JPH02260328A - 化合物超電導導体およびその製造方法 - Google Patents

化合物超電導導体およびその製造方法

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JPH02260328A
JPH02260328A JP1081933A JP8193389A JPH02260328A JP H02260328 A JPH02260328 A JP H02260328A JP 1081933 A JP1081933 A JP 1081933A JP 8193389 A JP8193389 A JP 8193389A JP H02260328 A JPH02260328 A JP H02260328A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、化合物超電導導体およびその製造方法に係わ
り、特に化合物超電導体の構成元素などの拡散による安
定化材の電気抵抗の低下を防止するとともに、超電導導
体全体の臨界電流密度を向上させた化合物超電導体およ
びその製造方法に関する。
(従来の技術) 現在、実用化されている超電導導体としては、Nb3S
nやNb3 Alなどの化合物超電導体を用いたものや
、Nb−TlやNb−Zrなどの合金超電導体を用いた
ものが知られており、送電ケーブルや電力をほとんど消
費することなく強磁界の形成が可能な超電導コイルなど
の用途への利用が各所で研究されている。たとえば、上
記化合物超電導体を用いた超電導導体は、従来から以下
に示すような方法で製造されている。
すなわち、超電導導体としてNb3 Snマルチ超電導
線を例にとると、まずNbチューブ内にCu−3o合金
を充填するとともに、このNbチューブの外周にCuを
被覆し、これをスウェージングマシンなどにより一体化
加工して、所定の外径まで減面加工を施しながら外形が
正六角形のロッドに成形する。
次いで、この六角形のロッドの多数本をCu管からなる
安定化材内に押入し、スウェージングマシンなどにより
一体化した後、所定の外径まで減面加工を施す。この後
、Nb3 Snの生成温度で熱処理を施すことによって
、Nbチューブ内のSnを拡散させてNbと反応させ、
Nbチューブの表面にNb3 Sn超電導体層を形成す
る。
第3図は、このようにして製造されたマルチ超電導線を
示すものであり% Cu−3n芯1上にNb3 Sn超
電導体層2が配置され、その上にNbチューブの残存成
分からなる拡散防止層3、Cuからなる安定化材4が順
に形成されている。なお、安定化材4は、Nb3 Sn
′Iii電導体層2の常電導転移時の電流通路となり、
焼損などを防止するものである。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このような超電導線の安定化材4となるCu
は、通常、残留抵抗比(以下、RRRと記す。)が20
0〜300で、20 [K]における比抵抗ρは〜 l
Xl0−δ[Ω・cm] と非常に低い高純度のものが
用いられている。しかし、熱処理時にCu−3n芯1中
のSnが安定化材4中に拡散すると、安定化材4はSn
によって汚染されてしまう。
拡散防止層3は、このような安定化材4中へのSnの拡
散を防止する機能を奏するが、熱処理時における安定化
材4へのSnの拡散を防ぐ効果は必ずしも十分なもので
はなく、しかも拡散防止層3の素材となるNbなどが安
定化材4中に拡散することも避けられない。
このように安定化材4中にNb、 Snなどが拡散する
と、安定化材4のRI?Rは1〜10.20[K]にお
けるρは lX10−7〜1xio−6[Ω・CIlコ
となって、純Cuに比べて1桁から 2桁も電気抵抗が
増加し、これによって超電導線の安定性が損なわれると
いう問題があった。
また、安定化材4中への不純物元素の拡散を抑えるため
、熱処理忍度を低くするとともに、熱処理時間を短くす
ることが行われているが、この場合、逆にNb3Sn層
の生成が抑えられ、臨界電流密度などの超電導特性が低
いものしか得られないという欠点があった。
一方、上述したような化合物超電導体を用いた従来のマ
ルチ超電導線においては、臨界電流密度などの超電導特
性がNb3Sn超電導体層2を有する芯線の数によって
ほぼ決定される。そこで、臨界電流密度を増加させるた
めには、芯線の数を増やさなければならないが、現状の
技術においては多芯化にも限界があり、さらに臨界電流
密度などの超電導特性を向上させた超電導線が望まれて
いる。
本発明は、このような従来技術の課題に対処するために
なされたもので、安定化材の電気抵抗を低く維持すると
ともに、臨界電流密度などの超電導特性をさらに向上さ
せた化合物超電導導体およびその製造方法を提供するこ
