JPH0225063B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ベルトとプーリとの接触径が連続的
に変化させることの可能な可変径ベルト変速機の
ハウジングに関する。

〔従来の技術〕

可変径ベルト変速機の分野では、従来第５図に
示す形式のもが存在していた。同図中、Ａは誘導
電動機、Ｂはハウジング、Ｄは手動制御器、Ｅは
従動軸、Ｆは駆動軸、Ｈは蓋、Ｇ及びＩはいずれ
も軸受蓋、Ｊは保守蓋である。さらにＫおよびＬ
は変速プーリ、Ｍは変速ベルトである。

この様な変速機ハウジングにあつては、二つの
回転軸ＥおよびＦは各軸受の位置が固定されてい
るため互の軸間距離を変化させることができな
い。

そこで、ハウジングＢの構造として、同図に示
した矢印Ｌの方向、すなわちハウジングＢの左平
面部に駆動軸と従動軸とを集中し配置し、矢印Ｒ
の右平面部にはもつぱら手動制御器Ｄのみを配置
する構造となつていた。従つて、ベルト交換など
の保守作業に際しては、矢印Ｒ側の空間および保
守蓋Ｊのある側壁部の方向の領域を利用して作業
が行われていた。

〔問題点〕

しかしながら、このようなベルト変速機におい
ては、ハウジングの電動機が設置されている側壁
側から電動機と同一の水平方向に出力軸が突出し
ているため、回転半径の大きなスクリユウや送風
フアンを前記出力軸に装着しようとすると、この
出力軸を延長してその自由端が前記電動機の左端
から突出させなければならない。しかしながらこ
のように出力軸を延長してその自由端に大きな送
風フアンの如きを装着すると、片持ち支持の軸で
あるため前記出力軸の自由端が回転によつて大き
く振れ、円滑な回転が極めて困難になるという欠
点がある。このため変速機としては、電動機の出
力が数十から数百ワツト程度の小型のものに限ら
れ、大型のものを実現することは困難であつた。

［問題点を解決するための技術的手段］ この発明は、偏平楕円形状をした中空の枠体か
らなり、その上面偏平部に、電動機が倒立されて
装着される第１開口部、及び前記駆動軸と平行な
中間回転軸が枢支された支承体、及びこの中間回
転軸に設置された副可変径変速プーリ並びに主定
速プーリが貫入し、かつ蓋体によつて閉鎖される
第３開口部を前記第１開口部に隣接させて設け、
また前記駆動軸のほぼ延長軸上に位置する出力軸
が枢支されると共に、冷却搭等の被取付体に取付
けられる取付フランジが装置され、かつこの出力
軸に固着された副定速プーリが貫入する第２開口
部を前記第１開口部に対向させて前記枠体の下面
偏平部に設け、これによりベルト変速機を前記枠
体の下面に位置する前記取付フランジによつて直
接かつ垂直に冷却搭等に被取付体に取付けること
とするものである。

［作用］ このようにすることにより、可変径ベルト変速
機の設置作業を迅速、かつ簡単に行えるととも
に、前記枠体の重量及びその上面偏平部の第１開
口部に設置される電動機の重量を前記取付フラン
ジが無理なく支えるので、可変径ベルト変速機の
安定で、かつ確実な設置を行える。

しかも前記出力軸の下端は、前記取付フランジ
の下方に延びて何等の障害物も存在しないので、
その下端には、回転半径の大きな大型の送風フア
ンやスクリユ等の取付が容易に行えるようにする
ものである。

