JPH02289654A - 赤色天然色素の製造方法 - Google Patents

赤色天然色素の製造方法

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JPH02289654A
JPH02289654A JP1062967A JP6296789A JPH02289654A JP H02289654 A JPH02289654 A JP H02289654A JP 1062967 A JP1062967 A JP 1062967A JP 6296789 A JP6296789 A JP 6296789A JP H02289654 A JPH02289654 A JP H02289654A
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red
callus
pigment
culture
medium
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JP1062967A
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Takeya Komiya
小宮 威彌
Shigeru Yoshida
茂 吉田
Kazuo Ozaki
尾崎 和男
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/44Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides
    • C12P19/60Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides having an oxygen of the saccharide radical directly bound to a non-saccharide heterocyclic ring or a condensed ring system containing a non-saccharide heterocyclic ring, e.g. coumermycin, novobiocin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はリンゴR(Malus)植物の組織から誘導し
たカルスを用いることによる赤色天然色素の製造方法に
関する。本発明方法で得られる赤色天然色素は人体に無
害であるため、食品、医薬品なては、安全性面から合成
着色料の使用は渾類,量ともに減少し、天然着色料が増
加してきた。とくに赤色の天然色素の開発が望まれてい
る。
一方天然着色料は大部分輸入に頼っており、供給、価格
は不安定である。この欠点を補う手段として、近年組織
培養により天然色素を生産する試みが進められている。
本手段によれば植物栽培より短期間に、天候等に左右さ
れず計画生産出来る。
シアニン系色素(シアニジン−3−ガラクトシド)を含
有し赤色色素原料として注目されるが、色素は数層の表
皮細胞中に局在するのみでこれを着色料として利用する
ことは困難である。
リンゴの組織培養に関しては、アール・ケイ・イブラヒ
ム( R. K. Ibrahim)ら〔ロイディア(
Lloydia) ,  3 4 ,  175−18
2 (1971))、大田ら〔園芸学雑誌,52,11
7−122(1985))  などの研究があり、子葉
または果肉由来カルスがアントシアニン系色素を生産す
ることが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしこれらの研究はいずれも固型培地を用いたもので
あり、大量培養に適した液体培地を用いたものではない
。一般に液体培地での培養を行うには均質な分散細胞を
得る必要があり、また色素生産に当っては生産性向上の
ための最適培養条件を明らかにする必要があるがリンゴ
培養細胞についてはこれらの条件は知られていない。
すなわち、リンゴ の赤色色素を効果的に生産する方法
、殊に液体培地を用いて大量にかつ短期間に生産する方
法は未だ知られていない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の課題を解決するもので、リンゴの植物体
を誘導培養し、得られる赤色色素生成カルスを、暗黒下
液体培養して均一な分散細胞とし、ついでこれを青色光
照射下培養し、培養物から赤色色素を採取することを特
徴とする赤色天然色素の製造方法である。
本発明方法はリンゴから誘導したカルスを照明下培養し
て赤色色素生産株を選抜し、この培養株を暗黒下液内懸
濁培養して均一な分散細胞を得、本細胞を青色光下培養
して赤色色素を生産するもので、大別するとカルス誘導
、選抜、分散細胞増殖、色素製造の4工程からなる。
以下、本発明を工程順に説明する。
