JPH022632B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は間欠オゾン供給装置に関するものであ
る。

〔従来技術〕

発電所や化学工業等には多量の冷却水が使用さ
れているが、用水中の微生物や藻類によつてスラ
イム障害が発生し、管路の閉寒や熱交換率の低下
が起る。これらの防止策として、高濃度のオゾン
水の適用が考慮されている。この高濃度のオゾン
水を生成するためには、大容量のオゾン発生機を
用いて生成するよりも、小形で小容量のオゾン発
生機を用いて、生成したオゾンを吸着剤に長期間
にわたつて蓄積し、この蓄積したオゾンを吸着剤
から一度に取り出し、高濃度オゾン水を生成する
いわゆる間欠オゾン供給装置が設備費および運転
費用の点から有利である。

従来の代表的な間欠オゾン供給装置の一例を第
１図について説明する。第１図は従来の間欠オゾ
ン供給装置を示すフロー図であり、図において、
１はオゾン発生機、２はこのオゾン発生機で発生
したオゾンを吸着して蓄積するオゾン吸脱着塔、
３はこのオゾン吸脱着塔から酸素ガスをオゾン発
生機１に循環する循環ブロア、４はオゾン発生機
１に酸素を供給する酸素供給装置、５ａ，５ｂは
リサイクル弁、５ｃはエゼクタ弁、６はオゾン吸
脱着塔２加熱用の熱媒体槽、７はこの熱媒体槽に
設けられた電気ヒータ、８は熱媒体槽６からオゾ
ン吸脱着塔２に熱媒体を供給する熱媒体ポンプ、
９はオゾン吸脱着塔２冷却用の冷凍機、１０はオ
ゾン吸脱着塔２からオゾンを吸引する水流エゼク
タ、１１はこのエゼクタに被処理水を供給するエ
ゼクタポンプ、１２は逆止弁であり、オゾン吸脱
着塔２からエゼクタ１０に至る流路エゼクタ弁５
ｃおよび逆止弁１２が設けられている。

オゾン吸脱着塔２は二重筒になつており、その
うち内筒にはオゾン吸着剤が充填され、内筒と外
筒の間にはジヤケツトが形成されて、熱媒体が昇
温時に充填され、熱媒体槽６に連絡している。ま
た内筒には蒸発管が巻かれ、冷凍機９に連絡して
いる。オゾン吸着剤は一般にシリカゲルが用いら
れ、熱媒体としてはエチレングリコール、アルコ
ール類等が使用されている。

なお、上記リサイクル弁５ａ、循環ブロア３、
オゾン発生機１、リサイクル弁５ｂ、オゾン吸脱
着塔２の順に１つの循環系を構成している。

次に動作について説明する。この動作にはオゾ
ンの吸着動作および脱着動作の２動作が主として
ある。

初めに吸着動作につい説明する。酸素供給装置
４より循環系内に常時一定の圧力で酸素を供給す
る。リサイクル弁５ａ，５ｂは開き、エゼクタ弁
５ｃは閉じている。循環ブロア３により循環系内
に酸素を流通させると、オゾン発生機１の放電空
隙中を通過する間に無声放電により酸素の一部が
オゾンに変換されて、オゾン化酸素となる。この
オゾン化酸素はオゾン吸脱着塔２へ搬送される。
オゾン吸脱着塔２内のオゾン吸着剤は、オゾンを
選択的に吸着し、残りの酸素は、リサイクル弁５
ａを通り循環ブロア３によりオゾン発生機１に返
送される。オゾンとして消費された酸素は、酸素
供給装置４より適宜補充される。このときオゾン
吸着剤の温度は冷凍機９により−30℃以下に冷却
されている。冷凍機９は圧縮機により熱媒体のフ
ロンまたはアンモニアガスを高温・高圧に圧縮
し、凝縮機で水または空気により熱交換し冷却さ
れた熱媒体は膨張弁で膨張し、オゾン吸脱着塔２
内で蒸発して吸着剤を冷却する。上記オゾン吸着
剤のオゾン吸着量は温度により大きく変化する。
例えば温度を低くするとオゾンの吸着量は増加
し、逆に温度が上昇するとオゾンの吸着量は減少
する。したがつてオゾンを脱着する時はオゾン吸
着剤の温度を上昇させる。

オゾン吸脱着塔２のオゾン吸着剤がオゾン飽和
吸着量近くまで吸着すると脱着動作へ移行する。
脱着動作ではオゾン発生機１、循環ブロア３、冷
凍機９が稼動を停止し、リサイクル弁５ａ、５ｂ
が閉じ、熱媒体ポンプ８が稼動して吸脱着塔２内
昇温を開始する。熱媒体槽６内は電気ヒータ７に
より常に一定の温度になるようにコントロールさ
れている。この状態を予備加熱という。