とを(」的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明の化合物超電導導体は、化合物超電導体
を含む芯線が多数埋設されたCu系マトリックスの外周
側に安定化材を設けてなる化合物超電導導体において、
前+taCu系マトリックス内に前記芯線の化合物超電
導体と同種のQU Qlk、状化合物超電導体が分布し
ているとともに、前記Cu系マトリックスと安定化材間
に金属酸化物からなる拡散防止層が設けられていること
を特徴としている。
また、本発明の化合物超電導導体の製造方法は、熱処理
により反応して化合物超電導体を形成する化合物超電導
体材料を含む多数の索線が埋設された前記化合物超電導
体を構成する元素の lを含有するCu系マトリックス
の外周側に安定化材を一体化する工程と、この一体層さ
れた(1■造体に、前記安定化材の表面に酸化物層を形
成した後に真空巾または非酸化雰囲気中で、あるいは大
気中の酸素分圧より低くかつ前記安定化材の表面に酸化
物層を形成し得る酸素分圧下で、前記化合物超電導体の
生成温度領域で熱処理を行う工程とををすることを特徴
としている。
本発明に用いられる熱処理により反応して化合物超電導
体を形成する化合物超電導体材料としては、Nb3 S
nの形成材料であるNbとSnやNb3 Alの形成材
料であるNbとA1などが例示され、たとえばNbチュ
ーブ中にSnやA1を含む材料を充填することによって
超電導線の索線が形成される。
これら超電導線の素線は、上記化合物超電導体を構成す
る元素の1種1.たとえばNbを含有するCu系マトリ
ックス内に埋設され、さらにこのCu系マトリックスの
外周側にCuからなる安定化材が一体化され、本発明の
化合物超電導導体の原型となる構造体が構成される。な
お、本発明における構造体は、安定化材の表面が酸素ガ
スと接する形態であれば、どのような形状のものであっ
てもよく、Cuマトリックスの外周に安定化材を設けた
線状体、Cuマトリックスと安定化とを積層したテープ
材など、各種の構造のものを用いることができる。
上記Cu系マトリックスを構成する合金は、いわゆるイ
ンサイチュ−法に用いられるCu系合金であり、たとえ
ばCu−Nb合金に強加工を施すことによってNbを繊
維状に分布させたものである。また安定化材となるCu
は、基本的に導電性に優れた不可避的な不純物のみを含
有する純銅により構成されるが、たとえばCrs Zr
5T1% Znなどによる固溶強化型銅合金やアルミナ
などによる粒子分散強化型銅合金などとの積層体を用い
ることも可能である。
本発明の化合物超電導導体の製造方法における熱処理は
、上記化合物超電導体材料を反応させて化合物超電導体
を形成するとともに、安定化材とCuマトリックス間に
安定化材のCuの表面に形成された酸化物層から拡散し
た酸素により化合物超電導体の構成元素の酸化物や添加
元素の酸化物による強固な拡散防止層を形成するための
ものである。
また、安定化材中に微量固溶している不純物は、この熱
処理によって酸化物として析出し、安定化材の導電性は
さらに向上する。
上記熱処理によって形成される化合物超電導体は、以下
の2種類である。
■ たとえばNbチューブ中にSnを含む材料を充填し
た索線中のこれら化合物超電導体材料の反応によるもの
■ 上記熱処理によって索線中に形成された化合物超電
導体層を拡散してきた一方の化合物超電導体の構成元素
たとえばSnと、Cuマトリックス中に予め分散させた
繊維状の他方の構成元素たとえばNbとの反応によるも
の。
上記■の化合物超電導体は、いわゆるNbチューブ法に
よるものであり、上記■の化合物超電導体は、Nbチュ
ーブ法による化合物超電導体生成のための熱処理時に、
不可避的に拡散する化合物超電導体の構成元素を積極的
に利用しするものであり、いわゆるインサイチュ−法に
よる化合物超電導体である。
そして本発明は、上記インサイチュ−法を単にNbチュ
ーブ法と併用しただけでは安定化材が拡散する化合物超
電導体の構成元素などによって汚染されてしまうため、
安定化材とCuマトリックス間に、これら拡散元素の金
属酸化物からなる拡散防止層を形成することによって、
安定化材としてのCuの純度を保つものである。
この拡散防止層は、 (A)  安定化材表面にCuの酸化物層を形成した後
に、上記熱処理を行う。
(B)  大気中の酸素分圧より低く、かつ安定化材の
表面にCuの酸化物層を形成し得る酸素分圧下で、上記
熱処理を行う。
などによって、安定化材のCuの表面に形成された酸化
物層から拡散した酸素と、化合物超電導体の構成元素や
添加元素とを反応させることにより形成されるものであ
る。
なお、上記Cuの酸化物層は、CuO、Cu20単独ま
たはCuOとCu2Oとの混合物などからなるものであ
る。
上記(A)による安定化材表面のCuの酸化物層は、た
