JPH02280994A

JPH02280994A - 被覆アーク溶接棒

Info

Publication number: JPH02280994A
Application number: JP10307189A
Authority: JP
Inventors: Masao Umeki; 正夫梅木; Kunihide Yamane; 山根　国秀; Isao Nagano; 長野　功
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1989-04-21
Filing date: 1989-04-21
Publication date: 1990-11-16
Also published as: JPH0525599B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、連続鋳造プロセスで製造された線材を心線と
して用いた被覆アーク溶接棒であり、高電流で使用した
場合でも耐棒焼は性に優れ、良好なアーク状態と健全な
溶接金属が確保できる被覆アーク溶接棒に関するもので
ある。

（従来の技術）従来の溶接棒用心線線材は、リムド鋼またはキャップド
鋼で製造されていたが、これらの製造方法では歩留およ
び省エネルギーなどの面で大きな欠点があった。

そこで近年、従来の心線の欠点を克服するために、連続
鋳造心線による溶接棒用心線の開発が進められ、かなり
実用化されるようになった。

しかし、連続鋳造心線の溶接棒は従来の心線の溶接棒に
比較すると、高電流で溶接した場合、耐棒焼は性が悪く
なり、棒焼は現象を生じた溶接棒はアーク状態の劣化を
招きスパッタの飛散が多くなりビード外観も悪く、さら
に被覆剤中の脱酸剤やガス発生剤は既に分解しているた
めに、その機能を果たさず、ブロホールやビットが多発
し、健全な溶接金属が得られない問題があった。

従って、連続鋳造心線を使用した溶接棒は高電流で使用
すると正常な溶接ができる部分が短くなり、溶接棒の使
用量が多くなり、かつ溶接作業能率の低下と相まって構
造物の製造コストを高めていた。

溶接棒用の連続鋳造心線の向上としては、種々提案ある
いは実施されている。

例えば特公昭６３−５７１５４号公報では主として、心
線中のＣと０の含有量を限定することでイルミナイト系
、高酸化チタン系、鉄粉酸化鉄系などの被覆剤を用いて
良好なアーク状態やビード外観、および健全な溶接金属
などが得られることを提案しているが、高電流使用での
耐環境は性を改善する迄には至っておらず、溶接作業能
率の向上には貢献できないのが現状である。

また、本発明者らが先に特開昭５８−１７６０９７号公
報で、心線中の介在物であるＭｎＯ，ＦｅＯ。

ΔＱｖ０３．　Ｓ　ｉ　Ｏｖの含有量を限定することに
より、溶融速度の速い溶接棒が得られることを提案し、
これに起因して高電流における溶接棒の加熱現象を減少
させ耐環境は性を向上させることら示唆した。しかし、
これら介在物の限定では良好なアークの安定性を維持し
なから耐環境は性の優れたものにするには不十分であっ
た。

さらに特開昭５７−１５６８９２号公報では心線中のΔ
ｆｆ、Ｎ、Ｏの含有量を限定し、高電流使用において耐
ブロホール性が改善できることを提案したが、これにつ
いても良好なアーク状態を得ることができない問題があ
り、全ての溶接性能を満足するには至らなかった。

（発明が解決しようとする課題）このように現状の溶接棒用としての連続鋳造心線は、高
電流で使用した場合に耐環境は性に優れ、良好なアーク
状態を維持し、スパッタ、スラグ状態、ビード外観など
の溶接作業性を満足し、かつブロホールやビットの発生
しない健全な溶接金属を得ることは非常に困難であった
。しかるに、これらの要求をすべて満たす連続鋳造心線
の溶接棒を得ることは各業界から強く要望されていた。

本発明は、前述した実情に鑑みて連続鋳造心線の改善を
行い、高電流使用の場合でも耐環境は性に優れ、かつ良
好なアーク状態と健全な溶接金属を確保でき全ての溶接
作業性を満足する溶接棒を提供するものである。