吸脱着塔２内の温度がある一定値になると、エ
ゼクタポンプ１１が起動すると同時に、水流エゼ
クタ１０が吸い込み動作を開始し、エゼクタ弁５
ｃが開き吸脱着塔２内のオゾンを減圧、吸引しな
がら水流エゼクタ１０で水とオゾンとを混合して
オゾン水として使用箇所へ送給する。かくして、
吸脱着塔２内のオゾンが残り少なくなると脱着期
間が終了し、再び初期の吸着動作へと移行して連
続的に運転が繰り返される。

従来の間欠オゾン供給装置は上記のように構成
されているので、オゾン処理水管内の圧力が高
く、かつエゼクタポンプ１１が稼動すると同時に
エゼクタ弁１０が開くため、逆止弁１２が何か異
物により誤動作すると、オゾン吸脱着塔２内に処
理水が逆流し、吸脱着塔２内の充填剤を劣化させ
る危険性があつた。

〔発明の概要〕

この発明は、上記のような従来のものの欠点を
除去する目的でなされたもので、原料酸素からオ
ゾン化酸素を生成するオゾン発生機と、上記オゾ
ン化酸素からオゾンを吸着蓄積し、このオゾンを
脱着するオゾン吸脱着塔とを有し、上記オゾン吸
脱着塔によりオゾンが吸着された後の酸素をオゾ
ン発生機に戻し、かつ上記オゾン吸脱着塔からオ
ゾンをエゼクタにて脱着供給し、オゾン吸脱着塔
をオゾンの吸着時に冷凍機により冷却するととも
に、脱着時に加熱源により昇温する間欠オゾン供
給装置において、オゾン吸脱着塔からエゼクタに
至る流路に設けられたエゼクタ弁と逆止弁の間に
負圧を検知してエゼクタ弁を開く圧力スイツチを
設けることにより、エゼクタのガス吸込み側が負
圧になるのを確認してからエゼクタ弁を開いて、
オゾン吸脱着塔への水の逆流を防止でき、信頼性
の高い間欠オゾン供給装置を提供するものであ
る。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図について説明する。

第２図は本発明の一実施例を示すフロー図であ
り、図において、第１図と同一部分には同じ符号
を付して説明を省略する。吸脱着塔２からエゼク
タ１０に至る流路に設けられたエゼクタ弁５ｃと
逆止弁１２との間には、負圧を検知してエゼクタ
弁５ｃを開く圧力スイツチ１３が設けられてい
る。他の構成は第１図と同様である。

次に動作について説明する。基本的な動作は第
１図の場合と同様である。

オゾン吸脱着塔２内にはシリカゲル吸着剤が充
填されているが、この吸着剤により酸素とオゾン
に有効に分離するためには、シリカゲルに対する
水分等の吸着を極力避けなければその効果は半減
する。特に水が逆流してシリカゲルが水にぬれる
と、シリカゲルは破損し、使用不能となる。また
シリカゲルは量的にも多いため費用がかかり、吸
脱着塔２内は充填剤の昇温あるいは冷却のために
複雑な構造になつており、シリカゲルの取り出し
および充填に相当の時間を必要とするので、シリ
カゲル充填内への水の浸入を防ぐ必要がある。

第２図において、エゼクタ弁５ｃと逆止弁１２
との間に取り付けられた圧力スイツチ１３はエゼ
クタ弁５ｃの開放動作に対し、必要条件として機
能する。この場合、エゼクタポンプ１１が起動
し、エゼクタ弁５ｃとエゼクタ１０の間の配管が
負圧になつて初めて圧力スイツチ１３が負圧を検
知し、これによりエゼクタ弁５ｃが開く。この条
件を満しておれば、吸脱着塔２内の圧力は必ず上
記配管と同圧または高圧になり、オゾン吸脱着塔
２に水が逆流することはない。例えば、逆止弁１
２に何か異物が入り完全に閉じない場合は、水が
エゼクタ弁５ｃの出口まで到達するが、圧力スイ
ツチ１３は負圧を検知しないのでエゼクタ弁５ｃ
は開くことはない。また圧力スイツチ１３を２位
置設定にすれば、外部に異常警報を出すことがで
きる。

第３図は他の実施例を示すフロー図であり、図
において、吸脱着塔２からエゼクタ１０に至る流
路に設けられたエゼクタ弁５ｃと逆止弁１２との
間に、上流側より、負圧を検知してエゼクタ弁５
ｃを開く圧力スイツチ１３、およびエゼクタポン
プ１１の駆動とともに開放する締切弁１４とがこ
の順序で設けられている。他の構成は第１図と同
様である。

