JPH0226118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電磁スイツチ装置、特にスタータ
モータ（始動電動機）に装着される電磁スイツチ
装置の耐振性の改良に関するものである。

従来、この種のものに第１図に示すものがあつ
た。図において、１は始動電動機、２は前部機枠
３に装着される電磁スイツチ装置、４は同じく直
流電動機、５はシフトレバーで、上端部が電磁ス
イツチ装置２の可動鉄心６にカム係合されるとと
もに、その回動支点部５ａがホルダ７によつて回
動自在に軸承されている。８はホルダ７を前部機
枠３の内周面に向つて押圧するレバーばね、９は
このレバーばねの押圧反力を受圧するグロメツト
である。１０は電磁スイツチ装置１の継鉄、１１
はこの継鉄１０の後部開口部に形成されたインロ
ー部１０ａにスイツチキヤツプ１２のキヤツプ１
３と共に嵌着後カシメ固着される固定鉄心、１４
はこの固定鉄心１１の突設部であつて、外周面に
はソレノイドコイル１５が巻装され、内周面には
両側に段付部１６ａ及び１６ａを有する貫通孔１
６が設けられている。１７は可動接点集合体であ
つて、その可動接点軸１８が上記貫通孔１６に遊
嵌されて支承される。１９は可動鉄心６の後部に
配設された凹溝６ａに嵌着されるチツプ、２０は
このチツプ１９と上記段付部１６ｂとの間に張架
されるプランジヤスプリングであつて、可動鉄心
６を図示左方向に復帰付勢する機能を有してい
る。２１は可動接点軸１８上に絶縁ブツシユ２２
を介して対地絶縁する如く遊嵌される可動接点、
２３は可動接点軸１８上に配設された鍔部２４と
上記絶縁ブツシユ２２との間に張架される接点ば
ねであつて、可動接点２１を図示左方向に押圧付
勢している。２５は絶縁ブツシユ、２６は可動接
点軸１８の凹溝（図示省略）に係着される止め輪
であつて、接点ばね２３の付勢力を受圧してい
る。２７はキヤツプ１３の内周面と止め輪２６と
の間に張架され、可動接点集合体１７を前方に押
圧付勢（復帰付勢力及び係着力を得る）するリタ
ーンスプリングであつて、この付勢力によつて可
動接点軸１８に形成された鍔部２４のテーパ部２
４ａと貫通孔１６の後部に設けられた段付部１６
ａとが当接され、かつこの付勢力は固定鉄心１１
によつて受圧される。２８はキヤツプ１３に配設
された一対をなす貫通孔２９に六角ナツト３０に
よつて螺着される端子ボルトである。

次に、上記構成の動作について説明する。ソレ
ノイドコイル１５が通電付勢され、可動鉄心６が
固定鉄心１１の突設部１４に吸着されて、可動接
点集合体１７の可動接点軸１８が図示左方向に押
圧され、可動接点２１が一対をなす固定接点の端
子ボルト２８に当接され、直流電動機４がこの閉
成接点を介して図示しない車載バツテリに接続さ
れ、通電付勢される。この動作と同時に、可動鉄
心６にカム係合されるシフトレバー５が回動支点
部５ａを中心に図示反時計方向に回動付勢され、
その下端部にカム係合される図示しないピニオン
が直流電動機４の回転軸（図示せず）上を前方に
移送付勢されて内燃機関のリングギヤ（図示せ
ず）に噛込まれ、直流電動機４の回転力が伝達さ
れ、内燃機関が始動される。ソレノイドコイル１
５の通電付勢が解除されると、プランジヤスプリ
ング２０、接点ばね２３及びリターンスプリング
２７の復帰付勢反力が順次作用し、可動接点集合
体１７及び可動鉄心６が図示状態に復帰され、端
子ボルト２８と可動接点２１との当接が解除さ
れ、直流電動機４の通電付勢が解除されると共
に、シフトレバー５が回動支点部５ａを中心に図
示時計方向に復帰回動され、図示しないピニオン
と内燃機関のリングギヤ（図示せず）との噛合係
合が解除され、始動電動機１が停止する。

従来装置は以上のように、可動接点集合体１７
が固定鉄心の貫通孔１６に遊嵌されて支承される
構成のため、始動電動機１が内燃機関（図示せ
ず）に装着されて振動荷重を受けた場合、特に可
動接点集合体１７が加振されて貫通孔１６内を振
動し、このため貫通孔１６が異常摩耗し、可動接
点集合体１７の前後方向の摺動が円滑に行なわれ
なくなるという欠点があり、さらにまた可動接点
２１が可動接点軸１８上を揺動振動し、可動接点
２１とキヤツプ１３の内壁面とが当接して、キヤ
ツプ１３が異常摩耗する等の欠点もあつた。

