JPH0226362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のシート用クツシヨン体の
改良に関するものである。

従来、この種自動車シート用クツシヨン体は、
クツシヨン本体の内部に金属線の折曲による並列
状ワイヤフレーム及びウレタンチツプを該本体の
発泡成形と同時に一体に埋設した構成である。こ
のようなクツシヨン体には、以下のような欠点が
ある。即ち、ウレタンチツプを使用するので、重
量物、コスト高となること、及び発泡成形などの
作業性が悪いこと。ワイヤフレームは、クツシヨ
ン本体の複雑な形状に沿つて、例えば立体的な形
状に折曲することが難しく、簡略化した形状に折
曲形成すること、ワイヤフレームは、溶接により
形成するので寸法精度が悪く、全体形状が不統
一、悪品質となるなどの点が影響して、これがク
ツシヨン体の外形を悪くし、かつこれに被覆の表
皮に緊張むら、しわ、変形などをひき起して品質
の低下をきたす。また、この種クツシヨン体を使
用したシートは、ワイヤフレームの端部でクツシ
ヨン体及び表皮が破損し易いこと、ワイヤフレー
ムに表皮の端末を止めてリングを介して係止する
のでリングと共に表皮がずれ易いなどの欠点を有
する。それに、前記溶接によるフレームの加工は
コスト高となるのである。

この考案は、上述の欠点を解消するためになさ
れたもので、その目的とするところは、乗心地、
品質の優れた経済的な自動車シート用クツシヨン
体を提供することにある。

この考案の要旨は、クツシヨン本体の底部から
後部にかけて埋設する底、後フレーム部からなり
透孔及び係止部を有する主フレームと、前記底部
に埋設される内フレームと、前記後フレーム部に
該クツシヨン本体の中間部分に埋設される中間フ
レームを延設し、これら中間、主、内フレームの
夫々を接続部を介し接続して合成樹脂によりクツ
シヨン補強体を形成し、これを前記クツシヨン本
体内に埋設したことを特徴とする。

以下、この考案の実施例を例示図によつて詳述
する。

第１図は平面図、第２，３図は夫々断面図、第
４図は補強体の斜視図、第５図はフエルト張設部
分の拡大斜視図である。

図中１は、この考案のクツシヨン体、２はクツ
シヨン本体、３は主フレーム、４は内フレーム、
５は中間フレーム、６は接続部、７は補強体であ
る。

前記クツシヨン補強体７は合成樹脂により一体
成形されたもので、全体を支える主フレーム３と
これに延設した中間フレーム５と内フレーム４と
からなり、そして、これらは接続部６を介して弾
性変形自在に接続してある。前記主フレーム３
は、ポリウレタンフオームによる所要形状のクツ
シヨン本体２の底部２ａから後部２ｂにかけて埋
設される底フレーム部３ａ及びこれに対し傾斜状
の後フレーム部３ｂからなる枠状体で、内周寄り
の要部に表皮８の端末８ａ処理用の止めリング１
１の透孔３ｃを透設して係止部３ｄが設けてあ
る。この主フレーム３には、前記後フレーム部３
ｂの後方部（第４図では最右方の右下から左上に
傾く後方の部分）より該主フレーム３上の略内側
に沿つてかつ主フレーム３とほぼ平行または拡開
状に位置して前記クツシヨン本体２の中間部分２
ｃに埋設される略Ｕ字状で要部に止めリング９ａ
の透孔５ａを透設して係止部５ｂを設けた中間フ
レーム５が延設してある。そして、該中間フレー
ム５と前記底フレーム部３ａとは所要間隔でもつ
て接続部６を介して接続してある。また、該中間
フレーム５の内側の下方でかつ主フレーム３の内
側の位置には、前記底部２ａに埋設される略四辺
形状を呈する要部に前記と同様の止めリングの透
孔４ａを透設して係止部４ｂを設けた内フレーム
４が配置され、該内フレーム４と中間フレーム５
及び後フレーム部３ｂの前記後部とは所要間隔で
もつて接続部６を介して弾性変形自在に接続して
ある。この考案の自動車シート用クツシヨン体１
は、前記クツシヨン補強体７を該クツシヨン本体
２の発泡成形と同時に一体に埋設したものであ
る。補強体７は射出成形により一体に形成する。
補強体７の各フレーム３，４，５及び接続部６の
硬度、断面形状は、クツシヨン体の形状、大きさ
等を考慮の上、また、機能が低下せぬ範囲内にお
いて自由に変えることができる。

