JPH02251103A - 円筒状樹脂結合型磁石及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野１ 本発明は、電子機器などに使われるモーフやアクチュエ
ータ等に利用される円筒状磁石、及び押出成形法を用い
た円筒状磁石の製造方法に関するものである。

〔従来の技術〕

円筒状樹脂結合型磁石は主に、射出成形法、圧縮成形法
および押出成形法によって製造されている。射出成形法
は、磁石粉末と熱可塑性樹脂からなる磁石組成物を十分
な流動性が得られる温度まで加熱した状態で金型中に充
填し、所定の形状に成形するものである。圧縮成形法は
、磁石粉末と熱硬化性樹脂からなる磁石組成物をプレス
装置の金型中に充填し圧縮して成形する方法である。押
出成形法は、流動状態の磁石組成物をスクリュまたはプ
ランジャーを使って金型中に送り込み、この金型中を通
過させることで成形する方法である。このうち射出成形
法と圧縮成形法は、成形特金型内に磁場を加え異方性を
有する磁石を成形することかできる。ただし、放射状に
異方性を有する円筒状磁石を成形する場合には成形品の
長さに制約があり、磁石の外径（以下りとする）、内径
（以下ｄとする）および長さ（以下りとする）が次なる
関係式を満足するものしか成形できない。

２ＤＬ／ｄ２＜１ （参考文献　浜野正昭、第９回高性能プラスチック磁石
の射出成形技術と応用開発講 演会講演要旨集、プラスチック工業 技術研究会、１９８６） 従って、 ２　Ｄ　Ｌ／ｄ２　≧１ を満足する円筒状磁石は、 （１）等方性あるいは磁気性能の低い磁石で一体で成形
されているもの （２）放射状に異方性を有する磁石を複数個接着したも
の の２種類しか得られなかった。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上２の円筒状樹脂結合型磁石およびその
成形方法は以下に示すような課題を有している。

（１）等方性あるいはそれに近い性能の磁石を使って、
高性能なモーフあるいはアクチュエータを得るためには
、使用する磁石の体積を大きくしなければならず、これ
ら機器の小型化、軽量化の要求を満足することができな
い。

（２）放射状に異方性を有する磁石を複数個接着した場
合には、以下のような問題点がある。

■接着は、剥離に弱い、冷熱繰り返しにより結合が破壊
される危険性がある。接着強さにばらつきがある等の理
由により、信頼性に劣る。

■製造工程に接着という工程が入るため製造コストが高
くなる。さらに、成形品の寸法精度を保証するためには
、接着した磁石を切削加工等により仕上げなければなら
ないので、これによっても製造コストが高くなる。

■成形品を切削加工によって仕上げる場合には、加工に
より、磁気性能が劣化する心配がある。

（３）射出成形法、圧縮成形法では、その成形工程に磁
石組成物の型内への充填、成形、成形品の取り出しとい
う一定のサイクルが必要であり、基本的にバッチ式生産
システムであることから、その生産性には限界がある。

従って、製造コストを低減することが難しい。

（４）従来の押出成形法は成形時に磁場を加えない方法
が主である。しかしながら、この成形方法では等方性の
磁石しか得ることができない。成形時に磁場を印加する
方法としては、例えば特開昭６１−１２１３０７号公報
に記載されている方法がある。この方法では金型内で着
ｌｉｎ、配向させた円筒状磁石を金型外の冷却装置で冷
却するが、この場合、異方性の方向は一方向にしかでき
ず、径方向に放射状に異方性を有する成形品は得られな
い。また、金型から押し出したところではまだ成形品の
温度が高く、磁石粉末の配向が乱れてしまい磁気性能は
低下してしまう。従って、この方法を用いても、磁気性
能の高い放射状に異方性を有する円筒状磁石は得られな
い。

そこで本発明はこのような課題を解決するもので、その
目的とするところは、放射状に異方性を有する長尺の円
筒状樹脂結合型磁石およびその製造方法を提供すること
にある。

［課題を解決するための手段］ 本発明の円筒状樹脂結合型磁石は、Ｅｆ１石粉末、有機
物樹脂および必要ならば添加剤を加えた組成からなって
おり、この円筒状６Ｒ石の外径（Ｄ）、内径（ｄ）およ
び長さ（Ｌ）が ２　Ｄ　Ｌ／ｄ　２≧１ なる関係であって一体で成形されており、かつ径方向に
放射状に異方性を有していることを特徴とする。また、
本発明の円筒状樹脂結合型磁石の製造方法は、磁石粉末
、有機物樹脂および必要ならば添加剤を加えた組成から
なる成形用原料を、磁場を印加した金型中を硬化させな
がら通過させて押出成形することを特徴とする。