（課題を解決するための手段）本発明は、前述した要望に応えるために連続鋳造心線の
成分や電気的特性を種々検討した結果、高電流使用での
耐環境は性を著しく改善し、かつ良好なアーク状態と健
全な溶接金属を確保したものであって、その要旨とする
ところは、０を０．０１０〜０．０１７重量％（以下％
と称する）含有し、比抵抗が１１．５〜Ｉ４．２μΩ−
ｃｍである連続鋳造心線の周囲にアーク安定剤、スラグ
生成剤、脱酸剤、有機物および固着剤、またはこれと鉄
粉５２％以下からなる被覆剤を塗布したことを特梯シと
する溶接棒にある。

本発明者らは、諸溶接性能を満足しつつ耐環境は性を改
善するには、アークの溶滴粒を細粒化し、かつ溶融速度
を速くすることが極めて有効であることに着眼し、連続
鋳造心線の研究を種々積み重ねた結果、心線の０含有！
ｄと比抵抗の限定が極めて効果的で重要なことを見出し
た。

心線のＯは心線および被覆剤中のＣと反応してＣＯやＣ
Ｏ，ガスを発生して大気からのシールド効果を持たらず
が、これらガスはアーク柱の溶滴粒内にも介在し、内圧
によって溶滴粒を砕き、溶滴は細粒化する効果がある。

従って、アークの安定性が良好となり、スパッタの飛散
も少なくなるのである。

また、心線の比抵抗は溶接棒の溶融速度と関係のあるこ
とが判明した。心線の比抵抗の値が小さいと溶融速度は
速くなり高電流使用における耐棒焼は性は向上するが、
この値が過剰に小さい場合は比抵抗の支配因子である脱
酸剤や合金剤が少なくなり過ぎて健全な溶接金属が得ら
れず、機械的性能も劣化することが判かった。一方、逆
に比抵抗の値が過剰に大きい場合は、溶融速度がかなり
遅くなりジュール熱によって被覆剤が燃焼され正常な被
覆筒が形成されないためアークの指向性が悪くなると共
に、脱酸剤やガス発生剤の分解に起因して溶接金属にブ
ロホールやピットが発生し易くなり、耐棒焼は性が悪く
なることが判った。従って、適正な心線の比抵抗の値を
見出すことも重要視する必要があった。

本発明は、以上のような知見に基づいてなされたもので
ある。

（作　用）以下に本発明における作用について詳述する。

まず、連続鋳造心線の適正な０含有噴と比抵抗を調べる
ために次のような実験を行った。即ち、Ｏを０．００４
〜０．０２１％含有させ、比抵抗を９．１〜１７．６μ
Ω−ｃｍに変化させた心線に第１表に示す全姿勢溶接棒
イルミナイト系の被覆剤を塗装し、乾燥した溶接棒を作
製して、耐棒焼は性とアーク状態および溶接金属の耐プ
ロボール性を調査した。なお、溶接棒サイズは４．０ｍ
ｍφＸ４５０ｍ−とし、心線は（Ｊ（０，００４〜０．
ＯＩ　２％、Ｓｉが０．００１〜０．０４２％、Ｍｎを
０．３１〜０．６９％のものを使用した。

心線の比抵抗の測定要領については第１図１ど示ずよう
に心線１全長の内、長さａ約４３０ｍｍの間に定電流発
生器２より電流を与え、その値と電圧から得られる心線
内部の抵抗と心線断面積Ａ、および電極間距離ｅを測定
し、次の式により比抵抗を算出し、くり返し３回の平均
値を求めることにした。