カルス誘導工程 リンゴの植物組織から公知の方法によりカルスを誘導培
養する。リンゴの植物組織としては、たとえば、リンゴ
の枝、葉、果実、根などの、好ましくは、生長部位、た
とえば、茎頂、子葉、胚軸などの組織片が用いられる。
この組織片を培地、たとえば、液体培地または固型培地
に置床して照明下にカルスを誘導する。
リンゴの植物体は消毒用アルコール、次亜塩素酸ナトリ
ウム液、さらし粉けん濁液のE液などで殺菌し、滅菌水
で洗浄したのち小片に切断して培地上に置床するのがよ
い。
培地としては、通常の固型培地のほか、植物の組織培養
に用いられる液体培地、たとえば、ムラシゲ・スクーグ
(以下MSと略す)の培地、ガンボーグのBS(以下B
5と略す)培地、リンスマイヤー・スクーグの培地およ
びこれらの改変培地などが用いられる。あるいはこれら
の液体培地に固型化剤(寒天、アガロース、ゲルライト
など)を添加して得られる固型培地を用いてもよい。
このような培地には炭素源、窒素源、無機塩類、どのビ
タミン類、たとえばピルビン酸ナトリウム、クエン酸、
リンゴ酸、フマル酸などの有機酸、たとえばココナッツ
ミルク、カゼイン加水分解物、酵母エキスなどの天然物
質などが用いられる。
培地には、さらにたとえばオーキシン類、サイトカイニ
ン類、カザミノ酸などの植物生長調節物ルクトース、マ
ルトースなどの糖類、可溶性デンブンなどが用いられる
。窒素源としては、たとえば硝酸塩、アンモニウム塩な
どが用いられる。無機塩類としては、たとえばリン、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅、亜
鉛、モリブデン、硼素、鉄、コバルト、ニッケルなどの
元素を含有するものなどが用いられる。有機物としては
、たとえばイノシトール、ニコチン、ピリドキシン塩酸
、チアミン塩酸、パントテン酸カルシウム、葉酸、p−
アミノ安息香酸、ビオチン、コリンクロライド、リボフ
ラビン、アスコルビン酸、ビタミンA1 ビタミンD,
、  ビタミンDHな2,μ−ジクロロフェニル酢酸、
インドール−3− 酢酸、インドール−3一酪酸、1−
ナフタレン酢酸(以下、NAAと略記)、2−ナフトキ
シ酢酸、バラクロロフェノキシ酢酸、2,4,5−トリ
クロロフェノキシ酢酸、1−ナフタレンアセトアミドな
どが用いられる。また、サイトカイニン類としては、た
とえば6−ペンジルアデニン(以下BAPと略記)、2
−イソペンチルアデニン、2−イソペンテニルアデニン
、カイネチン、ゼアチン、ジヒドロゼアチン、ゼアチン
リボシド、ジフエニル尿素などが用いられる。なかでも
オーキシン類としてはたとえばNAAなどが、サイトカ
イニン類としてはたとえばBAPなどが繁用される。
通常オーキシン類は約0.01〜20ppm,  サイ
トカイニン類は約0.01〜1 5 1)pmの割合で
培地中に添加される。明所で約15〜35℃にて培養を
行うと約10〜40日後には組織片からカルスが誘導さ
れる。
もちろん培地のpHを調節する目的で無機または有機の
酸,アルカリ類,緩衝剤等を加え、あるいは消泡の目的
で油脂類,表面活性剤等の適量を添加してもよい。
培養の手段は静置培養でも、振盪培養あるいは通気撹拌
培養法等の手段を用いてもよい。大量の処理には、いわ
ゆる振とう培養によるのが望ましい。培養の条件は培地
の状態,組成,培養の手段等によって一定しないのは当
然であるが、それらは通常20℃〜45℃の温度で初発
pHを中性附近に選択するのがよい。とりわけ、培養中
期の温度は24℃〜37℃、また初発pHは5.0〜8
.5の条件が望ましい。培養時間は1日〜3カ月程度で
良いが、とくに1週間〜4週間が好ましい。
細胞選抜工程 形成された赤色を帯びたカルスは組織片から切り離し、
カルス誘導に用いたものと同様の固型培地または液体培
地に移植する。培養はカルス誘導工程におけると同様の
条件で行うことができる。
培養後、赤色の濃いカルス部分を再度培養し、色素濃度
の高い赤色色素培養株を得る。この操作を5−14日毎
に、好ましくは、7日毎にくり返して植え継ぎ選抜を行
うと、通常1〜5ケ月後には、赤色色素を安定に生産す
るカルスが得られる。これを選抜して次の工程に用いる
分散細胞増殖工程 得られた赤色色素を安定に生産するカルスを上記した液
体培地に移し、好ましくは暗所で、5−14日毎に2〜
10回継代培養をくり返し細胞増殖を行う。この細胞増
殖を約3週間行うともろくて均質な分散細胞塊が得られ
る。この細胞塊を液中で細かい細胞の粒子に砕いたのち
懸濁培養してさらに細胞増殖を行う。・培地としては、
カルス誘導に用いたものと同様の液体培地、好ましくは
、B5培地が用いられる。培養はカルス誘導に用いたも
のと同様の条件で行うことができる。
この培養により細胞は速かに増殖し、またこの培養は大
量培養が可能である。
得られる細胞塊を5〜14日毎に継代培養する。
