JPH02257095A - 原子力施設用躯体の構築方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業の利用分野］ 本発明は原子炉圧力容器等の線源から発する放射線を遮
蔽する原子力施設用躯体の構築方法に係り、特に放射線
を遮蔽する躯体を薄形化することのできる原子力施設用
躯体の構築方法に関する。

［従来の技術］ 原子力発電所等の施設においては原子力圧力容器から発
する放射線を遮蔽するなめに原子力圧力容器の周囲には
躯体が立設されている。一般に、この躯体は安価なコン
クリート材で構成されている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、放射線の主たる遮蔽の目的はγ線が主体であ
り、このγ線を減衰するためには比重の大きな躯体が必
要である。

そこで、従来は放射線の強さに応じて躯体を構成するコ
ンクリート壁層を厚くしたり、コンクリート材内に骨材
として鉄鉱石を混入した重コンクリート壁層を採用して
いた。このため建屋内の有効スペースか小さくなる問題
かあった。

また、一般に遮蔽材としては鉛材が知られており、この
鉛材は容易に入手できる。そこで、コンクリート壁層に
沿って鉛シートを張り付けたり、鉛ブロックを積み重ね
たりしたものがあるが、張付は作業、積重ね作業が繁雑
でありかつ労力を要する。また、コンクリ−１〜を中に
鉛材を埋設することも考えられる。この場合、コンクリ
−１〜中の水分や・骨材中から溶は出すアルカリ成分で
船拐がｉｆ￥４１シ、鉛材に空洞ができ、十分な遮蔽効
果が得られないことが考えられる６ 本発明は上記事情を考慮してなされたものである。

本発明は放射線を遮蔽する原子力施設用躯体の構築方法
において、躯体の薄形化を可能にし、建屋の有効スペー
スを拡大すると共に並木製造作業の省労力化を達成する
ことのできる原子力施設用躯体の構築方法を提供するこ
とを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 原子力圧力容器等から発する放射線を遮蔽する原子力施
設用躯体の構築方法において、上記放射線を遮蔽すべく
鋼製の中空壁を形成し、その中空壁内に鉛粉を充填した
後これを溶融し凝固させて船壁を形成し、さらに上記中
空壁の外側にコンクリート壁層を被覆するようにしたも
のである。

［作用］ 先ず、基礎上に鋼製中空壁を立設する。

次いで、この中空壁内に鉛粉を投入し充填した後、その
鉛粉を加熱溶融し凝固させる。これにより、中空壁内に
は船壁が成型されることになる。

この船壁が成型された後はその中空壁にコンクリート壁
層を被覆し、躯体の完成に至る。

したがって、船壁を覆うように鋼製中空壁からなる囲壁
が形成され、その囲壁の外側を被覆するコンクリート壁
層か形成されるという躯体が構成されることになる。

［実施例］ 以下本発明の一実施例を添付図面に従って詳述する。

第１図に示すように、原子力施設においては原子力圧力
容器１か設けられる。この原子炉圧力容器１の周囲には
これより発する放射線を遮蔽するための躯体２が形成さ
れ、この躯体２は原子炉圧力容器１と同一基礎３上に並
行に立ち上がって設けられる。

また、躯体２はその中心部分に鋼製の中空壁４が埋設さ
れる。

この中空を４には基礎３に設けられる埋込み金物５から
上方に立ち上がって設置され、その埋込み金物５は基礎
内３に挿入される複数本の脚部６を有すると共にこの各
脚部６には、Ｕ礎３の表面部に沿って敷設される平板部
７が接合される。

また、中空壁４には即込み金物から互いに並行に離間さ
れた内壁８と外壁９とが立ち上がって設けられると共に
、これら内外壁８，９間には互いに相向い合うように上
向きに断面り字形に折り曲けられた防撓材１０が上下方
向に等間隔に設けられ、この防撓材１０にはこれを上下
方向に貫通ずる空気穴１１が形成される。また、これら
内外壁８．９の上部には蓋体１２が接合される。

また、中空壁４にはその内側部に船壁１３か形成される
と共に外側部にはコンクリ−１−を層１４が被覆される
ようになっている。したかって、最・も内側に船壁１３
が形成され、その外側を中空壁４からなる鋼製囲壁を介
してコンクリ−１〜壁層１４が覆う躯１４〈２が形成さ
れることになる。

そこで、このように船壁１３を有する躯体２を構築する
にあっては先ず、第２図に示すように、基礎３に埋込み
金物５を形成することになる。この埋込み金物５は基礎
３内に脚部６を挿入した後これに基礎３の表面部に沿っ
て平板部７を接合することになる。

次いで、第３図に示すように、埋込み金物５上には鋼製
中空壁４が立設される。この場合には平板部７上に互い
に並行に離間させて内壁８と外壁９とが溶接接合されて
立脚されると共に、これら内外壁８，９の内側に形成さ
れる中空室２１には防撓材１０が互いに向かい合うよう
に上下方向に等間隔に取り付けられる。２２は溶接部で
ある。

