JPH02282405A - 薄肉円筒状の高密度焼結金属部品、およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、焼結金属で作られた小型モータ用のヨーク
、シリンダーライナ、各種カラー等のような薄肉円筒状
の高密度焼結部品、およびその製造方法に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来より、肉厚が０５〜２ＩＩＩ１１程度の薄肉でその
形状が円筒状をした金属製部品として、例えば小型モー
タ用のヨークが知られている。

この種ヨークは、モータの固定子の外側に設けられ磁気
回路を形成する薄肉で寸法精度が良く高い磁束密度が要
求される部品である。

しかして、従来このヨークは、電磁軟鉄の棒を切削加工
する。板材を深絞り加工した後切断する。

溶製金属パイプ材を押出しまたは引き抜きにより塑性加
工した後切断または板材を切断して丸め溶接する等の方
法により製造されるのが一般的であるが、材料歩留まり
および生産性の良い粉末冶金法も一部で採用されている
。

粉末冶金法では、金型の強度上高密度で寸法精度の良い
薄肉部品を作るのが困難であり、従って、上記のような
ヨークの他各種のカラーやスペーサのように機械強度お
よび寸法精度が要求されるものにおいては、−旦厚肉状
に形成してから切削加工するのが一般的である。

（発明が解決しようとする課題） ところで、このような薄肉部品は、溶製材料を切削また
は研磨加工して作る場合は、材料歩留まりが悪く加工工
程が多いためにコストが高くなりがちである。

また、深絞りによれば、何段階かの絞り工程を経る手間
がかかり、底部が取り除かれる分月料歩留まりが悪いと
いう問題を有する。

さらに、押出しまたは引き抜きによる場合は、パイプ状
の素材を製作するまでの工程数が多い上先端部が材料ロ
スになり、要部が弾頭状をしたプラグを用いる方法にお
いてはパイプの内外径が偏芯し易く、棒状のマンドレル
を用いる方法の場合には管材がマンドレルに抱き着くた
め取り外しが困難であるなどの欠点がある。

一方、通常の成形、焼結、サイジングで製作される粉末
冶金法によるものは、密度は鉄系材料の場合高くても７
．３ｇ／ｃｊ程度であり、加圧方向の中間部位の密度が
低くなる傾向があるので、例えばヨークのように磁束密
度が高いことを要求される部品では低級なものにしか使
用されていない。

高密度化の手段に焼結体を熱間鍛造する方法があるが、
薄肉部材の場合には押型のパンチも薄肉であるから耐久
性に難点があり適用されていない。

この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり
、薄肉円筒状の高寸法精度高密度部品を、粉末冶金法と
押出し塑性加工法を組み合わせることにより安価に製作
することを目的としてなされたものである。

（課題を解決するための手段） 本発明の製造方法は、まず金属粉を圧縮成形および焼結
して密度比８０〜９３％の円筒状とし、その焼結体の軸
と直角方向の断面積が２０〜４５％減少するように、加
圧方向に向かって先細りの内孔を有するダイ、焼結体の
内孔に嵌合され軸方向へ移動自在な棒状のマンドレル、
および上記ダイの内径面とマンドレルの外周面間に挿入
嵌合される円筒状加圧パンチとを用いて、上記焼結体を
上記ダイ先細り内孔側より押出し塑性加工することを特
徴とするものである。

また、得られる好ましい製品は、小型モータ用のヨーク
であって、材質がＦｅ系またはＮｉ−Ｆｅ系焼結磁性合
金からなり、その密度比が９５〜９８％であることを特
徴とするものである。

（作用） 以下、本発明の作用等について説明する。

まず、対象となる焼結金属部品の形状は、肉厚が０５〜
２ＩＩＩ１１の薄肉円筒形状とされる。

肉厚が０５ｍｍより薄いと圧粉成形の際の粉末充填が安
定せず、後述する押出し塑性加工のときに焼結体が座屈
することがあり不都合となる。

また、肉厚２＋ｎｍより厚いものは、本発明の手段によ
らなくても製作可能であることから他の手段によるもの
として区別し除外する。

部品の内径寸法および長さにおいては、特に限定されな
いが、産業上の用途から見ると５〜１０Ｑｍｍ程度のも
のが対象になり、長さがパイプ状に余り長すぎると押出
し塑性加工のとき焼結体が座屈することがあり好ましく
ない。

しかして、ヨーク素材を含む薄肉円筒状の高密度焼結金
属部品の製造方法にあっては、密度比８０〜９３％の焼
結体を断面減少率２０〜４５％で前方押出し塑性加工し
、この前方押出しのときに焼結体の内径面に棒状マンド
レルを嵌合させた状態で、先細りの内孔を持つダイの上
記内孔に上記焼結体の端部を加圧パンチによって押し込
み、このダイによって軸芯方向へ焼結体を塑性変形させ
ながら加圧方向前方へ押出す。