この際細胞塊は篩過させて用いるのが好ましい。
約2〜3週間経過後増殖した細胞を初発細胞として採取
し、次の赤色色素製造工程に用いる。
本工程は明所で行うとべクチン様物質が漸次増加して赤
色細胞の割合が減少するので暗所で行うのが好ましい。
赤色色素製造工程 前工程で得た初発細胞をカルス誘導に用いたのと同様の
固型培地または液体培地に培養する。好ましい培地は液
体培地、たとえば、MS培地である。
培養期間は3〜14日間、好ましくは5〜10日間であ
る。培養温度は約20〜30℃である。
培養は照明下、好ましくは波長220〜500nmの青
色光照射下で行われる。この培養によって赤色ないし暗
赤色のカルスが得られる。これらのカルスは多量の赤色
色素を含有している。カルスを採取し、必要に応じて圧
搾するかまたは粉砕したのち、適当な溶媒で抽出し、溶
媒を除去すると赤色色素が得られる。採取したカルスは
乾燥することなく色素を抽出してもよく、また通常の乾
燥手段、たとえば、減圧乾燥等で乾燥したのち抽出して
もよい。抽出溶媒としては、メタノール、エタノール等
のようなアルコール類が好ましく、これらは塩酸を含有
しているのが好ましい。特に好ましいのは0.05〜2
, O W/W%塩酸含有メタノールである。抽出に好
ましい温度は約0〜20℃であり、時間は約16時間な
いし1週間である。
この抽出は暗黒下で行うのが好ましい。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例の形でさらに説明する。
各実施例において、%は特記しない限り重量%を示す。
実施例1 (カルス誘導工程) リンゴ(品種:スターキング)の頂芽または腋芽を70
%エタノールに5分間、次いで1%次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液に10分間浸漬して滅菌後、滅菌水で5回洗浄し
た。続いて実体顕微下で茎頂を摘出し、MS寒天培地(
NAA2.Omg/# .BAP 2.5ml//l 
.寒天9 f//(1 , pH s.s )に置床し
た。照明下(白色蛍光灯, 2 0 0 0I,ux,
16時間日長)25℃で5週間培養後、茎頂の断面に形
成された赤色を帯びたカルスを分離し、上記MS寒天培
地に移植した。
(細胞選抜工程) 以後赤色の濃いカルス部分を7日毎に植え継ぎ、2ケ月
後には安定して赤色色素を生産するカルスが得られた。
(分散細胞増殖工程) 上記で得られたカルスを増殖培地(NAA2.Om9/
l .BAP2.5mg/l,シヨ糖3%添加のB5液
体培地)を用いて暗所振とう培養(60rpm)l,た
。細胞は7日毎に植え継ぎを繰返し、1ケ月後には均一
な分散細胞を得た。
(赤色色素製造工程) 分散細胞をナイロンメッシュ上に戸取し、色素生成培地
(NAA 2.Om5’/e,BAP 2.5mg/l
 ,シヨ糖3%添加のMS培地)20rllA’を含む
9anのプラスチックシャーレに移植した。初発細胞量
は20mf/ml とした。培養は青色蛍光ランプ(品
名:FL−405B,日本電気製)照明下で、25℃、
8日間振とう培養( 6 0 rpm)の各蛍光ランプ
照明下で、25℃、8日間振とう培養(60rpm)L
た。
得られたカルス中のアントシアニンの含量を測るため、
カルスの一部(400mlを採取し、0.1%塩酸メタ
ノール(4m6)で暗黒下、4℃で48時間抽出した。
不純物を炉去したのち、P液の吸光度(波長5 3 0
 nm)を測定した。吸光度(4)とカルス湿重量(J
3)の積を色素生成量(AXB)とした。各蛍光灯下に
おける色素生成量を第1表に示す。
第1表 第2表 第1表から明らかなように、アントシアニン生成量は青
色光照射下の場合が最も多く、他の場合の2倍以上の生
成量であった。
実施例2 寒天培地(寒天0.9%を実施例1の赤色色素製造工程
の色素生成培地に添加)を用いる以外は実施例1と同一
の条件下で培養した。8日後の色素生成量を第2表に示
す。
第2表から明らかなように、色素生成量は実施例1(液
内懸濁培養)の場合に比べ約1/10であったが、青色
光照射下の場合が他の場合より優れていた。
〔発明の効果〕
本発明によればリンゴのカルスを特定の方法で組織培養
することにより、気候、土壌など自然条件に左右される
ことなく、短時間で工業的規模で赤色色素を生産するこ
とができる。この色素はアントシアニン系色素で人体に
無害であるため、食品、医薬品などの着色剤として用い
られる。
手続補正書(自発) 1,事件の表示 平成1年特許願第62967号 2.発明の名称 赤色天然色素の製造方法 3.補正をする者 事件との関係 特許出願人 住所 大阪市中央区道修町二丁目3番6号名称 (29
3)武田薬品工業株式会社代表者梅本純正 4.代理人 〒541 ′?!IO6−202−5858明    
細    書 1. 発明の名称    赤色天然色素の製造方法2.