とえば酸素濃度lθ%以上Q常圧処理雰囲気中において
、100℃〜400℃の温度で1−120時間程度熱処
理することにより形成することができる。
また、CVDによりCuの酸化物層を形成させたり、黒
化剤を用いて化学的に酸化させたり、Cuの酸化物を含
むペースト状の塗料を塗布することによってもCuの酸
化物層を形成することができる。
そして、このようにして安定化材の外周にCuの酸化物
が形成された構造体に、上記熱処理を施す。
この熱処理条件は、大気減圧下、高真空下(1×10−
’Torr以下)、不活性ガス雰囲気下などで、たとえ
ばNb3 Snの場合には650℃〜770℃で10〜
400時間、Nb3 Alの場合には750℃〜950
℃で1〜100時間程度である。
安定化材表面に形成するCuの酸化物層は、余り薄いと
、たとえば0.1μm未満であると、酸化物層の酸素量
が少なくなり、拡散防止層の形成が不十分となって低い
RRRLか得られず、逆に余り厚いと、たとえば線径(
外径)  1mmに対してCuの酸化物層の厚さがlO
μlを超すような場合には、安定化材中へ入り込む酸素
量が多くなりすぎて拡散防止層を厚くするとともに、酸
化のため安定化材の体積が減少し、また強度やI? R
I?および臨界電流密度が低下する恐れがある。したが
って、これらの兼合いを考慮しなからCuの酸化物層の
厚さを設定することが望ましい。
また、上記(B)によって安定化材表面にCuの酸化物
層を形成しつつ熱処理を行う場合には、大気の酸素分圧
より低い酸素分圧下で、たとえば1×10’ Torr
 −IX 10−’ Torr程度の低真空中において
3〜100時間熱処理することにより、拡散防止層を形
成しつつ化合物超電導体の形成が行われる。
なお、安定化材として酸素を0.3vt%程度含有する
高純度Cuを用いることによりて、酸化物層の形成を省
き直接化合物超電導体の生成温度における熱処理を行う
ことも可能である。
これら熱処理によって形成される金属酸化物層からなる
拡散防止層は、必ずしも連続的に形成しなければならな
いものではなく、不連続的に形成してもよい。このよう
に金属酸化物層を不連続的に形成することによって、化
合物超電導体と安定化材との間での熱伝導を良好に維持
することが可能となる。
なお、本発明により得られた化合物超電導導体を熱処理
可能な製品へ適用する場合には、本発明の熱処理をその
製品の組立過程で行うようにしてもよい。たとえば、本
発明により製造された超電導線を用いて超電導コイルを
形成するような場合には、コイル用の巻枠へ熱処理前の
ものを巻装し、この状態で化合物超電導体および拡散防
止層形成のための熱処理を行うようにしてもよい。
(作 用) 本発明においては、化合物超電導体生成温度における熱
処理によって、これら化合物超電導体の芯線が埋設され
ているCu系マトリックス内゛に不可避的に拡散する化
合物超電導体の構成元素と、予めCu系マトリックス内
に分散させた他方の化合物超電導体の構成元素とが反応
し、Cu系マトリックス内にもインサイチュ−法による
化合物超電導体と同様なものが形成される。これによっ
て化合物超電導体全体としての臨界電流密度などの超電
導性は、Cu系マトリックス内に分布した化合物超電導
体の分だけ向上する。また、インサイチュ−法によって
繊維状化合物超電導体が分布されたCu系マトリックス
は、純銅に比べて機械的強度が大きいため、化合物超電
導導体全体の強度向上も図れる。
また、インサイチュ−法を単に併用しただけでは、安定
化材の拡散元素による汚染に繋がり、安定化材の導電性
が低下してしまうが、本発明においては、安定化材表面
に形成されたCu酸化物中の酸素が熱処理時に安定化材
中に拡散していき、超電導体構成材料から拡散してきた
不純物を酸化して析出させ、安定化材とCu系マトリッ
クス間に強固な金属酸化物からなる拡散防止層が形成さ
れ、これによって安定化材の電気抵抗の増加を抑制する
ことができ、化合物超電導導体の安定性の向上が図られ
る。また、安定化材中に含まれる不純物も酸化物として
析出し、より導電性が向上する。
(実施例) 次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する
実施例1 第2図は本発明の一実施例のNb3 Snマルチ超電導
線の概略構造を示す断面図である。
このマルチ超電導線では、20vt%Nb−Cu合金に
よって形成されたCu合金マトリックス11内に、Nb
チューブ法によるNJ Sn芯線12、すなわちNbチ
ューブ13内部に配置されたCu−3n層14との間に
Nb3 Sn層15が形成された複数本のNb3 Sn
芯線12が分布埋設されている。また、Cu合金マトリ
ックス11内には、インサイチュ−法による繊維状のN
b3 Snl 6が分布している。そして、Cu合金マ
