JPH02294453A - 軸受用ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents
軸受用ステンレス鋼及びその製造方法Info
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- JPH02294453A JPH02294453A JP11479289A JP11479289A JPH02294453A JP H02294453 A JPH02294453 A JP H02294453A JP 11479289 A JP11479289 A JP 11479289A JP 11479289 A JP11479289 A JP 11479289A JP H02294453 A JPH02294453 A JP H02294453A
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Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、冷間加工性に優れた軸受用ステンレス鋼およ
びその製造方法に関する。
びその製造方法に関する。
(従来の技術)
高炭素Cr軸受鋼としては、従来より、JIS G 4
805に規定されるSUJ2(1%C−1.4%Cr含
有鋼)が最もよく使用されている。
805に規定されるSUJ2(1%C−1.4%Cr含
有鋼)が最もよく使用されている。
しかし、このSUJ 2を高温・食品産業・マンドボン
プ・高精度シャフト(コンピュータ一部品)等の、水・
湿潤環境下における使用の際の発錆・腐食が問題とされ
る部品に適用すると、耐食性が不足して、早期に発錆し
てしまうために使用することができなかった. そこで、高炭素Cr軸受鋼よりも、さらに優れた耐食性
を有するステンレス軸受鋼が強く要求されている。この
ようなステンレス軸受鋼としては、JIS 440Cが
従来より最も広く使用されていた.ところが、このステ
ンレス軸受鋼として用いられるJIS440Cには、以
下に列記するような問題点があった。
プ・高精度シャフト(コンピュータ一部品)等の、水・
湿潤環境下における使用の際の発錆・腐食が問題とされ
る部品に適用すると、耐食性が不足して、早期に発錆し
てしまうために使用することができなかった. そこで、高炭素Cr軸受鋼よりも、さらに優れた耐食性
を有するステンレス軸受鋼が強く要求されている。この
ようなステンレス軸受鋼としては、JIS 440Cが
従来より最も広く使用されていた.ところが、このステ
ンレス軸受鋼として用いられるJIS440Cには、以
下に列記するような問題点があった。
■鋼中のC,Crの含有量がともに高いことに起因して
、鋳造のままでは20pa以上の粒径の巨大初析炭化物
が生成するため、冷間加工を実質的に不可能とし、さら
に疲労強度、耐食性(基地中の有効Cr量が低下するた
め)、靭性、切削性等を劣化させていた。
、鋳造のままでは20pa以上の粒径の巨大初析炭化物
が生成するため、冷間加工を実質的に不可能とし、さら
に疲労強度、耐食性(基地中の有効Cr量が低下するた
め)、靭性、切削性等を劣化させていた。
この巨大初析炭化物をその後の熱処理により鋼中に固溶
させることは不可能であって、凝固法の如何にかかわら
ず、その生成を回避することはできなかった. ■一般的に、鋼材に冷間加工を行うには、その前工程で
ある焼鈍により少なくともIIRC≦20とすることが
できれば可能であり、さらにIIRc≦10とすること
ができれば極めて容易に実施することができる。しかし
、JI5440Cでは如何に条件を変えて焼鈍を行って
も高々HRC:22程度にしかならず、HRC≦20と
することはできなかった。
させることは不可能であって、凝固法の如何にかかわら
ず、その生成を回避することはできなかった. ■一般的に、鋼材に冷間加工を行うには、その前工程で
ある焼鈍により少なくともIIRC≦20とすることが
できれば可能であり、さらにIIRc≦10とすること
ができれば極めて容易に実施することができる。しかし
、JI5440Cでは如何に条件を変えて焼鈍を行って
も高々HRC:22程度にしかならず、HRC≦20と
することはできなかった。
■さらに、近年JIS440Cの改良がなされているが
、その改良の殆どは、JIS440Cの耐食性または焼
入れ硬度の改善を主たる目的とするものであって、例え
ば耐食性改善策としてCr≧12.5重景%、焼入れ硬
度確保策としてC≧0.7重量%と組成を限定する手段
である. たとえば、「電気製鋼、第53巻、第4号(P256〜
P264) Iには、高C一高Cr系冷間工具鋼(1%
Mo−0.3%■添加鋼)の焼入れ特性に及ぼすC −
