JPH02287515A - エレクトロクロミック素子用電解質 - Google Patents

エレクトロクロミック素子用電解質

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JPH02287515A
JPH02287515A JP11121689A JP11121689A JPH02287515A JP H02287515 A JPH02287515 A JP H02287515A JP 11121689 A JP11121689 A JP 11121689A JP 11121689 A JP11121689 A JP 11121689A JP H02287515 A JPH02287515 A JP H02287515A
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electrolyte
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electrode
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coloring
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JP11121689A
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Inventor
Katsuaki Okabayashi
岡林 克明
Masahiko Asaoka
賢彦 朝岡
Katsuji Abe
阿部 勝司
Yukiaki Hiyoudou
兵頭 志明
Toshiyasu Ito
伊藤 敏安
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Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、各種調光装置やデイスプレィに使用されるエ
レクトロクロミック素子用の電解質に関するものである
〔従来の技術〕
外部からの電圧印加によってその素子中に電気化学的反
応が誘起され、その色や吸収率が可逆的に変化するエレ
クトロクロミック素子は、固体発光素子(L E D)
や液晶素子(LCD)にない多くの特徴を備えている。
そのため、エレクトロニクス産業を始めとする各種産業
分野において、調光用素子や表示用素子として実用化が
進められている。
このエレクトロクロミック素子として、一対の電極間に
酸化タングステン、ポリアニリン等の発色物質と電解質
とを介在させたものがある。上記一対の電極間に電圧を
印加することにより発色物質が着色または消色するもの
である。
上記電解質としては、従来、プロピレンカーボネイト等
の極性有機溶媒中に過塩素酸リチウムや四フッ化ホウ酸
リチウム等の塩を溶解させたものが用いられている。
この電解質は、化学的にも電気化学的にも安定なもので
あり、通常のエレクトロクロミック素子の駆動条件下で
は、電極上で酸化還元されるものではない。従って、電
極上では、発色物質のみが酸化還元反応を生ずる。しか
し、光照射や着消色の繰り返し等により一対の電極の電
荷バランスの崩れが生じ、一対の電極の一方に電荷が溜
って発色物質が完全に消色せずに色残りが生ずることが
ある。
この色残りを解決するために、電極に高い消色電圧を印
加することにより、電荷の溜りを解消することもできる
。しかし、高い消色電圧を印加するため、エレクトロク
ロミック素子の寿命が短くなり、着消色にムラが見られ
るようになる。
また、色残りの解決策として、上記一対の電極間に第3
の電極を配設して、電極に溜った電荷を解消しようとす
る提案がある。しかしながら、この提案では、エレクト
ロクロミック素子の構造が複雑になり、また、第3の電
極の配設によりエレクトロクロミック素子の電解質の厚
みが増加し、実用には不向きである。
このように、調光ガラスなどへの実用化のためには、電
極の電荷バランスの崩れを解消することが望まれている
が、未だこれを解決する手段が見い出されていない。
〔第1発明の説明〕 本第1発明(請求項(1)に記載の発明)は、上記従来