また、この際にマンドレルは、押し出された焼結体が加
圧パンチの移動距離より多い分加圧方向前方へ移動する
よう構成し、押出し中の焼結体の内径面とマンドレルを
概ね一体に移動せしめその分だけ加圧力を少なくする。

焼結体の密度比は、８０％より低いと断面減少率を大き
くしなければならない他、ダイとかじりの現象を起し易
いため好ましくない。

一方、焼結体の密度比は高い程良いが、例えば鉄系材料
では量産上７．３ｇ／ｃｉが上限であり対応する密度比
９３％を上限とする。

この焼結体における押出し断面減少率は、１５〜２０％
までは密度比が急上昇し、２０％以上では緩慢になり、
４５％を越えると押出し圧力が高くなる。従って断面減
少率の範囲は２０〜４５％の範囲とする。

この発明に係わる部品は、押出し塑性加工により製造さ
れるものであるため、内外径面は押出された光沢面を有
しており、寸法精度が良いという特徴がある。

また、密度比は高密度が要求される部品を対象としてい
るとともに、後述する製造方法に起因しているので、上
限を９８％とする９５〜９８％の範囲とされ、焼結部品
を構成している金属粒子は、顕微鏡組織によって観察し
た場合押出し加工方向に少し長い形状をしていることが
観察される。

さらに、用途の１つであるモータ用のヨーク素材は、固
定子の磁気回路を形成する部材であり、前方押出しによ
る塑性加工されたヨーク素材を切削加工なしでまたは必
要に応じて端面、外径面を加工して用いられ、磁気特性
を改良するために磁気焼鈍を、また耐蝕性を付与するた
めにメツキを施すこともある。

材料としては、磁束密度は高いことが望ましいので、純
鉄、珪素およびリンを含む鉄系材料、パーマロイ（Ｆｅ
−Ｎｉ合金）等が用いられ、密度比が高いほど要求特性
に合致する。

また、ヨークの表面にメツキする場合に、メツキ液が含
浸しにくいためにも密度比が高いことが望ましい。

（実施例） 以下、本発明の実施例を小型モータに用いるヨーク素材
に基づき詳細に説明する。

まず、Ｑ６％Ｐ合金鉄粉と４０％Ｓｉ合金鉄粉およびス
テアリン酸亜鉛を準備し、組成が２．５％Ｓｉ、Ｑ６％
Ｐ、残りＦｅになるように混合し、押型で円筒形状に圧
粉成形したのち温度１１５０℃１分解アンモニアガス中
で焼結し、円筒状の焼結体を得る。

この焼結体の寸法は、内径が３０ｍｍ、長さが３５１１
ＩＩＩであって、外径が３３〜３ａ２ｍｍの各種の大き
さとし、密度比は各外径寸法ごとに８Ｑ４％。

８６．４％、９０２％および９３％の４種類とする。

そして、これらの焼結体の表面に黒鉛分散液を塗布乾燥
して潤滑被膜を形成させた後、第１図に示す装置により
押出しを行って高密度焼結金属部品を製造する。

同図に示すように、ダイ１は押出し前方側の内孔１ａに
内径３３Ｉｌ１ｍの小径部１ｃが設けられ、内孔１ａの
一方側が先細に形成されており、内孔１ａの他方側１ｂ
は、焼結体４が遊嵌する程度に大きく開設されている。

マンドレル２は焼結体４の孔４ａ内に遊嵌する棒状部材
であり、ダイ１の内孔１ａと同意に挿入支持されるとと
もに、図中上下方向に自由に移動可能に構成されている
。

加圧パンチ３は、上記ダイ１の内孔１ａとマンドレル２
の外径面間に遊嵌されるものであり、その要部を構成す
る先端部は孔３ａが穿設された円筒体である。

しかして、まずマンドレル２を上昇させて、このマンド
レル２をダイ１の内孔１ａに挿入嵌合されている焼結体
４の孔４ａ内に挿入するとともに、マンドレル２の上端
が焼結体４より十分突き出るようにダイ１の内孔１ａに
挿入する。

次いで、加圧パンチ３をダイ１の内孔１ａの他方側１ｂ
より下方に押し込むと、焼結体４はダイ１の先細り部分
すなわち小径部１ｃを通過する際軸芯方向に圧縮され、
その断面が減少するとともに緻密化し、マンドレル２に
抱き着く。

