JPH0228481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は光フアイバを収納した保護パイプの
外周部に複数本の金属素線が撚り合わされてなる
光フアイバ複合架空地線を相互に接続する光フア
イバ複合架空地線の接続部に関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来、上記構造の光フアイバ複合架空地線を経
間部で相互に接続する接続部として、第２図に示
すように接続すべき左右の光フアイバ複合架空地
線（以下、複合地線と略称する。）１の中心部の
アルミニウム等からなる保護パイプ２の端部から
それぞれ光フアイバ３を露出させて相互に接続４
するとともに、両複合地線１の金属素線５の各端
部に跨つて金属製のスリーブ６を外嵌し、このス
リーブ６の両端部を圧縮して左右の複合地線１を
直列に接続してなるものが知られている。

しかしながら、かかる構造の接続部において
は、スリーブ６を金属素線５に圧着させる際に加
えられる圧縮力が大きいと、材質の軟かいアルミ
ニウム等からなる保護パイプ２が圧潰されて内部
の光フアイバ３が損傷される恐れが生じる。この
欠点を補なうものとして実開昭56−166672号公報
にみられるように、スリーブを圧着する範囲の金
属素線と光フアイバとの間に材質の硬い金属補強
管を挿入し、上記光フアイバを保護するようにし
た接続部も提案されているが、このものにおいて
は上記金属補強管の挿入に多大の労力を要すると
ともに特殊な専用工具をも必要とし、接続作業性
が劣る不具合があつた。しかも上記従来のいずれ
の接続部においても、架空地線の外周とこれに外
嵌されるスリーブの内周とが長さ方向に一定の径
を有するため、充分な耐張力を得るには圧着面積
を大きくしなければならず、そのためスリーブ長
さを相当長いものとして圧縮作業を長い範囲にわ
たつて行なわなければならないものであつた。ま
たこれに加えて致命的な欠点として、従来の接続
部は一度接続した後は解体が不可能な永久一体化
構造となるため、例えば内部の光フアイバを容量
変更その他の理由によつて引き換え交換したい場
合に、上記接続部からの光フアイバの引き出し、
引き入れが事実上不可能になるものであつた。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
接続時に内部の光フアイバに損傷を与える恐れが
なく、しかも短い圧着長さで充分な耐張力が得ら
れるとともに必要に応じて接続部を必要に解体お
よび再組立てすることのできる光フアイバ複合架
空地線の接続部を提供することを目的とするもの
である。

〔考案の構成〕

この考案の光フアイバ複合架空地線の接続部
は、光フアイバ複合架空地線の各端部において金
属素線の撚りがほぐされて露出した光フアイバを
収納している保護パイプの外周に、光フアイバ複
合架空地線の長手方向において中央部が最大膨出
部となるよう湾曲した外周面を有する保護スリー
ブを嵌装するとともに、撚りがほぐされた上記金
属素線を上記湾曲した外周面に巻回させてなる上
記保護スリーブの外側に、内面が上記保護スリー
ブの外周面に沿う凹状湾曲面に形成された充填用
カラー介して圧縮スリーブを圧着し、かつ左右の
圧縮スリーブを各側の保護パイプ内から引き出さ
れて接続された光フアイバの接続個所を周囲から
覆う保護筒部を介して着脱自在に連結したもので
ある。

〔実施例〕

第１図はこの考案の光フアイバ複合架空地線
（複合地線）の接続部の一例を示すもので、２本
の複合地線１を互いに接続して複合地線の接続部
７が構成されている。

左右各側の複合地線１は、相対向する端部にお
いてそれぞれ所定の長さにわたつて金属素線５の
撚りがほぐされており、これにより露出した各側
の保護パイプ２の端部は、両複合地線１の端部間
に配設された略中空円柱状の光フアイバの接続箱
８内に導びかれている。そして上記接続箱８内に
おいて各保護パイプ２内から露出された光フアイ
バ３が相互に接続４されている。

そして一方（図では左方）の複合地線１の端部
には、保護スリーブ９と充填用カラー１０と圧縮
スリーブ１１とからなる接続部１２が、他方（図
では右方）の複合地線１の端部には、保護スリー
ブ９と充填用カラー１０と圧縮スリーブ１３とか
らなる接続部材１４がそれぞれ取り付けられてい
る。