技術の問題点に鑑み、研究を積み重ねてなされたもので
あり、一対の電極の電荷バランスの崩れを解決して、発
色物質の色残りを防止することができ、かつ長寿命のエ
レクトロクロミック素子用電解質を提供しようとするも
のである。
本第1発明は、イオンを伝導させるための電解質母材と
、該電解質母材中に含有してなる電荷調整物質とからな
ることを特徴とするエレクトロクロミック素子用電解質
である。
本第1発明によれば、電極の電荷バランスの崩れを解決
して、発色物質の色残りを防止することができるエレク
トロクロミック素子用の電解質を提供することができる
この電極の電荷バランスの崩れを解決するのは、以下の
ような理由によると考えられる。
本第1発明の電解質中に含まれる電荷調整物質には、自
らが酸化されて機能するものと還元されて機能するもの
とがある。酸化されて機能する電荷調整物質は、 REDI −一→OXI  +  e−・ ・ ・(1
)のような反応により酸化される((1)式中、RED
は酸化されて機能する電荷調整物質、OXIはREDI
の酸化体)。また、還元されて機能する電荷調整物質は
、 OX2  +  e−−→RED 2−−−(2)のよ
うな反応により還元される((2)式中、OX2は還元
されて機能する電荷調整物質、RED2はOX2の還元
体)。このように、電荷調整物質は、電子を放出するか
、あるいは電子を吸収する。
消色時に酸化発色電極に正電荷が溜っている場合、消色
電圧を印加すると対極上で上記酸化されて機能する電荷
調整物質が酸化され、この時に生ずる電子が外部回路を
通って、酸化発色電極に移動して、溜っている正電荷が
解消して、酸化発色物質は完全に消色する。また、消色
時に還元発色電極に負電荷が溜っている場合、消色電圧
を印加すると対極上で上記還元されて機能する電荷調整
物質が還元され、この時に吸収される電子は外部回路を
通って還元発色電極から吸収されるため還元発色電極上
の負電荷が解消して、還元発色物質は完全に消色する。
このようにして、電荷調整物質の作用により、電極に溜
っている電荷を解消して、色残りを防止することができ
る。
また、上記の電荷調整物質の酸化または還元は、低い消
色電圧の印加により行なうことができるので、高い電圧
印加によりエレクトロクロミック素子の寿命を短(する
こともない。
〔第1発明のその他の発明の説明〕 以下、本第1発明をより具体的にしたその他の発明を説
明する。本発明のエレクトロミック素子用電解質は、イ
オンを伝導させるための電解質母材と、該電解質母材中
に含有してなる電荷調整物質とからなるものである。
上記電荷調整物質としては、通常発色物質が着消色を行
なっている電位領域では酸化または還元されず、上記電
位領域を越えた領域で酸化または還元されるものが望ま
しい。これは該電荷調整物質の酸化、あるいは還元反応
の電位が、通常発色物質が着消色を行なっている電位領
域内にあると、通常の駆動時に、発色反応とは別に、電
荷調整物質の反応が生じて、エレクトロクロミック素子
の着色効率が低下してしまうためである。
電荷調整物質としては、被酸化物質または被還元物質が
挙げられ、それらのうちの少なくとも一方を用いる。す
なわち、被酸化物質は、酸化されて電子を放出するもの
、被還元物質は、還元されて電子を吸収するものである
上記被酸化物質としては、ヨウ素イオン、臭素イオン、
塩素イオン等のハロゲンイオン、あるいはコバルトセン
、フェロセン、ニッケロセル等のメタロセン、あるいは
それらの誘導体等が挙げられ、それらのうちの少なくと
も1種を用いる。また、被還元物質としては、コバルト
セニユウム、フエリセニュウム等のメタリセニュウムイ
オン、あるいはそれらの誘導体等が挙げられ、それらの
うちの少なくとも1種を用いる。
上記電荷調整物質は、電解質中に溶解させた形で含有さ
せるのがよい。
また、上記電荷調整物質の含有量は、電解質ll中に0
.001〜0.1molの範囲が望ましい。
0.001mo1未満では、電荷の溜りを解消する効果
が少な(、また、0.1molを越えると、発色物質の
着色効率が低下してしまう。
上記電荷調整物質を含有させる、イオンを伝導させるた
