JPH0229571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気デイスク駆動装置に関する。

磁気デイスク駆動装置（以下「ドライブ」と称
する）において、記録再生ヘツドを所定のデイス
ク面上のトラツク位置まで移動させることを目的
とするヘツドアクチユエータ機構（以下単に「ア
クチユエータ」と称する）の動力伝達機構には、
従来の実施例第１図に示すように、ステツプモー
タ１の回転軸端に取付けられたプーリ２の周囲に
極めて薄い銅板３（以下単に「ベルト」と称す
る）を一回転に亘つて巻きつけ、ベルトの１カ所
４をプーリ２に固定し、両端２カ所５をアクチユ
エータ可動体６に固定した機構が多く用いられて
きた。またベルトには、プーリ周での巻き始めと
巻き終りの干渉をさけるために、中間の固定点よ
り一方の側をベルト全幅より狭く切り落とし、他
方の側には、前記狭部より大なる幅の穴８を設け
ている。この機構によれば、部品点数が少なく製
作費も安価であり、また伝達機構の占める体積が
小さく、機器の小型化に有利であるといつた利点
があつた。

しかし、近年ドライブの大容量化に伴い、トラ
ツクピツチが減少し、プーリ径も小径化する傾向
にある。そのため、プーリに巻きつけられている
ベルトに生じる曲げ応力が増大し、十分に余裕の
ある許容応力をもつ材料が得られなかつたか、あ
るいは存在したとしても、非常に高価であつた。
また同様な背景によつて、デイスク１枚当りのト
ラツク数も増加する方向にあり、プーリの総回転
角度を増加させることになるが、第１図に示す従
来の機構においては、その構造上ベルト３のプー
リ取付部４において自身で干渉がおこるため、プ
ーリの回転角を１回転（360゜）以上には設定でき
ず、多トラツク化が困難であるといつた問題点が
あつた。

本考案は、前記の問題点を解決するとともに、
長期信頼性の高い磁気デイスク駆動装置を提供し
ようとするものである。

本考案の磁気デイスク駆動装置は、磁気ヘツド
が取付けられたアクチユエータ可動体を電動機で
駆動させるヘツドアクチユエータ機構を有する磁
気デイスク駆動装置において、前記アクチユエー
タ可動体の移動方向の側面部に両端が固定された
複数の金属線と、前記複数の金属線のほぼ中間点
が固定され、且つ前記複数の金属線がそれぞれら
せん状に巻きつけられたプーリが連結された前記
電動機とを有することを特徴とする。

すなわち、アクチユエータの動力伝達機構に、
前記ベルトの代りに同材質でも許容引張り応力の
高い金属線を用いて、小径プーリの使用を可能と
し、トラツク密度を向上せしめ、同時にプーリに
対して前記金属線を複数回巻きつけることによつ
て、プーリが１回転以上回転する必要のある多ト
ラツク位置決めにも対応できるアクチユエータを
実現することができる。

以下、本考案を実施例に従つて示す。

第２図は本考案のアクチユエータ可動体を駆動
させる原理を示すものである。電動機１１の先端
にはプーリ２が装着されており、この周囲には金
属線１３が複数回巻きつけられている。金属線
は、その中間の一点１４でプーリ２に固定されて
おり、両端１５はアクチユエータの可動体６に固
定されており、電動機１１の回転によりプーリ２
も回転し、それに伴い金属線１３の一方の端には
プーリより巻き戻され、他方は巻きとられるため
に可動体６は一方向に移動し、磁気ヘツド９はデ
イスク１０に対して所定のトラツクに移動する。
また、移動時には可動体慣性のために、金属線全
体に単純引張り応力が加わり、これが許容応力を
超える場合には、第３図の本考案の実施例に示す
ように、前述の金属線を複数本、同方向に巻いて
用い、前記慣性力を分担する。

このように、同材質でも薄板材に比較して許容
応力の大きく安価な材料の得られる線材を用いた
ことにより、曲げ半径を小さく設計することが可
能となり、プーリ径を小さくすることによつてト
ラツク密度を容易に、かつ安価に向上させること
ができる。また、細い金属線をいたことにより、
限られた長さのプーリに対して、多数回らせん状
に巻きさけることが可能となり、プーリが一回転
以上する必要のある多トラツクアクセスを実現で
きる。さらに、複数線の金属線を用いる場合に、
本考案で示すように同方向に巻くことによつて、
第３図ａ，ｂでも明らかなように、どのトラツク
位置においてもプーリにはすきまなく金属線が巻
かれ、また第４図に示すように互いに逆方向に巻
きつけた場合に比べプーリの長さを短くすること
が可能となり、ドライブの小径化に大きく寄与す
る。

以上述べたように、本考案によれば、複数の金
属線がほぼ中間点で固定されているとともに、そ
の複数の金属線がそれぞれらせん状に巻きつけら
れたプーリを用いることにより、プーリの中心軸
の軸方向に対して斜めに倒そうと力が加わること
がなく、バランスがとれているとともに、またプ
ーリから直接アクチユエータ可動体を複数の金属
線を用いるだけで駆動させるので、構造が簡単で
あり、したがつて組立性もよく、さらには精度が
容易に得られるとともに、実用化した場合長期信
頼性の高い磁気デイスク駆動装置を提供すること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例を示す図。第２図は本考
案のアクチユエータ可動体を駆動させる原理を示
す図。第３図ａ，ｂは本考案の実施例を示す図。
第４図は他の実施例を示す図。 １……ステツプモータ、２……プーリ、３……
ベルト、６……アクチユエータ可動体、１１……
電動機、１３……金属線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気ヘツドが取付けられたアクチユエータ可動
   体を電動機で駆動させるヘツドアクチユエータ機
   構を有する磁気デイスク駆動装置において、 前記アクチユエータ可動体の移動方向の側面部
   に両端が固定された複数の金属線と、 前記複数の金属線のほぼ中間点が固定され、且
   つ前記複数の金属線がそれぞれらせん状に巻きつ
   けられたプーリが連結された前記電動機とを有す
   ることを特徴とする磁気デイスク駆動装置。