特許請求の範囲 (1》  赤色色素を生産する分散細胞を液体培地中で
培養して赤色色素を生産させ、これを採取することを特
徴とする赤色天然色素の製造方法。
(2)赤色色素を生産するカルスを液体培地中で振盪培
養して継代して製造した分散細胞を使用することを特徴
とする請求項+1・記載の製造方法。
(3)青色光照射下に分散細胞を培養することを特徴と
する請求項1記載の製造方法。
(4)赤色色素を生産するカルスを液体培地中で振盪培
養して継代することを特徴とする分散細胞の製造方法。
(5)暗黒下にカルスを振盪培養することを特徴とする
請求項4記載の製造方法。
(6)請求項1の方法で得られ赤色天然色素を含有する
飲食料。
(7)請求項1の方法で得られた赤色天然色素を含有す
る医薬品。
3.発明の詳細な説明 (産業上の利用分野) 本発明はリンゴ属(Malus)  等の植物の組織か
ら誘導したカルスを用いることによる赤色天然色素の製
造方法に関する。本発明方法で得られる赤色天然色素は
人体に無害であるため、食品、医薬品などの着色剤とし
て用いられる。
(従来の技術) 近年、食品、医薬品等に用いられる着色料としては、安
全性面から合成着色料の使用は種類、量ともに減少し、
天然着色料が増加してきた。とくに赤色の天然色素の開
発が望まれている。
一方天然着色料は大部分輸入に頓っており、供給、価格
は不安定である。この欠点を補う手段として、近年組織
培養により天然色素を生産する試みが進められている。
本手段によれば植物裁培より短期間に、天候等に左右さ
れず計画生産出来る。
赤色色素の中でアントシアニン系色素(シアニジンー3
−ガラクトシド)がよく研究されている。
特にリンゴ( Malus pumila Mill 
var dome−stica O.K. schn 
)は果皮にアントシアニン系色素を含有し赤色色素原料
として注目されるが、色素は数層の表皮細胞中に局在す
るのみでこれを着色料として利用することは困難である
リンゴの組織培養に関しては、アール●ケイ●イブラヒ
ム( R− K− Ibrahim)  ら〔ロイディ
ア(Lloydia),34,175−182(197
1))、大田ら〔園芸学雑誌.52.117−122(
1983)3などの研究があり、子葉または果肉由来カ
ルスがアントシアニン系色素を生産することが知られて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしこれらの研究はいずれも固型培地を用いたもので
あり、大量培養に適した液体培地を用いたものではない
。一般に液体培地での培養を行うには均質な分散細胞を
得る必要があり、また色素生産に当っては生産性向上の
ための最適培養条件を明らかにする必要があるがリンゴ
培養細胞についてはこれらの条件は知られていない。
すなわち、リンゴの赤色色素を効果的に生産する方法、
殊に液体培地を用いて大量にかつ短期間に生産する方法
は未だ知られていない。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記の課題を解決するもので、赤色色素を生産
するリンゴ等の植物体を誘導培養し、得られる赤色色素
生成カルスを、液体培地中で好ましくは暗黒下において
振盪培養して均一な分散細胞とし、ついでこれを好まし
くは青色光照射下培養し、培養物から赤色色素を採取す
ることを特徴とする赤色天然色素の製造方法である。
すなわち本発明は、 (1)赤色色素を生産する分散細胞を液体培地中で培養
して赤色色素を生産させ、これを採取することを特徴と
する赤色天然色素の製造方法、(2)赤色色素を生産す
るカルスを液体培地中で振盪培養して継代して製造した
分散細胞を使用することを特徴とする上記(1)記載の
製造方法、(3)青色光照射下に分散細胞を培養するこ
とを特徴とする上記(1)記載の製造方法、 (4)  赤色色素を生産するカルスを液体培地中で振
盪培養して継代することを特徴とする分散細胞の製造方
法、 (5)暗黒下にカルスを振盪培養することを特徴とする
上記(4)記載の製造方法、 (6)上記(1)の方法で得られた赤色天然色素を含有
する飲食料、および (7)上記(1)の方法で得られた赤色天然色素を含有
する医薬品に関する。
本発明方法は赤色色素を生産するリンゴ等の植物体から
誘導したカルスを照明下培養して赤色色素生産株を選抜
し、この培養株を暗黒下液体懸濁培養して均一な分散細
胞を得、本細胞を青色光下培養して赤色色素を生産する
もので、大別するとカルス誘導、選抜、分散細胞増殖、
色素製造の4工程からなる。
以下、本発明を工程順に説明する。
カルス誘導工程 リンゴ等の植物組織から公知の方法によりカルスを誘導
培養する。植物組織としては、たとえば、植物体の枝、
葉、果実、根などの、好ましくは、生長部位、たとえば
、茎頂、子葉、胚軸などの組織片が用いられる。この組
織片を培地、たとえば、液体培地または固型培地に置床
して照明下にカルスを誂導する。
上記の植物体は消毒用アルコール、次亜塩素酸ナトリウ
ム液、さらし粉けん濁液のF液などで殺菌し、滅菌水で
洗浄したのち小片に切断して培地上に置床するのがよい
培地としては、通常の固型培地のほか、植物の組織培養
に用いられる液体培地、たとえば、ムラシゲ●スクーグ
(以下MSと略す)の培地、ガンボーグのBS(以下B
5と略す)培地、リンスマイヤーeスクーグの培地、ホ
ワイトの培地、ヘラーの培地、シェンクーヒルデグラン
トの培地、ニッチェーニツチェの培地およびこれらの改
変培地などが用いられる。あるいはこれらの液体培地に
固型化剤(寒天、アガロース、ゲルライトなど)を添加
して得られる固型培地を用いてもよい。
このような培地には炭素源、窒素源、無機塩類、有機物
等が適宜配合されてもよい。
炭素源としてたとえばシヨ糖、グルコース、ガラクトー
ス、フルクトース、マルトースなどの糖類、可溶性デン
プンなどが用いられる。窒素源としては、たとえば硝酸
塩、アンモニウム塩などが用いられる。無機塩類として
は、たとえばリン、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、硼素、鉄、コバ
ルト、ニッケルなどの元素を含有するものなどが用いら
れる。有機物としては、たとえばイノシトール、ニコチ
ン、ピリドキシン塩酸、チアミン塩酸、パントテン酸カ
ルシウム、葉酸、p−アミノ安息香酸、ビオチン、コリ
ンクロライド、リボフラビン、アスコルビン酸、ビタミ
ンA1 ビタミンDs1ビタミンBltなどのビタミン
類、たとえばピルビン酸ナトリウム、クエン酸、リンゴ
酸、フマル酸などの有機酸、たとえばココナッツミルク
、カゼイン加水分解物、酵母エキスなどの天然物質など
が用いられる。
培地には、さらにたとえばオーキシン類、サイトカイニ
ン類.轟4一一儂などの植物生長調節物質、寒天などが
適宜添加されてもよい。このようなオーキシン類として
は、たとえば2.4−ジクロロフェノキシ酢酸、2 .