めの電解質母材となるのは、極性有機溶媒と支持塩とか
らなる電解質溶液や、これに高分子物質を混合するなど
してゲル化させたゲル状電解質等を用いることができる
。上記極性有機溶媒としては、プロピレンカーボネイト
、エチレンカーボネイト、ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン等が挙げられ、それらのうちの少なくとも1
種を用いる。また、上記支持塩としては、過塩素酸リチ
ウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウ
ム、六フッ化ヒ酸リチウム等のリチウム塩等が挙げられ
、それらのうちの少なくとも1種を用いる。
本発明の電解質を使用することができるエレクトロクロ
ミック素子としては、どのような素子にも適用すること
ができ、例えば、第1図に示すように、対向する一対の
基板IA、IBの間に対向する一対の電極2A、2Bが
設けられ、該一対の電極2A、2B間に発色物質3A、
3Bおよび電解質4が配設されてなるエレクトロクロミ
ック素子等に使用することができる。
本発明の電解質の作用を詳細に説明する。
今、仮にリチウム照合極基準で2vから4■の電位領域
で着消色反応を行なう対向した2種類の発色物質、例え
ば、ポリアニリンと酸化タングステン(WOs)とを備
えたエレクトロクロミック素子、すなわちポリアニリン
をその表面に付着させた電極(ポリアニリン極とする)
と、WO3をその表面に付着させた電極(WO3極とす
る)とを対向させて、両極の間に電解質を介在させたエ
レクトロクロミック素子を例に挙げて説明する。
ポリアニリンは酸化発色膜、WOlは還元発色膜として
知られている。したがって、エレクトロクロミック素子
の着色時にはポリアニリンは酸化され、WO3は還元さ
れる。反対に消色時にはポリアニリンは還元され、WO
8は酸化される。この時、両発色電極はリチウム極を基
準にした電位でおよそ2Vから4Vの間で着消色反応を
行なっていることが調べられている。着色時には、それ
ぞれの発色電極には、符号が異なった同量の電荷が注入
される。しかし、消色時にはどちらかの発色電極に僅か
な電荷が残り、電荷バランスが崩れることがある。これ
は各発色電極の酸化還元反応の可逆性や、電荷の保持性
が異なるためである。
−回毎の着消色に伴う電荷バランスの崩れは僅かであっ
ても、これが何回も繰り返されると、次第にバランスの
崩れは太き(なり、消色時に色残りが見られるようにな
る。
例えば、このエレクトロクロミック素子に+1゜2Vと
−1,5Vの着消色電圧(電圧はWO5極に対するポリ
アニリン極の端子間電圧)をそれぞれ5秒ずつ印加し駆
動させると、初期は無色と紺色の色変化であったものが
、1B回程度の駆動で消色時に黄緑色が残るようになっ
た。これはポリアニリン極が消色時に完全に還元されず
正電荷が残ったためである。これを消色させるには、素
子に3.0V程度の高い消色電圧を印加する必要があっ
た。この時、WO3極では電解質の酸化分解反応が起こ
り、ポリアニリン極に残った電荷を解消していた。しか
し、エレクトロクロミック素子にこのような高い消色電
圧を印加すると素子の寿命が著しく短(なり、着消色に
ムラが見られるようになった。また、上記エレクトロク
ロミック素子に+1.2Vを5秒間印加した後、開回路
にして1時間放置し、−1,5Vを5秒間印加し消色さ
せた場合、今度は消色時に青色が残るようになった。
これはWO3極が消色時に完全に酸化されず負電荷が残
ったためである。この色残りを解消するためには、やは
り−3,0V程度の高い消色電圧が必要であるが、これ
も素子の寿命を著しく短くした。
このように、色残りの解消のため高い消色電圧を印加す
ると、エレクトロクロミック素子の寿命を短くしてしま
う。
そこで、電解質中に被酸化物質または被還元物質が含有
していると、以下のように電荷のバランスを解消する。
例えば、4V(リチウム極を基準とする)程度で酸化さ
れる被酸化物質と2V(IJチウム極を基準とする)程
度で還元される被還元物質とが電解質中に含まれており
、下記式(3)、(4)のように反応するとする。
RED l−→OXl + e−・・・(3)OX2 
