JPH0228723Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は靴底裏面に多数の鋲が突出する野球、
サツカー、ラグビー等用のスポーツ靴に関するも
のである。

（従来の技術） 従来、靴底一体鋲とインサート鋲を併設したス
ポーツ靴は周知であり、その場合、金属製のイン
サート鋲を靴底材料で固定することは特開昭59−
222103号公報や実開昭58−139903号公報等により
公知であり、また、複数個の脚部を接続部で連結
一体化したゴム製のインサート鋲も実開昭57−
20201号公報により開示されていることから、靴
底一体鋲とインサート鋲を併設するに際し、イン
サート鋲を複数連結構造として靴底材料で固定す
れば、製作能率が向上するとともに、それぞれの
材質による特性を生かした、即ち、防滑性、耐摩
耗性、耐久性に優れたスポーツ靴とすることがで
きる。

（考案が解決しようとする課題） しかし、前記従来技術の単なる結合構成では、
合成樹脂とゴムとの接着性が悪く、使用中にゴム
製のインサート鋲が脱落するという欠点を有する
だけでなく、複数連結構造のインサート鋲が、靴
底の屈曲性を阻害して、運動中の靴底の屈曲にな
じまず履き心地の悪いものとする。

本考案は、連結構成のゴム製のインサート鋲と
一体鋲を併設した場合の前記欠点を解消するとと
もに、防滑性、耐摩耗性、耐久性を一段と向上す
ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案に係るスポーツ靴は、合成樹脂製靴底材
による一体鋲ａと靴底材料で固定された二個以上
の脚部４を接続部５で連結一体化したインサート
鋲ｂとを併設してなるスポーツ靴において、前記
インサート鋲ｂをゴム製とするとともに、脚部４
の接続部５に靴底材料進入用の貫通孔６を開設
し、該インサート鋲ｂを、靴底Ｃの力の係る部位
に一体鋲ａで囲まれるように埋設して、脚部４の
先端を靴底Ｃから突設させたことを特徴とするも
のである。

（実施例） 本考案に係るスポーツ靴は、第１図及び第２図
に示したように、接続部５に貫通孔６を有し、二
個以上の脚部４を一体的に突設したゴム製のイン
サート鋲ｂの接続部５を、靴本体Ａの中底３に接
当させた状態で、合成樹脂製の靴底Ｃと該中底３
とを接着一体化し、靴底Ｃの力の係る部位に一体
鋲ａで囲まれるように、インサート鋲ｂの接続部
５及び根元部を埋設して脚部４の先端を靴底Ｃか
ら突設する様に形成されている。

靴本体Ａは、第２図に示したように、足の上面
を包むように形成した甲皮１の底部に、中底３が
露出するように、中敷２及び中底３を固着して一
体化し、略足形に形成したものである。

インサート鋲ｂは、天然ゴム、合成ゴム製で、
第３図及び第４図に示したように、二個の略円錐
台状の脚部４を板状の接続部５で一体的に接続
し、この両脚部４間の接続部５に複数個の貫通孔
６を穿設したものである。

ここで、インサート鋲ｂの脚部４の形状を円錐
台として先細りとし、また貫通孔６に靴底部材が
進入しているために、より脱落しにくいものとな
るとともに、貫通孔６の開設により、インサート
鋲ｂの脚部４相互の屈曲性が確保されるようにな
る。

靴底Ｃは、第１図に示したように、ウレタン、
ナイロン等の強靭性、耐久性、耐摩耗性に優れた
合成樹脂製で、力の係る部位又は摩耗の激しい部
位に、合成樹脂製一体鋲ａとインサート鋲ｂとを
複数個形成した略足形の板状体である。

一体鋲ａは、第１図及び第２図に示すように、
靴底Ｃと一体的に設けた略円錐台で、大径のもの
と小径のものとがあり、大径のものは、前踏部７
の外周部付近、踵部９の後端付近及び外周前方部
に、小径のものは、前踏部７や踵部９の内側中央
部及び不踏部８の外側に、インサート鋲ｂを囲む
ように複数個設けられている。