〔実施例〕

以下図面と共にその一実施例を説明する。

第１図では、二段ベルト伝達機のうち、第一段
目に可変径ベルト伝達機Ｂを、また第二段目に定
ベルト減速機Ｃをそれぞれハウジング１０内に内
蔵した動力伝達機の縦断面図を示している。なお
第一段目は、第二段目と同様に定ベルト減速機で
あつても良い。同図中、１１は、電動機などの動
力源と連結する入力回転軸、また、１２は中間回
転軸、さらに１３は送風フアンなどの負荷が装着
される出力回転軸で、これ等を各回転軸１１，１
２および１３には可変径プーリ２１および２２な
らびに定速比プーリ２３および２４が配置され、
ベルト１８および１９によつて二段のベルト変速
機を構成し、楕円箱型密閉枠体１４と蓋体１５と
によつて形成された密閉ハウジング室内２０に収
納されている。このハウジング１０の外観形状は
楕円に限るものではない。可変径プーリ２１およ
び２２はそれぞれ固定プーリ２１ａおよび２２ａ
ならびに摺動プーリ２１ｂおよび２２ｂから構成
されている。中間軸１２は、保持体２５によつて
支承され、一方、この保持体２５には三方向に連
らなつた固定腕２９ａ，２９および２９ｃが突出
し、枠体１４の突出底部１４ｃより直立する三つ
の立脚台２６ａ，２６ｂおよび２６ｃのそれぞれ
に対応してボルト止めされ固着される。さらに入
力および出力軸１１および１２はそれぞれ変速ヘ
ランジ１６および１７によつて支承されている。

一方、箱型枠体１４の一方の側壁部１４ａの内
壁には第２図に示す様に枠体外に突出したブロワ
防熱装置３０が設けられ、そこにブロワ装置すな
わちシロツコ冷却ブロワ３１が取り付けられてい
る。なおここでは遠心型ブロワ装置を示したが、
室内２０に高い静圧が維持できるならば軸流型ブ
ロワ装置であつてもよい。このブロワ３１の回転
軸３２にも小径プーリ３３が装備してあり、上述
の駆動側固定プーリ２１ａの上方に設けた大径プ
ーリ４２との間で丸ベルト４１が巻掛けされ、入
力軸１１の動力によつて約3000rpm以上で回転で
きるように構成される。なお、室内２０の空気は
ハウジング１４の導入口１４ｊ（第４図）より導
入され、蓋体１５に設けた排気部４５の通孔４７
より排出され冷却される。

一方、箱型枠体１４の他方の側壁部１４ｂに
は、駆動側可変プーリ制御用のパイロツト制御部
３５が設置され、歯車減速機内蔵型のリサイク
ル・モータ３６が取付台３７に固着され、そのモ
ータ出力がチエーン３８を介して、可変プーリ２
１に組み付けられたスプロケツト３９と連結され
ている。このリサイクルモータ３６によつて変速
制御が行われる。

さらにまた、楕円型突出底部１４ｃから直立す
る支柱５２にはテンシヨンプーリ５４の支持腕５
３が設けられ、押圧シヤフト５６に同軸上に設け
たコイルバネ５５によつて支持腕５３を押圧し、
これによつてプーリ５４の第二段ベルト１９の背
部に圧接されている。コイルバネ５７による押圧
力はネジ５７を回動することにより調整される。

次に、従動側可変プーリ２２が上端に、また小
径プーリ２４が下端に、それぞれ装置された中間
軸１２の中央部は保持体２５が予じめ一体に組み
付けられており、この一体組立体Ａがハウジング
１０の右側に設けた半楕円状開孔１４ｄから取り
外すことができる。またこの組立体Ａの装着時に
おける入出力軸１１および１３と中間軸１２間の
軸間距離を調節するために、ハウジング１０の突
出底部１４ｃの端部にテイクアツプ機構が設けら
れ、ハウジング１０から植立した調整柱６０とボ
ルト６１があり、ボルト６１は支承体２５の裏面
に設けたネジ穴６２を螺合して、手動テイクアツ
プを施し得る。

第３図は、このようなベルト伝達機を内蔵する
ためのハウジング１０の斜視図を示す。本実施例
のハウジング１０は、全体として楕円柱の型状を
為し、上述した中間軸組立体Ａが上方から着脱操
作できるように、半楕円状の突出底部１４ｃを残
してＬ型に開放された開孔１４ｄを有する枠体１
４と、この開孔１４ｄを閉止する蓋体１５で形成
されている。突出底部１４ｃには、それぞれボル
ト２７ａ，２７ｂおよび２７ｃを埋め込まれた３
つの立脚柱２６ａ，１６ｂおよび１６ｃが突起し
ている。また、一方、底部側縁部１４ｅにはテン
シヨンプーリ設置用突部１４ｆと、このテンシヨ
ンプーリ用のバネ圧調整部１４ｃが設けられてい
る。