上記保護スリーブ９は保護パイプ２よりも硬い
鋼などの金属からなるもので、その内径は保護パ
イプ２の外径と等しくされており、またその外径
は複合地線１の長手方向において中央部が最大膨
出部となるように両端部へ向けて徐々に縮径され
ており、これにより撚りがほぐされた部分の金属
素線５が描く曲線と略一致する湾曲した外周面９
ａを有するようにされている。この保護スリーブ
９の内部には、複合地線１の端部において露出さ
れた保護パイプ２が挿通されるとともに、その外
周面９ａ上には撚りのほぐされた金属素線５が巻
回されている。そして保護スリーブ９の外周面９
ａ上に、金属素線５を間に狭むようにして充填用
カラー１０が取り付けられている。

上記充填用カラー１０はアルミニウム等の金属
からなる半割体１０ａ，１０ｂにより構成された
所定の外径を有する外観略円筒状のもので、その
内面は上記保護スリーブ９の外周面９ａと一致す
る凹状湾曲面に形成されている。そして充填用カ
ラー１０の半割体１０ａ，１０ｂは、金属素線５
の巻回された保護スリーブ９の外周面９ａに金属
素線５を間に狭み込むようにして対向配置されて
おり、その充填用カラー１０の外周に、一側の複
合地線１においては圧縮スリーブ１１が、また他
側の複合地線１においては圧縮スリーブ１３がそ
れぞれ設けられている。

上記圧縮スリーブ１１（図中左方のもの）は、
内径が充填用カラー１０の外径と等しくされた円
筒状の圧着部１１ａと、この圧着部１１ａの一端
部がやや拡径されるとともに外周部にねじ部１１
ｂが形成された連結部１１ｃとが鋼等の金属で一
体に形成されたものである。そしてこの圧縮スリ
ーブ１１は、圧着部１１ａが充填用カラー１０の
外周に嵌装圧縮固着されることにより、充填用カ
ラー１０および撚りが解かれた金属素線５を間に
介して保護スリーブ９に一体的に固定されてい
る。また圧縮スリーブ１１の連結部１１ｃ内には
光フアイバ接続箱８の一端部が挿入され、連結部
１１ｃの周方向に配設された複数本の植込みボル
ト１５…により両者が固定されている。

また上記圧縮スリーブ１３（図中右方のもの）
は、上記圧縮スリーブ１１の圧着部１１ａと同形
の圧着部１３ａと、この圧着部１３ａの端部と上
記連結部１１ｃとの間に設けられて上記接続箱８
を周囲から覆う円筒状の保護筒部１３ｂと、この
保護筒部１３ｂの端部に設けられ内周部に上記連
結部１１ｃのねじ部１１ｂと螺合するねじ部１３
ｃが形成された連結部１３ｄとが、鋼等の金属で
一体に形成されたものである。そしてこの圧縮ス
リーブ１３は上記接続箱８を保護筒部１３ｂ内に
収容した状態で上記圧縮スリーブ１１と同様に、
圧着部１３ａにおいて充填用カラー１０および撚
りが解かれた金属素線５を間に介して保護スリー
ブ９に一体的に固定されている。

そして、このようにして各側の複合地線１の端
部に固定された両接続部材１２，１４がクロロプ
レン等からなるパツキン１６を介して連結部１１
ｃ，１３ｄのねじ部１１ｂ，１３ｃ同士を螺合さ
せて連結されることにより、左右の側の複合地線
１が互いに接続されている。なお図中符号１７で
示すものは、上記圧縮スリーブ１３の保護筒部１
３ｂの周方向に設けられた係止用ボルトであり、
その先端部を光フアイバ接続箱８に当接させて、
その光フアイバの接続箱８の自由端部側の振れを
拘束するようにしている。