トリックス11の外周上に、NbやSnなどの酸化物か
らなる拡散防止層17を介して高純度Cuからなる安定
化材18が形成されてマルチ超電導線が構成されている
すなわち、従来構造のNbチューブ法を適用したマルチ
超電導線と異なり、Cu合金マトリックス11と安定化
材18としてのCuとの間に、Nbの酸化物、Snの酸
化物、TIの酸化物のような化合物超電導体の構成元素
や添加元素の酸化物からなる拡散防止層17が設けられ
ているとともに、Cu合金マトリックス11内にインサ
イチュ−法による繊維状のNb3 Snl 6が分布し
ている。
次に、上記構造のマルチ超電導線の製造方法について説
明する。
外径50n、内径40111の20wt%Nb−Cu合
金からなる円筒状のマトリックス11材内部に、TIを
Iff!ff1%添加したNbチューブ13を挿入し、
この中にSn濃度が70%になるようにSn線上にCu
被覆を施した外径20 Mmの複合線14を挿入し、一
体層しつつ所定の外径まで線引きし、化合物超電導体の
索線を作製する。
次に、この素線を多数本束ね、安定化材18となる外径
24.7sa+、内径20.8a+aの無酸素高純度C
u管内に軸方向に沿って挿入し、さらに一体層しつつ外
径l■lまで減面加工を施す。
なお、これら減面加工によって、Cu合金マトリックス
11となる20wt%Nb−Cu合金中に品出している
Nbは、軸方向に極めて細い繊維状に引伸ばされて分布
する。
次いで、上記一体層された構造体を、20%の酸素を含
むアルゴンガスを0.2β/分でフローさせた雰囲気中
で、300±10℃X4g時間の条件で熱処理し、無酸
素高純度Cuからなる安定化材18の表面にCuの酸化
物層を形成する。
この後、この構造体にアルゴンガスを0.2.e /分
でフローさせた雰囲気中で700”Cにて30時間熱処
理を施す。この熱処理によって、−Nbチューブ13と
内部のCu被覆を拡散してきたSnとが反応してNb3
 Sn層15が形成されるとともに、このNb3 Sn
層15を拡散してきたSnとCu合金マトリックス11
内に分布している繊維状のNbとが反応してインサイチ
ュ−法による繊維状Nb3 Snl 6が形成される。
また、これらNb5Snl 5.16の形成と同時に、
Nbチューブ13表面のNbおよびTIやNb3Sn層
15を拡散してきたSnなどと安定化材18中を拡散し
てきた酸素とが反応して、Cuマトリックス11と安定
化材18との境界面に、Nbs 9n1Tiなどの酸化
物からなる拡散防止層17が形成される。
そして、この拡散防止層17が形成されることによって
、安定化材18がSnやNbなどで汚染されることが防
止される。
ちなみに、安定性のW準となるRRRと20[K]にお
けるρを比較するために、前述した従来の化合物超電導
線(線基および芯線数は上記実施例1と同一とする。)
と、第2図に示すこの実施例の構造の化合物超電導線の
上記特性をそれぞれ1lPl定したところ、従来構造の
ものではI? RI?が3.3、ρが0.3 Xl0−
’ [Ω・cIII]であったのに対して、この実施例
の構造のものではI? RRが233、ρが1.1×1
0−8[Ω・cIl]と、この実施例による化合物超電
等線は、拡散防止層17の存在によって安定化材の汚染
が防止され、電気抵抗の増大が明らかに抑制されている
ことが判明した。
また、これらの臨界電流密度をap1定したところ、従
来構造のものでは15テスラで45OA/u2であった
のに対し、この実施例の構造のものでは15テスラで8
0OA/mm2と、インサイチュ−法によるNb3Sn
16の存在によって超電導特性が明らかに向上している
ことが判明した。
さらに、これらの引張り強度を測定したところ、従来構
造のものでは13kg/ If 、  0.4%耐力で
あったのに対し、この実施例の構造のものでは20kg
/ds  O−4%耐力であった。これは、インサイチ
ュ−法によってNb3 Snl 6が析出したCu合金
マトリックス11の機械的強度が向上したためと考えら
れる。
実施例2 実施例1における安定化材18表面にCuの酸化物層を
形成する前の構造体を、大気を減圧し低真空(IXIO
o” Torr −IX to−’ Torr程度)状
態とした雰囲気中において700℃で30時間の条件で
熱処理し、Nb3 Snl 5.16を形成するととも
に、炉内に残留する酸素によって安定化材の表面に酸化
物層を連続的に形成し、この酸化物層からの酸素とNb
やNb3 Sn層を拡散してきたSnなどと反応させて
、これらの酸化物による拡散防止層17を形成した。
この実施例で得られたマルチ超電導線のRI?R。
電気抵抗および臨界電流密度を測定したところ、実施例
1と同等な結果が得られた。
実施例3 実施例1における素線の多数本を、安定化材となる無酸
素高純度Cu管からなる安定化材中に配置する際に、予