このような構成のハウジング１０では、枠体１
４の上面円孔部１４ｈには、プーリ２１を伴つた
電動機などのフランジ１６が、また下面円孔部１
４ｉには、プーリ２３を伴つたフランジ１７がそ
れぞれ外部より装着される。次に、上述した中間
軸組立体Ａがこの開孔部１４ｄの上方より設置さ
れる。この様を第３図で示す。中間軸支承体２５
には、それの固定腕２９ａ，２９ｂおよび２９ｃ
にそれぞれ施した長穴２９ｄ，２９ｅおよび２９
ｆが上述したボルト２７ａ，２７ｂおよび２７ｃ
にそれぞれ対応して開かれているので、支承体２
５は、立脚柱２６ａ，２６ｂおよび２６ｃにナツ
トで仮止めされる。しかる後、上段ベルト１８お
よび３本の下段ベルト１９が軸間空間を利用して
巻掛けされる。

この装着が終ると、予じめ枠体側壁部１４ａ，
１４ｂに設置しておいた制御機構３５および防熱
機構３０と駆動側プーリ２１との連結するチエー
ン３８およびベルト４１の装着作業が枠体開孔１
４ｄより行われる。

続いて、予じめ装備しておいたテンシヨンプー
リ５４をベルト１９に仮押圧し、ボルト６１によ
るテイクアツプ機構６０の巻上げ調整が開孔部１
４ｄにて行われ、ナツト２８ａ，２８ｂおよび２
８ｃの完全固定が為される。その後、ハウジング
１０は蓋体１５によつてボルト閉止される。

〔発明の効果〕

この発明は、前記のようであつて、偏平楕円形
状をした中空の枠体の上面偏平部に電動機が設置
される第１開口部を設け、前記電動機の駆動軸の
ほぼ延長軸上に位置する出力軸が枢支されると共
に、冷去搭等の被取付体に取付けられる取付フラ
ンジが装着され、かつこの出力軸に固着された副
定速プーリが貫入する第２開口部を前記第１開口
部に対向させて前記枠体の下面偏平部に設けたの
で、可変径ベルト変速機を冷却塔や撹叛タンク等
の被取付体に設置するとき、前記第２開口部に装
着された前記取付フランジを前記被取付体に対し
て直接設置しさえすればよく、可変径ベルト変速
機の設置作業を迅速、かつ簡単に行える。

それとともに、前記枠体の重量及びその上面偏
平部の第１開口部に設置される電動機の重量を前
記取付フランジが無理なく支えるので、可変径ベ
ルト変速機の安定で、かつ確実な設置を行える。
しかも前記出力軸の下端は、前記取付フランジの
下方に延びて何等の障害物も存在しないので、そ
の下端に対して、回転半径の大きな大型の送風フ
アンやスクリユ等の取付が容易に行える。

また、前記駆動軸と平行な中間回転軸を枢支し
た支承体、及びこの中間回転軸の上端部に設置さ
れた固定車と摺動車とからなる副可変径変速プー
リ並びに前記中間回転軸の下端部に固着された主
定速プーリが貫入し、かつ蓋体によつて閉鎖され
る第３開口部を前記第１開口部に隣接させて前記
上面偏平部に設けたので、前記第３開口部の上方
には、何等の障害物も存在しないので第３開口部
の解放・閉鎖作業、すなはち蓋体の取り付け、取
り外し作業が迅速かつ容易に行える。その結果前
記枠体の内部に張設されている変速ベルトおよび
定速ベルトのベルト交換作業を極めて容易に行う
ことができる。