 4−ジクロロフェニル酢酸、インドール−3−酢酸、
インドール−3一酪酸、1−ナフタレン酢酸(以下、N
AAと略記)、2−ナフトキシ酢酸、バラクロロフェノ
キシ酢酸、2.4.5−トリクロロフェノキシ酢酸、1
−ナフタレンアセトアミドなどが用いられる。また、サ
イトカイニン類としては、たとえば6−ペンジルアデニ
ン(以下BAPと略記)、2−イソペンチルアデニン、
2−イソペンテニルアデニン、カイネチン、ゼアチン、
ジヒドロゼアチン、ゼアチンリボシド、ジフェニル尿素
などが用いられる。
なかでもオーキシン類としてはたとえばNAAなどが、
サイトカイニン類としてはたとえばBAPなどが繁用さ
れる。
通常オーキシン類は約0.01〜2 0 ppm,  
サイトカイニン類は約0.01〜15ppmの割合で培
地中に添加される。明所で約15〜35゜Cにて培養を
行うと約10〜40日後には組織片からカルスが誘導さ
れる。
もちろん培地のp■を調節する目的で無機または有機の
酸,アルカリ類,緩衝剤等を加え、あるいは消泡の目的
で油脂類,表面活性剤等の適量を添加してもよい。
培養の手段は静置培養でも、振盪培養あるいは通気撹拌
培養法等の手段を用いてもよい。大量の処理には、いわ
ゆる振とう培養によるのが望ましい。培養の条件は培地
の状態,組成,培養の手段等によって一定しないのは当
然であるが、それらは通常10゜C〜45゜Cの温度で
初発pHを中性付近に選択するのがよい。とりわけ、培
養中期の温度は20゜C〜37゜C1 また初発pHは
5.0〜8.5の条件が望ましい。培養時間は1日〜3
ケ月程度で良いが、とくに1週間〜4週間が好ましい。
細胞選抜工程 形成された赤色を帯びたカルスは組織片から切り離し、
カルス誘導に用いたものと同様の固型培地または液体培
地に移植する。培養はカルス誘導工程におけると同様の
条件で行うことができる。
培養後、赤色の濃いカルス部分を再度培養し、色素濃度
の高い赤色色素培養株を得る。この操作を5−60日毎
に、好ましくは、14日毎にくり返して植え継ぎ選抜を
行うと、通常1〜5ケ月後には、赤色色素を安定に生産
するカルスが得られる。
これを選抜して次の工程に用いる。
分散細胞増殖工程 得られた赤色色素を安定に生産するカルスを上記した液
体培地に移し、好ましくは暗所で、5−14日毎に2〜
10回継代培養をくり返し細胞増殖を行う。この細胞増
殖を約5週間行なうともろくて均質な分散細胞塊が得ら
れる。この細胞塊を液中で細かい細胞の粒子に砕いたの
ち懸濁培養してさらに細胞増殖を行う。培地としては、
カルス誘導に用いたものと同様の液体培地、好ましくは
、B5培地が用いられる。培養はカルス誘導に用いたも
のと同様の条件で行うことができる。
この培養により細胞は速かに増殖し、またこの培養は大
量培養が可能である。
得られる細胞塊を5〜14日毎に継代培養する。
この際細胞塊は篩過させて用いるのが好ましい。
約2〜3週間経過後増殖した細胞を初発細胞として採取
し、次の赤色色素製造工程に用いる。
本工程は明所で行うとべクチン様物質が漸次増加して赤
色細胞の割合が減少するので暗所で行うのが好ましい。
赤色色素製造工程 前工程で得た初発細胞をカルス誘導に用いたのと同様の
固型培地または液体培地に培養する。好ましい培地は液
体培地、たとえば、MC培地である。
培養期間は3〜14日間、好ましくは5〜10日間であ
る。培養温度は約10〜30゜Cである。
培養は照明下、好ましくは波長220〜500nmの青
色光照射下で行われる。この培養によって赤色ないし暗
赤色のカルスが得られる。これらのカルスは多量の赤色
色素を含有している。カルスを採取し、必要に応じて圧
搾するかまたは粉砕したのち、適当な溶媒で抽出し、溶
媒を除去すると赤色色素が得られる。採取したカルスは
乾燥することなく色素を抽出してもよく、また通常の乾
燥手段、たとえば、減圧乾燥等で乾燥したのち抽出して
もよい。抽出溶媒としては、メタノール、エタノール等
のようなアルコール類が好ましく、これらは塩酸を含有
しているのが好ましい。特に好ましいのは0.05〜2
,Ow/w%塩酸含有メタノールである。抽出に好まし
い温度は約0〜20゜Cであり、時間は約16時間ない
し1週間である。
この抽出は暗黒下で行うのが好ましい。
このようにして製造される赤色天然色素は所望により、
