JP2001296392A - 放射性物質貯蔵設備 - Google Patents

放射性物質貯蔵設備

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート遮蔽体の熱によるひび割れや、
水分の損失を効果的に防止し、放射線遮蔽能力を長期間
にわたって維持することができ、外部応力による損傷が
少ない、耐久性に優れた放射性物質貯蔵設備を提供す
る。 【解決手段】 放射性物質を密封した密封体11の外側
を円筒状のコンクリート製遮蔽体12で囲み、該密封体
11と該遮蔽体12との間に空気流入空間14を設け、
該空気流入空間の内部を流れる空気により放射性物質が
発生する熱を除去する放射性物質貯蔵設備10であり、
円筒状のコンクリート製遮蔽体12aの外周を鋼鈑など
のライニング材13で被覆し、且つ、円筒状遮蔽体12
の外周近傍にひび割れを誘発する屈曲した形状の仕切り
板18を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射性物質を密封し
た密封体から出る放射線を遮蔽するための放射性物体貯
蔵容器、放射性遮蔽構造物等の放射性物質貯蔵設備に関
し、詳細には熱及び外部雰囲気条件による遮蔽体の劣化
を防止し、放射線遮蔽性能及び耐久性に優れ、且つ、外
部荷重による損傷が少ないメンテナンス容易な放射性物
質貯蔵設備に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済燃料集
合体を、解体処理すると共にプルトニウム等の再度燃料
として使用できる有用物質を回収するため、再処理する
計画がある。従来、このような使用済燃料は、その再処
理を行うまでの間、原子炉の燃料集合体プール等に一次
保管されてきたが、年々増大する使用済燃料によりプー
ル等の保管設備の収容能力が限界に達するおそれがあ
る。そこで、再処理を行うまでの間、安全に、安価にか
つ取り出し可能な状態で使用済燃料を長期間保管できる
設備が必要となってきている。
【0003】このような設備として空気による自然冷却
を行う乾式法の開発が進められ、プールに比べて運転コ
ストの低いことが注目されている。乾式法は、溶接密封
金属容器(以下、キャニスタという)を用いた方法と輸
送キャニスタに似た金属キャスク法との2つに大きく分
類される。キャニスタ方式は、さらに多数のキャニスタ
を1つの貯蔵設備で遮蔽するボールト方式と、1つのキ
ャニスタを1つのコンクリート構造物で遮蔽するサイロ
若しくはコンクリートキャスク方式とに分けられる。そ
れぞれの方式に一長一短があるが、低コストであること
から近年米国ではコンクリートキャスク方式が注目され
てきている。図3、及び図4は従来のコンクリートキャ
スク方式に使用されるコンクリートモジュールの水平方
向及び垂直方向の概略断面図を示している。
【0004】このコンクリートモジュール30は、キャ
ニスタ31とコンクリート遮蔽体32とから基本的に構
成されている。キャニスタ31は使用済燃料集合体を複
数封入した溶接密封構造であり、封入した内部の放射性
物質が外部に漏洩しない構造を有し、円筒状に形成され
ている。このキャニスタ31は円筒状のコンクリート製
の遮蔽体32の中に装荷される。キャニスタ31と遮蔽
体32との間には冷却空気流路33を形成する一定のギ
ャップが設けられている。この冷却空気流路33に外部
空気を導入するために、遮蔽体32の底部側には冷却空
気入口34が設けられ、遮蔽体32の上部側には冷却空
気出口35が設けられている。また、遮蔽体32の冷却
空気流路33の内面には金属製のライナー36が設けら
れている。
【0005】通常、使用済燃料からは崩壊熱に伴う発熱
と放射線の発生を伴う。従って、このコンクリートモジ
ュール30では使用済燃料の冷却、放射線の遮蔽、放射
性物質の密封性能が必要になる。コンクリートキャスク
方式では、冷却はキャニスタ31と遮蔽体32間の冷却
空気流路33を流れる空気で、遮蔽は遮蔽体32で、密
封はキャニスタ31で担保する。また、コンクリートモ
ジュール30の強度も遮蔽体32で担保される。ここ
で、密封では絶対に放射性物質が外部に漏洩しないこ
と、遮蔽では貯蔵施設内や施設外の放射線量が法律に規
定された基準値以下であること、冷却では、貯蔵期間
中、キャニスタの表面温度やコンクリート製遮蔽体32
の温度がキャニスタやコンクリートの性状に悪影響を与
えないようにすることが要求されている。