Crの影響を調査している.その結果、 [オーステナイト結晶粒はC,Crの増加に伴って小さ
くなるが、その成長挙動は 式 L=(重量%Cr) +15.5X (重量%C〕
により影響され、 (i)オーステナイト結晶粒はL=25〜28の時が最
も小さい (ii)Lが25より大きくなると、l〇一以上の巨大
炭化物が急増する」 ことが報告されている. (発明が解決しようとする課題) しかし、この公知手段では、巨大初析炭化物をなくし、
冷間加工性・焼入れ硬度・耐食性を確保することはでき
ない。
、その改良の殆どは、JIS440Cの耐食性または焼
入れ硬度の改善を主たる目的とするものであって、例え
ば耐食性改善策としてCr≧12.5重景%、焼入れ硬
度確保策としてC≧0.7重量%と組成を限定する手段
である. たとえば、「電気製鋼、第53巻、第4号(P256〜
P264) Iには、高C一高Cr系冷間工具鋼(1%
Mo−0.3%■添加鋼)の焼入れ特性に及ぼすC −
Crの影響を調査している.その結果、 [オーステナイト結晶粒はC,Crの増加に伴って小さ
くなるが、その成長挙動は 式 L=(重量%Cr) +15.5X (重量%C〕
により影響され、 (i)オーステナイト結晶粒はL=25〜28の時が最
も小さい (ii)Lが25より大きくなると、l〇一以上の巨大
炭化物が急増する」 ことが報告されている. (発明が解決しようとする課題) しかし、この公知手段では、巨大初析炭化物をなくし、
冷間加工性・焼入れ硬度・耐食性を確保することはでき
ない。
すなわち、前述した「電気製鋼、第53巻、第4号(P
256〜P264) Jにより提案された手段では、そ
の第10図においても示されているように、C:0.6
重量%−Cr:10重量%含有鋼でも巨大初析炭化物が
生成し、冷間加工を実質的に不可能としていることがわ
かる.そこでこの冷間加工性を改善するため焼鈍を行っ
ても、本発明者らの確認によればHRC:22程度にし
か低減できなかった.また、巨大初析炭化物が生成しな
いとして報告されているC:0.6重量%−Cr:6重
量%含有鋼では、耐食性が著しく劣化することとなって
しまう. また、焼入れ硬度は、軸受鋼として用いるためには、H
RC≧56が必要であるが、巨大初析炭化物をなくし、
冷間加工性を改善するためにclを低下させると、この
焼入れ硬度を確保することができない。
256〜P264) Jにより提案された手段では、そ
の第10図においても示されているように、C:0.6
重量%−Cr:10重量%含有鋼でも巨大初析炭化物が
生成し、冷間加工を実質的に不可能としていることがわ
かる.そこでこの冷間加工性を改善するため焼鈍を行っ
ても、本発明者らの確認によればHRC:22程度にし
か低減できなかった.また、巨大初析炭化物が生成しな
いとして報告されているC:0.6重量%−Cr:6重
量%含有鋼では、耐食性が著しく劣化することとなって
しまう. また、焼入れ硬度は、軸受鋼として用いるためには、H
RC≧56が必要であるが、巨大初析炭化物をなくし、
冷間加工性を改善するためにclを低下させると、この
焼入れ硬度を確保することができない。
さらに耐食性を高めるためにはC『含有量を増加させる
ことが望ましいが、Cr含有量を増加させると、巨大炭
化物が生成し、冷間加工性を劣化させてしまう。
ことが望ましいが、Cr含有量を増加させると、巨大炭
化物が生成し、冷間加工性を劣化させてしまう。
したがって、このような手段では、前記巨大初析炭化物
の析出を防止すること、および冷間加工時の加工性を改
善することは不可能であった。
の析出を防止すること、および冷間加工時の加工性を改
善することは不可能であった。
ここに、本発明の目的は、巨大初析炭化物をなくし、冷
間加工性・焼入れ硬度および耐食性を確保する軸受用ス
テンレス鋼を提供することにある。
間加工性・焼入れ硬度および耐食性を確保する軸受用ス
テンレス鋼を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
本発明者は、上記の課題を解決するため種々検討を重ね
た結果、次に示すような新規知見を得た.すなわち、 ■巨大初析炭化物の生成を抑制するには、用いる鋼片の
組成を、Cr+lOC≦18重量%と限定することが有
効であること、 ■冷間加工性を確保するには、上記■に示した手段とと
もに鋼材に組成の限定とある特定した条件の軟化焼鈍方
法を用いることにより、少なくともHRC≦20、好ま
しくはHRC≦10とすることができること、 ■耐食性については、巨大初析炭化物の生成がなければ
、事実上Cr≧7.5重量%で耐食性の劣化は殆ど発生
しないこと、および ■焼入れ硬度は、巨大初折炭化物がなければ、C≧0.