例えば転溶,濃縮(好ましくは減圧濃縮),クロマトグ
ラフィー,結晶化等の自体公知の手段でさらに精製して
もよい。
赤色天然色素を含有する飲食料の製造法本発明の方法に
よって製造された赤色天然色素を含有する飲食料は、上
記の方法によって得られた赤色色素粉末を通常の飲食料
製造のための成分、例えば果汁、ブドウ糖、果糖、液糖
、水飴等に配合することにより容易に製造できる。
本発明の方法によって製造された赤色天然色素を含有す
る飲食料としては、どのような飲食料でも用いられるが
、例えばジュース、アイスクリーム、ゼリー、ジャム、
ドロップ等が挙げられる。
本発明の方法によって製造された赤色天然色素を含有す
る飲食料における赤色天然色素の使用量は、一概には言
えないが通常完成飲食料に対して約0.001%〜20
%程度である。
赤色天然色素を含有する医薬製剤の製造法本発明の方法
によって製造された赤色天然色素を含有する医薬製剤は
、赤色色素を着色料として使うこと以外は従来の医薬製
剤の製造方法と全く同様に製造される。
本発明で使用される医薬製剤としては、錠剤、顆粒、粒
状物、糖衣錠、フィルム錠、ハードカプセル等が挙げら
れる。
本発明の方法によって製造された赤色天然色素を含有す
る医薬製剤における赤色天然色素の使用量は、一概には
ぎえないが通常完成医薬製剤に対して約0.0(N〜2
0%程度である。
(実施例) 以下に本発明を実施例の形でさらに説明する。
各実施例において、一は特記しない限り重量%を示す。
実施例1 〔カルス誘導工程〕 リンゴ(品種:スターキング)の頂芽または腋芽を70
%エタノールに5分間、次いで1%次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液に10分間浸漬して滅菌後、滅菌水で5回洗浄し
た。続いて実体顕微下で茎頂を摘出し、MS寒天培地(
 NAA 2.O mg/l , BAP2.5mg/
l,寒天9g/ll , pH5.8 >に置床した。
照明下(白色蛍光灯、2000Lux,1 (i時間日
長)25゜Cで3週間培養後、茎頂の断面1ζ形成され
た赤色を帯びたカルスを分離し、上記MS寒天培地に移
植した。
〔細胞選抜工程) 以後赤色の濃いカルス部分を7日毎に植え継ぎ、2ケ月
後には安定して赤色色素を生産するカルスが得られた。
〔分散細胞増植工程J 上記で得られたカルスを増殖培地(NAA2.Omg/
l %BAP2.5mg/l 、シコ糖5%添加のB5
液体培地)を用いて暗所振とぅ培養(80rpm)した
。細胞は7日毎に植え継ぎを繰返し、1ケ月後には均一
な分散細j@を得た。
〔赤色色素製造工程〕
分散細胞をナイロンメッシュ上にF取し、色素生成培地
( NAA2.Omg/l,BAP2.5mg/d、シ
コ糖3%添加のMB培地)20mlを含む9cmのプラ
スチックシャーレに移植した。初発細胞量は20mg/
mlとした。培養は青色蛍光ランプ(品名: FL− 
4 0 8B,日本電気製ノ照明下で、25゜C、8日
間振とう培養(60rpm)Lた。
なお、対照として緑色(品名:FL40SG,日本電気
製)、赤色(品名:FL408PK)および植物育成用
(品名: FL4 0 SBR−A,日本電気製)の各
蛍光ランプ照明下で、25゜C、8日間振とう培養(6
0rpm)Lた。
得られたカルス中のアントシアニンの含量を測るため、
カルスの一部(400mg)を採取し、0.1チ塩酸メ
タノール(4ml.)で暗黒下、4℃で48時間抽出し
た。不純物を戸去したのち、ν液の吸光度(波長5 5
 0 nm)を測定した。吸光度(4)とカルス湿重量
CB)の積を色素生成量(AXB)とした。
各蛍光灯下における色素生成量を第1表に示す。
第   1   表 第1表から明らかなように、アンドシアニン生成量は青
色光照射下の場合が最も多く、他の場合の2倍以上の生
成量であった。
また、上記で青色蛍光ランプ照明下で振とう培養して得
られたカルスを含む培養液を50.μmのナイロンメッ
シュを用いてカルスを濾取し、凍結乾燥をした。得られ
た乾燥カルス24gをアセトンで脱脂した後、1%塩酸
含有メタノール300mlに溶解し、これをイオン交換
カラム(ダウエックス50W−X2、ダウケミカル社製
)に通し、色素を樹脂に吸着させた。これを水、メタノ
ールで順次洗浄し、糖、脂質等の不純物を除いた後、5
