JPH02290803A - 抗菌性組成物およびその用途 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗菌性組成物およびその用途に関し、更に詳細
にはプロビオニバクテリウムに対して特異的に抗菌作用
を示す抗菌性組成物、これを含有する化粧料、皮膚外用
剤及び該抗菌性成分を産生ずる微生物に関する。

〔従来の技術〕

一般にざ癒は思春期の殆どの青年に突発的に現れ、２０
代後半ごろには自然になくなる多形性皮膚疾患である。

ざ術の病因はいまだに明確にはされていないが、ホルモ
ン活性の増加により皮脂の分泌が盛んになり、その皮脂
が未成熟な毛漏斗に充満して角化異常を引き起こし、毛
嚢皮脂腺の閉塞をもたらす。この閉塞の結果、皮脂腺の
内部で皮膚上にある細菌、特にざ斎の炎症に深く関与し
ている嫌気性菌プロビオニバタテリウム　アクネス（Ｐ
ｒｏｐｉｏｎｉｂａｃｔｅｒｉｕｍ　ａｃｎｅｓ）の異
常増殖がおこり、細菌由来の様々な炎症性化合物が皮膚
に炎症をもたらすことになる。

故に、ざ唐の治療剤としては、エリスロマイシン、テト
ラサイクリン、クリンダマイシン等の抗生物質や；イオ
ウ、カンフル、サルファ剤などの角質の剥離によるざ唐
の自然治癒を期待するものが用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、エリスロマイシン、テトラサイクリン、タリ
ンダマイシン等の抗生物質は抗菌スペクトルが広すぎる
為にプロピオニバクテリウム以外の皮膚上の有用微生物
まで殺してしまう。又、服用による胃腸障害などの強い
副作用がある。その他に用いられているイ才ウ、カンフ
ル、サルファ剤などにより期待される角質の剥離作用は
度重なる塗布により、ざ斎の周囲の皮膚にｉｌｉｌ１激
を与え、また治療効果の個人差が大きく、充分なものと
はいえない。

従って、確実な治療効果を発揮し、かつ副作用の少ない
ざ斎用剤、例えばプロピオニノイクテリウムのみに対し
て抗菌作用を示す低刺激性の抗菌性組成物が望まれてい
た。

〔課題を゛解決するための手段〕

そこで本発明者は、正常な状態の皮膚に存在する細菌を
培養し、その培養液よりプロビオニバタテリウムに対し
て抗菌作用を示すものを広く検索したところ、スタフイ
口コツ力ス　へモリティカス（Ｓｔａｐｈｙ　ｌｏｃｏ
ｃｃｕｓｈａｅｍｏｌｙｔｉｃｕｓ）に属する菌の培養
液中にプロピ才ニバタテリウムに対して特異的に抗菌活
性を示す成分があること、さらにこれを含有する化粧料
、皮肩外用剤がざ麿の治療に有用であることを見出し、
本発明を完成した。

すなわち、本発明はスタフイ口コツカスヘモリティカス
に属し、プロピオニバクテリウムに対して特異的に抗菌
作用を示す戊分を産生ずる菌を培養して得られる培養液
、又は該培養液を除菌して得られる培養上清を含有する
ことを特徴とする、プロピオニバクテリウムに対して特
異的に抗菌作用を示す抗菌性組成物並びにこれを含有す
る化粧料及び皮膚外用剤、並びに当該抗菌作用を示す成
分を産生ずる微生物を提供するものである。

本発明に用いられる培養液を生産するスタフィ口コツ力
ス　へそりティカスに属し、プロピオニバクテリウムに
対して特異的に抗菌作用を示す成分を産生ずる菌として
は、例えばＹＩＴ　６０２５株（以下、本菌株という）
が挙げられる。本菌株の菌学的性質は下記の通りである
。

