JPH0229476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は同一機で罐、壜商品および紙パツク
商品等の異種商品の販売を行う自動販売機の商品
搬出用シユータ装置に関する。

〔従来の技術〕

まず第５図にこの考案の対象となる自動販売機
の従来構成を示す。図において、１は自動販売機
のキヤビネツト、２はその前面扉、３は前面扉２
に開口された商品取出口である。一方キヤビネツ
トの商品収納庫内には、前後に並べて複数コラム
の商品棚４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄが収設されてお
り、これら各商品棚に対向してその下方には先端
を前記商品取出口３へ向けて下向きに傾斜した共
通シユータ５が配置されている。この共通シユー
タ５の傾斜角をθで示す。なお図示の各商品棚は
スパイラル式商品搬送棚であり、その構成はよく
知られているように各基ごとにコラム内にベンド
モータ６で回転操作されるスパイラル搬送体７を
装備しており、このスパイラル搬送体７の各螺旋
ピツチ間に商品８を挟んで収納し、販売指令によ
り指定されたコラムの商品棚のベンドモータが始
動すると、これにより商品８が棚内を下方に螺旋
送りされ、その最下位から１個宛の商品がシユー
タ５の上に落下搬出される。またシユータ上に搬
出された商品８は共通シユータ５の上面を滑動し
て商品取出口３へ送出される。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記自動販売機では機内の商品収納
スペースをできるだけ大きくとるために、共通シ
ユータ５の傾斜角θ、従つてその所要高さ寸法Ｈ
が小さいことが望まれる。しかして商品８の滑動
性を考慮した場合には、このシユータの傾斜角を
あまり小さくすると商品８が円滑に滑動しなくな
り、商品の搬出トラブルを引き起こすおそれがあ
る。この場合に、商品容器の種類、シユータの傾
斜角を種々に変えて行つた実験より得た知見によ
れば、商品８が罐、壜等の転動性容器入り商品で
ある場合には、共通シユータ５の傾斜角θが30度
程度で円滑な滑動性が得られるが、方形状の紙パ
ツク入り商品のような非転動性容器入り商品では
前記の商品に比べて滑動性が悪く、シユータの傾
斜角θを約40度の急峻な角度にしないと商品が円
滑に滑動しないことが認められている。しかも共
通シユータ５の傾斜角θが大になるにしたがつて
その所要高さ寸法Ｈも大となり、それだけ商品収
納スペースが制約を受けるし、さらに加えて前方
に位置する商品棚４ａ，４ｂはその商品搬出口と
共通シユータ５のシユータ面との間の落差が大と
なるのでそれだけ搬出時の落下衝撃が大きくなつ
て商品容器の破損のおそれもある。

一方、図示例のように複数コラムの商品棚４ａ
〜４ｄのうち、ある商品棚４ａ，４ｃには断面円
形の転動性容器入り商品８ａを、他の商品棚４
ｂ，４ｄには非転動性容器入り商品８ｂを収納し
て販売を行う場合には、共通シユータ５の傾斜角
θを滑動性の悪い商品８ｂにあわせざるを得ず、
このために機内の商品収納効率が低下する。

この考案は上記の点にかんがみなされたもので
あり、同一機で罐、壜入り商品および紙パツク入
り商品等の異種商品の販売を行う自動販売機を対
象に、従来と比べて機内の商品収納効率の改善が
図れるようにした自動販売機の商品搬出用シユー
タ装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案は非転動
性容器入り商品を収容する商品棚を前方に、転動
性容器入り商品を収容する商品棚を後方に並べ、
これら各商品棚に対向してその下方に商品取出口
へ向けて下向きに傾斜し、かつその傾斜角を前記
各商品のうちの転動性容器入り商品に合わせて定
めた共通シユータを配備するとともに、前記商品
棚のうち非転動性容器入り商品を収容して庫内の
前方に並ぶ商品棚に対応してその商品搬出口と前
記共通シユータのシユータ面との間の残余空間に
は、傾斜角が共通シユータの傾斜角よりも急峻な
補助シユータを前方へ揺動可能に垂下して設置し
たものである。

〔作用〕

この考案によれば、商品搬出時に、転動性容器
入り商品は共通シユータ上を滑動して商品取出口
に搬出し、一方、非転動性容器入り商品は補助シ
ユータ上を滑動して商品取出口へ円滑に搬出させ
るようになる。

〔実施例〕

第１図ないし第４図はこの考案の実施例を示す
ものであり、各図において第５図と同じ符号は同
一部材を示す。この考案によれば、まず庫内に並
ぶ複数コラムの商品棚４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄの
うち、その前方には紙パツク入り商品等の非転動
性容器入り商品８ｂを収納した商品棚４ａ，４ｂ
が並び、これに対して庫内の後方には罐、壜商品
等の転動性容器入り商品８ａを収納した商品棚４
ｃ，４ｄが並ぶように配置されている。そしてこ
れら各商品棚に対向してその下方には、傾斜角θ
を転動性容器入り商品８ａに合わせて設定した緩
傾斜角の共通シユータ５が商品取出口３との間を
連繋して配備されている。さらに前方に並ぶ商品
棚４ａ，４ｂに対応してその商品棚の商品搬出口
と前記共通シユータ５のシユータ面との間にのこ
る充分な落差の残余空間には、その傾斜角αを共
通シユータ５の傾斜角θよりも急峻な角度に設定
した補助シユータ９が共通シユータと同様にその
先端を商品取出口３へ向け、かつその先端を共通
シユータ５のシユータ面と非接触式に浮かして配
備されている。またこの補助シユータ９は第３
図，第４図に示すように、その上端が機内の側壁
にねじ止め固定した取付け具１０の支軸ピン１１
に揺動自在に軸支され、かつ所定の傾斜角αの傾
斜姿勢を保つてシユータの裏面がＰ点で取付け具
１０へ寄り掛かるように当接して担持されてい
る。この状態で補助シユータ９は第４図のように
支軸ピン１１を中心に前方に向けて自由に揺動し
得る。