%塩酸含有メタノール350mlで色素を溶出させた。
得られた色素画分を20mlになるまで減圧濃縮し、次
にセファデックスLH−20カラム(3cmX30cm
)に通し、水、メタノールで洗浄後、0.4%塩酸含有
メタノール170m/で色素を溶出させた。溶出液は、
2 5 4 nmの吸光度でモニターした。得られた主
画分をロータリーエバポレーターで濃縮、乾固させた後
、その残査をメタノール5mlに溶解した。そこにエチ
ルエーテルSmlを加える操作を10回繰返し、色素を
沈澱させ、精製色素粉末60mgを得た。
上記で得られた精製色素粉末1mgを1%塩酸含有メタ
ノール200μjに溶解し、10%ギ酸2mlを加えて
検液とし、高速液体クロマトグラフィ− ( HPLO
 ; Yokogawa LC 1 0 0 )による
色素の分析を行った。上記検液をYMO Pack A
3120D8カラム( 6mmX 150mm ;山村
化学研究所製)に注入し、10%ギ酸水溶液及び10%
ギ酸含有メタノール混液を1.4ml/minの速度で
流した。混液全体の10%ギ酸含有メタ以降:30%と
1,た。溶離液は、5 3 5 nmの吸光度でモニタ
ーした。結果を第1図に示す。
対照として、リンゴ(品種:スターキング)の皮を凍結
乾燥したもの400mgを上記と同様の操作で色素の精
製を行い、上記と同じ条件のHPLCで分析した。結果
を第2図に示す。
また、標準品として、シアニジン−3.5−ジグルコシ
ド(シアニン二カールロス社製)、シアニジン−3−ガ
ラクトシド(イデアニン;エクストラシンセス社製)、
シアニジン−6−グルコシド(クロマニン;エクストラ
シンセス社製)、シアニジン−3−ルチノシド(ケラシ
アニン;エクストラシンセス社製)およびシアニジン(
カールロス社製)を用いて、HPLOにかけた。結果を
第3図に示す。
本発明方法で製造したリンゴ赤色色素及びリンゴの皮か
ら精製した赤色色素の1番大きなピークが、シアニジン
−3−ガラクトシドのピークと保持時間が一致した。す
なわち、本発明方法で製造したリンゴ赤色色素の主成分
は、リンゴの皮に含まれているアントシアニン系色素(
シアニジンー3−ガラクトシド)であることが判明した
実施例2 寒天培地(寒天0.9チを実施例1の赤色色素製造工程
の色素生成培地に添加)を用いる以外は実施例1と同一
の条件下で培養した。8日後の色素生成量を第2表に示
す。
(以下余白) 第 表 第2表から明らかなように、色素生成量は実施例1(液
内懸濁培養)の場合に比べ約1/10であったが、青色
光照射下の場合が他の場合より優れていた。
実施例3 寒天15gを5時間水1 kgに水づけした後、火をか
け溶解するまで加熱した。寒天溶液を釜に入れ、砂糖3
80g、ブドウ糖50g、水あめ425gを添加し、真
空濃縮機に入れ、60℃、15分間濃縮を行った。次に
実施例1で得られたリンゴの赤色色素適量および香料適
量を加え、均一に混合し、湯気の出なくなるまで冷却し
た。この液を型に流し込み、15゜Cの凝固室に入れて
放冷し凝固させた。型から抜き取り、切断機で細切りに
した後、オブラートに包み、リンゴ天然色のゼリーとし
た。
実施例4 リンゴ果実500gを水洗し、厚さlcmに切断し、変
色を防ぐため2z,.食塩水に浸漬した後、100gの
水を加えて煮熟した。煮熟は全加糖量の1/2〜1/3
の砂糖400gとともにジャケット付き煮熟釜で撹拌し
ながら加熱し、果汁が浸出して砂糖が溶解した後、残り
の砂糖を加え、常圧下20分煮熟した。煮熟終了後、冷
却機により80℃に冷却し、色調を補うため、実施例1
で得られたリンゴ赤色色素適量を添加し、赤色のリンゴ
ジャムとした。
実施例5 砂糖651gを水1 5 kgに溶解し、水飴50kg
を混合後、水分が1〜2%になるまで煮結め、冷却盤上
で実施例1で得られたリンゴ赤色色素t o o jF
、酸味料sonyおよび香料を加えて混合した後、スタ
ンピングマシンで成形し、リンゴ赤色ドロップとした。
実施例6 赤色に着色された造粒物および顆粒 アセトアミノフェノン(40重量%)、乳糖(30重量
%)およびデンブン(30重量%)からなる粉末1kg
をバーチカルグラニュレータ−( FM−.VG−1 
0 ;富土産業■製)に仕込み、これに懸濁液(実施例
1で得られたリンゴ色素粉末0.1gを水150mA?