電極間距離各試験条件とその良否判定基準は以下のとおりとした。

すなわち、耐棒焼は性試験では軟鋼板（板厚１２，７ｍ
ｍ、幅１００　ｍｍ、長さ５００　ｍｍ）を交流溶接機
を使用し、電流２００Ａで下向溶接を行なった。

その判定方法は未溶融部の被覆剤が燃焼して正常な被覆
筒が形成されず、急変する位置でアークを消弧させ、そ
のときの残りの溶接棒長（以下残棒長と称する）で表わ
した。値は供試溶接棒５本の平均値であり、６０１１１
ｆｆ１未満を良好の０印、６０ｎ＋ｍ以上９０ｎｕａ未
満をやや劣るの△印、９０ｍｍ以上を劣るのＸ印とした
。

次にアーク状態の調査では、前述の鋼板を用い′ｒ型す
み肉試験片を作製し、水平ずみ肉、立向姿勢で溶接を行
った。電流は水平すみ肉で２０ＯＡ、立向で１６０Ａを
用い、アークが安定し適正なアーク力を持つものを良好
と判定した。

また、溶接金属の耐ブロホール性の調査ではＮＫ方式の
すみ肉溶接継手の破面試験方法に準拠し、前述のＴ型す
み肉試験片と電流を用いビード基が約３５Ｏｎ＋ｍとな
るように溶接を行い、これに外力を加えて破断し、ブロ
ホール箇所の長さの和が溶接全長の１０％以下のものを
良好とし、その値はくり返し３回の平均値とした。

以」二の試験から得られた結果を第２図に示す。

心線中の０含有量が０．０１０％未満ではアークの溶滴
が細粒化されないのでアークが不安定でスパッタの飛散
が多くなりビード外観も劣化し、０．０１７％を超える
とアーク中のＣＯまたはｃｏ。

ガスが過剰に多くなりアーク電圧が高くなってアーク力
が異状に強くなるので、スパッタの飛散が多く、立向姿
勢においてはビードが垂れ易くなる。

心線の比抵抗については、その値が１１．５μΩ−０ｍ
未満では心線中のＳｉやＭｎなどの脱酸成分が減少する
ため耐ブロホール性が悪くなり、ブロホール箇所の長さ
の和が溶接全長に対して１０％を超えるようになった。

しかし比抵抗の値が小さいので被覆剤の劣化がなく耐棒
焼は性は良好であった。一方、比抵抗が１４．２μΩ−
ｃｍを超えると被覆剤が燃焼し劣化してくるので被覆筒
が形成されず正常な溶接ができなくなり、使用可能な溶
融棒長が短く残棒長が６０ｍｍ以上になって耐棒焼は性
が悪くなった。また、この比抵抗の高いものは、被覆剤
が劣化するために耐ブロホール性も悪いことが判った。

第２図の結果から高電流を使用した場合に耐棒焼は性に
優れ、かつ良好なアーク状態と健全な溶接金属を得るた
めには、心線のＯ含有量を０．０１０〜０．０１７％と
し、心線の比抵抗を１１．５〜１４．２μΩ−ｃｍにす
る必要があることが判った。

また、本発明ではライムチタニャ系、高酸化チタン系、
鉄粉酸化鉄系、低水素系などの被覆剤へも適用できるこ
とを確認した。

なお、本発明におけるアーク安定剤とは、ルチール、イ
ルミナイト、長石などであり、スラグ生成剤は珪砂、炭
酸石灰、蛍石、マグネサイト、マグネシアクリンカ−、
マイカ、タルクなどであり、脱酸剤はフェロマンガン、
金属マンガン、フェロシリコン、フェロチタン、フェロ
アルミニウムなどを指し、ｉＴ機物はセルロース、澱粉
、デキストリン、アルギン酸ソーダなどであり、固着剤
とは珪酸ナトリウム、珪酸カリウムを指す。これらはそ
れぞれ１種もしくは２種以上の組合わせで使用できる。

また鉄粉は主として作業能率の向上を目的として添加す
るものであるが、本発明の特許請求の範囲において５２
％以下としたのは、これを超えて添加すると被覆筒が短
絡し易くアークが不安定になりビード外観が劣化するか
らである。

