する、ピストンが収容され
かつ開口周縁部にピストンブーツが設けられたシ
リンダ部と、アウタ爪とを有するキヤリパを、前
記デイスクの周方向に間隔をおいて配置された一
対のガイドピンにより、前記デイスクの一側にお
いて車体の非回転部分に固定されるキヤリアに前
記デイスクの軸線方向へ摺動自在に支持させ、か
つ、案内させ、一方のガイドピンを中心にして前
記キヤリパが回動可能としたデイスクブレーキに
おいて、前記ピストン側のインナーパツドの裏面
に、前記ピストンブーツを、デイスク面から遮断
するための突出部を有するシムを設け、前記イン
ナーパツドの裏金に、この裏金の裏面との間に前
記シムを挾持してカバーシムを取り付け、このカ
バーシムに前記シムの突出部の上端側をカバーす
るカバー部を設けている。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
に基づいて説明する。第１図中１１はデイスク１
２の一側において図示しない車体の非回転部分に
取り付けられるキヤリアであり、このキヤリア１
１にはキヤリパ１３が摺動自在に取り付けられて
いる。

キヤリパ１３は、デイスク１２の外周をまたぎ
デイスク１２の両面に、インナーパツド１４、ア
ウタパツド１５を介して互いに対向する、ピスト
ン１６が収容されかつ開口周縁部にピストンブー
ツ１７が設けられたシリンダ部１８と、アウタ爪
１９とを有するものである。キヤリパ１３は、デ
イスク１２の軸線方向に向けられかつデイスク１
２の円周方向に間隔をおいて配置され両腕部１３
ａ，１３ａに取り付けられた一対のガイドピン２
０を介してキヤリア１１に摺動自在に設けられて
いる。このように構成されたデイスクブレーキ
は、シリンダ部１８内に、このシリンダ部１８に
接続されたホースによりマスタシリンダ（図示せ
ず）からの圧油を流入させることによりピストン
１６がインナーパツド１４をデイスク１２の一側
面に圧接させ、このとき生じる反力によりアウタ
爪１９でアウタパツド１５をデイスク１２の他側
面に圧接させ、これにより回転するデイスク１２
を制動するようになされている。

インナーパツド１４の裏金１４ａのピストン側
には、熱伝導防止のために、金属板（ステンレス
材料）に断熱材をコーテイングしてある断熱シム
２１が設けられている。この断熱シム２１上の上
端には、デイスクブレーキの作動時に、デイスク
１２にインナーパツド１４が当接すると、このパ
ツド１４に金属粉が混入しているために火花を発
し、この火花によりピストンブーツ１７が損傷す
るのでそれを防ぐため、ピストンブーツ１７をデ
イスク１２の表面から遮断して断熱することがで
きるように上方へ延ばされた突出部２１ａが設け
られている。

断熱シム２１とピストン１６との間には、カバ
ーシム２２が配設され、このカバーシム２２は裏
金１４ａとの間に断熱シム２１を挾んで裏金１４
ａに取り付けられている。また、カバーシム２２
の上端の複数箇所は、第１図及び第２図に示すよ
うに上方（デイスク１２の半径方向）へ延ばさ
れ、さらに断熱シム２１側へ折り曲げられ、断熱
シム２１を覆い、先端部は下方へ折り曲げられて
カバー部２３とされている。

カバー部２３は、第１図に示すように、一対の
ガイドピン２０の一方を取り外し、他方のガイド
ピン２０を回動中心としてキヤリパ１３を回動さ
せてパツドを交換した後、再組み付けすべく前記
ガイドピン２０を中心にキヤリパ１３を回動した
場合、ピストン１６とシリンダ部１８とをシール
しているピストンブーツ１７に当接し得る位置に
形成されている。

従つて、本実施例によれば、上述のようにパツ
ドを交換した後、他方のガイドピン２０を回動中
心としてキヤリパ１３を回動させたとき、ピスト
ンブーツ１７とカバーシム２２とが当接した場合
でも、ピストンブーツ１７とカバーシム２２とは
略平面同志の当接となるので、ピストンブーツ１
７の切損を防止することができる。

また、前記実施例においては、ピストン１６を
１個装着したデイスクブレーキに本考案を適用し
たが、これに限られることなく、第６図に示すよ
うにキヤリパ３０にピストン３１を２個並設した
デイスクブレーキに本考案を適用してもよい。第
４図中３２はカバーシムであり、３３はカバー部
である。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば、インナ
ーパツドの裏金に、この裏金との間に断熱等を目
的とするシムを挾んでカバーシムを取り付け、、
このカバーシムの上端に、前記シムの突出部をカ
バーするカバー部を設けたので、パツド交換後の
再組み立てにおいてピストンブーツとカバーシム
とが当接した場合でも、ピストンブーツとカバー
シムとは略平面同志の当接となるので、特に部品
を追加することなく、ピストンブーツの切損を防
止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は一方のガイドピンを外し他方の
ガイドピンを中心にキヤリパを回動させた状態を
示す正面図、第２図は第１図の−線に沿う断
面図、第３図は平面図、第４図は本考案の他の実
施例を示すもので、一方のガイドピンを外し他方
のガイドピンを中心にキヤリパを回動させた状態
を示す背面図、第５図は従来のデイスクブレーキ
の要部を示す第２図同様の断面図である。 １１……キヤリア、１２……デイスク、１３，
３０……キヤリパ、１４……インナーパツド、１
４ａ……裏金、１５……アウタパツド、１６，３
１……ピストン、１７…ピストンブーツ、１８…
…シリンダ部、１９……アウタ爪、２０……ガイ
ドピン、２１……断熱シム、２２，３２……カバ
ーシム、２３，３３……カバー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイスクの外周をまたぎこのデイスクの両面に
   インナーパツド，アウタパツドを介して対向す
   る、ピストンが収容されかつ開口周縁部にピスト
   ンブーツが設けられたシリンダ部と、アウタ爪と
   を有するキヤリパが、前記デイスクの周方向に間
   隔をおいて配置された一対のガイドピンにより、
   前記デイスクの一側において車体の非回転部分に
   固定されるキヤリアに前記デイスクの軸線方向へ
   摺動自在に支持されかつ案内され、一方のガイド
   ピンを中心にして前記キヤリパが回動可能とされ
   たデイスクブレーキにおいて、前記ピストン側の
   インナーパツドの裏面に、前記ピストンブーツを
   デイスク面から遮断するための突出部を有するシ
   ムが設けられ、前記インナーパツドの裏金に、こ
   の裏金の裏面との間に前記シムを挾持してカバー
   シムが取り付けられ、このカバーシムには前記シ
   ムの突出部の上端側をカバーするカバー部が設け
   られたことを特徴とするデイスクブレーキ。