（ａ）　　菌の形状二　　　　　　　　球状（ハ）　芽
胞の有無：　　　　　　　無（Ｃ）　　運動性：　　　
　　　　　　無（ｄ）　　ダラム染色性：　　　　　　
陽性（ｅ）　　カタラーゼ産生： Ｃｆ）　　菌の配列： 陽性 ブドウ状 （ｉ）　　コアグラーゼ活性：　　　　陰性０）　　へ
モリシス活性（牛血液）：陽性（ロ）硝酸塩の還元：　
　　　　　陽性（１）　　好気条件下での酸の産生能 フルクトース アラビノース マルトース　　　　＋ シュクロース　　　＋ マンニトール　　　＋ キシロース リボース　　　　　＋ ラクトース　　　　± トレハロース　　　＋ キシリトール 以上の性質をもとに、Ｊ．ＣＩｉｎ，　Ｍｉｃｒｏｂ，
，１　（１）．　ｐ８２−８８（１９７５）およびＩｎ
ｔ．Ｎａｔ，　Ｓｙｓ．Ｂａｃｔ．，　２５　（１）　
．　ｐ５０−６１　（１９７５）の記載から、本菌株ヲ
スタフィロコツ力ス　へモリティヵスＹＩＴ　６０２５
と命名し、工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌
寄第１０６６９号（ＦＯＲＭ　Ｐ−１０６６９）として
寄託した。

本発明に用いるプロビオニバタテリウムに対して特異的
に抗菌作用を示す成分は、上記菌株を栄養源含有培地に
接種し、好気的に培養すれば、培養液中に生産される。

かかる菌株としては、上記ＹＩ７　６０２５株はもとよ
り、その人工変異株あるいは自然変異株であっても上記
成分を産生ずる能力を有するものであれば、すべて本発
明に使用することができる。

上記菌株の培養には、通常のスタフィロコッカス属の細
菌の培養法を用いることができる。栄養培地としては、
資化しつる炭素源、有機無機窒素源、無機塩およびその
他必要に応じて有機微量栄養素を含有するものであるこ
とが好ましい。炭素源としては、グルコース、マルトー
ス、シコクロース等が好ｔＬい。

窒素源としては有機無機−り的な材料でよ《、各種肉エ
キス、アミノ酸混合物、ペプトン、酵母エキス等が好ま
しい。更に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、鉄等の塩化物、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩、炭
酸塩そしてビタミンなどが必要に応じて添加されつる。

培養法としては寒天培養法、液体培養法、特に軟寒天培
養法が好ましい。培養は好気的条件下に行なわれ、培養
温度は通常２５〜４０℃の範囲が適当である。培養時間
は１２〜４８時間が好ましい。

かくして得られる培養液中には、プロピオニバタテリウ
ムに対して特異的に抗菌作用を有する成分が蓄積してい
る。この培養液についての検討より、この成分は以下の
性質を示す。

（１〕　　分子量（ゲルろ過法） 約１〜２万 （２）熱安定性 ９５℃、５分処理で約９９％、同温度 ３０分処理で約９８％活性を保持する。

（３）　　ｐＨ安定性 ｐＨ４．　１で約９０％、ｐＨ１０．２で約４０％の活
性を保持する。

〔４）　　プロテアーゼ処理 プロテイナーゼＫ１２０分以上処理で失活する。

この活性成分は培養液中に存在するので、培養液をその
まま本発明抗菌性組成物に用いることができるが、必要
に応じて遠心分離、濾過等の方法で不溶物を除去した培
養上清を用いるのが好ましい。なお、この培養液又は培
養上清は必要に応じて濃縮又は凍結乾燥等により粉末状
として使用することもできる。

本発明抗菌性組成物中には、前記培養液又は培養土清を
組成物．全体としてプロビオニバクテリウムに対して抗
菌性を発揮し得る量配合すればよい。このような配合量
は、培養液、培養上清の抗菌活性により異なるが、例え
ば寒天培地を用いた限界希釈法による抗菌活性が４倍希
釈まで１００％である培養上清の場合には、０，Ｏｌ重
量％以上が好ましい。

本発明抗菌性組成物を通常用いられる化粧料用基肩に配
合すれば、ざ唐の治療に有効な化粧料が得られる。かか
る化粧料の形態としては、化粧水、乳液、クリーム等が
挙げられる。

また、本発明抗菌性組成物を通常用いられる皮膚外用剤
用基剤に配合すれば、ざ瘉の治療に有効な皮膚外用剤が
得られる。皮膚外用剤としては、軟膏、クリーム、ロー
ションなどが挙げられる。

