JPH0225569Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は熱交換ユニツト、特に多板式オイル
クーラの熱交換器に配置され、組立て容易な熱交
換ユニツトに関連する。

従来の技術 従来のオイルクーラ等の熱交換器では、特公昭
55−48238号公報に示される通り、熱交換室内に
多数のプレート即ち金属板が配置され、これらの
プレートにより高温流体通路と低温流体通路が形
成される。このような熱交換器を製造する時、
種々形状のロウ材をプレート間に配置した後、そ
の組立体は高温炉内でロウ付けされる。第５図に
ついてそのロウ付け部分を説明すると、プレート
５１，５２は接合面５５でロウ接されると共に、
プレート５１は接合面５６でコルゲートフイン５
３とロウ付けされる。プレート５２は接合面５７
でコルゲートフイン５４とロウ付けされる。この
ように従来のプレートではロウ接に必要な種々形
状のロウ材を準備し、組立て時に各ロウ材を正し
い位置に配置しなければならない。

考案が解決しようとする問題点 上述のように、従来のプレートでは種々形状の
ロウ材をあらかじめ準備し、これらを適正位置に
配置しなければならない。このため組立てに長時
間を必要とし、かつ部品点数が増加する。特に薄
いラミネート状ロウ材をプレート間に確実に配置
する作業は煩雑で長時間を要する。

問題点を解決するための手段 この考案ではロウ材で被覆されたプレートで形
成された熱交換ユニツトは、それぞれ一面にロウ
材が被覆された第一のプレートと第二のプレート
とからなる。第一のプレートは開口部と、開口部
の周囲に形成された角度180゜の折曲部とが設けら
れる。第二のプレートは開口部が設けられる。第
一のプレートと第二のプレートのロウ材が被覆さ
れた面が外側となるように、第一のプレートの折
曲部のロウ材に第二のプレートのロウ材が被覆さ
れていない面が接合される。第一のプレートと第
二のプレートとを通じて第一の通路が形成され
る。第一のプレートと第二のプレートとの間に第
一の通路とは分離された第二の通路が形成され
る。

作 用 この考案の熱交換ユニツトでは、ロウ材が常に
外側面を形成するので、各プレートを重ねればロ
ウ材部分が直接隣接プレートと接触し、種々形状
を有する薄板状ロウ材を使用する必要がない。

実施例 以下この考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図に示すように、この考案の熱交換ユニツ
トは、第一のプレート１０と第二のプレート１５
とを有する。第一のプレート１０及び第二のプレ
ート１５は、一面にロウ材１１，１６で被覆され
た金属製プレート材料１２，１７で形成される。
第一のプレート１０は開口部１０ａと、開口部１
０ａの周囲に形成された第２図に示す通り中心線
Ｌに沿い角度θ≒180゜の折曲部１８を有し、コル
ゲートフイン１３と接触するロウ材１１が折曲部
１８では角度φ≒360゜の外側面を形成し第二のプ
レート１５と接触する。第二のプレート１５は開
口部１５ａと、第３図に示す通りプレート材料１
２の板厚の中心線に沿い開口部１５ａの周囲に形
成された角度θ＝90゜の折曲部１９を有し、コル
ゲートフイン１４と接触するロウ材１６が折曲部
１９では角度φ＝270゜の外側面を形成する。ロウ
材１１，１６が被覆されたプレート材料は、クラ
ツド材として成形され、ロウ材は接着メツキ又は
ロウ付けによりプレート材料の片面に被覆され
る。ロウ材１１，１６は通常アルミニウム系ロウ
材を使用するが、他のロウ材を使用してもよい。
プレート材料１２，１７は板状ステンレス鋼又は
アルミニウム系金属が使用される。

ロウ材１１，１６が被覆されたプレート材料１
２，１７は板材料からそのまま所定の最終形状に
プレス成形され、ロウ材とプレート材料とを一部
品として取り扱うことができる。

第４図はこの考案の熱交換器用第一のプレート
１０，１５を使用して製造された多板式熱交換器
の例を示す。熱交換器２０は円筒形ケース２１で
形成された熱交換ユニツト２３が配置される。各
熱交換ユニツトは第一のプレート１０及び第二の
プレート１５で構成される。第一のプレート１０
と第二のプレート１５との間に形成された高温通
路２４には必要に応じコルゲートフイン２５が配
置される。第一のプレート１０及び第二のプレー
ト１５は第４図のように重ねられ、ロウ材１１，
１６は第一のプレート１０と第二のプレート１５
の両側で隣接するプレートと接触する。

第一のプレート１０と第二のプレート１５のロ
ウ材１１，１６が被覆された面が外側となるよう
に、第一のプレート１０の折曲部１８の上面に設
けられたロウ材１１に第二のプレート１５材料の
ロウ材１６が被覆されていない面が接合される。
第４図に示すように、第一のプレート１０と第二
のプレート１５とを通じて第一の通路３０が形成
されると共に、第一のプレート１０と第二のプレ
ート１５との間に第一の通路３０とは分離された
第二の通路３１が形成される。

この考案の実施例は、同一技術的範囲内で変更
が可能である。例えば第一のプレート１０及び第
二のプレート１５のロウ材１１，１６を熱交換器
２０の中心に配置されたパイプ２６又は上板２７
若しくは下板２８と接合させてもよい。又、折曲
部１８，１９を円弧状に形成し、所定角度まで変
形させてもよい。

考案の効果 この考案では金属製プレート材料に被覆された
ロウ材がφ＝270゜以上の外側面を折曲部で形成す
るので、各プレートを重ねればロウ材料部分が直
接隣接プレートと接触する。従つて熱交換器の組
立ての際種々形状の薄いロウ材を使用する必要は
ない。また、プレート材料に予めロウ材を被覆
し、これらを一体にプレス成形できるので熱交換
器を短時間で組立てることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による熱交換器用プレートの
使用状態を示す部分断面図、第２図は、第１図の
プレートの部分的拡大図、第３図は、第１図の他
のプレートの部分的拡大図、第４図はこのプレー
トを使用した熱交換器の断面図、第５図は従来の
熱交換器用プレートの使用状態を示す部分断面図
である。 １０……第一のプレート、１０ａ，１５ａ……
開口部、１５……第二のプレート、１１，１６…
…ロウ材、１２，１７……プレート材料、１８…
…折曲部、３０……第一の通路、３１……第二の
通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ一面にロウ材が被覆された第一のプレ
   ートと第二のプレートとからなり、第一のプレー
   トは開口部及び開口部の周囲に形成された角度
   180゜の折曲部を有し、第二のプレートは開口部を
   有し、第一のプレートと第二のプレートのロウ材
   が被覆された面が外側となるように、第一のプレ
   ートの折曲部のロウ材に第二のプレートのロウ材
   が被覆されていない面が接合され、第一のプレー
   トと第二のプレートとを通じて第一の通路が形成
   されると共に、第一のプレートと第二のプレート
   との間に、第一の通路とは分離された第二の通路
   が形成されることを特徴とする熱交換ユニツト。