この考案は、補強体７の主、内フレーム３，４
及び中間フレーム５の所要対向部間にフエルト９
を張設し、これをクツシヨン本体２内に埋設して
ホールド性、その他の諸特性を高めることができ
る。図中９ａはフエルトの止めリング、４ａ，５
ａはフエルト９係止用の透孔、４ｂ，５ｂは係止
部である。

この考案によるシート１０は、その座部１ａに
表皮８を被覆するとともに、表皮端末８ａを係止
部３ｄに止めリング１１を介して係止し得られ
る。そして、表皮８は、係止部３ｄ、透孔３ｃに
固定的に係止した止めリング１１によつて、緊張
むら、しわ、変形などを起さない。

この考案は、座者１２の着座時等における座部
１ａの圧加に対し、該クツシヨン本体２の弾性抵
抗に付加して、これと一体の中間フレーム５が保
形的に枠状弾支し、同時にこれを主、内フレーム
３，４が接続部６を介し保形的に弾性変形して弾
支する。それゆえ、座者１２にとつては頗る顕著
な乗心地が得られるのである。なお、フエルト９
張設の補強体７を埋設した場合は、前記乗心地の
ほかに、さらに、ホールド性がよくなる。

この考案は、補強体７が射出成形品であつて、
寸法精度がよくばらつきの少い複雑形状、軽量の
ものが多量に供給できるので、シートのコスト低
減に役立つばかりか、表皮８に緊張むら、しわ、
変形、ずれ等々をひき起さず、また、クツシヨン
本体２の保形が確実に行えることなどからして、
シートの総合的な品質を高めることができる。こ
の考案は、一体発泡成形時の作業性がよい。この
考案は、補強体７によつてクツシヨン本体２を破
損するようなことがなく耐久性がある。

以上、この考案は、従来のクツシヨン体の欠点
である品質、コスト、重量物、作業性等々の問題
点が解消できて、その効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の平面図、第２図は第１図
Ａ，Ａ線断面図、第３図は第１図Ｂ，Ｂ線断面
図、第４図は補強体の斜視図、第５図は補強体に
フエルトを張設した要部の拡大斜視図である。 １……この考案のクツシヨン体、２……クツシ
ヨン、５……本体、３……主フレーム、４……内
フレーム、５……中間フレーム、６……接続部、
７……補強体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ クツシヨン本体の底部から後部にかけて埋設
   される底フレーム部及びこれに対して傾斜状の
   後フレーム部からなる樹脂製の枠状体で要部に
   止めリングの透孔及び係止部を設けた主フレー
   ムと、前記後フレーム部の後方部より該主フレ
   ーム上の略内側に沿つてかつ主フレームと略平
   行または拡開状にして前記クツシヨン本体の中
   間部分に埋設される略Ｕ字状で要部に前記と同
   様の透孔及び係止部を設けた中間フレームを延
   設し、該中間フレームと前記底フレーム部とを
   所要間隔ごとに接続部を介して接続し、前記中
   間フレームの内側下方でかつ主フレームの内側
   に位置して前記底部に埋設される略四辺形状を
   呈する要部に前記と同様の透孔及び係止部を設
   けた内フレームを配置し該内フレームと中間フ
   レーム及び前記後フレーム部の後方部とを所要
   間隔でもつて接続部を介し接続して合成樹脂に
   よる弾性変形自在なクツシヨン補強体を形成
   し、これを前記クツシヨン本体の発泡成形と同
   時に一体に埋設したことを特徴とする自動車シ
   ート用クツシヨン体。 ２ クツシヨン補強体の主、内、中間フレームの
   所要対向部間にフエルトを張設したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の自
   動車シート用クツシヨン体。