【0006】ところで、従来のコンクリート製遮蔽体で
は、外表面は常温であるが、内表面は使用済燃料からの
崩壊熱により高温となり、内外表面における温度差が大
きくなって、熱応力(内周部で圧縮応力、外周部で引張
応力)が作用し、外周部での引張り応力がコンクリート
の引張り強度より大きくなることが多く、このため外周
部にひび割れが発生する要因となっている。過度にひび
割れが発生した遮蔽体は耐久性や放射線遮蔽性能が低下
して、使用に適さなくなるという問題があった。この熱
によるひび割れの影響を防止するため、例えば、周知の
技術としてプレストレスト導入し熱応力による引張力を
キャンセルする方法がある。また、特開平7−2789
7号公報、同8−43591号公報には、キャニスタと
遮蔽体との間に遮熱板或いは遮蔽体内部にヒートパイプ
を配置する構造が開示されている。このような構造にお
いては、プレストレス導入工法は技術的には可能である
が高コストであり、遮熱板やヒートパイプによればコン
クリート遮蔽体の内部温度の上昇をある程度抑えること
は期待できるが、内外面温度差やコンクリートの乾燥収
縮によりコンクリート遮蔽体の外表面に発生するひび割
れや外表面より進むコンクリートの経年劣化(中性化、
塩分の浸入等)を防止することは困難であり、さらに、
高コストであるという問題があった。
【0007】このような温度差による劣化の問題のみな
らず、従来の鉄筋コンクリート製放射性物質貯蔵設備で
は、コンクリート遮蔽体が高温環境下に置かれるため、
乾燥によりコンクリート中の水分が徐々に失われ、中性
子線に対する遮蔽効果が長期的なスパンではあるが、経
時により低下するという共通の問題がある。このため、
低コストで、長期間にわたり遮蔽性能の低下が無く、耐
久性に優れ、さらに、外部からの荷重に対する安全性に
も優れた放射性物質貯蔵設備が切望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景に鑑みてなされたものであり、本発明の目的はコンク
リート遮蔽体の放射能遮蔽性能に影響を与えるようなひ
び割れや、水分の損失を効果的に防止することにより、
放射線遮蔽能力を長期間にわたって維持することがで
き、且つ、外荷重による損傷が少ない、耐久性に優れた
放射性物質貯蔵設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、円筒状のコンクリート遮蔽体の外周面を鋼鈑など
のライニング材で被覆し、外周部近傍に温度ひび割れ誘
発用の仕切り板を配置することで、前記問題を解決し得
ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の放
射性物質貯蔵設備は、放射性物質を密封した密封体の外
側を円筒状のコンクリート製遮蔽体で囲み、該密封体と
該遮蔽体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間
の内部を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除
去する放射性物質貯蔵設備において、該円筒状のコンク
リート製遮蔽体の外周を鋼材などのライニング材で被覆
し、且つ、その外周近傍に、温度ひび割れを誘発するた
めの屈曲した形状の仕切り板を配置してなることを特徴
とする。
【0010】本発明によれば、コンクリート製遮蔽体の
外周を被覆するライニング材が内部コンクリートを拘束
する役割を果たし、強度向上を図れるとともに、外周部
に被覆層を設けることでコンクリート表面からの水分の
損失を抑制することができ、水分の損失に伴う中性子線
に対する遮蔽効果の低下を防止することができる。さら
に、円筒状のコンクリート製遮蔽体の外周近傍に、温度
ひび割れを誘発するための屈曲した形状の仕切り板を配
置することにより、この仕切り板に沿って温度ひび割れ
を誘発させ、放射線遮蔽性能に影響を与えるような貫通
ひび割れ等を防止することができるとともに、ひび割れ
の間を通る放射線の透過を防止することができる。本発
明の放射性物質貯蔵設備において、円筒状のコンクリー
ト製遮蔽体の外周部を被覆する金属性ライナーなどのラ
イニング材にメンブレン構造要素として、内部コンクリ
ートを拘束する役割を付与するとともに、さらに、円筒
状のコンクリート製遮蔽体の内側領域には、円周方向及
び鉛直方向の補強鉄筋を配置することで、地震などの外
部荷重に対する抵抗性を向上させる態様をとることが好