50重量%とすることで所望の焼入れ硬度を得ることが
できるが、Cr:l2.5重1%超では困難であること を知見した。
た結果、次に示すような新規知見を得た.すなわち、 ■巨大初析炭化物の生成を抑制するには、用いる鋼片の
組成を、Cr+lOC≦18重量%と限定することが有
効であること、 ■冷間加工性を確保するには、上記■に示した手段とと
もに鋼材に組成の限定とある特定した条件の軟化焼鈍方
法を用いることにより、少なくともHRC≦20、好ま
しくはHRC≦10とすることができること、 ■耐食性については、巨大初析炭化物の生成がなければ
、事実上Cr≧7.5重量%で耐食性の劣化は殆ど発生
しないこと、および ■焼入れ硬度は、巨大初折炭化物がなければ、C≧0.
50重量%とすることで所望の焼入れ硬度を得ることが
できるが、Cr:l2.5重1%超では困難であること を知見した。
さらに本発明者は検討を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。ここに本発明の要旨とするところは、重量%
で、 C : 0.50〜0.90%、 Si: 0.10
〜1.00%、Mn: 0.2〜1.5%、 P:0
.025%以下、S: 0.020%以下、 Cr:
7.5 〜12.5%、ただし、Cr+10C≦18
%、 残部Fe及び不可避的不純物 からなる鋼組成を有し、焼鈍後の硬度がIIRc≦20
であることを特徴とする、冷間加工性に優れた軸受用ス
テンレス鋼である。
に至った。ここに本発明の要旨とするところは、重量%
で、 C : 0.50〜0.90%、 Si: 0.10
〜1.00%、Mn: 0.2〜1.5%、 P:0
.025%以下、S: 0.020%以下、 Cr:
7.5 〜12.5%、ただし、Cr+10C≦18
%、 残部Fe及び不可避的不純物 からなる鋼組成を有し、焼鈍後の硬度がIIRc≦20
であることを特徴とする、冷間加工性に優れた軸受用ス
テンレス鋼である。
また、上記の本発明の好適態様として、さらに重量%で
、Mo: 0.01〜2.00%を含んでいてもよい。
、Mo: 0.01〜2.00%を含んでいてもよい。
また、別の面からは、本発明は、重量%で、C : 0
.50 〜0.90%、 Si: 0.1(1〜l.
oo%、Mn: 0.2 〜1.5%、 P:0.0
25%以下、S:0.020%以下、 Cr: 7.
5 〜12.5%、ただし、Cr+10C≦18%、 さらに必要により−o;0.01〜2.00%、残部F
e及び不可避的不純物 からなる鋼組成を有する鋼片を所定の形状に熱間成形後
、950〜1l00℃の温度域に15分〜5時間均熱保
持してから150℃/h 以下の冷却速度で720〜
550℃の温度域に冷却し、冷却停止後720〜500
℃の温度域に1分〜5時間保持した後650〜800℃
の温度域に0.5〜5時間再加熱保持し、その後冷却す
ることを特徴とする、冷間加工性に優れた軸受用ステン
レス鋼の製造方法である。
.50 〜0.90%、 Si: 0.1(1〜l.
oo%、Mn: 0.2 〜1.5%、 P:0.0
25%以下、S:0.020%以下、 Cr: 7.
5 〜12.5%、ただし、Cr+10C≦18%、 さらに必要により−o;0.01〜2.00%、残部F
e及び不可避的不純物 からなる鋼組成を有する鋼片を所定の形状に熱間成形後
、950〜1l00℃の温度域に15分〜5時間均熱保
持してから150℃/h 以下の冷却速度で720〜
550℃の温度域に冷却し、冷却停止後720〜500
℃の温度域に1分〜5時間保持した後650〜800℃
の温度域に0.5〜5時間再加熱保持し、その後冷却す
ることを特徴とする、冷間加工性に優れた軸受用ステン
レス鋼の製造方法である。
さらに、上記の軸受用ステンレス鋼の製造方法において
、前記鋼片は一辺350 mm角あるいはこれと同一断
面積かもしくはそれ以下の断面積を有するモールドに連
続鋳造することによって得られたものであってもよい。
、前記鋼片は一辺350 mm角あるいはこれと同一断
面積かもしくはそれ以下の断面積を有するモールドに連
続鋳造することによって得られたものであってもよい。
本発明において、[冷間加工性に優れた」とは、例えば
冷間加工が限界圧縮率で20%以上可能で、焼入れ硬度
がHRC≧56であることをいう。
冷間加工が限界圧縮率で20%以上可能で、焼入れ硬度
がHRC≧56であることをいう。
(作用)
以下、本発明を作用効果とともに詳述する。なお、本明
細書において、「%」は特にことわりがない限りr重量
%」を意味するものとする。
細書において、「%」は特にことわりがない限りr重量
%」を意味するものとする。
まず、本発明において、ステンレス鋼の組成を制限する
理由を説明する。
理由を説明する。
C:焼入れ硬度を確保するためには0.50%以上必要
であるが、0.90%超では107mを超える巨大初?