［作　用１ 本発明に利用できる磁石粉末としては、フェライト系磁
石粉末、基本組成を希土類金属とコバルト、鉄を主体と
する遷移金属からなる組成とする６Ｒ石粉末、あるいは
基本組成を希土類金属と鉄を主体とする遷移金属および
ホウ素からなる組成とする磁石粉末、等のいわゆる希土
類磁石粉末などがある。有機物樹脂は、熱可塑性樹脂で
も熱硬化性樹脂でもよく、熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）等のプラスチック
、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体（
ＥＶＡ）などのエラストマ、合成ゴムなどがある。熱硬
化樹脂としては、例えばエチレン系不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂などがある。添加剤としては、金属
石けん（ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムな
ど）、ワックス等の滑剤や、前記架橋性の樹脂に対して
は、パーオキサイド類などの架橋反応を促進する添加剤
なども用いることができる。

これら磁石粉末と有機物樹脂を必要ならば添加剤を加え
て充分に混合する。次にこの混合物を。

混線機にて有機物樹脂が溶融する温度以上に加熱して、
充分混練した後造粒する。造粒した磁石組成物を、押出
成形機に投入してシリンダー内で加熱、流動状態として
スクリューまたはプランジャーにて金型中に送り込む。

金型内に注入された磁石組成物は、磁場を印加された金
型中を通過することで、原料中の磁石粉末の磁化容易軸
が磁場の方向に揃えられて（配向されて）成形される。

成形品は、磁石組成物が金型内に形成された磁場中にあ
るときに、冷却硬化されて押し出される。この後、この
成形品を適当な長さに切断する。架橋性の有機物樹脂を
結合材として用いた場合は、切断した成形品を脱磁した
後、加熱あるいは放射線（γ線や電子線など）を照射す
ることにより有機物樹脂を架橋する。このようにして円
筒状樹脂結合型磁石を製造する。

［実　施　例］ 以下本発明について実施例に基づき詳細に説明する。

［実施例１］ 組成がＳ　ｍ　（ＣＯＯ，８７２Ｃｕ　ｏ、ｏｓＦ　ｅ
　Ｑ、２２Ｚ　ｒ　０．０２８　）　８．３５となるよ
うに原料を溶解、鋳造後、できたインゴットを熱処理し
て磁気的に硬化させ、その後、該インゴットを粉砕して
平均粒径が１０μｍの磁石粉末を得た。この粉末とナイ
ロン−１２の粉末およびステアリン酸亜鉛粉末を、それ
ぞれの比率が９２重量％、７９重量％、およびＯ１重量
％となるように混合した。この混合物を、２軸押用混練
機にて２６０°Ｃで混練した。この混線物を外径がｌ〜
Ｉ　Ｃ）ｍｍの粒に造粒して原料コンパウンドとし、押
出成形機にて円筒状磁石に成形した。この成形方法につ
いて、第１図に基づいて説明する。押出成形機は、材料
投入部であるホッパー１０１、シリンダ１０２、スクリ
ュー１０３、シリンダ部に金型を取付けるためのアダプ
タープレート１０４、金型１０５．ａよびスクリュー駆
動用モータ（図には記入していない）から成っており、
さらに金型内に磁場を印加するための電磁コイル１０９
が金型の外側に配置された構成になっている。この押出
成形機に、造粒した前記原料コンパウンド１１０を投入
した。

この原料コンパウンドを、シリンダ１０２内にて２６０
°Ｃに加熱し、流動状態として金型１０５内を通過させ
た。この金型の構造については第２図に示す。

金型は、外ダイ２０１とマンドレル２０２で構成されて
いる。外ダイは非磁性材で作られているが、先端部に磁
束を誘導するためのリング状の磁性材２０１ａが取付け
られている。また、マンドレルも非磁性材からできてお
り、やはりその先端には磁性材２０２ａが取付けられて
いる。金型の外側に設置された電磁コイル１０９に電流
を流すと、発生する磁束は透磁率の高い磁性材中を通り
易いため図中の矢印Ｈのように流れる。このため、マン
ドレルの先端部２０２ａと外ダイに取付けられた磁性材
のリング２０１ａとの間の空間（以下配向部と呼ぶ）に
、放射状の６Ｒ場が発生ずる。よって、磁石組成物が配
向部を通過する時に、Ｉｉｎ石粉末が配向されながら成
形されるわけである。

本実施例において、成形磁場は１５ｋＯｅ、成形時の金
型の温度は２５０　’Ｃであり、冷却は金型出口の部分
で強制空冷することにより行った。これにより、配向し
た原料コンパウンドは金型出口で冷却硬化されて押出成
形された。成形品の寸法は、外径３：２ｍｍ、内径３０
ｍｍであり、長さは２２ｍｍに切断した。得られた成形
品の磁気特性は、 Ｂｒ＝５．　８ｋＧ （Ｂ　Ｈ）　　ｍ　ａ　ｘ　＝　７　、　３　Ｍ　Ｇ　
Ｏｅであった。この磁石を２５台のＤＣモータに組み込
んで、５００時間の連続運転試験を行った。