インサート鋲ｂは、第１図及び第２図に示した
ように、前踏部７の先端部付近及び外周部付近
に、踵部９の外周部付近に、インサート鋲ｂの脚
部４を埋設した大径の略円錐台のものである。

次に、本考案に係るスポーツ靴の製造方法につ
いて説明する。

予め形成したインサート鋲ｂを、靴底成形用の
金型Ｄの所定の位置に配した後、その上から甲皮
１、中敷２、中底３を一体化して略足形に形成し
た靴本体Ａを配する。

この金型Ｄ内のインサート鋲ｂの接続部５に、
靴本体Ａの中底３を押し当て、金型Ｄの靴底Ｃ型
の上面を靴本体Ａの底部で覆い、第５図に示した
状態とする。

この金型Ｄ内に合成樹脂を注入固化して、合成
樹脂製の靴底Ｃと靴本体Ａとを接着一体化し、靴
底Ｃの力の係る部位又は摩耗の激しい部位に、一
体鋲ａとインサート鋲ｂとを複数個形成したもの
である。

なお、前記実施例では、円錐台状の鋲を設けた
例で説明したが、鋲の形状は、特に限定するもの
ではない。

前記実施例では、甲皮１の底部から中底３が露
出した靴本体Ａの例で説明したが、靴本体Ａの底
部に配する部材や形成方法は、特に限定するもの
ではない。

（考案の作用効果） 本考案のスポーツ靴は、合成樹脂製靴底材によ
る一体鋲ａと靴底材料で固定された二個以上の脚
部４を接続部５で連結一体化したインサート鋲ｂ
とを併設してなるスポーツ靴において、前記イン
サート鋲ｂをゴム製とするとともに、脚部４の接
続部５に靴底材料進入用の貫通孔６を開設したか
ら、該貫通孔６に靴底材料が進入して接着性が良
好になり、インサート鋲ｂの不用意な脱落が防止
されるとともに、該貫通孔６の開設によつて、イ
ンサート鋲ｂの脚部４相互の屈曲性が確保されて
靴底の屈曲に順応するようになり、活動性に優れ
たスポーツ靴とすることができる。

また、インサート鋲ｂを、靴底Ｃの力の係る部
位に一体鋲ａで囲まれるように埋設して、脚部４
の先端を靴底Ｃから突設させた構成としたから、
インサート鋲ｂと一体鋲ａとの相互補助作用によ
り、それぞれの材質が有する特性が最大限に生か
され、防滑性、耐摩耗性、耐久性を一段と向上す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスポーツ靴の正面図、第
２図は第１図のＩ−Ｉ線における一部省略拡大断
面図、第３図は本考案のインサート鋲を複数個、
靴底に配する状態の説明正面図、第４図は本考案
に係るインサート鋲の一部断面を含む拡大図、第
５図は本考案に係るスポーツ靴の製造方法の説明
断面図である。 Ａ……靴本体、ｂ……インサート鋲、Ｃ……靴
底、Ｄ……金型、１……甲皮、２……中敷、３…
…中底、４……脚部、５……接続部、６……貫通
孔、７……前踏部、８……不踏部、９……踵部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製靴底材による一体鋲ａと靴底材料で
   固定された二個以上の脚部４を接続部５で連結一
   体化したインサート鋲ｂとを併設してなるスポー
   ツ靴において、前記インサート鋲ｂをゴム製とす
   るとともに、脚部４の接続部５に靴底材料進入用
   の貫通孔６を開設し、該インサート鋲ｂを、靴底
   Ｃの力の係る部位に一体鋲ａで囲まれるように埋
   設して、脚部４の先端を靴底Ｃから突設させたこ
   とを特徴とするスポーツ靴。