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の放射性物質貯蔵設備は、放射性物質を密封
した密封体の外側に配置される外周表面をライニング材
により被覆してなる円筒状のコンクリート製遮蔽体と上
下の円板より構成し、該密封体と該遮蔽体との間に空気
流入空間を設け、該空気流入空間の内部を流れる空気に
より放射性物質が発生する熱を除去し、円筒状遮蔽体を
構成する金属製のライニング材と、好ましくは内部に鉄
筋による補強構造を設けたコンクリートにより、コンク
リート遮蔽体の内外面温度差による熱応力や放射性物質
貯蔵設備に作用する地震等の外部応力に抵抗する構造を
実現したものである。
【0012】以下、図面を参照し、本発明の態様を具体
的に説明する。図1及び図2は本発明の第1の実施の形
態に係る放射性物質貯蔵設備10の水平方向の概略図及
び垂直方向の概略断面図を示す。この放射性物質貯蔵設
備10は、キャニスタ11とコンクリート遮蔽体12か
ら構成される。キャニスタ11は円筒状であり、内部に
は放射性物質が密封されている。
【0013】コンクリート製遮蔽体12は、外周表面を
ライニング材13で被覆された鉄筋コンクリート製の円
筒部分12aとこれを支持する厚肉円板(下蓋)12
b、及び、キャニスタ搬入出口の上蓋12cより構成さ
れている。遮蔽体12の内径とキャニスタ11の外径と
の間の間隙は冷却空気流路14として機能する。
【0014】外周に使用されるライニング材13として
は、公知のもの、例えば、鋼鈑等の金属板、高強度エン
ジニアリングプラスチック、繊維補強プラスチック等の
成形体、炭素繊維や高強度ポリアミド系繊維などで補強
した帯状の樹脂板や金属板を巻きつけてなるライニング
材など、を適宜選択して使用することができるが、強
度、耐久性を考慮すれば、一般構造用圧延鋼材、溶接構
造用圧延鋼材などの鋼板等が好ましく挙げられる。ま
た、ライニング材の厚みには特に制限はないが、鋼板を
用いる場合には、効果と経済性の観点から、一般的に
は、5〜20mmの範囲であることが好ましく、さらに
は、10〜15mmの範囲が好適である。ライナー13
の厚みが薄すぎると強度の向上効果が不充分となり、厚
すぎると経済性の観点から好ましくない。
【0015】遮蔽体12の下側には、遮蔽体外部と冷却
空気流路14を連通するための単数又は複数の冷却空気
流路15が形成されている。この入り口側の冷却空気流
路15は、外側に水平に形成された第1水平部、第1水
平部の内側の端部から上に伸びる垂直部、及び垂直部の
上側端部から内側に水平に伸びる第2水平部から構成さ
れている。第1水平部の上面は第2水平部の下面と同一
平面上に又は第2水平部の下面の下側に位置し、これに
より第2水平部を通った放射線が屈曲部の壁面で反射さ
れて外部に漏洩しないようになっている。なお、各水平
部は内側になるにつれて上に傾斜してもよい。遮蔽体1
2の入口側の冷却空気流路15より上側の内部には図示
しない複数の突起が形成されており、この突起によりキ
ャニスタ11が遮蔽体12に支持される。
【0016】また、遮蔽体12の上部には、遮蔽体の下
側に形成された冷却空気流路(入口側)15に対向する
位置に冷却空気流路(出口側)16が形成されている。
この冷却空気流路(出口側)16は内側に水平に形成さ
れた第1水平部、第1水平部の外側の端部から上に伸び
る垂直部、及び垂直部の上側端部から外側に水平に伸び
る第2水平部から構成されている。第1水平部の上面は
第2水平部の下面と同一平面上に又は第2水平部の下面
の下側に位置し、これにより第1水平部を通った放射線
が屈曲部の壁面で反射されて外部に漏洩しないようにな
っている。なお、各水平部は外側になるにつれて上に傾
斜してもよい。これらの冷却空気流路(入口)15及び
冷却空気流路(出口側)16の内側には、ライニング材
13が取り付けられている。なお、キャニスタ11に面
する内周面のライニング材17には、遮蔽体12の温度
上昇による劣化を抑制するため、必要に応じてセラミッ
ク系等の断熱材を設置することもできる。
【0017】冷却空気は冷却空気流路(入口)15から
遮蔽体内部の下側に導入され、冷却空気流路14を通過
する際に遮蔽体12内に装填されたキャニスタ11を冷
却し、自然対流により遮蔽体内を上昇して冷却空気流路
(出口側)16から排気される。この過程において、キ
ャニスタ11内の放射性物質から出る崩壊熱は、冷却空