 +  e−−→RED 2−−−(4)(上記式中、
REDlは被酸化物質、OXlはREDIの酸化体、O
X2は被還元物質、RED2はOX2の還元体) 上記(3)式、および(4)式の反応は、ポリアニリン
、およびWO8の着消色反応が起こる電位、即ち、2V
から4Vの間では起こらない。しかし、電荷バランスが
崩れ、ポリアニリン極またはWO8極のどちらかに消色
時に電荷が残るようになると、電荷が残っている極と反
対側の極(対極)がこれらの電位領域を越えた電位にな
り、上記式(3)、(4)の反応のいずれかが進行する
。すなわち、4■よりも高くなると式(3)の反応が進
行し、2Vよりも低くなると式(4)の反応が進行する
ここで、ポリアニリン極に色残りが生じた場合を考える
。従来の電解質では、ポリアニリンを完全に消色するた
めの電子を供給する反応種、即ち被酸化種が対極のWO
8極側に存在しなかった。
したがって、素子に一3V程度の過剰な消色電圧を印加
し、WO3極上で電解質の酸化分解反応を起こし、無理
にポリアニリン極を消色していた。
しかし、本発明では、WOs極上で上記(3)式の酸化
反応が起こりポリアニリン極に電子が容易に供給され、
残った正電荷が解消される。この結果、ポリアニリン極
の完全消色が可能となる。反対に、WO1極に色残りが
生じた場合も、上記(4)式の還元反応がポリアニリン
極上で起こり、WO8極を完全に消色することができる
。このように、電解質中に被酸化物質および被還元物質
を添加することにより、それぞれの極に色残りが生じた
場合でも、色残りが解消される。
なお、上記の例では、発色物質としてポリアニリンとW
Olとを組み合わせて用いたエレクトロクロミック素子
であるが、発色物質としてプルシアンブルーとWOsと
を組み合わせて用いたもの、あるいはイリジウム酸化物
とWO3とを組み合わせて用いたもの、あるいはポリピ
ロール、ポリチオフェン等の導電性高分子と、モリブデ
ン酸化物等の金属酸化物等とを組み合わせて用いたもの
においても本発明の電解質を使用することができる。
また、本発明の電解質は、発色物質として1種のみを使
用したエレクトロクロミック素子でも、あるいは2種以
上の発色物質を組み合わせて使用したエレクトロクロミ
ック素子にも用いることができる。また、酸化により発
色する発色物質のみ、あるいは還元により発色する発色
物質のみを使用したエレクトロクロミック素子にも、あ
るいは酸化により発色する発色物質と還元により発色す
る発色物質との双方を組み合わせて使用したエレクトロ
クロミック素子にも本発明の電解質を用いることができ
る。
電解質に含有させる電荷調整物質としては、被酸化物質
または被還元物質のうちの少なくとも−方とする。例え
ば、酸化により発色する発色物質と還元により発色する
発色物質との双方を組み合わせて使用したエレクトロク
ロミック素子には、被酸化物質と被還元物質とを含有さ
せた電解質を用いてもよい。なお、この場合、一方の発
色物質のみに色残りが生ずる場合には、その色残りを防
止するための電荷調整物質のうちの一方のみを含有させ
た電解質でもよい。また、酸化により発色する発色物質
のみを用いたエレクトロクロミック素子には、被酸化物
質のみを含有させた電解質を用いてもよく、あるいは還
元により発色する発色物質のみを用いたエレクトロクロ
ミック素子には、被還元物質のみを含有させた電解質を
用いてもよい。しかし、発色電極の対極にも電荷が溜る
ことがあり、この状態で着消色を繰り返していると、電
位的な負担が発色電極にかかり、発色電極が劣化すると
いう問題がある。そのため、酸化により発色する発色物
質のみ、あるいは還元により発色する発色物質のみを用
いたエレクトロクロミック素子にも、被酸化物質と被還
元物質との双方を用いた電解質を使用するのがよい。
本発明の電解質は、液体状のものでもゲル状のものでも
、あるいは例えば、紫外線により硬化させて固体状にし
たものでもよい。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細な説明する。
実施例1 本実施例では、被酸化物質として、塩化物イオン、臭化
物イオン、ヨウ化物イオン、アセチルフェロセン、1.
