JPH0225043B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動変速機の制御装置に係り、特に
主変速機の変速段の制御に関する。

従来技術 運転性能を向上するために、高速段と低速段と
を手動操作により切換え可能な副変速機が付加さ
れている自動変速機がある。このような自動変速
機では、副変速機無しの自動変速機に対する変更
を少なくして製造上、有利にするために、副変速
機は、変速段を自動的に切換えられる主変速機の
出力側に設けられることが多い。主変速機がオー
バドライブの変速段を含んでいる場合、主変速機
がオーバドライブの変速段であつても副変速機が
低速段であると、機関回転速度の許容される上限
まで自動車を走らせることができるが、この時、
主変速機の出力軸は例えば約10000rpmの回転に
も達し、主変速機の出力軸系および副変速機の入
力軸系の構成部品の耐久性に関して問題となつて
いる。

発明の目的 本発明の目的は、耐久性に支障の生じるような
主変速機の出力軸の高速回転を回避することがで
きる自動変速機の制御装置を提供することであ
る。

目的を達成するための手段 この目的を達成するために本発明によれば、オ
ーバドライブを含む複数の変速段を有し変速段を
自動的に切換えられる主変速機、および 主変速機の出力側へ接続されかつ高速段と低速
段とを手動操作により切換え可能な副変速機、 を備えている自動変速機の制御装置において、 副変速機の変速段を決める操作位置が低速段位
置にある場合は主変速機がオーバドライブの変速
段になることを禁止する禁止手段、 を備えている。

発明の作用および効果 禁止手段により副変速機が低速段にある場合に
主変速機がオーバドライブの変速段になるのが回
避される。

この結果、主変速機の出力軸の最大回転速度が
適当な値に制限され、主変速機の出力軸系および
副変速機の入力軸系の構成部品の耐久性を改善す
ることができる。

好ましい実施態様では、禁止手段は、オーバド
ライブの変速段へのシフトアツプを阻止する手段
であるか、あるいは主変速機を所定の複数の変速
段に設定するための変速パターンのうちオーバド
ライブ段のない変速パターンを、副変速機の操作
位置が低速段位置にある場合には選択する手段を
含む。

実施例 本発明を図面の実施例について説明する。

第１図は自動変速機およびその制御装置を示し
ており、機関１０、流体トルクコンバータ１２、
主変速機１４、および副変速機１６が機関の動力
伝達経路に直列に設けられている。ロツクアツプ
クラツチ１８は流体トルクコンバータ１２に対し
て並列に設けられ、主変速機１４は車速およびス
ロツトル開度などにより自動的に切換えられる第
１速ないし第４速の変速段を有し、副変速機１６
は手動操作により切換え可能な高速段と低速段と
を有している。なお主変速機１４の第４速はオー
バドライブである。シフトポジシヨンセンサ２０
は運転者により選択されたＤ（ドライブ）、Ｎ（ニ
ユートラル）、Ｒ（リバース）レンジなどのシフト
ポジシヨンを検出し、Ｌ・Ｈポジシヨンセンサ２
２は運転者により選択された副変速機１６のＬ
（低速段）およびＨ（高速段）を検出し、スロツト
ル開度センサ２４は吸気スロツトル開度を検出
し、パターンセレクトスイツチ２６は運転者によ
り選択されたエコノミ（経済走行）、パワ（加速
走行）などの走行パターンを検出し、水温センサ
２８は機関の冷却水温度を検出し、ブレーキスイ
ツチ３０はフートブレーキの踏込みを検出し、車
速センサ３２は主変速機１４の出力軸３４の回転
速度、したがつて車速を検出する。CPU３６は
これらのセンサおよびスイツチなどからの入力信
号に基づいて主変速機制御用油圧回路３８および
副変速機制御用油圧回路４０のソレノイドバルブ
４２，４４，４６，４８を制御する。ソレノイド
バルブ４２，４４は主変速機１４の第１速ないし
第４速を制御するために用いられ、ソレノイドバ
ルブ４６はロツクアツプクラツチ１８を制御する
ために用いられ、ソレノイドバルブ４８は副変速
機１６の高速段と低速段とを制御するために用い
られる。