そして、この第３開口部から前記枠体内に貫入
した支承体が、前記中間回転軸と前記駆動軸との
間の軸間距離を伸縮する方向に移動可能に緊締具
によゆて緊締される台座を前記枠体内に設けて前
記変速プーリ間に変速ベルトを、前記両定速プー
リ間に定速ベルトをそれぞれ張設したので、中間
回転軸が枢支される支承体は前記台座に確実に緊
締される結果、変速ベルト及び定速ベルトの走行
が確実、かつ安定して行え、ひいては前記出力軸
から長期間に渡つて確実な回転出力を取り出すこ
とができる。

しかも、前記台座に対する支承体の緊締を解除
したうえで、軸間距離調整部材を操作して入出力
軸にたいして支承体を近接させることにより変速
ベルト及び定速ベルトの交換作業を容易に行うこ
とができ、前述したように第３開口部の開閉作業
が極めて容易であることと相捲つてベルトの交換
作業を容易に行うことができる。

さらに電気信号のレベルに応じて主可変径変速
プーリの摺動車を摺動させて前記変速ベルトの走
行を変速制御する変速制御器が装着される第３開
口部を前記枠体の側壁に設けたので、前記変速制
御器の前記枠体への取付及び取外作業が容易に行
えるとともに、前述したように前記第３開口部の
開口閉鎖作業が容易であることと相捲つて、前記
変速制御器の設定点等の調整作業も容易に行える
という優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例ハウジングを利用
した動力伝達機の縦断面図を、また第２図は、第
１図の−線での同伝達機の横断面図をそれぞ
れ示しており、第３図は、同伝達機に使用される
ハウジングの分解斜視図を示し、さらに第４図
は、同ハウジングの利用状態を開示するための中
間軸組立体の取付状態斜視図を示している。第５
図は従来のベルト変速機の外観構成図を示してい
る。 図中、１０……ハウジング、１１，１２および
１３……入力軸、中間軸および出力軸、１４……
枠体、１４ａおよび１４ｂ……側壁部、１４ｃ…
…突出底部、１４ｄ……開孔部、１５……蓋体、
３０……防熱装置、３５……制御装置、５０……
張力調整装置、６０……テイクアツプ装置、Ａ…
…中間軸組立体、Ｂ……第一段伝達部、Ｃ……第
二段伝達部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 偏平楕円形状をした中空の枠体の上面偏平部
   に、電動機が倒立されて装着され、かつその駆動
   軸及びこの駆動軸に設置された固定車と摺動車と
   からなる主可変径変速プーリが貫入する第１開口
   部を設け、前記駆動軸のほぼ延長軸上に位置する
   出力軸が枢支されると共に、冷却搭等の被取付体
   に取付けられる取付フランジが装着され、かつこ
   の出力軸に固着された副定速プーリが貫入する第
   ２開口部を前記第１開口部に対向させて前記枠体
   の下面偏平部に設け、前記駆動軸と平行な中間回
   転軸が枢支された支承体、及びこの中間回転軸の
   上端部に設置された固定車と摺動車とからなる副
   可変径変速プーリ並びに前記中間回転軸の下端部
   に固着された主定速プーリが貫入し、かつ蓋体に
   よつて閉鎖される第３開口部を前記第１開口部に
   隣接させて前記上面偏平部に設け、この第３開口
   部から前記枠体内に貫入した支承体が、前記中間
   回転軸と前記駆動軸との間の軸間距離を伸縮する
   方向に移動可能に緊締具によゆて緊締される台座
   を前記枠体内に設けて前記両変速プーリ間に変速
   ベルトを、前記両定速プーリ間に定速ベルトをそ
   れぞれ張設し、前記緊締具による前記支承体の緊
   締を解除したうえで軸間距離を伸縮するように前
   記支承体を移動調整する距離調整部材を前記枠体
   内に設置し、さらに電気信号のレベルに応じて主
   可変径変速プーリの摺動車を摺動させて前記変速
   ベルトを変速する変速制御器が装着される第４開
   口部を前記枠体の側壁に設けたことを特徴とする
   可変径ベルト変速機ハウジング。