このように、基礎３上に内外壁８，９が立ち上かつて取
り付けられた後にはこれら内外壁８，９の間に形成され
る中空室２１に鉛材の鉛粉２３が投入される。すなわち
、第４図に示すように、内外壁８．９の上部には開口部
２４が形成され、この開口部２４にはこれに臨んで鉛粉
２３を供給するための供給ホース２５が指向され、内外
壁８．９間には連続的に鉛粉２３が供給される。したが
って、内外壁８，９の」二部に形成される開口部２４は
鉛粉２３を投入するための投入口を形成することになる
。

このように鉛粉２３が連続的に供給されると、第５図に
示すように、内外壁８，９間にはその底部から順次上方
に鉛粉２３が収納されることになり、この鉛粉２３は内
外壁８，９の開口部２４に亘って充分に供給されて充填
されることになる。

次に、このように充填された鉛粉２３を加熱溶融する。

そのために先ず、第６図に示すように内外壁８，９に加
熱溶融手段２５を収り付りることになる。

この加熱溶融手段２５は電源２６にケーブル２７を介し
て接続される加熱コイル２８によりｉＭ成され、この加
熱コイル２８は内外壁８，９の外側に沿って上下方向に
等間隔に配設される。そこで、この加熱コイル２８が発
熱すると内外壁８つを介してその内部に充填される鉛粉
２３が加熱され溶融される。したがって、内外壁８，９
間には第７図に示すように、溶融鉛２９か収容されるこ
とになる。この後、同図に示すように、内外壁８．９の
上部に蓋体１２を接合し、内外壁８つの開口部２４を閉
塞することになる。また、溶融鉛２つは除熱されて凝固
され、第８図に示すように、内外壁８，９内に船壁１３
を成型する。

船壁１３を成型する際にはその溶融鉛２９が自然冷却さ
れて除熱され、鋳縮みによる空隙の発生および割れを防
止することになる。また、防撓材１０には予め空気抜き
穴１１が形成されており、このため、防撓材１０の取付
は周辺部に空隙が形成されることを防止でき、溶融鉛２
９を十分に充填することかできる。

したがって、第８図に示すように船壁１３は中空壁４か
らなる鋼製の囲壁で被覆されることになる。

このように、船壁１３及びこれを覆うように鋼製中空壁
４からなる囲壁が形成された後は第８図に示すように、
その中空壁４の外側を覆うようにコンクリートを打設し
てコンクリ−１−壁層］４を形成する。このコンクリ−
１・壁層１４が中空壁４を被覆することにより躯体２の
完成に至る。なお、コンクリート壁層１４を形成する際
にはそのコンクリ−１〜壁層１４に対する熱的影響を回
避するなめに、船壁１３が常温に達してからコンクリー
トの打設がなされる。図示例においては船壁１３の厚さ
に対して略２倍の厚さを有するコンクリ−１〜壁層１４
が形成されている。

このように本発明はコンクリート壁層１４内に溶融鉛を
凝固させて船壁１３を形成する□ものであり、その船壁
１３により躯体２を薄形化でき建屋等の原子力施設の有
効スペースを拡大できると共に、溶融鉛２９で船壁１３
を形成するので躯体２を容易に形成できる。また、コン
クリート壁層１４を形成する際には船壁１３を覆う中空
壁４にコンクリート材を打設するなめ、コンクリ−１・
中のアルカリ成分により船壁１３がｒｌＳ蝕されること
はない。

また、船壁１３中には中空壁４がら延出される防撓材１
０が埋設されるので、船壁１３が補強され、薄化しつつ
躯体２の機織的強度をたかめることかできる。更に、防
撓材１０に空気抜は穴１１が形成されるため、溶融鉛２
つの充填率か高く、遮蔽効果が高い躯体２を得ることが
できる。

［発明の効果コ 以上要するに本発明によれば、次の如き優れた効果を発
揮する。

（１）中空壁内に鉛粉を加熱溶融し凝固させて船壁を成
型し、その中空壁の外側にコンクリ−、ト壁層を被覆し
て躯体を形成したので、躯体を薄形化でき原子力施設の
有効スペースを拡大することができる。

（２）溶融鉛で船壁を形成するので、躯体を容易に形成
でき労力を低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は原子力施設を示す断面図１、第２図は躯体の埋
込み金物を示す断面図、第３図は中空をの設置段階を示
す断面図、第４図は鉛粉の投入状態を示す断面図、第５
図は鉛粉の充填状態を示す断面図、第６図は鉛粉の加熱
状態を示す断面図、第７図は中空壁および溶融鉛を示す
断面図、第８図は中空壁の外側に＝１ンクリー１〜壁層
を被覆した状態の断面図である。 図中、１は原子力圧力容器、２は躯体、４は鋼製中空壁
、１３は船壁、１４はコンクリート壁層である。 特許出願人　　石川島播磨重工業株式会社代理人弁理士
　　絹　　　谷　　　信　　　雄（外１名）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、原子力圧力容器等から発する放射線を遮蔽する原子
   力施設用躯体の構築方法において、上記放射線を遮蔽す
   べく鋼製の中空壁を形成し、該中空壁内に鉛粉を充填し
   た後これを溶融し凝固させて鉛壁を形成し、さらに上記
   中空壁の外側にこれを覆うようにコンクリート壁層を打
   設するようにしたことを特徴とする原子力施設用躯体の
   構築方法。