第２図は変速制御ルーチンのフローチヤートで
ある。点火スイツチがオンになると（ステツプ
52）、メインルーチンにおいて吸気スロツトル開
度θおよび車速Ｖなどから主変速機１４の指示変
速段を計算する（ステツプ54）。副変速機１６の
操作位置がＨ（ハイギヤ：高速段）であれば（ス
テツプ56の判定がＨ）、直ちにソレノイドバルブ
の駆動制御ルーチンが実施され（ステツプ60）、
Ｌ（ローギヤ：低速段）であれば、オーバドライ
ブの指示変速段を禁止した後（ステツプ58）、具
体的には指示変速段が第４速であれば指示変速段
を第３速に変更した後、ソレノイドバルブの駆動
制御ルーチンが実施される（ステツプ60）。ソレ
ノイドバルブの駆動制御ルーチンでは指示変速段
および副変速機１６の操作位置に基づいてソレノ
イドバルブ４２，４４，４６，４８のオン、オフ
を制御する。こうして副変速機１６の低速段であ
つて主変速機１４がオーバドライブの変速段であ
るような事態が回避される。

第３図は他の変速制御ルーチンのフローチヤー
トである。点火スイツチがオンになると（ステツ
プ66）、副変速機１６の操作位置が調べられ、Ｌ
であればＬ用変速パターンを選択し（ステツプ
70）、ＨであればＨ用変速パターンを選択する
（ステツプ72）。メインルーチン（ステツプ74）で
は、選択された変速パターンに基づいて吸気スロ
ツトル開度θおよび車速Ｖなどから主変速機１４
の指示変速段を計算し、ソレノイドバルブの駆動
制御ルーチンにおいて（ステツプ76）、その指示
変速段および副変速機１６の操作位置に従つてソ
レノイドバルブ４２，４４，４６，４８のオン、
オフを制御する。Ｌ用変速パターンについては第
４図に示すとおりであり、主変速機１４の変速段
がオーバドライブの第４速を除外して定義してあ
る。Ｈ用変速パターンは特に図示しないが、第４
速まで定義してある。こうして副変速機１６の操
作位置がＬにある場合は主変速機１４がオーバド
ライブになることはない。

本発明を実施例について説明したが、本発明の
精神を逸脱しない範囲において種々の変更が可能
であることは当業者にとつて明らかだろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動変速機およびその制御装置の全体
図、第２図および第３図は変速制御ルーチンのフ
ローチヤート、第４図は第３図のステツプにおい
て選択されるＬ用変速パターンを示す図である。 １４……主変速機、１６……副変速機、２２…
…Ｌ・Ｈポジシヨンセンサ、３６……CPU、４
２，４４，４６，４８……ソレノイドバルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オーバドライブを含む複数の変速段を有し変
   速段を自動的に切換えられる主変速機、および主
   変速機の出力側へ接続されかつ高速段と低速段と
   を手動操作により切換え可能な副変速機、を備え
   ている自動変速機の制御装置において、副変速機
   の変速段を決める操作位置が低速段位置にある場
   合は主変速機がオーバドライブの変速段になるこ
   とを禁止する禁止手段、を備えていることを特徴
   とする、自動変速機の制御装置。 ２ 禁止手段がオーバドライブの変速段へのシフ
   トアツプを阻止する手段であることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項記載の制御装置。 ３ 前記主変速機が、オーバドライブの変速段を
   含む複数の変速段に設定するための第１の変速パ
   ターンと、オーバドライブの変速段を含まない複
   数の変速段に設定するための第２の変速パターン
   とのいずれかに従つて制御されるよう構成され、
   かつ前記禁止手段が、前記副変速機の操作位置が
   低速段位置にある場合には前記第２の変速パター
   ンを選択しかつ該第２の変速パターンに従つて主
   変速機を制御させる手段を含んでいることを特徴
   とする、特許請求の範囲第１項記載の自動変速機
   の制御装置。