（実　施　例）次に実施例により本発明の効果をさらに具体的に述べる
。

第ン表に本発明溶接棒および比較溶接棒に使用した心線
の化学成分と比抵抗を示し、第３表は、前記心線と被覆
剤の組合わせによる各性能試験結果を示すものである。

なお、供試溶接棒の被覆系統は全姿勢の非低水素系溶接
棒と低水素系溶接棒、およびすみ肉溶接棒であり、その
サイズを全姿勢の非低水素系溶接棒と低水素系溶接棒で
４．Ｏｎ＋＋ａφＸ４５０Ｉｏｍ１２、すみ肉溶接棒で
４．０ＩＩＩＩｌφｘ５５０ｍｓ＋９とし、各種溶接棒
を作製した。

また、各試験条件とその良否判定基準は次のとおりとし
た。

まず、耐棒焼は性試験では、軟鋼板（板厚１２．７Ｉ１
幅１００ｍｍ、長さ７００ｍｍ）を用い交流溶接機で下
向溶接を行い、電流は全姿勢の非低水素系溶接棒と低水
素系溶接棒で２０ＯＡ、すみ肉溶接棒で１９０八とした
。その判定方法は未溶融部の被覆剤がジュール熱により
加熱燃焼して被覆筒が急に形成されなくなる位置でアー
クを消弧させ、そのときの残棒長を測定し、その値を供
試溶接棒５本の平均値とし、６０ｍｍ未満を良好６０ｍ
ｍ以上９０ｍｍ未満をやや劣る９０ｍｍ以上を劣るとし
た。

アーク状態の調査では、前述の鋼板でＴ型すみ肉試験片
を作製し、水平すみ肉、立向姿勢で溶接を行い、電流は
全姿勢の非低水素系溶接棒と低水素系溶接棒の場合に水
平すみ肉で２００Ａ１立向で１６０Ａを用い、すみ肉溶
接棒の場合には水平すみ肉溶接を行い１９０Ａを使用し
、アークの安定性とアーク力を調査し、その判定方法は
良好を０印、やや劣るを△印、劣るをＸ印とした。

また、溶接金属の耐ブロホール性調査では、前述の水平
すみ肉試験片と電流を用い、ビード長を全姿勢の非低水
素溶接棒と低水系溶接棒で約３５０１１ずみ肉溶接棒で
約６００ｍｍとなるように溶接を行い、これに外力を加
えて破断しブロホールを測定した。その判定方法はプロ
ボール箇所の長さの和が溶接全長の１０％以下のものが
良好、１１〜２０％をやや劣る、２１％以上を劣るとし
、その値はくり返し３回の平均値で表した。

また、これら溶接性能調査の他に各溶接姿勢のスラグ状
態、スパッタの多少、ビード外観などの溶接作業性も同
時に調査した。その判定方法は良好をＯ印、やや劣るを
△印、劣るをＸ印とした。

なお、総合判定でも良好を０印、やや劣るをΔ印、劣る
をＸ印とした。

第３表において本発明溶接棒Ｅ−１〜Ｅ−６゜Ｅ−７〜
Ｅ−１２、およびＥ−１３〜Ｅ−１８は心線のＯ量が０
．Ｏ１〜０．０１７％含有され、比抵抗が１１．５〜１
４．２μΩ−ｃｍであるために、高電流使用での耐環境
は性に優れ、その際のアーク状態と耐ブロホール性が良
好であり、さらにスラグ状態、スパッタ、ビード外観な
どの溶接作業性も良好であった。

これに対し、Ｅ−１９〜Ｅ−３６は比較溶接棒の例であ
り、Ｅ−１９，Ｅ−２５お上びＥ−３１は心線中に０が
０．０１３％含まれるのでアーク状態は良好であるが心
線の比抵抗が大き過ぎるために耐環境は性が悪く、被覆
剤中の脱酸剤やガス発生剤が分解し正常な機能が得られ
ないので溶接金属の１千ブロホール性が劣化し、スラグ
の被包性が悪くなりビード外観が劣化した。

