JPH0226494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、身体障害者用の車椅子に関するも
のである。

〔従来の技術〕

車椅子の座席は、サイドフレームに両側縁を支
持させた座部シートと、背凭れシートとで構成さ
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

自力で乗降りできない身体障害者にあつては、
介添者により抱きかかえて行なうことになるの
で、身体障害者の姿勢が不安定となり、恐怖感を
与える問題があつた。

また、降りる場合、身体障害者と座部シートと
の間に手を差し入れて抱きかかえるので、空間が
ないためや、身体障害者の重量等により困難にな
る等の問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は車
輪付の手押し車枠と、この手押し車枠の両側間に
落し込めるバケツトシートと、このバケツトシー
トの下面前端の両側に先端両側を回動自在に取付
けた座枠と、手押し車枠に座枠を受架するよう設
けた受架材と、この座枠を受架材に着脱自在に固
定するように設けた固定金具と、バケツトシート
と座枠とに上記バケツトシートの後縁を上昇させ
て降下阻止の係合ができるよう設けた係合装置と
で構成したものである。

〔作用〕

身体障害者を車椅子にのせる場合、まずバケツ
トシートに座らせる。

次にバケツトシートと共に身体障害者を持ち上
げて、手押し車枠にバケツトシートを落し込むと
共に、受架材により座枠を受架し、然るのち固定
金具により受架材に座枠を固定する。

また、おろす場合、まず固定金具による固定を
解除したのち、バケツトシートと共に身体障害者
を持ち上げて、手押し車枠からバケツトシートを
脱出させる。

上記バケツトシートは、後端を上昇させて係合
装置により降下を阻止して通常の椅子の状態と
し、又係合装置の係合を解除してバケツトシート
の後端を降下させ、寝椅子の状態とすることがで
きる。

〔実施例〕

図において、Ａは車輪１付の手押し車枠であ
る。

上記の手押し車枠Ａは図示の場合下端の前後に
車輪１を、上端にグリツプ２を有する左右一対の
側枠３，３と、この両側枠３，３の対向間隔を維
持させる連結部材４とで構成し、また公知の折畳
み形成になつているが、折畳み形成でないもので
あつてもよい。

Ｂは手押し車枠Ａの両側枠３，３間に落し込む
バケツトシートである。

上記のバケツトシートＢは、金属板や樹脂によ
り成型されたボツクスと、このボツクスの周縁は
もとより内側に張付けたシート等で形成されてい
る。

また、バケツトシートＢの下面前面の両側に
は、座枠５の両側前端が水平のピン６を介し回動
自在に取付けられている。

上記の座枠５は、パイプ等を平面コ字状に屈曲
して形成されている。

さらに、手押し車枠Ａの両側には、座枠５の受
架材７が設けられている。

上記の受架材７は、側枠３にパイプの両端を取
付けて形成されている。

また、座枠５は、固定金具８を介し受架材７に
着脱自在となつている。

上記の固定金具８は、図示の場合座枠５を形成
するパイプの下部周面が嵌り込むよう受架材７の
両端部上面に固定した座板９と、この座板９の一
側縁にピン１０を介し末端縁を起伏回動自在に取
付けたパイプの抱込みＣ字状の抱込み板１１とで
構成され、突片１２を把持して起る方向に抱込み
板１１を回動させると、挾持が解除され、又倒れ
方向に抱込み板１１を回動させると、挾持される
ようになつているが、その他の方法で固着するよ
うにしてもよい。

さらに、座枠５とバケツトシートＢとには、バ
ケツトシートＢの後端を上昇位置で停止させる係
合装置１３が設けられている。

上記の係合装置１３は、図示の場合コ字状の屈
曲杆１４と、この屈曲杆１４の両端から連なつて
互に外方に突出すると共に、座枠５の両側に回動
自在に取付けた突出杆１５と、バケツトシートＢ
の下面後端部に屈曲杆１４に係止したとき前記屈
曲杆１４が後方に倒れるのを防止するよう取付け
たフツク１６と、座枠５の末端とバケツトシート
Ｂの末端とに両端を取付けたバネ１７とで構成し
たが、その他の方法で停止させるようにしてもよ
い。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る車椅子によれ
ば、身体障害者を車椅子にのせる場合、バケツト
シートに座らせたのち、バケツトシートと共に身
体障害者を持ち上げて手押し車枠にバケツトシー
トを落し込むと共に、受架材により座枠を受架さ
せて固定金具を介し固定し、また、おろす場合、
固定金具による固定を解除してバケツトシートと
共に身体障害をおろすことができるようにしてあ
るので、身体障害者に不安定に姿勢による恐怖感
や苦痛を与えることなく極めて容易な乗降りがで
きる。

また、バケツトシートを屋内での座椅子として
使用することができると共に、係合装置によりバ
ケツトシートの後端上昇を維持させ通状の使用状
態と、後端降下による寝椅子としての二通りの使
用ができる。

さらに、バケツトシートに座らせて自動車のシ
ートにものせることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る車椅子の側面図、第２
図は同背面図、第３図は固定金具の縦断正面図、
第４図は同上の要部を示す分解斜視図である。 Ａ……手押し車枠、Ｂ……バケツトシート、５
……座枠、６……ピン、７……受架材、８……固
定金具、１３……係合装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪付の手押し車枠と、この手押し車枠の両側
   間に落し込めるバケツトシートと、このバケツト
   シートの下面前端の両側に先端両側を回動自在に
   取付けた座枠と、手押し車枠に座枠を受架するよ
   う設けた受架材と、この座枠を受架材に着脱自在
   に固定するように設けた固定金具と、バケツトシ
   ートと座枠とに上記バケツトシートの後縁を上昇
   させて降下阻止の係合ができるよう設けた係合装
   置とから成る車椅子。