  l’  −ジアセチルフェロセンをそれぞれ溶解さ
せた電解質を、ポリアニリンとWO3とを発色物質とす
るエレクトロクロミック素子に適用し、ポリアニリン側
に生じた色残りを解消するのに必要な電圧を調べた。
用いた電解質の組成を第1表に示す。また、比較のため
、被酸化物質を添加しない比較用電解質についても調べ
た。
エレクトロクロミック素子は、第2図のように、一対の
基板5A、5B間には、一対の透明電極膜6A16Bが
配設されている。該一対の透明電極膜6A、6Bは、ス
ペーサ9により距離が保たれている。一方の透明電極膜
6A上にはポリアニリン膜7A、他方の透明電極膜6B
上にはWO1膜7Bが積層されている。上記ポリアニリ
ン膜とWO8膜との間には、上記電解質8が配置されて
なる。上記透明電極膜6A、6Bの一端には、一対のリ
ード線10A、IOBが接続され、該リード線10A、
IOBを介して一対の透明電極膜6A、6Bに電圧が印
加されるようになっている。
試験は、以下の手順で行なった。
ポリアニリン膜を積層した電極(ポリアニリン極)と、
WO1膜を積層した電極(WO,極)との両極を別々に
完全消色させた後、ポリアニリン極のみに、電極面積1
平方センチメートル当たり、5mCの正電荷を注入し、
着色させる。このようにして得られた完全消色のWO3
極と、部分着色のポリアニリン極、および、第1表の電
解質を組合わせてポリアニリン極のみに色が残ったエレ
クトロクロミック素子を作製した。
第1表 それぞれの電解質を用いたエレクトロクロミック素子の
消色電圧(WO3極に対するポリアニリン極の端子電圧
)と、消色電流との関係を第3図に示す(図中の数字は
第1表のNαを示す。)。消色電流は、ポリアニリン極
に残った色の消える速度を表している。
第3図に示されるように、本実施例の電解質を用いると
、比較例の電解質に較べ、消色電流の立ち上がる電圧が
低(なり、低い消色電圧でポリアニリン極の色残りを解
消できる。また、ポリアニリンの消色が十分な速度で行
なわれる電圧、例えば、消色電流が50μA/cnfを
越える電圧をそれぞれの電解質について比較したのが第
2表である。
ここでも、本実施例の電解質は、消色電圧を低くできる
゛効果があることが分る。
第2表 子は実施例Iと同様である。
第3表 実施例2 本実施例では、被還元物質としてコバルチセニウムイオ
ンを溶解させた電解質を、ポリアニリンとWO8とを発
色物質とするエレクトロクロミック素子に適用し、WO
s極側に生じた色残りを解消するのに必要な電圧を調べ
た。
用いた電解質の組成は第3表に示す。また、比較のため
、被還元物質を加えない比較用電解質についても調べた
。用いたエレクトロクロミック素試験は、実施例1と同
様に以下の手順で行なった。
ポリアニリン極とWOs極との両極を別々に完全消色さ
せた後、WO3極のみに、電極面積1平方センチメート
ル当り、5mCの正電荷を注入し、着色させる。このよ
うにして得られた完全消色のポリアニリン極と、部分着
色のWO3極、および、第3表に示した電解質を組み合
わせて、WO3極のみに色が残ったエレクトロクロミッ
ク素子を作製した。
それぞれの電解質を用いたエレクトロクロミック素子の
消色電圧(WO,極に対するポリアニリン極の端子電圧
)と、消色電流との関係を第4図に示す(図中の数字は
第3表のNo、を示す。)。消色電流は、WO8極に残
った色の消える速度を表している。
第4図に示されるように、本実施例の電解質を用いると
、比較例の電解質に較べ、消色電流の立ち上がる電圧が
低(なり、低い消色電圧でWO3極の色残りを解消でき
ることが分かる。
また、上記のエレクトロクロミック素子について、繰り
返し着消色することによって色残りが解消される様子を
調べた。
第4表に本実施例の電解質および、比較例の電解質を用
いて、着色+1.2 V、消色−1,5Vまたは、−2
,OV、パルス幅10秒の矩形波電圧規制の条件で着消
色したときの、色残りが解消されるサイクル数と50サ
イクル後のエレクトロクロミック素子の色変化の様子を
示した。
第4表からも明らかなように、比較例の電解質を用いる
と、消色電圧−1,5Vでは、色残りは解消せず、−2
,OVの消色電圧をかけると着消色を繰り返すうちに色
残りは解消されるが、着消色に色ムラが生じる。これは
、−2゜Ovの消色電圧を印加することによってポリア
ニリン極の透明電極第4表 膜自体が還元反応し、これによってWO2極に残ってい
た色が消えるが、透明電極膜は還元されると部分的に抵