本発明の化粧料または皮膚外用剤には、上記抗菌性組成
物を０．０１重量％以上、特に０．０１〜９０重量％配
合するのが好ましい。

〔発明の効果〕

本発明５の抗菌性組成物は、プロピ才ニバタテリウムに
対して特異的に抗菌活性を有する。

従って、これを含有する化粧料、皮膚外用剤は、皮膚上
に常在する他の有用微生物に影響を与えず、ざ斎を有効
に治療することができる。

〔実施例〕

次に実施例を挙げて本発明を更に説明する。

実施例１ スタフィ口コツ力ス　へモリティカス ＹＩＴ　６０２５　（微工研菌寄第１０６６９号）を生
理的食塩水に懸濁させ、トリブチケースソイブロス（Ｂ
ＢＬ社）に０．４重量％になるように寒天を添加した軟
寒天培地に１００μβ接種した。

３７℃、２４時間培養後、培養したプレートをそのまま
凍結して、室温でロート上で融解させ、寒天を含まない
培養液を得た。

実施例２ ゛実施例１で得られた培養液を遠心分離に付して不溶性
物質を除き、ｐＨを苛性ソーダにて７．０に調整し、培
養上清とした。

この培養上清を用いて活性成分の理化学的性質を検討し
た結果は次の通りである。

（１）　　分子量 １〜２万（ゲルろ過法） （２）　　各種条件での失活の有無 試験例１ スタフィ口コツ力ス　へモリティカス ＹＩ７　６０２５を寒天培地の直径に添って白金耳で接
種し、充分生えるまで培養後、試験菌を予め生えている
スタフィロコッ力ス　へモリティカスに接触しないよう
に画線接種する。再度、培養し、試験菌が生えていない
場合は＋（抗菌活性有り）、生えている場合は−（抗菌
活性なし）とする。

得られた結果を第１表に示す。

第１表　抗菌スペクトル ＋；陽性，一；陰性 Ｐ．プロピ才ニバタテリウム属 Ｓ．スタフィロコッカス属 第１表より、本発明の抗菌性組成物は、プロビオニバク
テリウムに特異的な抗菌作用を有することがわかる。

試験例２ 実施例２で得られた培養上清を濾過滅菌し、プロビオニ
バクテリウム　アクネスを含んだ菌液と混合し、その時
点の濁度を測定する。

一晩培養した後に濁度を再度測定して下記の生育阻害率
（％）＝　（１−Ａ／Ｃ）ＸＩＯＯＡ：抽出液含有群の
濁度の増加 Ｃ：対照群の濁度の増加 得られた結果を第１図に示す。その結果、本発明の培養
上清は４倍希釈までプロピオニバクテリウム　アクネス
に対して１００％阻害活性を示した。

実施例３ 実施例１で得られた培養液１２．５−を１０ｍＭＩＪ　
ン酸バー／　７　ｙ　　　（ｐＨ７．０）　８７．５　
ｍｉ！と混合し、０．１２％になるようにメチルバラベ
ンを添加した皮膚外用剤を調製した。

実施例４ 実施例１で得られた培養液１２．　５ｍｌを２０ｍＭク
ｘ　ンＦｌａハｔ　７　ｙ　−　（ｐＪ｛５．５）８７
．５ｍｌｉ！と混合し、グリセリン１ｇと香料を適量添
加して、にきび肌用化粧水を調製した。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例２で得られた培養上清の希釈率と、プロ
ピオニバクテリウム　アクネスに対する阻害率との関係
を示す図面である。 以 上

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、スタフィロコッカスヘモリティカスに属しプロピオ
   ニバクテリウムに対して特異的に抗菌作用を示す成分を
   産生する菌を培養して得られる培養液、又は該培養液を
   除菌して得られる培養上清を含有することを特徴とする
   、プロピオニバクテリウムに対して特異的に抗菌作用を
   示す抗菌性組成物。 ２、スタフィロコッカスヘモリティカスに属しプロピオ
   ニバクテリウムに対して特異的に抗菌作用を示す成分を
   産生する菌が、スタフィロコッカスヘモリティカスＹＩ
   Ｔ６０２５（微工研菌寄第１０６６９号）である請求項
   １記載の抗菌性組成物。 ３、請求項１または２記載の抗菌性組成物を含有する化
   粧料。 ４、請求項１または２記載の抗菌性組成物を含有する皮
   膚外用剤。 ５、請求項１または２記載の抗菌性組成物を含有するに
   きび用外用剤。 ６、スタフィロコッカスヘモリティカスに属し、プロピ
   オニバクテリウムに対して特異的に抗菌作用を示す成分
   を産生する微生物。