JPH0228101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアイポイント検出器、特に光によりア
イポイントを検出するアイポイント検出器に関す
る。

従来、自動車等の車両を運転する前に運転者は
始業点検を行うが、この始業点検の際に運転席か
らの最適な前方視界を確保するために車両の運転
座席を前後方向、上下方向に調節したり、座席の
シートバツク部の傾斜角度を所望の位置に設定し
たりしている。すなわち、シートクツシヨン部に
内蔵された空気袋等の調整又はシートクツシヨン
部と車床との間の距離を調整する調節機構等によ
り着座者の上下方向の位置調節が行なえる。ま
た、スライド調節機構等により着座者の前後方向
の調節が行なえ、シートバツク部に内蔵の空気袋
等の調整又はシートバツク部のリクライニングデ
バイス等の調節により着座者の傾斜角度の調節が
可能となる。このように近時の車両用シートにあ
つては、着座者の前後方向又は上下方向又は角度
等の調整を行なう調節機構を備えている。この座
席の調整については車両の窓から周囲の状態を確
認して行うというように専ら運転者の経験や勘に
頼つて所望のアイポイントを設定する以外にはこ
れといつた方法がなかつた。

しかしながら、上記のような経験、勘等による
アイポイントの設定では、個々の運転者の好みに
よりアイポイントを著しく低く設定してしまつた
り、或いは車両が著しく狭い場所に収納されてい
る場合などには周囲の状況が確認できないため事
前に適正なアイポイントを設定できなかつたりし
て、車両運行時に適正な前方視界や路面状態を確
保できず交通の安全を損なうという欠点を有して
いた。

従つて本考案の目的は、着座者の前後方向又は
上下方向又は角度の調整のいずれかを行なう調整
機構を備えた運転席の方向に発光しかつ上下方向
に複数個設けられた光源と、当該光源の前部に位
置されかつスリツトを有する遮へい板と、上記各
光源を一定方向に順次点灯する順序回路と、この
順序回路を制御して、いずれか１個の光源を点灯
状態に保持する保持回路と、点灯状態に保持され
た光源がどれであるかを表示する表示器とから成
るアイポイント検出器により、縦に配列された光
源を順次点灯して光源からの光をスリツトから運
転者に放ち、光を確認できる位置の光源だけを点
灯することによりアイポイントを検出するように
して上記欠点を解消したものであり、以下図面に
示した実施例に基づいて本考案を詳細に説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す簡
略構成図である。アイポイント検出器は例えば車
両のダツシユボードに設けられている。アイポイ
ント検出器は運転席方向に発光するランプ、液晶
表示器、発光ダイオード等の光源１ないし５と、
光源を点灯制御する制御回路６と、光源の前方に
設けられた遮へい板７とから成る。光源１ないし
５は上下方向に配設されている。制御回路６は各
光源１ないし５を一定方向に順次点灯する順序回
路Ｍと、この順序回路Ｍを制御して、いずれか１
個の光源を点灯状態に保持する保持回路Ｐとから
成る。制御回路６にはスイツチ８と電源９と電源
スイツチ１０とが接続されている。スイツチ８は
保持回路Ｐを制御して光源１ないし５の順次点灯
を停止するのに用いられる。遮へい板７の中央に
はスリツト１１が形成されており、光源１ないし
５からの光をこのスリツトから通過させ、この通
過した光を運転者が確認できるようになつてい
る。遮へい板７には制御回路６に接続された表示
器１２が取付けられており、表示器１２は点灯状
態にある１つの光源の番号を表示できるようにな
つている。

このような構成においてアイポイントを検出す
るには運転者が着座した後アイポイント検出器の
電源スイツチ１０をオンにすると、光源１ないし
５が順序回路Ｍにより順次点灯する。この順次に
点灯する光源からの光は遮へい板７のスリツト１
１を介して運転者側に放たれる。今、運転者の目
の高さがE₁の低位置にあるものとすると光源２
のみが運転者の目に入るので、この時点でスイツ
チ８をオンすると、保持回路Ｐが順序回路Ｍを制
御してその光源２が点灯状態に保持される。同時
に表示器１２は光源２を意味する符号例えば
「２」を表示する。この符号に基づき視点がやや
低い位置にあり、前方視界がやや不良であること
を運転者は確認できる。目の高さがE₂の適正位
置にある場合は光源３の光のみが目に入るので上
述したような方法で光源３のみを点灯すると表示
器１２は符号「３」を表示する。この位置では視
点が最適な位置にあるとこが確認できる。目の高
さがE₃の高位置にある場合は光源５の光のみが
目に入るので、光源５のみを点灯させると表示器
１２は符号「５」を表示し、目の高さが高いこと
を運転者が確認できる。アイポイントが低すぎた
り高すぎたりした場合はシートを前後方向、上下
方向に調節したり、シートバツク部の傾斜角度を
変える。なお、本実施例ではアイポイント検出器
をダツシユボードに設けたが、例えばピラー部や
インストルメントパネル等に設けても同様の効果
が得られる。

以上説明したように本考案では、着座者の前後
方向又は上下方向又は角度の調整のいずれかを行
なう調整機構を備えた運転席の方向に発光しかつ
上下方向に複数個設けられた光源と、当該光源部
の前部に位置されかつスリツトを有する遮へい板
と、上記各光源を一定方向に順次点灯する順序回
路と、この順序回路を制御して、いずれか１個の
光源を点灯状態に保持する保持回路と、点灯状態
に保持された光源がどれであるかを表示する表示
器とから成るアイポイント検出器を構成すること
により、アイポイントを検出することができる。
本考案では従来のようにアイポイントを勘に頼つ
て知るものではないので正確なアイポイントを検
出でき、これにより車両の運転の安全性を高める
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の簡略構成図であり、第２図は
車両に取付けた状態を示す側面図である。 １〜５……光源、６……制御回路、７……遮へ
い板、８……スイツチ、１０……スリツト、１２
……表示器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 着座者の前後方向又は上下方向又は角度の調整
   のいずれかを行なう調整機構を備えた運転席の方
   向に発光しかつ上下方向に複数個設けられた光源
   と、当該光源部の前部に位置されかつスリツトを
   有する遮へい板と、上記各光源を一定方向に順次
   点灯する順序回路と、この順序回路を制御して、
   いずれか１個の光源を点灯状態に保持する保持回
   路と、点灯状態に保持された光源がどれであるか
   を表示する表示器とから成るアイポイント検出
   器。