炭化物が生成し、その後の加工・熱処理の条件を如何に
変更してもlOuI1以下に小さくならない。しかも、
焼鈍後の軟化を不十分とし、さらには焼入れ時にオース
テナイトが残留し、かえって焼入れ硬度の低下を招く。
であるが、0.90%超では107mを超える巨大初?
炭化物が生成し、その後の加工・熱処理の条件を如何に
変更してもlOuI1以下に小さくならない。しかも、
焼鈍後の軟化を不十分とし、さらには焼入れ時にオース
テナイトが残留し、かえって焼入れ硬度の低下を招く。
したがって、C含有量は、0.50%以上0. 90%
以下と制限する。
以下と制限する。
Si:脱酸に有効な元素であり、0. 10%未満では
酸化物系介在物が増加し疲労強度が低下する。
酸化物系介在物が増加し疲労強度が低下する。
方、1.00%超ではSiO■系の大型介在物が増加し
疲労強度が低下する。したがって、Si含有量を0.1
0%以上1.00%以下と制限する。
疲労強度が低下する。したがって、Si含有量を0.1
0%以上1.00%以下と制限する。
Mn: 0.2%未満では、脱酸が困難である。しかも
、粒界にSが偏析し熱間加工性を劣化させる。
、粒界にSが偏析し熱間加工性を劣化させる。
方、1.5%超では特性は急激に低下しない力側nS系
介在物が増加し疲労強度が低下する.したがって、Mn
含有量を0.2%以上1.5%以下と制限する. P,S: ともに、鋼中不純物としてなるべく少ない方
が良い.上限を超えると、介在物が増え疲労強度が低下
するからである。また、Sは切削性を改善させるため添
加する場合があるが、0.020%超では疲労強度が低
下することとなる.そこで、Pは0.025%以下、S
は0.020%以下と制限する. Cr: 7.5%未満では、10usを超える巨大初析
炭化物は生成しない.しかし、有効Crが相対的に高い
としても、耐食性は十分でない.一方、12.5%超で
は10mを超える巨大初析炭化物が生成し各種の特性を
劣化させることとなる.したがって、C『含有量を7.
5%以上12.5%以下と制限する。
介在物が増加し疲労強度が低下する.したがって、Mn
含有量を0.2%以上1.5%以下と制限する. P,S: ともに、鋼中不純物としてなるべく少ない方
が良い.上限を超えると、介在物が増え疲労強度が低下
するからである。また、Sは切削性を改善させるため添
加する場合があるが、0.020%超では疲労強度が低
下することとなる.そこで、Pは0.025%以下、S
は0.020%以下と制限する. Cr: 7.5%未満では、10usを超える巨大初析
炭化物は生成しない.しかし、有効Crが相対的に高い
としても、耐食性は十分でない.一方、12.5%超で
は10mを超える巨大初析炭化物が生成し各種の特性を
劣化させることとなる.したがって、C『含有量を7.
5%以上12.5%以下と制限する。
Cr+10C: 10−を超える巨大炭化物は疲労特性
・耐食性・冷間加工性を劣化させる.これを防止するに
はCrとCとの制限が必要である.しかし、不用意に低
下させると焼入れ硬度の低下、耐食性の劣化が生じる.
Cr+10C<18%は巨大初析炭化物が生じない条件
であり、5一以下の炭化物は焼鈍後にも存在する.また
、Cr+10C≦13%では鋳造時に生じた10一以下
の炭化物は焼鈍後、消滅する.さらに、18%超では2
0,lJI以上の巨大初折炭化物が生じてしまうのであ
る.したがって、Cr+10C≦18%と制限する.ま
た、本発明において用いるステンレス鋼は、次に示す元
素をさらに含有してもよい。
・耐食性・冷間加工性を劣化させる.これを防止するに
はCrとCとの制限が必要である.しかし、不用意に低
下させると焼入れ硬度の低下、耐食性の劣化が生じる.
