JPH0225924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農園芸用栽培施設即ち温室やビニ
ールハウスのフイルムやネツト張設に用いたり、
ベツトの毛布やふとん取付け用に用いるクリツプ
に関する考案である。

従来、農園芸用の被覆体取付具として、針金に
巻着した樹脂シートを挟持片を介して取付けるよ
うにしたものは、実公昭56−７号等があるが、こ
れは、挟持片側方中央に固定用孔を有する突起を
設け、他方の挟持体に上記有孔突起を貫通する孔
を穿設して、これら両挟持体間に樹脂シートを挟
止し、上記突起を他方の孔に挿入し、これに固定
棒を通して固定するようにしたものであり、構造
が複雑であり止着操作も、煩雑であるし、なおこ
のクリツプは外方に突出部が多く被覆フイルムの
取外しや、上下調節、さらにはこれに被覆する遮
光シートや防風網かけ等の操作に大変不便であつ
た。

そこで本考案者は、これらの欠点を改良するた
め種々研究の結果、本考案に到達したものであ
る。

次に図面に示す実施例によつてこれを説明す
る。

成形容易な材料（例えばプラスチツク等）をも
つて第１〜第２図にみるように、中央部を凸出部
２を形成した挟持体１の内側面をほぼ水平とし、
この中央部に楔体挿入溝４を設け、その両側適宜
の一方に張線針金、または、ロープを挟持する溝
５を形成し、他方に遮光シートまたはベツトの毛
布等被着物を挟持する溝５を形成し、最外側に挟
持体１の係合部として凹溝６，６を設け、他側の
挟持体１′には、これに係合する突起７，７を形
成するか、又は一方の挟持体の係合部を凹溝と凸
部に形成し、他方の挟持体の係合部を、これに対
応した突起と凹溝とするに相対形状としたものを
中央薄膜部３により結合蝶着し、これら挟持体の
何れか一方、図面では、第５、第６図では、下方
の挟持体１の外側８′に楔体９の後端１０の一側
に固着した紐体８を接着した２段止着クリツプで
ある。

次に本考案の２段止着クリツプの使用の態様を
述べると、第７図にみるように、農園芸用施設即
ちガラス温室やビニールハウスＢの南側等を内部
作物によつては遮光せしめたい場合には、遮光ネ
ツトＮを巻着した針金R′を本クリツプの外側の
被着物挟持溝５，５′で挟持せしめ、他方即ち本
件クリツプ中央部の薄膜部に近い挟持溝５，５′
にハウス構成梁材又はこれと平行に張設した針金
等の張線Ｒを挟持せしめ、中央の楔体挿入溝に本
クリツプに接着した楔体９の前方細部９′より挿
入すれば、上下の挟持体１，１′は強力に結合し
てハウスに遮光ネツトＮを強固に取付けることが
できる。

又本実施例の遮光ネツトをビニールフイルムに
置き換えれば２重被覆のビニールハウスがきわめ
て簡単な操作により構成できるものである。

なお、本考案の楔体９の後端に突出端部１０を
形成して、ここに楔体取付紐体８を取付けに便利
にし、且つ、楔体を挟持体１の挿入溝４に挿入す
る時に親指の接触を便利にする効果をも有するも
のである。

次に、本考案の２段止着クリツプをベツトの毛
布やふとんの取付用とする場合の使用法について
述べると、第８図にみるように、ベツトの左右両
側枠適宜の位置に針金又はロープＲを取付け、毛
布または、ふとんＳには、その両側に紐R′を取
付けておき、前記ベツトの両側に取付けた針金ま
たはロープＲは本体２段止着クリツプの中央部薄
膜蝶着部に近い内側の挟持溝５，５′に挟持せし
め、他方即ち本クリツプ外側の挟持溝には前記毛
布又は、フトンＳとこれを取付けた紐R′を共に
挟持せしめ、本クリツプの中央部の楔体挿入溝
４，４に楔体９をもつて締結せしめれば、毛布や
ふとんＳかベツトからずり落ちが防止できるもの
である。

以上のように、本考案の２段止着クリツプは、
きわめて単純な形状と構造によつて、その被着物
挟持溝に被着物の挟持体（例えば針金やロープ
等）が強固に取付けられるとともに、上下両挟持
体１，１′自体も正位置をずれることなく、結合
し、又この部材即ち挟持体係合部６，７において
も被着物のネツトやフイルムが挟持できるもので
２重の強固な結合形態ができて強力な取付けがで
きるものであり、なお本考案は全体を合成樹脂
（例えばポリプロピレン等）により一体に形成し
たので、各部品が一体となつて構成され、紛失す
ることなく、使用に際しても部品の選別、採用に
気を使うことなく、しかも弾力性を有し強固な結
合と操作上の手触りもよく、しかも、構造が簡単
で、且つ外方への突起部がないので、前述したよ
うな従来品のような操作上の支障もなく、また製
作も容易で従つて価格も低廉である等の効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案品の展開した側正面図、第２図
はその平面図、第３図は展開したときの裏面図、
第４図は結合したときの側正面図、第５図は斜視
図で、第６図は楔体によつて結合したときの斜視
図、第７図はビニールハウスに本考案の２段止着
クリツプを使用したときの説明図、ロは拡大図、
第８図は本件クリツプをベツドの毛布やふとんに
使用した説明図、ロは拡大図。 １，１′……挟持体、２，２′……挟持体凸出
部、３……薄膜蝶着部、４……楔体挿入溝、５…
…被着物挟着溝、６……挟持体係合溝、７……挟
持体係合突起、８……紐状体、９……楔体、１０
……同端部、Ｒ……クリツプ取付用針金又はロー
プ、R′……被着物取付体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全体をプラスチツクをもつて一体に形成した挟
   持体の中央部に楔体挿入溝を設け、その両側一方
   に張線またはロープを挟持する溝を形成し、他方
   に被着物を挟持する溝を設け、各外側には挟持体
   の係合部を形成する凹溝と凸条を設け、これら両
   挟持体を中央部薄膜によつて蝶着せしめ、それら
   両挟持体の何れか一方端部に楔体を接着した紐状
   体を取付けた２段クリツプ。