JPH0227898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気集塵機に組み込まれて空気中に
含まれている粉塵を集塵するのに使用される集塵
部に関するものである。

従来のこの種集塵部は、含塵空気の入口を清浄
空気の出口とを有するケース内へ複数の集塵電極
板を一定の間隔をおいて積層し、一枚おきの集塵
電極板に高圧電源の高圧側を接続し、残りの集塵
電極板に高圧電源の接地側を接続するように構成
されたものが多い。

この集塵部は、ある期間使用されて集塵寿命に
達し、新しい集塵部と交換する場合、集塵電極板
を収納しているケースごとに廃棄しており、これ
では、高価な集塵部を使用することになり、不経
済であるという欠点がある。

そこで、集塵寿命に達した集塵電極板をケース
から簡単に取り出して半廃棄でき、ケースは繰り
返えし使用できるように構成し、一般消費者に廉
価な電気集塵機用集塵部を提供する考案があるこ
とはあるが、この考案においては、集塵部の組立
に集塵電極板を収納するケースを必要とし、それ
だけ集塵部のコストが高くなり、電気集塵機の価
格を低廉にするには限界があつた。

本考案は、集塵電極を収納するケースを作るの
を止め、電気集塵機の内部のうち集塵部を格納す
る空間が集塵電極板を収納するケースの代わりを
するように構成することにより、電気集塵機の価
格を一段と低廉にしうる集塵部を提供することを
目的とするものである。

以下図面にもとずいて本考案の実施例を説明す
ると、１は電気集塵機で、含塵空気の吸込口２と
清浄空気の吐出口３とを有するプラスチツク製の
ケーシング４の内部に、吸込口２側からプレフイ
ルタ５、アイオナイザ６、交換可能な集塵電極部
７（以下コレクタいう）、活性炭フイルタ８、送
風部９を順に配設して成る。１０は電気集塵機１
の操作部である。

コレクタ７は、第２図示のようにプラスチツク
フイルム１１の両端縁においてフイルム１１の中
心線より互に反対側へずれた位置に凹部１２，１
３を設け、一方の端縁において凹部１２に近寄つ
た位置には、端子１３′を突設し、フイルム１１
の周辺部を除く部分及び端子１３に至る部分に
は、導電性塗料を印刷して成る導電部１４を設
け、導電部１４の両側の絶縁部分には、電極板相
互の間隔を保持するためのスペーサー突起１５，
１６を設けて成る高圧電極板１７と、第３図示の
ように高圧電極板１７と同じ構成を有し、かつ端
子１８をフイルム１１の中心線からみて高圧電極
板１７の端子１３の位置と対称になる位置に突設
して成る接地電極板１９とを、底板２０と蓋板２
１の間に交互に積み重ねるとともに、底板２０と
底板２０よりひとまわり大きい蓋板２１を連結す
る連結棒２２，２３へ各電極板１７，１９の凹部
１２，１３を嵌め込んで、各電極板１７，１９が
ずれ動かないように支持し、蓋板２１の両端にお
いて互に反対側の隅角部の２個所に止めねじ２
４，２５を取付け、蓋板２の中央部には把手２６
を設けて成る。２７はケーシング４の内部のうち
コレクタ７を格納する空間に設けたコレクタ挿入
部で、ケーシング４の両側壁２８，２９の内面に
おいてコレクタ７の出入口側から奥内へコレクタ
７をその底板２０側から摺動自在に案内するガイ
ドレール３０，３０及び３１，３１を設け、コレ
クタ７の挿入時に各端子１３′１８と対向する側
壁２８には、各端子１３′，１８を摺動自在に嵌
入させるガイド溝３２，３３を設け、各ガイド溝
３２，３３内には、各端子１３′，１８と電気的
に接触し、かつ高圧電源を接続する給電バー３
４，３５を設置して成る。３６，３７はコレクタ
７の出入口付近において、コレクタ挿入部２７に
コレクタ７を完全に挿入した状態で、止めねじ２
４，２５をねじ込める位置に設けたねじ孔であ
る。なお、蓋板２１には、コレクタ７の挿入の向
きを間違わないようにする目印を付すこともあ
る。

次に、上記の構成より成る電気集塵機用集塵部
の使用態様について説明すると、コレクタ７の把
持２６を把持し、コレクタ７をその底板２０側か
らコレクタ挿入部２７へ、各端子１３′，１８を
各ガイド溝３２，３３に嵌入させるとともに、給
電バー３４，３５に摺擦させるようにして、押し
込め、各止めネジ２４，２５をねじ孔３６，３７
へねじ込んで固定する。

電気集塵機１をある期間稼動し、コレクタ７の
集塵電極１７，１９が集塵寿命に達し、新しいコ
レクタと交換する必要が生じたら、止めねじ３
６，３７をはずし、把手２６を把持してコレクタ
７をコレクタ挿入部２７から引き出し、新しいコ
レクタと交換する。引き出したコレクタ７はそつ
くり廃棄する。

本考案は、叙上のように構成したから、積み重
ねる各電極板を底板と、蓋板と、２本の連結棒で
支持することによりコレクタが組立てられるた
め、実開昭55−76053号公報や、特開昭56−
130242号公報に記載されているようなコレクタに
比し、組立部品の点数が少なくなるとともに、組
立部品の形状構造が簡単になつて、コレクタの組
立に集塵電極板を収納するケースは不要になるの
で、コレクタの構造が簡単で、組立が容易にな
り、またコレクタを電気集塵機へ挿入するコレク
タ挿入部は、電気集塵機のケーシングの製作時に
成形可能であるため、コレクタの製作コストを上
記従来品のそれよりも著しく低減でき、電気集塵
機の価格を一段と低廉にしうるし、使用済みのコ
レクタを廃棄する際の不経済性を最少限にしう
る。しかもガイドレールの電気集塵機内への出し
入れや、格納時における位置決めが容易であるな
どの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る集塵部を格納した電気集
塵機の略図、第２図は高圧電極板の平面図、第３
図は低圧電極板の平面図、第４図は集塵部の平面
図、第５図は集塵部の一部を省略した正面図、第
６図は集塵部の一部を省略した側面図、第７図は
集塵部を電気集塵機の挿入部から引き出した状態
の斜視図、第８図は電極板の変更例を示す平面図
である。 １……電気集塵機、７……コレクタ、２７……
コレクタ挿入部、３０，３０及び３１，３１……
ガイドレール、３２，３３……ガイド溝、３４，
３５……給電バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連結棒で連結された底板と蓋板の間に端子を突
   設した高圧電極板と端子を突設した接地電極板と
   を間隔をおいて交互に積み重ねてなるコレクタ
   と、電気集塵機のケーシングの内部においてコレ
   クタを格納する空間の出入口から奥内へ上記コレ
   クタを摺動自在に案内するガイドレールを設けて
   なるコレクタ挿入部とからなる電気集塵機用集塵
   部において、上記底板と蓋板を上記各電極板の両
   端縁に１本ずつ配置した連結棒で連結し、上記各
   電極板の両端縁には、上記各連結棒に嵌め込む凹
   部を設け、上記コレクタ挿入部には、上記各高圧
   電極板の端子を摺動自在に嵌入させるガイド溝
   と、上記各接地電極板の端子を摺動自在に嵌入さ
   せるガイド溝とを設け、上記各ガイド溝には、上
   記各端子と電気的に接地し、かつ高圧電源と接続
   する給電バーを設置してなる電気集塵機用集塵
   部。