Cr+10C<18%は巨大初析炭化物が生じない条件
であり、5一以下の炭化物は焼鈍後にも存在する.また
、Cr+10C≦13%では鋳造時に生じた10一以下
の炭化物は焼鈍後、消滅する.さらに、18%超では2
0,lJI以上の巨大初折炭化物が生じてしまうのであ
る.したがって、Cr+10C≦18%と制限する.ま
た、本発明において用いるステンレス鋼は、次に示す元
素をさらに含有してもよい。
sol.八Q:必要により鋼の脱酸のために添加される
元素であり、0.005%未満では、通常の転炉・電気
炉溶製の場合に、0≦40ppmと低減することがむず
かしくなることがある。但し、真空溶解・ESR再溶解
を実施したものは、sol.AQ, 0が同一レベルで
も他の溶製方法に比較して介在物が少ないか、または微
細になって分散するため疲労特性は良好になる.また、
0.030%超では介在物としてのAQzosが増加し
、疲労特性が低下する。したがって、sol.AQIは
0.005〜0.030%であることが望ましい。
元素であり、0.005%未満では、通常の転炉・電気
炉溶製の場合に、0≦40ppmと低減することがむず
かしくなることがある。但し、真空溶解・ESR再溶解
を実施したものは、sol.AQ, 0が同一レベルで
も他の溶製方法に比較して介在物が少ないか、または微
細になって分散するため疲労特性は良好になる.また、
0.030%超では介在物としてのAQzosが増加し
、疲労特性が低下する。したがって、sol.AQIは
0.005〜0.030%であることが望ましい。
MO:孔食、低PR環境での鋼の耐食性を改善させる元
素である.また0.OI%未満では効果がなく2.00
%超ではその効果は飽和する.しかも、Moは初析炭化
物が巨大になることを防止する元素でもある.したがっ
て、MO含有量は0.01〜2.00%として用いるこ
とが望ましい. 本発明においては、上記組成を有する鋼片に分塊、圧延
、押出し等の熱間加工を施して板、管、条材、線材等の
形状とした後で、加熱・冷却・低温保持・再加熱および
冷却という熱処理を施して前記組成を有する鋼材を得、
その後さらに冷間にて、引き抜き、圧延、鍛造、転勤等
の成形加工を行って所定の形状に仕上げた後、焼入れ焼
戻しにより所要の硬度として用いるのである.したがっ
て、次に熱処理条件を制限する理由を説明する.加熱:
950℃未満ではストリンガー状および粒界炭化物が固
溶せず、疲労強度が低下する.一方、1100℃超では
炭化物の固溶が大きくなり、焼鈍による硬度低下が不足
し、HRC≦20を満足しない。そこで加熱温度を95
0℃以上1100℃以下に制限する.一方、加熱時間が
15分未満では炭化物の固溶・凝集が不十分であり、ま
た5時間以上では炭化物の固溶が過大になり、いずれの
場合も焼鈍後の硬度を上昇させるために好ましくない。
素である.また0.OI%未満では効果がなく2.00
%超ではその効果は飽和する.しかも、Moは初析炭化
物が巨大になることを防止する元素でもある.したがっ
て、MO含有量は0.01〜2.00%として用いるこ
とが望ましい. 本発明においては、上記組成を有する鋼片に分塊、圧延
、押出し等の熱間加工を施して板、管、条材、線材等の
形状とした後で、加熱・冷却・低温保持・再加熱および
冷却という熱処理を施して前記組成を有する鋼材を得、
その後さらに冷間にて、引き抜き、圧延、鍛造、転勤等
の成形加工を行って所定の形状に仕上げた後、焼入れ焼
戻しにより所要の硬度として用いるのである.したがっ
て、次に熱処理条件を制限する理由を説明する.加熱:
950℃未満ではストリンガー状および粒界炭化物が固
溶せず、疲労強度が低下する.一方、1100℃超では
炭化物の固溶が大きくなり、焼鈍による硬度低下が不足
し、HRC≦20を満足しない。そこで加熱温度を95
0℃以上1100℃以下に制限する.一方、加熱時間が
15分未満では炭化物の固溶・凝集が不十分であり、ま
た5時間以上では炭化物の固溶が過大になり、いずれの
場合も焼鈍後の硬度を上昇させるために好ましくない。
そこで熱間成形後の加熱時間を15分〜5時間と制限す
る。
る。
冷却:冷却終了時、およびその後の保持終了時までに基
地の組織をオーステナイトからフェライトに変態させる
ことがその後の軟化に極めて重要である.本発明者の知
見によれば、冷却速度を150℃/h以下に抑えないと
十分にフエライトに変態しない.変態が十分でないと、
IIRc≧25となり、冷間加工が不可能である.した
がって、冷却速度を150℃/h以下に制限する.また
、フエライトに変態させるためには720℃以下に制限
することが必要である。そして冷却停止温度の下限を5
