JPH02295649A - 薄肉鋳片の連続鋳造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加工性及び表面性状に優れた薄肉鋳片をツイ
ンドラム方式で製造する装置に関する。

〔従来の技術〕

近年、溶鋼等の溶融金属から最終形状に近い薄肉鋳片を
直接的に製造するとき、後工程での熱延や熱処理等を軽
減或いは省略することができるため、工程及び設備の簡
略化が図られる。このような連続鋳造法に、ツインドラ
ム方式，単ドラム方式，ツインベルト方式．単ベルト方
式，ベルトードラム方式等がある。

このうち、ツインドラム方式は、薄肉鋳片の形状がドラ
ムギャップでほぼ定まるため、形状特性に優れた鋳片を
製造する手段として有望視されている。この方式による
場合、一対の冷却ドラムの間に形成された湯溜り部で溶
融金属が凝固を開始して完了するまでの間が極めて短い
。そのため、ドラムギャップから送り出された薄肉鋳片
は、未だ高温の状態にあり、ドラムと接触する鋳片表層
部と板厚中心部では温度差が太き《、且つ内部に未凝固
部分を含んでいる場合もある。この未凝固部分を含む鋳
片内部の高温部が保有している熱は、薄肉鋳片がドラム
ギャップから出た後で表層部に伝わり、復熱する。そし
て、薄肉鋳片自体が高温であることと相俟って、鋳片厚
全体にわたって内部組織が不揃いとなる。

この内部組織の不揃いは、一定以上の加工率を有する熱
間圧延を省略する本プロセスでの鋳片を、従来の製造工
程である酸洗一冷間圧延一焼鈍工程で最終製品にすると
き、製品の加工性を劣化させたり、表面欠陥を発生させ
る原因となる。たとえば特公昭６３−１９２５８号公報
では、ドラムギャップから送り出された薄肉鋳片を、一
方の冷却ドラムに密着させた状態で走行させ、冷却ドラ
ムを介した抜熱によって薄肉鋳片を急冷している。また
、特開昭６３−６８２４８号公報では、薄肉鋳片の搬送
路に沿って複数の水冷補助ロールを配置して、ブレーク
アウトを防止すると共に、薄肉鋳片を急冷している。ま
た、本出願人も、冷却ドラムに対する薄肉鋳片の接触状
態を改善するため、ドラムギャップから送り出された直
後の薄肉鋳片に対して高圧流体を吹き付けることを開発
し、特願昭６３−９４２７号として出願している。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、キッシングポイントから出た後の薄肉鋳片は
、冷却ドラムによる抜熱の結果、熱収縮する。一方、加
熱・冷却を繰返し受ける冷却ドラムは、周面形状が複雑
に変化している。前述の特公昭６３−１９２５８号公報
，特開昭６３−６８２４８号公報に記載されているよう
に、冷却ドラム周面と薄肉鋳片との良好な密着状態を押
付けロールがない部分も含めて連続的に維持できず、大
きな熱流束を通過させる放熱路を薄肉鋳片と冷却ドラム
との間に形成することが難しい。また、不均一接触のた
めに、薄肉鋳片に温度ムラが生じ易く、内部組織が不揃
いとなる。

一方、特願昭６３−９４２７号にて提案した高圧流体を
吹き付ける方法は、流体が気体の場合、薄手鋳片（〜０
．５市）には効果があるが、板厚が１〜９ｍｆｆｌ程度
になると効果が殆どない。流体に液体（例えば水）を使
用した場合、水蒸気が雰囲気を劣化し、安定した鋳造が
困難である欠点があった（鋳片の割れ）。

そこで、本発明は、キッシングポイントから押付けロー
ルに至る薄肉鋳片の走行路を規制するべルトを設け、こ
のベルトを介して薄肉鋳片に押圧力を加えることによっ
て、冷却ドラムと薄肉鋳片との良好な密着状態を維持し
、且つ、ベルト面からの鋳片の抜熱をし、鋳片両面から
冷却することにより、鋳造直後の薄肉鋳片を急冷し、均
一な内部組織をもつ鋳片を製造することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の薄肉鋳片の連続鋳造装置は、その目的を達成す
るために、湯溜り部を区画する一対の冷却ドラムと、キ
ッシングポイントより下方の位置で前記冷却ドラムの一
方の周面に対向して配置された補助押付けロールと、前
記キッシングポイントから送り出された薄肉鋳片の走行
路に沿って前記補助押付けロールよりも下流側に配置さ
れた主押付けロールと、前記補助押付けロール及び前記
主押付けロールに渡って捲回されたベルＦと、該ベルト
を前記一方の冷却ドラムの周面に前記薄肉鋳片を介して
押し付ける冷媒噴射ノズルとを備えていることを特徴と
する。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら、実施例により本発明の特徴
を具体的に説明する。

第１図は、本実施例の連続鋳造設備を示す概略図である
。一対の冷却ドラムｌａ，　ｌｂを、互いに逆方向に回
転するように平行配置する。そして、冷却ドラムｌａ，
　ｌｂの周面間にある空間部のドラム軸方向側部をサイ
ド堰（図示せず）で仕切り、湯溜り部２を形成する。こ
の湯溜り部２に、タンディッシ．３等の中間容器に収容
されている溶融金属４を浸漬ノズルを介して注湯する。

湯溜り部２に注湯された溶融金属は、冷却ドラムｌａ，
　ｌｂを介した抜熱によって冷却・凝固し、冷却ドラム
ｌａ，　ｌｂの周面に凝固シェルとなって成長する。そ
れぞれの冷却ドラムｌａ，　ｌｂ周面に形成された凝固
シェルは、キッシングポイントＰで一体化され、薄肉鋳
片５として送り出される。この薄肉鋳片５は、補助押付
けロール６，主押付けロール７Ｒびベルト８によって規
制された走行路に沿って冷却ドラム１ａの周面に密着し
ながら、主押付けロール７まで走行する。