上記の構成により、販売に際して商品棚４ａ〜
４ｄのうち転動性容器入り商品８ａを収容した商
品棚４ｃ，４ｄのいずれかが選択されてこの商品
棚から商品８ａが搬出されると、この商品８ａは
矢印Ａのように共通シユータ５の上に着地してそ
の傾斜面を商品取出口３へ向けて滑動する。この
途中で商品が補助シユータ９に差し掛かると、補
助シユータ９は商品８ａに押されて前方に揺動
し、これにより商品８ａは補助シユータ９を擦り
抜けて商品取出口３へ搬送される。しかも補助シ
ユータ９はその先端を共通シユータ５と非接触式
に浮かして配置したことにより、庫内の冷却によ
つて補助シユータと共通シユータとが氷結により
互いに結着し合うおそれもなく、したがつて補助
シユータ９が商品棚４ｃ，４ｄからの搬出商品に
対して障害物となることはない。一方、非転動性
容器入り商品８ｂを収納した商品棚４ａ，４ｂの
いずれかが選択されて、商品８ｂが落下搬出され
ると、この商品は傾斜角αの補助シユータ９の上
に着地し、その傾斜面上を滑動して矢印Ｂのよう
に商品取出口３へ向けて搬送される。しかもこの
搬送過程では、補助シユータ９の傾斜角αはあら
かじめ急峻な角度に設定されているので、紙パツ
ク入り商品のような非転動性容器入り商品８ｂで
も途中で停止することなく確実に商品取出口３ま
で搬送されることになる。

なお、図示の実施例では前後に並ぶ４コラムの
商品棚４ａ〜４ｄのうち前方２列の商品棚４ａ，
４ｂを非転動性容器入り商品専用として、この商
品棚に補助シユータ９を対応させたものを示した
が、最前列の商品棚４ａのみを非転動性容器入り
商品専用として、この商品棚に補助シユータ９を
対向配置するようにした変更も可能である。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案によれば、非転動性
容器入り商品を収容する商品棚を前方に、転動性
容器入り商品を収容する商品棚を後方に並べ、こ
れら各商品棚に対向してその下方に商品取出口へ
向けて下向きに傾斜し、かつその傾斜角を前記各
商品のうちの転動性容器入り商品に合わせて定め
た共通シユータを配備するとともに、前記商品棚
のうち非転動性容器入り商品を収容して庫内の前
方に並ぶ商品棚に対応してその商品搬出口と前記
共通シユータのシユータ面との間の残余空間に
は、傾斜角が共通シユータの傾斜角よりも急峻な
補助シユータを前方へ揺動可能に垂下して設置し
たことにより、同一機で罐、壜商品等の転動性容
器入り商品と紙パツク入り商品等の非転動性容器
入り商品の併売を行う自動販売機を対象に、機内
に設置した各商品棚に対向する共通シユータの傾
斜角を罐、壜商品に対応した緩い傾斜角に定めた
ままで、滑動性の悪い紙パツク入り商品を補助シ
ユータを経て円滑に商品取出口へ搬送することが
でき、その結果として機内の商品収納効率の向上
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係る自動販売機の
全体構成を示す縦断側面図、第２図は第１図の一
部省略の正面図、第３図および第４図はそれぞれ
第１図における補助シユータならびにその取付け
部の詳細構造を示す正面図および側面図、第５図
は従来の自動販売機の全体構成を示す縦断側面図
である。 図において、１……自動販売機のキヤビネツ
ト、３……商品取出口、４ａ，４ｂ……非転動性
容器入り商品を収納した商品棚、４ｃ，４ｄ……
転動性容器入り商品を収納した商品棚、５……共
通シユータ、８ａ……転動性容器入り商品、８ｂ
……非転動性容器入り商品、９……補助シユー
タ、１０……補助シユータの取付け具、１１……
取付け具の支軸ピン、θ……共通シユータの傾斜
角、α……補助シユータの傾斜角。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 機内商品収納庫に並置せる複数コラムの商品
   棚から落下搬出された商品の前方に開口する商
   品取出口へ向けて送出する自動販売機の商品搬
   出用シユータ装置であつて、非転動性容器入り
   商品を収容する商品棚を前方に、転動性容器入
   り商品を収容する商品棚を後方に並べ、これら
   各商品棚に対向してその下方に商品取出口へ向
   けて下向きに傾斜し、かつその傾斜角を前記各
   商品のうちの転動性容器入り商品に合わせて定
   めた共通シユータを配備するとともに、前記商
   品棚のうち非転動性容器入り商品を収容して庫
   内の前方に並ぶ商品棚に対応してその商品搬出
   口と前記共通シユータのシユータ面との間の残
   余空間には、傾斜角が共通シユータの傾斜角よ
   りも急峻な補助シユータを前方へ揺動可能に垂
   下して設置したことを特徴とする自動販売機の
   商品搬出用シユータ装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のシユー
   タ装置において、補助シユータはその上端が取
   付け具に揺動自在に軸支され、かつ所定の傾斜
   角姿勢位置で前記取付け具に担持されているこ
   とを特徴とする自動販売機の商品搬出用シユー
   タ装置。