50℃としたのは、これより低いとマルテンサイト変態
が生じ、その後の熱処理でかえって炭化物が微細に分散
し、十分な軟化が得られないからである. 低温保持:軟化を促進させるためには、なるべく高温で
フエライトに変態させることが重要である.そのため、
冷却停止温度は変態が生じる?20℃以下とすることが
必要である.また、500℃未満では、マルテンサイト
になって、焼鈍後の硬度を高くしてしまう。そこで、保
持温度を?20℃以下500″C以上と制限する. さらに、保持時間が1分未満ではフエライト変態が十分
でな《、また、5時間超でその後の軟化を劣化させない
が、硬廣低下は飽和することとなる。したがって本発明
において、加熱後の保持時間を1分〜5時間と制限する
.再加熱:フェライト域でCの拡散が速く、しかも炭化
物の固熔限が極めて小さい温度範囲で実施し、炭化物を
凝集し、基地中のC量を低下させ軟化を促進させること
が重要である.そのため、再加熱温度上限を800℃と
し、オーステナイトの生成を防止する.一方、650℃
未満では、上記反応が十分でない.したがって、再加熱
温度を650℃以上800″C以下に制限する.また再
加熱温度が0.5時間未満では軟化が不十分であり、5
時間超では特性に劣化はないが、軟化は飽和する.−シ
たがって、再加熱時間を0.5時間以上5時間以下と制
限する. 冷却:冷却手段は特に制限する必要がないが、場合によ
っては炭化物の凝集の過程でオーステナイトが生成する
ことがあるので、放冷(空冷)、またはこれらよりも遅
い冷却速度の冷却を行うことが望ましい.特に鋼片の熱
応力による割れ防止にも効果がある. また、用いる綱片の寸法についても好適な範囲がある.
すなわち、 鋼片:一辺の長さが350ms+を超えると中心部の凝
固速度が遅くなり、冷却途中において生成した炭化物が
凝集・成長・巨大化し、10−を超える巨大炭化物とな
ってしまう.しかし、350llI1以下であれば中心
部においても十分な冷却速度が得られ、炭化物は生成し
ても、その後の熱処理により固溶・凝集され、l〇一以
下になる.したがって、鋼片は一辺350−II角以下
か、またはこれと同一断面積以下の寸法であって、特に
偏析抑制、初析炭化物の粗大化防止の観点から、連続鋳
造されたものであることが望ましい.このようにして、
硬度HRC≦20以下であって、冷間加工性に優れ、例
えば冷間加工が限界圧縮率で20%以上可能であり、さ
らに焼入れ硬度がHRC≧56の軸受用ステンレス鋼を
得ることができる。
地の組織をオーステナイトからフェライトに変態させる
ことがその後の軟化に極めて重要である.本発明者の知
見によれば、冷却速度を150℃/h以下に抑えないと
十分にフエライトに変態しない.変態が十分でないと、
IIRc≧25となり、冷間加工が不可能である.した
がって、冷却速度を150℃/h以下に制限する.また
、フエライトに変態させるためには720℃以下に制限
することが必要である。そして冷却停止温度の下限を5
50℃としたのは、これより低いとマルテンサイト変態
が生じ、その後の熱処理でかえって炭化物が微細に分散
し、十分な軟化が得られないからである. 低温保持:軟化を促進させるためには、なるべく高温で
フエライトに変態させることが重要である.そのため、
冷却停止温度は変態が生じる?20℃以下とすることが
必要である.また、500℃未満では、マルテンサイト
になって、焼鈍後の硬度を高くしてしまう。そこで、保
持温度を?20℃以下500″C以上と制限する. さらに、保持時間が1分未満ではフエライト変態が十分
でな《、また、5時間超でその後の軟化を劣化させない
が、硬廣低下は飽和することとなる。したがって本発明
において、加熱後の保持時間を1分〜5時間と制限する
.再加熱:フェライト域でCの拡散が速く、しかも炭化
物の固熔限が極めて小さい温度範囲で実施し、炭化物を
凝集し、基地中のC量を低下させ軟化を促進させること
が重要である.そのため、再加熱温度上限を800℃と
し、オーステナイトの生成を防止する.一方、650℃
未満では、上記反応が十分でない.したがって、再加熱
温度を650℃以上800″C以下に制限する.また再
加熱温度が0.5時間未満では軟化が不十分であり、5
時間超では特性に劣化はないが、軟化は飽和する.−シ
たがって、再加熱時間を0.5時間以上5時間以下と制
限する. 冷却:冷却手段は特に制限する必要がないが、場合によ
っては炭化物の凝集の過程でオーステナイトが生成する
ことがあるので、放冷(空冷)、またはこれらよりも遅
い冷却速度の冷却を行うことが望ましい.特に鋼片の熱
応力による割れ防止にも効果がある. また、用いる綱片の寸法についても好適な範囲がある.