次に動作について説明する。エゼクタ弁５ｃと
締切弁１４との間に取り付けられた圧力スイツチ
１３はエゼクタ弁５ｃの開放動作の必要条件とし
て機能する。ここではエゼクタポンプ１１が起動
し、締切弁１４が開き、エゼクタ弁５ｃとエゼク
タ１０の間の配管が負圧になつて初めて圧力スイ
ツチ１３が負圧を検知し、エゼクタ弁５ｃが開
く。締切弁１４は圧力スイツチ１３と逆止弁１２
の間に取り付けられており、エゼクタポンプ１１
の駆動と同時に開放になる。締切弁１４がない
と、逆止弁１２に異物が入つた場合、水が逆流し
圧力スイツチ１３により装置が停止するが、被処
理水内にSS、スライム等が多いときはこの異常
が出ることが多い。これに対し、締切弁１４を圧
力スイツチ１３と逆止弁１２の間に設けると、逆
止弁１２による異常表示現象を少なくするととも
に、水の逆流防止に対しては、締切弁１４がない
ときに較べて相当信頼性が高くなる。異常が出た
場合は本装置としては最重大事故につながるが、
上記によりこのようなことが防止される。また異
常が発生した場合には、エゼクタ弁５ｃおよび締
切弁１４は同時に閉じる。

なお、上記の説明において、エゼクタ弁５ｃと
してはノンリークであれば電磁弁、エテーシリン
ダ弁、電動弁のいずれでもよいが、このうち電動
弁はその開閉の速度に充分注意する必要がある。
また、上記説明においては、圧力スイツチ１３と
して２位置設定のものを示したが、圧力スイツチ
を２個取り付けてもよい。さらに本発明は冷却水
に限らず、他の液体等にオゾンを供給する場合に
も適用可能である。

〔発明の効果〕

以上のとおり、この発明によれば、エゼクタ弁
と逆止弁の間に圧力スイツチを設けたので、圧力
スイツチで負圧になつたことを検知した後エゼク
タ弁が開くため、水の逆流は起こらず、逆止弁に
異物が混入して動作不良を起こした場合でも、水
の逆流の危険が全くないという効果が得られる。

また、エゼクタ弁と逆止弁の間に圧力スイツチ
および締切弁を設ければ、逆弁の誤動作による異
常発生が少なくなるとともに、吸脱着塔への水の
逆流防止の信頼性がさらに高まり、安定性の高い
装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の間欠オゾン供給装置を示すフロ
ー図、第２図および第３図はこの発明の別の実施
例による間欠オゾン供給装置を示すフロー図であ
る。 図において、１はオゾン発生機、２はオゾン吸
脱着塔、３は循環ブロア、４は酸素供給装置、５
ａ，５ｂはリサイクル弁、５ｃはエゼクタ弁、６
は熱媒体槽、７は電気ヒータ、８は熱媒体ポン
プ、９は冷凍機、１０はエゼクタ、１１はエゼク
タポンプ、１２は逆止弁、１３は圧力スイツチ、
１４は締切弁である。なお、各図中、同一符号は
同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原料酸素からオゾン化酸素を生成するオゾン
   発生機と、上記オゾン化酸素からオゾンを吸着蓄
   積し、このオゾンを脱着するオゾン吸脱着塔とを
   有し、上記オゾン吸脱着塔によりオゾンが吸着さ
   れた後の酸素をオゾン発生機に戻し、かつ上記オ
   ゾン吸脱着塔からオゾンをエゼクタにて脱着供給
   し、オゾン吸脱着塔をオゾンの吸着時に冷凍機に
   より冷却するとともに、脱着時に加熱源により昇
   温する間欠オゾン供給装置において、オゾン吸脱
   着塔からエゼクタに至る流路に設けられたエゼク
   タ弁と逆止弁との間に、負圧を検知してエゼクタ
   弁を開く圧力スイツチを設けたことを特徴とする
   間欠オゾン供給装置。 ２ 圧力スイツチが２位置設定または２個設けら
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の間欠オゾン供給装置。 ３ 原料酸素からオゾン化酸素を生成するオゾン
   発生機と、上記オゾン化酸素からオゾンを吸着蓄
   積し、このオゾンを脱着するオゾン吸脱着塔とを
   有し、上記オゾン吸脱着塔によりオゾンが吸着さ
   れた後の酸素をオゾン発生機に戻し、かつ上記オ
   ゾン吸脱着塔からオゾンをエゼクタにて脱着供給
   し、オゾン吸脱着塔をオゾンの吸着時に冷凍機に
   より冷却するとともに、脱着時に加熱源により昇
   温する間欠オゾン供給装置において、オゾン吸脱
   着塔からエゼクタに至る流路に設けられたエゼク
   タ弁と逆止弁との間に、上流側より、負圧を検知
   してエゼクタ弁を開く圧力スイツチ、およびエゼ
   クタポンプの駆動とともに開放する締切弁を設け
   たことを特徴とする間欠オゾン供給装置。 ４ エゼクタ弁が電磁弁、エアーシリンダ弁また
   は電動弁であることを特徴とする特許請求の範囲
   第３項記載の間欠オゾン供給装置。