ベルト８は、板厚１〜１．５順の冷間圧延高張力鋼帯を
使用し、補助押付けロール６，主押付けロール７及びプ
ーり９を周回するように設けられている。鋳造する鋼種
及び鋳造板厚範囲が大きいために、主押付けロール７と
補助押付けロール６０間のベルトによる冷却範囲Ｌのコ
ントロールカ必要な場合には、ブーリ９を、ガイド１０
に沿って冷却ドラム１ａに近接・離間する。また、主押
付けロール７は、ガイド１１に沿って冷却ドラム１ａの
円周方向に移動可能となっている。プーリ９を冷却ドラ
ムｌａから離間させるとき、その移動距離に応じて主押
付けロール７が補助押付けロール６側に移動し、補助押
付けロール６と主押付けロール７との間にあるベルト８
が短くなる。逆に、プーリ９を冷却ドラム１ａに近接さ
せると、補助押付けロール６と主押付けロール７との間
にあるベルト８の長さを大きくすることができる。

この部分のベルト８の長さを調節することにより、冷却
ドラム１ａの周面に密着して走行する薄肉鋳片５の範囲
Ｌが調節される。たとえば、薄肉鋳片５を低い温度まで
冷却する場合には密着走行範囲Ｌを大きくとり、あまり
低温度まで冷却する必要がない場合には密着走行範囲Ｌ
を短くする。

補助押付けロール６と主押付けロール７との間を走行す
るペルト８の裏面側には、冷媒噴射ノズル１２が設けら
れている。この冷媒噴射ノズル１２から高圧の冷媒をベ
ルト８裏面に吹き付けるとき、流体圧によってベルト８
が冷却ドラム１ａの周面に押し付けられ、薄肉鋳片５が
冷却ドラム１ａの周面に密着する。また、ベルト８裏面
に吹き付けた冷媒によって、薄肉鋳片５とベルト８及び
冷却ドラム１ａとの密着走行範囲Ｌにおいて、補助ロー
ル６がキッシングポイン｝Ｐに近い場所に設置されてふ
り、また、冷却されたベルトが連続的に最も高温の鋳片
に当たるために、特に高温部での薄肉鋳片５の抜熱も行
われる。また、このように冷却ドラムｌａ周面に密着し
た状態で薄肉鋳片５が走行するため、温度ムラを生じる
ことな《薄肉鋳片５は均一に急速冷却される。

たとえば、ＳＵＳ３０４組成をもち温度１５３０℃のス
テンレス溶鋼を湯溜り部２に注湯し、径１２００ｍｍの
冷却ドラムｌａ，　ｌｂを使用して、肉厚２．０ｍｍで
板幅８００叩の薄肉鋳片５を鋳造速度９０ｍ／分で鋳造
した。このとき、キッシングポイントＰを出た直後の薄
肉鋳片５の温度は、板厚方向平均で約１３５０℃であっ
た。この薄肉鋳片５が長さ６００ｍ＋＋＋の密着走行範
囲Ｌを経て主押付けロール７に到達したとき、薄肉鋳片
５の温度は約１０５０℃であった。また、このときの薄
肉鋳片５の温度偏差は、幅方向に関して３０℃以下であ
った。なお、ベルト８の裏面側から、圧力２０　ｋｇ　
／　ｃｒｌで冷却水を吹き付けた。

このようにして得られた薄肉鋳片５は、全幅にわたって
均一な内部組織をもっていた。

これに対し、ベルト８を使用せず主押付けロール７のみ
で、薄肉鋳片５を冷却ドラム１ａに接触させながら走行
させたところ、主押付けロール７に到達した薄肉鋳片５
の温度は約１２００℃であり、鋳片幅方向に約２００　
℃の温度偏差が発生していた。

その結果、従来法で製造した薄肉鋳片５の内部組織は不
揃いで、所定の表面性状の製品が得られなかった。

〔発明の効果〕

以上に説明したように、本発明においては、キッシング
ポイントを出た後の薄肉鋳片を冷却ドラムに密着させた
状態で主押付けロールまで送り、且つドラム面と反対面
で冷却ベルトを介して冷却することによって、温度ムラ
を発生させることなく、薄肉鋳片を急速冷却している。

そのため、得られた薄肉鋳片は、均一な内部組織をもっ
たものとなり、この薄肉鋳片を最終形状に圧延した場合
、優れた表面性状をもつ製品となる。しかも、内部組織
も均一で、機械的な性質も優れている。また、薄肉鋳片
が冷却ドラムに密着して走行する範囲を自由に調節する
ことができるため、網種に応じた製造条件の調整も容易
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明実施例の連続鋳造装置を示す概略図で
ある。 ｌａ，ｌｂ：冷却ドラム ３：タンディッシニ ５：薄肉鋳片 ７：主押付けロール ９：ブーリ Ｐ：キッシングポイント ２：湯溜り部 ４：溶融金属 ６：補助押付けロール ８：ベルト １０．１１：ガイド Ｌ：密着走行範囲

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、回転する冷却ドラムと、キッシングポイントより下
   方の位置で前記冷却ドラムの一方の周面に対向して配置
   された補助押付けロールと、前記キッシングポイントか
   ら送り出された薄肉鋳片の走行路に沿って前記補助押付
   けロールよりも下流側に配置された主押付けロールと、
   前記補助押付けロール及び前記主押付けロールに渡って
   捲回されたベルトと、該ベルトを前記一方の冷却ドラム
   の周面に前記薄肉鋳片を介して押し付ける冷媒噴射ノズ
   ルとを備えていることを特徴とする薄肉鋳片の連続鋳造
   装置。