すなわち、 鋼片:一辺の長さが350ms+を超えると中心部の凝
固速度が遅くなり、冷却途中において生成した炭化物が
凝集・成長・巨大化し、10−を超える巨大炭化物とな
ってしまう.しかし、350llI1以下であれば中心
部においても十分な冷却速度が得られ、炭化物は生成し
ても、その後の熱処理により固溶・凝集され、l〇一以
下になる.したがって、鋼片は一辺350−II角以下
か、またはこれと同一断面積以下の寸法であって、特に
偏析抑制、初析炭化物の粗大化防止の観点から、連続鋳
造されたものであることが望ましい.このようにして、
硬度HRC≦20以下であって、冷間加工性に優れ、例
えば冷間加工が限界圧縮率で20%以上可能であり、さ
らに焼入れ硬度がHRC≧56の軸受用ステンレス鋼を
得ることができる。
さらに、本発明を実施例を用いて詳述するが、これは本
発明の例示であり、これにより本発明が限定されるもの
ではない. 実施例 第1表に示す組成を有する鋼種A1ないしAl2、Bl
−89およびC1ないしC3を第2表に示す条件で加熱
、冷却、低温保持、再加熱および放冷を行って、試料阻
1ないし試料Nα45を得た. これらの試料について、焼鈍後硬度(IIRC) 、圧
縮限界(ト)、焼入れ硬度(IIRC) 、炭化物最大
径および耐食性発錆時間(h)について調査を行った.
結果を第2表に示す. また、これらの結果について、焼鈍後の硬度に及ぼすC
,Crilの影響を第1図に、焼入れ後の硬度に及ぼす
C,Cr量の影響を第2図にそれぞれグラフで示す.な
お、第1図および第2図における直線は、ともにCr量
(ト)+10C量(1)=18〜であることを示す直線
であり、第1図において*は巨大初析炭化物の生成があ
った試料、第2図において*は、これらの試料を50℃
、湿度90%の環境下で腐食試験を行った際に、20時
間以内に発生した試料をそれぞれ示す. 第2表および第1図、第2図から明らかなように、本発
明にかかる試料は焼鈍後硬度が低下したため冷間加工性
が向上し、また炭化物最大径が低下し組織が微細化する
ため焼入れ硬度の劣化を防止することができた. (発明の効果) 以上説明したように、本発明によりIIRc≦18とな
り20%以上の冷間加工と焼入れ後にIIRc≧56の
硬度と優れた耐食性とを有する、軸受用ステンレス鋼を
得ることができた. かかる効果を有する本発明の意義は掻めて著しい.
発明の例示であり、これにより本発明が限定されるもの
ではない. 実施例 第1表に示す組成を有する鋼種A1ないしAl2、Bl
−89およびC1ないしC3を第2表に示す条件で加熱
、冷却、低温保持、再加熱および放冷を行って、試料阻
1ないし試料Nα45を得た. これらの試料について、焼鈍後硬度(IIRC) 、圧
縮限界(ト)、焼入れ硬度(IIRC) 、炭化物最大
径および耐食性発錆時間(h)について調査を行った.
結果を第2表に示す. また、これらの結果について、焼鈍後の硬度に及ぼすC
,Crilの影響を第1図に、焼入れ後の硬度に及ぼす
C,Cr量の影響を第2図にそれぞれグラフで示す.な
お、第1図および第2図における直線は、ともにCr量
(ト)+10C量(1)=18〜であることを示す直線
であり、第1図において*は巨大初析炭化物の生成があ
った試料、第2図において*は、これらの試料を50℃
、湿度90%の環境下で腐食試験を行った際に、20時
間以内に発生した試料をそれぞれ示す. 第2表および第1図、第2図から明らかなように、本発
明にかかる試料は焼鈍後硬度が低下したため冷間加工性
が向上し、また炭化物最大径が低下し組織が微細化する
ため焼入れ硬度の劣化を防止することができた. (発明の効果) 以上説明したように、本発明によりIIRc≦18とな
り20%以上の冷間加工と焼入れ後にIIRc≧56の
硬度と優れた耐食性とを有する、軸受用ステンレス鋼を
得ることができた. かかる効果を有する本発明の意義は掻めて著しい.