め最外層に位置する索線に安定化材に接する側が凹部を
有する形状となるように加工を施し、減面加工後に安定
化材表面からの距離が25〜30μ−程度の差を生じる
ように配置する以外は実施例1と同一条件でNb3Sn
マルチ超電導線を製造した。
このようにして得られた超電導線の断面を顕微鏡で観察
した。観察結果を第2図に模式的に示す。
同図から明らかなように、最外周側のコアのNb3 S
n層15外周のCu合金マトリックス11と安定化材1
8との境界面のうち、安定化材18の外表面により近い
部分に、不連続なNb5TiSSnの酸化物などからな
る金属酸化物層17が認められた。
また、この超電導線のRRRは230と、実施例1で作
製した超電導線と遜色なく、金属酸化物層からなる拡散
防止層17を不連続とすることによっても、安定化材1
8が汚染されることがないことを確認した。
このように、金属酸化物層からなる拡散防止層17を不
連続に形成することによって、Nb3 Sn層15が埋
設されているCu合金マトリックス11から安定化材1
8への熱伝導が極めて良好となり、より超電導線の安定
性が確保できる。
実施例4 実施例1における表面酸化処理前のマルチ超電導線の原
型となる構造体を、ステンレス波巻わくに18層にわた
って巻き重ね、この後、実施例1と同一条件でCuの酸
化物層の形成と、化合物超電導体の生成温度による熱処
理とを行い、超電導コイルを作製した。
この超電導コイルの各層のRRRを測定したところ、平
均200を示し各層による相違はほとんど認められなか
った。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、通常のチューブ法
による化合物超電導体とともに、インサイチュ−法によ
る化合物超電導体も形成されるため、臨界電流密度など
の超電導特性や引張り強度が向上し、かつ安定化材とC
u系マトリックス間に、超電導体構成元素などの酸化物
からなる強固な拡散防止層が形成されるため、安定化材
の導電性も維持され、安定性も向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例により製造された超電導線の
断面を模式的に示す図、第2図は本発明の他の実施例に
より製造された超電導線の部分拡大断面状態を示す図、
第3図は従来の方法により製造された化合物超電導線の
断面図である。 11・・・・・・Cu合金マトリックス、12・・・・
・・Nb3 Sn芯線、13・・・・・・Nbチューブ
、14・・・・・・Cu−Sn合金、15−・−・Nb
 3 Sn層、16・・・・・・繊維状Nb3 Sns
 17・・・・・・拡散防止層、18・・・・・・安定
化材。 出願人      株式会社 東芝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)化合物超電導体を含む芯線が多数埋設されたCu
    系マトリックスの外周側に安定化材を設けてなる化合物
    超電導導体において、 前記Cu系マトリックス内に前記芯線の化合物超電導体
    と同種の繊維状化合物超電導体が分布しているとともに
    、前記Cu系マトリックスと安定化材間に金属酸化物か
    らなる拡散防止層が設けられていることを特徴とする化
    合物超電導導体。
  2. (2)熱処理により反応して化合物超電導体を形成する
    化合物超電導体材料を含む多数の素線が埋設された前記
    化合物超電導体を構成する元素の1種を含有するCu系
    マトリックスの外周側に安定化材を一体化する工程と、 この一体化された構造体に、前記安定化材の表面に酸化
    物層を形成した後に真空中または非酸化雰囲気中で、あ
    るいは大気中の酸素分圧より低くかつ前記安定化材の表
    面に酸化物層を形成し得る酸素分圧下で、前記化合物超
    電導体の生成温度領域で熱処理を行う工程と を有することを特徴とする化合物超電導導体の製造方法
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008147175A (ja) * 2006-11-14 2008-06-26 Furukawa Electric Co Ltd:The パルス用NbTi超電導多芯線およびパルス用NbTi超電導成形撚線

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JP2008147175A (ja) * 2006-11-14 2008-06-26 Furukawa Electric Co Ltd:The パルス用NbTi超電導多芯線およびパルス用NbTi超電導成形撚線

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