Ｅ−２０、Ｅ−２６およびＥ〜３２の溶接棒は心線中の
Ｏ噴が少な過ぎるためアークの安定性が悪くアーク力が
弱くなり、スパッタも多く溶接作業性が劣化した。しか
し、心線の比抵抗が適正であるので耐環境は性と耐ブロ
ホール性は良好であった。

Ｅ−２１，Ｅ−２７およびＥ−３３は心線中の０量が過
剰に多く含有されるのでアーク力が強過ぎるためスパッ
タの飛散が多くビード外観も劣化し溶接作業性が悪くな
った。さらに、心線の比抵抗が太いので耐環境は性と耐
ブロホール性が悪（なった。

Ｅ−２２，Ｅ−２８お上びＥ−３４は心線中の０噴が少
な過ぎるのでアーク状態が悪くなりスパッタが多く溶接
作業性も悪くなった。また、心線の比抵抗が小さ過ぎる
ので心線中のＣやＳｉなどの含有量が少なく溶接金属の
耐ブロホール性の劣化を招いたが、耐環境は性は良好で
あった。

Ｅ−２３およびＥ−３５では心線中のｏｈ＜ｏ、ｏｔ。

％含有されるので良好なアーク状態と溶接作業性が得ら
れたが比抵抗が小さいので耐ブロホール性がやや劣化し
た。

Ｅ−２９は心線中の０ｈ（０，０１０％含有されるが被
覆剤中の鉄粉が多過ぎるのでアークの安定性が悪くなり
溶接作業性も劣化し、心線の比抵抗が小さいので耐ブロ
ホール性がやや劣化した。

■シー２４、Ｅ−３０お上びＥ−３６は心線中の０の含
有量が極めて多いのでアーク力が強くなり過ぎスパッタ
が多く、スラグの被包性が悪いのでビード外観が劣化し
溶接作業性が悪くなった。また、心線の比抵抗が小さ過
ぎるので耐ブロホール性が悪くなったが、耐環境は性は
良好であった。

※その他はアーク安定剤、スラグ生成剤、および固着剤
中の珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどの同質成分を表
す。

第表（発明の効果）以上説明したとおり、本発明溶接棒は連続鋳造心線の改
否を行ない、高電流を使用した場合でも耐環境は性に優
れ、かつ良好なアーク状態と健全な溶接金属を確保でき
、あらゆる溶接作業性を満足することができるので溶接
施工において作業能率の向上に大いに貢献できる；

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は、溶接棒心線の比抵抗の測定方法を示し
た回路図、同図（ｂ）は（ａ）図のＸ拡大図、第２図は
、心線中の０含有墳と心線の比抵抗が耐環境は性、アー
ク状態、および耐ブロホール性におよぼす影響を示した
図である。Ｉ・・・・・溶接棒心線２・・・・・定電流発生器３・・・・・電流計４・・・・・電圧計５・・・・・ｐｔ線第１図（ｃ） −一一一一−− 手続補正書（自発）平成元年７月６日ｌ）

Claims

【特許請求の範囲】

（１）Ｏを０．０１０〜０．０１７重量％含有し、比抵
抗が１１．５〜１４．２μΩ−ｃｍである連続鋳造心線
の周囲にアーク安定剤、スラグ生成剤、脱酸剤、有機物
および固着剤からなる被覆剤を塗布してなることを特徴
とする被覆アーク溶接棒。
（２）Ｏを０．０１０〜０．０１７重量％含有し、比抵
抗が１１．５〜１４．２μΩ−ｃｍである連続鋳造心線
の周囲にアーク安定剤、スラグ生成剤、脱酸剤、有機物
、固着剤および鉄粉が５２重量％以下からなる被覆剤を
塗布してなることを特徴とする被覆アーク溶接棒。