に分散させ、これにさらにヒドロキシメチルセルロース
(3重量%相当)を加えて調製したもの)を投入して造
粒しながら着色し、赤色に着色した造粒物を得た。
このものを真空乾燥機(楠木製作所■製)で乾燥したあ
と、パワーミル(P−1昭和化学機械(株)製)で整粒
し、篩過して16メツシエ通過90%の顆粒を得た。
実施例7 赤色に着色された造粒物および錠剤 アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ソルヒト
ールを主成分とする粉末(アスコルビン酸15重量チ、
アスコルビン酸ナトリウム15重量チ、ソルビトール6
0重量%) 1 0 kg を流動層造粒乾燥機(グラ
ットWSQ− 1 5 ;大川原製作所■製)に仕込み
、これに懸濁液(実施例1で得られたリンゴ色素粉末2
0gを水600mlに分散させて調製したもの)をスプ
レーして粉末を造粒しながら着色した。
引き続イテ、デンブ:/100gを水1.900mlに
分散させ、80゜Cに加温した糊液をスプレーしながら
、さらに造粒した。
赤色に着色した造粒物を乾燥して整粒後、打錠して錠剤
を製造した。
実施例8 赤色に着色された粒状物 結晶グラニウ糖1kgをコーティングパン(12インチ
;菊水製作所■製)に仕込み、実施例1で得られたリン
ゴ色素粉末0.1Fgを水5 0 0 mlに分散した
懸濁液をスプレーしながらアスコルビン酸と粉糖との等
量混合物(散布剤)1kgを用いて散布コーティングを
行なった。
粒子の直径が約5mmになるまでコーティングを行ない
、その後真空乾燥(楠木製作所■製)し、粒状物を得た
実施例9 赤色に着色された錠剤(糖衣錠) 乳糖およびデンブンを主成分とする粉末(乳糖70重量
チ、デンブン30重量%)を打錠して得られた錠剤(直
径9. 5 mm−、重量2 5 0 mg、s, o
 o o錠)をコーティングパン(12インチ;菊水製
作所■製)中で糖衣掛けを行なった。
この際糖衣液としては、グラニウ糖、タルク、ブルラン
、水からなる糖衣液1lに実施例1で得られたリンゴ色
素粉末0.1gを添加したものを用いた。
シロップ液で仕上げを行ない、仕上重量450mgの糖
衣錠を得た。
実施例10 赤色に着色されたフイルム錠 ゛         乳糖とデンプンの錠剤(直径9.
5mm−、重量2 5 0 mg、40,000錠)を
アクセラコータ−24(マネスティー社製)を用いて実
施例1で得られたリンゴ色素粉末を含むフィルム液でフ
ィルムコーティングを行なった。
使用したフイルム液としては、ヒドロキシブ口ピルメチ
ルセルロース(Tc−5(ト);信越化学工業■製〕、
酸化チタン、ポリエチレングリコールs,oooおよび
水からなるフィルム液3lに、実施例1で得られたリン
ゴ色素粉末o.tsgを添加したものを用いた。
かくして仕上重量260mgのフィルム錠を得た。
実施例11 赤色に着色されたハードカプセル ゼラチン30部に水60部を加えて、加熱溶解する。
一方、酸化チタン1部と実施例1で得られたリンゴ色素
粉末1部を水10部にホモミキサー(特殊機化■製)を
用いて、分散したものを作り、ゼラチン水溶液に加えて
着色する。
この溶液にカプセルピンを投入して成型し、乾燥後、ハ
ードカプセルとする。
得られたカプセルは明るいリンゴ系の赤色に着色されて
いた。
(発明の効果) 本発明によればリンゴのカルスを特定の方法で組織培養
することにより、気候、土壌など自然条件に左右される
ことなく、短時間で工業的規模で赤色色素を生産するこ
とができる。この色素はアントシアニン系色素で人体に
無害であるため、食品、医薬品などの着色剤として用い
られる。
【図面の簡単な説明】
第盲図は、本発明の方法によって生産された赤色色素の
HPLOによるクロマトグラムを示す。 第2図は、リンゴの皮から精製した赤色色素のHPL(
!によるクロマトグラムを示す。 第3図は、標準品のHPLOによるクロマトグラムを示
し、図中、Aはシアニジンー3.5−ジグルコシド、B
はシアニジン−3−ガラクトシド1Cはシアニジン−5
−グルコシド、Dはシアニジンルチノシド、Eはシアニ
ジンをそれぞれ示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  リンゴの植物体を誘導培養し、得られる赤色色素生成
    カルスを、暗黒下液体培養して均一な分散細胞とし、つ
    いでこれを青色光照射下培養し、培養物から赤色色素を
    採取することを特徴とする赤色天然色素の製造方法。
JP1062967A 1989-03-14 1989-03-14 赤色天然色素の製造方法 Pending JPH02289654A (ja)

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