第1図は、焼鈍後の硬度に及ぼすC,Cr量の影響を表
わすグラフ:および 第2図は、焼入れ後の硬度に及ぼすC,Cr量の影響を
表わすグラフである.
わすグラフ:および 第2図は、焼入れ後の硬度に及ぼすC,Cr量の影響を
表わすグラフである.
Claims (4)
- (1)重量%で、 C:0.50〜0.90%、Si:0.10〜1.00
%、Mn:0.2〜1.5%、P:0.025%以下、
S:0.020%以下、Cr:7.5〜12.5%、た
だし、Cr+10C≦18%、 残部Fe及び不可避的不純物 からなる鋼組成を有し、焼鈍後の硬度がHRC≦20で
あることを特徴とする、冷間加工性に優れた軸受用ステ
ンレス鋼。 - (2)さらに重量%で、 Mo:0.01〜2.00% を含むことを特徴とする請求項1記載の軸受用ステンレ
ス鋼。 - (3)鋼片を所定の形状に熱間成形後、950〜110
0℃の温度域に15分〜5時間均熱保持してから150
℃/れ以下の冷却速度で720〜550℃の温度域に冷
却し、冷却停止後720〜500℃の温度域に1分〜5
時間保持した後650〜800℃の温度域に0.5〜5
時間再加熱保持し、その後冷却することを特徴とする、
請求項1または請求項2記載の軸受用ステンレス鋼の製
造方法。 - (4)前記鋼片は一辺350mm角あるいはこれと同一
断面積かもしくはそれ以下の断面積を有するモールドに
よる連続鋳造で得られたものである、請求項3記載の軸
受用ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11479289A JPH02294453A (ja) | 1989-05-08 | 1989-05-08 | 軸受用ステンレス鋼及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11479289A JPH02294453A (ja) | 1989-05-08 | 1989-05-08 | 軸受用ステンレス鋼及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02294453A true JPH02294453A (ja) | 1990-12-05 |
Family
ID=14646804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11479289A Pending JPH02294453A (ja) | 1989-05-08 | 1989-05-08 | 軸受用ステンレス鋼及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02294453A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6719854B2 (en) | 2001-01-22 | 2004-04-13 | Hitachi Metals Ltd. | Rolling Bearing |
WO2004057049A1 (ja) * | 2002-12-12 | 2004-07-08 | Nippon Steel Corporation | 製造性と耐食性に優れた軸受鋼およびその製造方法ならびに軸受部品およびその製造方法 |
JP2009222085A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Ntn Corp | 複列アンギュラ軸受 |
US9889493B2 (en) | 2008-03-13 | 2018-02-13 | Ntn Corporation | Wheel bearing device with a clearance formed between the inner race and the hub wheel |
-
1989
- 1989-05-08 JP JP11479289A patent/JPH02294453A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6719854B2 (en) | 2001-01-22 | 2004-04-13 | Hitachi Metals Ltd. | Rolling Bearing |
WO2004057049A1 (ja) * | 2002-12-12 | 2004-07-08 | Nippon Steel Corporation | 製造性と耐食性に優れた軸受鋼およびその製造方法ならびに軸受部品およびその製造方法 |
EP1574592A1 (en) * | 2002-12-12 | 2005-09-14 | Nippon Steel Corporation | Bearing steel excellent in workability and corrosion resistance, method for production thereof, and bearing member and method for manufacture thereof |
KR100712581B1 (ko) * | 2002-12-12 | 2007-04-30 | 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 | 제조성과 내식성이 우수한 베어링 강 및 그 제조 방법 및베어링 부품 및 그 제조 방법 |
EP1574592A4 (en) * | 2002-12-12 | 2008-09-17 | Nippon Steel Corp | BEARING STEEL HAVING EXCELLENT WORKING CAPABILITY AND EXCELLENT CORROSION RESISTANCE, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, ROLLING ELEMENT AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME |
JP2009222085A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Ntn Corp | 複列アンギュラ軸受 |
US9889493B2 (en) | 2008-03-13 | 2018-02-13 | Ntn Corporation | Wheel bearing device with a clearance formed between the inner race and the hub wheel |
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