抗が高くなるためポリアニリン極の着消色にムラが生じ
たのである。これに対して、本実施例の電解質を用いた
エレクトロクロミック素子では、いずれの消色電位でも
少ないサイクル数で色残りが解消され、解消後も色ムラ
は認められず、本実施例の電解質は透明電極膜を保護す
る効果も持つことが認められた。
実施例3 本実施例では、被還元物質としての臭化物イオンと、被
還元物質としてのコバルチセニウムイオンとを同時に溶
解させた電解質を、ポリアニリンとWO3とを発色物質
とするエレクトロクロミック素子に適用し、着消色を繰
り返した場合の、消色時の透過率変化を調べた。
用いた電解質の組成は第5表に示す。また、比較のため
、被還元物質を添加しない比較用電解質についても調べ
た。用いたエレクトロクロミック素子は、実施例1と同
様なものである。
着色電圧+1.2V、消色電圧−i、 o vの条件で
10万回着消色を繰り返す前後の550nm光の透過率
を第6表に示す。
第6表より明らかなように、比較例の電解質を用いたエ
レクトロクロミック素子では、lO万回着消色を繰り返
すことによって消色時の透過率が低下する。これは、ポ
リアニリンとWO8の電気化学的な可逆性が異なるため
にポリアニリン極側に電荷が溜り色残りするためである
。これに対して、本実施例の電解質を用いたエレクトロ
クロミック素子では、10万回サイクル後においても、
色残りは認められず、本実施例の電解質が両極の電荷の
バランスを保つ効果を持つことが分かる。
第5表 第6表 実施例4 本実施例では、電解質をプルシアンブルーとWOlとを
発色物質とするエレクトロクロミック素子について適用
した例を示す。
このエレクトロクロミック素子は、実施例1のエレクト
ロクロミック素子のポリアニリンをプルシアンブルーに
代えたものである。用いた電解質を第7表に示す。また
、比較のため、被酸化物質を添加しない比較用電解質に
ついても調べた。
プルシアンブルー極の消色状態の色メモリー性が劣って
いるため、プルシアンブルーとWO3と第7表 を発色物質とするエレクトロクロミック素子は、消色状
態で放置すると、第5図の可視光吸収スペクトル中の実
線aで示されるように、青色に着色する。この色は、プ
ルシアンブルーのみの着色のため、従来の電解質を用い
たECDでは、−1,5V(WO1極に対するプルシア
ンブルー極の端子電圧)の消色電圧を印加して着消色を
繰り返しても、図中の破線すの程度にしか消色できない
。しかしながら、被酸化物質として、臭化物イオンを1
0mM溶解した電解質を用いると、図中点線Cのように
、はとんど完全に色残りを解消できる。
図は実施例1.2におけるエレクトロクロミック素子の
消色電圧と消色電流との関係を示す線図、第5図は実施
例4におけるエレクトロクロミック素子の可視光吸収ス
ペクトルを示す線図である。
IAX IB、5A、5B・・・基板 2A、2B、6A、6B・・・透明電極膜3A、3B1
7A、7B・・・発色膜 4.8・・・電解質、 9・・・スペーサ10A、10
B・・・リード線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. イオンを伝導させるための電解質母材と、該電解質母材
    中に含有してなる電荷調整物質とからなることを特徴と
    するエレクトロクロミック素子用電解質。
JP11121689A 1989-04-28 1989-04-28 エレクトロクロミック素子用電解質 Pending JPH02287515A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11121689A JPH02287515A (ja) 1989-04-28 1989-04-28 エレクトロクロミック素子用電解質
US07/845,850 US5215684A (en) 1989-04-28 1992-03-06 Electrolyte for electrochromic elements

Applications Claiming Priority (1)

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JP11121689A JPH02287515A (ja) 1989-04-28 1989-04-28 エレクトロクロミック素子用電解質

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