比較例として、同じ組成の原料を磁場中射出成形して、
外径３２．５ｍｍ、内径３０ｍｍ、長さ６ｍｍの円筒状
磁石を成形した。得られた成形品の磁気特性は、 Ｂｒ＝５．　７ｋＧ （Ｂ、　Ｈ）　　ｍ　ａ　ｘ　＝　７．０　Ｍ　Ｇ　Ｏ
ｅであった。この磁石を４個、エポキシ系接着剤を使っ
て貼り合わせ、その後外径および長さを切削によりそれ
ぞれ３２ｍｍ、２２ｍｍに加工した。

この磁石を実施例と同様に、２５台のＤＣモータに組み
込んで、５００時間の連続運転試験を行った。試験結果
を第１表に示す。

第１表 第１表において、モータが特性低下したものは、貼り合
わせた磁石が接着剤の部分で剥離してしまい、モータの
回転を止めてしまったり、充分な磁束がとれなくなって
、トルクが低下したものである。これより、本発明の磁
石を用いることにより、モータ等の信頼性を高めること
ができる。

［実施例２］ Ｎ　ｄ　＋　３Ｆ　ｅ　ａ□７Ｂ４３の組成となるよう
に原料を溶解、鋳造し、得られたインゴットから急冷薄
帯製造装置を用い、アルゴンガス雰囲気中で急冷薄帯を
作製した。この急冷薄帯を軽く粉砕し、型の中にいれて
アルゴンガス雰囲気中、７００〜８００°Ｃの温度で短
時間に２０ｋｇ／ｍｍ２の圧力で高温圧縮成形を施した
。得られた圧密体は密度がほぼ１００％であった。この
圧密体を、再びアルゴンガス雰囲気中７００〜８００℃
の温度で、ｌｏｋｇ／ｍｍ２の圧力で最初の圧縮方向と
垂直な方向に高温圧縮成形を施した。（すなわち、グイ
アップセットを施した。）得られたバルク状磁石を粉砕
し、平均粒径が２０μｍの６Ｒ石粉末を得た。この磁石
粉末と、ビスフェノールＡ型エポキシ、ノボラック型エ
ポキシ、ビニルブチラル・ビニルアルコール共重合体の
混合物からなる樹脂粉末および添加剤としてステアリン
酸カルシウム粉末とシリカ粉末を混合した。混合物中の
比率は、磁石粉末９０３重量％、樹脂粉末９．１重量％
、添加剤０．６重量％てあった。この混合物を、２本ロ
ール型ミルにて９０°Ｃ″Ｃ混線した。この混線物を外
径が１〜］、　Ｏｍ　ｍの粒に造粒して原料コンパウン
ドとし、実施例１のように押出成形機にて円筒状磁石に
成形し、切断、脱磁後焼成した。成形品の寸法は、外径
２２ｍｍ、内径２１ｍｍであり、成形ｉｉｎ場の大きさ
は１４ｋＯｅであった。得られた成形品の磁気特性は、
Ｂｒ＝６．６ｋＧ （ＢＨ）ｍａｘ＝９．８ＭＧＯｅ であった。これより、本発明の製造方法において、架橋
が可能な熱硬化性樹脂を用いても、高性能な磁石を得る
ことができる。

［発明の効果１ 以上述べたように本発明の磁石は、信頼性の面で、従来
の複数個の五村石を貼り合わせたものに比べて優れてい
る。また、本発明の製造方法を用いることにより、磁気
性能の高い円筒状樹脂結合型磁石を生産性良（製造する
ことができる。本発明のｌｉ井石は、小型精密でかつ高
性能が要求されるステッピングモータ、ＤＣモータ、セ
ンサー、マグロール等に広く利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に用いた押出成形装置の１実施例を示す
図。 第２図は円筒状樹脂結合型磁石の磁場中押出成形用金型
構造の１実施例を示す図。 １０１・・・・ホッパ １０２・・・・シリンダ １０３・・・・スクリュ １０４・・・・アダプタープレート １０５・・・・金型 １０６．１０７．１０８ ・　・　・ヒータ １０９・・・・電磁コイル １１０・・・・原料コンパウンド １１１・・・・磁石成形体 ２０１・・・・外ダイ ２０１ａ・・・外ダイ部磁性材 ２０２・・・・マンドレル ２０２ａ・・・マンドレル部ｍ性材 Ｈ・・・・・・６ｎ束の流れ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. １．磁石粉末、有機物樹脂および必要ならば添加剤を加
   えた組成からなる円筒状磁石において、該円筒状磁石の
   外径（Ｄ）、内径（ｄ）および長さ（Ｌ）が ２ＤＬ／ｄ＾２≧１ なる関係であって一体で成形されており、かつ径方向に
   放射状に異方性を有していることを特徴とする円筒状樹
   脂結合型磁石。
2. ２．磁石粉末、有機物樹脂および必要ならば添加剤を加
   えた組成からなる成形用原料を、磁場を印加した金型中
   を硬化させながら通過させて押出成形することを特徴と
   する請求項１記載の円筒状樹脂結合型磁石の製造方法。