この考案は、以上の様な従来のものの欠点を解
消する為になされたもので、可動接点軸に正多角
形の鍔部を設けるとともに、この鍔部にテーパ部
を形成してこのテーパ部を固定鉄心に係着する構
成とする事で、以下に述べる優れた効果を有した
ものを提供する事を目的としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第２図及び第３図において、３４は電磁スイ
ツチ装置の固定鉄心、３５はこの固定鉄心の突設
部、３６はその貫通孔であつて、後部側に角度α
＜45゜を有するテーパ状の段付加工部３７を有し
ている。３８はこのテーパ部３７につゞいて設け
られた正六角形の凹溝であつて、この凹溝には可
動接点集合体３９を構成する可動接点軸４０に形
成された正六角形の外形を有する鍔部４１が遊嵌
されると共に、同じく可動接点軸のテーパ面４２
がテーパ状の段付加工部３７に当接する如く係着
される。４３は正六角形断面を有し可動接点４４
を支承する支承部であつて、この支承部４３に遊
嵌される絶縁ブツシユ４５上に可動接点４４が正
六角形の貫通孔（図示せず）部で遊嵌される。４
６は可動接点軸４０の鍔部４１の端面と絶縁ブツ
シユ４５の端面との間に張架される接点ばね、４
７は電気絶縁性のワツシヤ、４８は可動接点軸４
０の後端部に配設された凹溝（図示せず）に係着
される止め輪であつて、接点ばね４６の押圧力が
絶縁ブツシユ４５及び可動接点４４を介してワツ
シヤ４７に印加されており、この押圧力を受圧し
ている。

ここで、テーパ状の段付加工部３７及びテーパ
面４２の軸直角方向面とのなす角をαとすれば、
α＞45゜なる如き関係を満足して構成され（なお、
従来装置はα＜45゜）、また、正六角形の凹溝３８
の軸方向長さをｌ、可動接点軸４０の固定鉄心３
４の突設部３５からの軸方向前方への突設量をＸ
とすれば、ｌ＞Ｘなる関係式を満足して構成され
ている。

なおその他の構成は、従来装置と同様であるの
で説明を省略する。

次に上記構成の作用について説明すると、可動
接点軸４０を押圧するリターンスプリング２７の
付勢力によつて、鍔部４１のテーパ面４２が固定
鉄心のテーパ状段付部３７に押圧され、その楔作
用によつて、可動接点軸４０のガタが防止される
と共に、固定鉄心側に設けられた正六角形の凹溝
３８と正六角形の外形を有する鍔部４１とが互い
に嵌り合つて軸のまわりの回転が防止され、さら
にまた、可動接点４４の軸のまわりの回転（回転
振動）も防止されるので、装置の耐振性を大巾に
向上させる効果を奏する。

なお、上記実施例では、回転振動の防止に正六
角形断面部による嵌合構成としたが、正四角形又
は正八角形断面等他の正多角形断面の凹凸嵌合構
成であつても同様の効果を奏する。

以上の様にこの考案によれば、可動接点軸と固
定鉄心との嵌合をテーパ嵌合及び正多角形嵌合構
成としたので、可動接点軸の振動及び回転振動が
防止され、装置の信頼性が大巾に向上し、しかも
これが簡単な構成で安価に得られる等の極めて優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁スイツチ装置及びその周辺
装置の一部を図示した半部断面図であり、上半部
は下半部の直角方向断面を図示している。第２図
はこの考案の一実施例による電磁スイツチ装置の
要部を示す半部断面図、第３図は第２図の−
線の断面図である。 図中、２７はリターンスプリング、３４は固定
鉄心、３５は突設部、３６は貫通孔、３７はテー
パ部、３８は凹溝、３９は可動接点集合体、４０
は可動接点軸、４１は鍔部、４２はテーパ面、４
３は支承部、４４は可動接点である。尚図中、同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外周にソレノイドコイルを巻装し、内周空間
   を軸方向摺動可能に遊嵌される可動鉄心を有す
   るソレノイド装置、このソレノイド装置の固定
   鉄心を貫通し軸上に可動接点を保持する可動接
   点軸、上記ソレノイド装置の側端部に装着さ
   れ、かつ上記可動接点軸の移動により閉成付勢
   される接点装置を備えた電磁スイツチ装置にお
   いて、上記可動接点軸にテーパ部を有する正多
   角形の鍔部を設けるとともに、上記テーパ部と
   正多角形部に当接する凹溝をソレノイド装置の
   固定鉄心に形成し、さらに上記テーパ部の角度
   を軸直角方向を通る面に対して45度以上に形成
   した事を特徴とする電磁スイツチ装置。 (2) 可動接点は可動接点軸上に正多角形の貫通孔
   と支承部の嵌め合いにより係着保持されている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の電磁スイ
   ツチ装置。