気流路14を通る空気の自然対流により外部に排出され
ると共に、崩壊熱の一部はコンクリート製遮蔽体12を
構成するコンクリートに伝達される。本発明によれば、
円筒状のコンクリー卜製遮蔽体12aの表面は鋼板等の
ライニング材13で覆われており、コンクリートの中性
化や飛来塩分の侵入等による耐久性の低下を防止できる
とともに、コンクリート中の水分が外部に逸散しないた
め、中性子線等に対する遮蔽性能の低下を防止できる。
【0018】本態様では、円筒状遮蔽体12aの外周表
面を被覆するライニング材13の近傍に円筒の半径方向
に屏風状の仕切り板18を設置している。この屈曲した
形状の仕切り板18に沿って温度ひび割れを誘発するこ
とにより、ひび割れの間を通した放射線の直線的な透過
を防止し、遮蔽性能を確保することができる。この仕切
り板18は、円筒部12aを周方向に等分割するよう設
置することが望ましく、設置箇所数は6ないし8ヶ所程
度が適当と考えられるが、これに制限されるものではな
い。なお、仕切り板18の形状は、本態様では屏風状の
ものを用いているが、屈曲した形状を有するものであれ
ば、仕切り板近傍に生じる可能性のあるコンクリートの
温度ひび割れに対して、キャニスタ11より発せられる
放射線が温度ひび割れを透過しない程度の大きさを有す
る限りにおいて、その形状に特に制限はなく、波形状、
屏風状あるいはこれらと同等の屈曲した任意の形状を選
択することができる。これらを考慮すれば、仕切り板1
8は、厚み10〜20mm程度、屈曲のピッチが100
〜300mm程度であることが好ましい。
【0019】また、仕切り板18の表面には、仕切り板
とコンクリートとのずれを防止し、コンクリートのせん
断力の伝達を図る目的で、凹凸を設けることが好まし
い。この凹凸の態様としては、例えば、厚さ5〜10m
m、直径20〜30mm程度の円板状の凸部を、仕切り
板の表面にピッチ50mm程度に設ける態様等が挙げら
れる。仕切り板18の材質としては、形成する凹凸や屈
曲形状の加工容易性や放射性物質貯蔵設備構築時の施工
性及び各種放射線に対する遮蔽性能を考慮すると、繊維
補強モルタル等のセメント系成型板やセラミック系成型
板等の無機質材料を用いることが適当である。また、所
定の凹凸形状を形成した鋼板を用いることも可能であ
る。
【0020】本態様では、強度を確保するために鉄筋コ
ンクリート構造の遮蔽体の構成を採用しており、円筒状
のコンクリート遮蔽体12aの内側領域には、円周方向
の補強鉄筋19と鉛直方向の補強鉄筋20が配置されて
いる。このように鉄筋コンクリート構造の円筒状遮蔽体
12aに屈曲形状の仕切り板18を配置する場合には、
図2に示すように、円筒状遮蔽体12aの外周部近傍に
仕切り板18を配置して、ひび割れの防止を図るととも
に、内周部近傍に補強鉄筋19、20を設ければよい。
このような構造とすることで、円筒部12aを地震荷重
に対する抵抗要素として利用することができる。また、
遮蔽体12a外周部表面のライニング材13をメンブレ
ン構造要素として、内部コンクリートを拘束する役割を
付与することにより、ひび割れや外力に対する抵抗力を
向上させることができる。
【0021】このような構造とすることで、コンクリー
ト遮蔽体円筒部12aの外側領域は主として放射線の遮
蔽に寄与し、内側領域は放射線の遮蔽と地震時の抵抗要
素との二つの機能を有する領域となる。これらの区分、
すなわち、仕切り板18の長さや配置数、補強鉄筋の強
度(太さ、材質)や配置の位置、配置ピッチは、コンク
リート遮蔽体の受ける温度条件や付与すべき耐震性能に
応じて適宜決めればよい。
【0022】ここで、この円筒状コンクリート製遮蔽体
12aの製造方法について説明する。円筒状遮蔽体12
aを形成する際に、型枠として前記ライニング材13と
金属製ライナー17を使用し、内部に補強用鉄筋19、
20を配置して、内周部の金属製ライナー17と外周部
のライニング材13とを、例えば、タイバー等により一
定の間隔を有するように固定し、このライニング材13
と金属製ライナー17で形成された二重円筒を型枠とし
てその中に遮蔽体を形成するためのコンクリートを打設
し、硬化させて円筒状のコンクリート製遮蔽体12aを
製造する。このとき、内部に仕切り板18も予め配置す
ることで、仕切り板18と内部コンクリートとの一体化
を図ることができる。この方法によれば、ライニング材
13と金属製ライナー17がコンクリート打設時の型枠
を兼ねるため、型枠材料が不要となり、工期の短縮も達