このような複合地線１の接続部７では、光フア
イバ３を収納しているアルミ等の保護パイプ２の
外周に、それよりも硬い鋼等の金属からなる保護
スリーブ９が設けられているので、圧縮スリーブ
１１，１３の圧着部１１ａ，１３ａを圧縮しても
保護パイプ２が圧潰される恐れがない。また、保
護スリーブ９の外周面９ａは中央部が盛り上つた
湾曲面に形成されているので、複合地線１に引張
力が加わると所謂くさび効果により保護スリーブ
９が充填用カラー１０にさらに強く密着する。そ
のため保護スリーブ９と充填用カラー１０との間
の金属素線５がより一層強力に狭持されることに
なる。したがつて圧縮スリーブ１１，１３の圧着
部１１ａ，１３ｃの長さを前述の従来構造のもの
に比べてはるかに短いものとしても充分な耐張力
を得ることができる。しかも一方の複合地線１の
端部に固定された圧縮スリーブ１１と、他方の複
合地線１の端部に固定された圧縮スリーブ１３と
がそれぞれねじ部１１ｂ，１３ｃにおいて着脱自
在に連結されているので、複合地線１を弛めて接
続部７を地上等に引き降ろすことによりその連結
を容易に解くことができ、そのため光フアイバ３
の引き出し、引き入れの交換作業を接続部７を利
用して実施することができるものである。さらに
架設状態の上記接続部７においては、複合地線１
の張力が双方の金属素線５と充填用カラー１０と
圧縮スリーブ１１，１３とに作用するのみであ
り、光フアイバ３の接続部４には何等引張力が作
用することがなく、そのため光フアイバ３の伝送
特性に悪影響を及ぼす恐れも全くないものであ
る。

なお、上記実施例においては光フアイバの接続
箱８を覆う保護筒部１３ｂを圧縮スリーブ１３と
一体に設けてあるがこれに限るものではなく、上
記保護筒部１３ｂを長手方向に二等分したものを
各々上記圧縮スリーブ１１と１３とに一体に設
け、上記接続箱８の中央部で互いに螺合連結して
もよく、さらには上記保護筒部１３ｂを両端にね
じ部を有する独立した筒体とし各端部において上
記圧縮スリーブ１１，１３と螺合連結するように
してもよい。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案の光
フアイバ複合架空地線の接続部によれば、圧縮ス
リーブを圧着する際に光フアイバを収納した保護
パイプが押し潰される恐れがなく、しかも複合地
線に引張力が加わると所謂くさび効果により金属
素線がより一層強力に狭持され、よつて耐張力に
優れるため圧着長さを短いものとすることができ
る。そして特に互いの圧縮スリーブが着脱自在に
連結されているため、接続部を容易に分解および
再組立てすることができ、この接続部を利用して
光フアイバを引き換え作業を行なうことができ
る。さらに光フアイバの接続個所には架設張力が
全く作用しない構造であるため、光フアイバの伝
送特性の悪化を招くこともない等の利点も得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の光フアイバ複合架空地線の
接続部の一実施例を示す縦断側面図、第２図は従
来の光フアイバ複合架空地線の接続部を示す縦断
側面図である。 １……光フアイバ複合架空地線、（複合地線）、
２……保護パイプ、３……光フアイバ、４……接
続個所、５……金属素線、９……保護スリーブ、
９ａ……湾曲した外周面、１０……充填用カラ
ー、１１，１３……圧縮スリーブ、１３ｂ……保
護筒部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光フアイバ３を収納した保護パイプ２の外周部
   に複数本の金属素線５が撚り合わされてなる光フ
   アイバ複合架空地線１を相互に接続する光フアイ
   バ複合架空地線の接続部において、接続すべき両
   光フアイバ複合架空地線１の各端部において金属
   素線５の撚りが解かれて露出した保護パイプ２の
   外側に、光フアイバ複合架空地線１の長手方向に
   おいて中央部が最大膨出部となるよう湾曲した外
   周面９ａを有する保護スリーブ９が嵌装され、そ
   の保護スリーブ９の外周に上記撚りが解かれた金
   属素線５が巻回され、また上記保護スリーブ９の
   外側が上記撚りが解かれた金属素線５を間に挾ん
   で内面が上記保護スリーブ９の外周面９ａに沿う
   凹状湾曲面に形成された充填用カラー１０で覆わ
   れ、さらにその充填用カラー１０の外側に圧縮ス
   リーブ１１，１３が圧着されるとともに、左右の
   圧縮スリーブ１１，１３が各側の保護パイプ２内
   から引き出されて接続された光フアイバ３の接続
   個所４を周囲から覆う保護筒部１３ｂを介して着
   脱自在に連結されていることを特徴とする光フア
   イバ複合架空地線の接続部。