このとき、焼結体４は塑性変形と断面減少した分だけ軸
方向の長さが長くなり、マンドレル２を加圧方向に移動
させる。

そして、焼結体４の全体がダイ１の小径部ＩＣを通過し
た後、マンドレル２をダイ１から引き離し、押出された
焼結体４をマンドレル２から抜き出す。

このようにして製作された各試料の密度を測定し、断面
減少率との関係について第２図に示す。

なお、密度比は密度７．８５ｇ／ｃｊを１００％として
表わしである。

同図より明らかなように、断面減少率が１０％ぐらいま
での範囲では密度が緩やかに上昇し、１０〜２０％ぐら
いまでの範囲では急上昇し、３０％を越えると上昇が僅
かとなる。

また、断面減少率が３０％を越えると押出し圧力の増加
が顕著となるので、断面減少率の増加に伴い焼結体４の
外径面がダイ１とかじる傾向を考慮すると、高い密度が
得られる断面減少率は、好ましくは２０〜３０％の範囲
であり多くても４５％にとどめるべきである。

第３図は、押出し品およびそれを温度８８０℃で磁気焼
鈍した試料の８２５磁束密度と密度の関係を示したもの
である。

当然であるが、密度が高くなるにつれ磁束密度は高くな
り、塑性加工歪みを取った焼鈍品が高い値を示している
。

第４図は、本発明に係わる押出し部材を小型モータのヨ
ークとして適用した場合を示す断面図であり、マグネッ
ト５の外側にヨーク６が装着されている。

なお、上記実施例は磁性材料に係わるものであるが、第
１図および第２図により説明したように、本発明の緻密
化法によれば通常の多孔質焼結金属材料を小さいプレス
装置で簡単に高密度化でき、仕上がり寸法の精度が良く
、材料歩留まり良（製作することができることが理解さ
れる。

また、本発明の製造方法を利用すれば、内径寸法が極め
て細い円筒物品を製作することができる。

さらに、本製造方法が応用される産品は、上記ヨークの
他ベアリング等のスペーサ、チェノローラープッシュ。

各種のカラー　シリンダライチ等が挙げられる。

（効果） 以上説明したように、本発明に係る薄肉円筒状の高密度
焼結金属部品は、従来の焼結材料を素材として改良され
た押出し法により製作されたものであるから、内外径の
寸法精度が良く高密度であり、必要に応じて僅かに加工
するのみで完成品を得ることができるため、溶製材料に
匹敵する特性を有するとともに安価に製作することがで
きる。

従って、特に小型モータ用ヨークへの適用は、モータの
品質向上と焼結材ヨークの利用範囲拡大に貢献すること
ができる。

また、本発明に係わる製造方法は、可動な棒状のマンド
レルを用いるとともに、このマンドレルを移動しつつ押
出し用船エパンチにより焼結金属を前方押出しするもの
であるから、他の各種緻密化法では製作しにくい薄肉円
筒状の高密度焼結部品を能率良く安価に製造することが
でき、パイプ状をした素形材産業に広く利用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は前方押出し装置を説明する断面図、第２図は焼
結体の断面減少率と密度の関係を示すグラフ、第３図は
焼結体の断面減少率と磁束密度の関係を示すグラフ、第
４図はヨークを装着した小型モータの断面図である。 １・・・ダイ ２・・・マンドレル ３・・・加圧パンチ ４・・・焼結体 ５・・・マグネット ６・・・ヨーク 特許出願人　日立粉末冶金株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　金属粉を圧縮成形するとともに焼結して形成された
   肉厚が０．５〜２ｍｍの薄肉円筒形状であり、かつ内径
   面および外径面が押型で造形された光沢面を有し、その
   密度比が９５〜９８％である高密度焼結金属部品。 ２　薄肉円筒状の金属部品は、その材質がＦｅ系または
   Ｎｉ−Ｆｅ系焼結磁性合金からなる小型モータ用ヨーク
   素材である請求項１記載の高密度焼結金属部品。 ３　金属粉を圧縮成形するとともに焼結して密度比８０
   〜９３％の円筒状焼結体を形成する工程と先細りの内孔
   を有するダイの上記内孔に上記円筒状焼結体を挿嵌し、
   この焼結体の孔内に棒状のマンドレルを移動自在に嵌合
   するとともに、円筒状の加圧パンチを上記ダイの内径面
   およびマンドレル外径面間に挿嵌する工程と、 上記加圧パンチの端面を上記焼結体の端面に当接すると
   ともに軸方向へ加圧し、上記焼結体をマンドレルを移動
   せしめつつ上記ダイの先細り内孔側より押出す工程とよ
   りなり、 焼結体の軸と直角方向の断面積が２０〜４５％減少する
   ように押出し塑性加工することを特徴とする薄肉円筒状
   の高密度焼結金属部品の製造方法。