成することができる。
【0023】本発明の遮蔽体12を構成するコンクリー
トとしては、公知のものを適宜、使用することができ、
その製造方法としては、例えば、ミキサーにセメント及
び細骨材・粗骨材を順次投入して数秒間空練りをした
後、必要に応じて、セメント分散材や減水剤等の添加剤
を水とともに加えて練り混ぜ、得られたペースト状のコ
ンクリート組成物を型枠に打設して製造する方法が挙げ
られる。
【0024】ここで、使用可能なセメントとしては、普
通セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメン
ト等の各種ポルトランドセメントのほか、高炉セメン
ト、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント
等の各種混合セメントを使用できる。また、必要に応じ
て、本発明の効果を損なわない範囲で、これらのセメン
トに、高炉スラグ微粉末、硅石粉、石灰石粉、シリカヒ
ューム微粉末等の無機質粉体を添加して用いることもで
きる。
【0025】なお、コンクリート遮蔽体の製造に際し、
凝固時に膨張性のあるコンクリートを使用することによ
り、膨張が周囲のライニング材により拘束されるため、
コンクリート遮蔽体に圧縮力が導入され、温度ひび割れ
防止や低減に効果的である。このような膨張性のあるコ
ンクリートとしては、アルミナ粉を主成分とする膨張剤
を添加した膨張コンクリート等が挙げられる。
【0026】前記実施態様の利点としては、放射性物質
貯蔵容器表面がライニング材で被覆され、コンクリート
面が露出しないため、耐久性が向上し、また、外周面に
ライニング材が存在するため、地震等の外部荷重を受け
ても損傷が少なく、また、ひび割れも露出しないため、
地震等の災害が起こった後も引き続き使用できる可能性
が大きい点、貯蔵容器全体がライニング材に覆われてい
るため、維持・保守が、定期的な鋼板の塗装程度です
み、メンテナンスが容易である点、外周表面のライニン
グ材によりコンクリート中の水分の逸散が防止されるた
め、長期間にわたり中性子線等に対する遮蔽効果が維持
される点、などが挙げられる。
【0027】
【発明の効果】本発明の放射性物質貯蔵設備によれば、
キャニスタの発熱によるコンクリート遮蔽体の劣化を防
止し、長期間にわたり耐久性や遮蔽性能に優れたメンテ
ナンス容易な放射性物質貯蔵設備を構築することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る放射性物質
貯蔵設備の水平方向の概略断面図を示す。
【図2】 図1の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略
断面図を示す。
【図3】 従来の放射性物質貯蔵設備の水平方向の概略
断面図を示す。
【図4】 図3の放射性物質貯蔵設備の垂直方向の概略
断面図を示す。
【符号の説明】
10 放射性物質貯蔵設備 11 キャニスタ 12 コンクリート製遮蔽体 12a 円筒状のコンクリート製遮蔽体 12b 遮蔽体の下蓋 12c 遮蔽体の上蓋 13 ライニング材(外周表面) 14 間隙(冷却空気流路) 15 入口側の冷却空気流路 16 出口側の冷却空気流路 17 金属製ライナー(内周表面) 18 仕切り板 19 円周方向の補強鉄筋 20 垂直方向の補強鉄筋

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性物質を密封した密封体の外側を円
    筒状のコンクリート製遮蔽体で囲み、該密封体と該遮蔽
    体との間に空気流入空間を設け、該空気流入空間の内部
    を流れる空気により放射性物質が発生する熱を除去する
    放射性物質貯蔵設備において、該円筒状のコンクリート
    製遮蔽体の外周をライニング材で被覆し、且つ、該円筒
    状のコンクリート製遮蔽体の外周近傍に温度ひび割れを
    誘発するための屈曲した形状の仕切り板を配置すること
    を特徴とする放射性物質貯蔵設備。
  2. 【請求項2】 前記円筒状のコンクリート製遮蔽体の内
    側領域に円周方向及び鉛直方向の補強鉄筋を配置するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の放射性物質貯蔵設備。
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