JPH0224541B2 - - Google Patents

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JPH0224541B2
JPH0224541B2 JP57096580A JP9658082A JPH0224541B2 JP H0224541 B2 JPH0224541 B2 JP H0224541B2 JP 57096580 A JP57096580 A JP 57096580A JP 9658082 A JP9658082 A JP 9658082A JP H0224541 B2 JPH0224541 B2 JP H0224541B2
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JP
Japan
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chitin
suture
acid
fibers
absorbable
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP57096580A
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English (en)
Other versions
JPS58212448A (ja
Inventor
Koji Kibune
Motohiko Tsukada
Katsuhiro Inoe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、キチン繊維からなる改良された縫合
糸に関するものであり、さらに詳しくはキチン繊
維からなり、生体吸収速度の改良さた吸収性縫合
糸に関するものである。 キチンは、ポリ(N−アセチル−O−グルコサ
ミン)からなる多糖類であり、甲殻類の外骨格な
ど天然に広く分布している物質であり、その分子
の繰り返し単位ごとに1個のアミノアセチル基を
有するため多くの興味ある独特の性質を有してい
る。その一つとして生体内で酵素分解を起こして
組織内に吸収される性質がある。この性質を利用
してキチンを繊維化して吸収性縫合糸として使用
することが提案されている。 かかる縫合糸を構成するキチン繊維としては、
縫合糸としての柔軟性や使用性からみて、太さが
20d以下、とくに0.5〜5dであり、乾強度が2g/d
以上、とくに3g/d以上であることが望ましい。 本発明者は、湿式紡糸直後の糸条を凝固液中で
弛緩処理することにより強度が高く、かつ、単糸
デニールの小さいキチン繊維が得られること及び
この繊維を加工することで優れた機械的性質を有
する吸収性縫合糸が得られることを見い出し、先
に提案した(特願昭55−152568号、同55−164268
号)。 このキチン繊維からなる吸収性縫合糸は、手術
操作時の強力においては十分に実用に耐えうるも
のであるが、生体で使用した場合吸収性が速すぎ
るので短期間に強力が低下してしまうという問題
を有している。 一般に吸収性縫合糸は、使用後、治瘉が十分に
進行する10〜15日間までは十分なる強力を有し、
その後はできるだけ早く吸収される性質を備えて
いることが好ましいが、この点において上記の吸
収性縫合糸は、吸収性縫合糸としては理想的なも
のではない。 本発明者は、キチン繊維からなる吸収性縫合糸
に関して、使用の初期、例えば手術後10〜15日間
までは手術時の強力に近い値を保持し、その期間
を過ぎた後は生体内に急速に吸収される縫合糸を
提供するべく鋭意研究した結果、キチン繊維から
なる縫合糸をアルデヒド類で処理すると手術後の
初期における生体吸収速度を抑える効果のあるこ
とを見い出し、本発明に到達したものである。 すなわち本発明は、アルデヒド類で処理された
キチン繊維からなることを特徴とする生体吸収速
度の改良された吸収性縫合糸である。 キチン繊維をアルデヒド類で処理するだけでキ
チン繊維からなる吸収性縫合糸の初期の生体吸収
速度が抑制され、吸収性縫合糸として理想的な生
体吸収速度を有する縫合糸が得られることは驚く
べきことである。 本発明においてキチン繊維を構成するキチンと
しては、キチンそのもののほかにキチンの誘導体
も含まれる。かかるキチンは甲殻類、昆虫類など
の外骨格を酸処理ならびにカ性ソーダ処理して蛋
白質及びカルシウム分を分離、精製することによ
つて調製することができる。キチンの誘導体とし
ては、たとえばカルボキシメチル化キチン、ヒド
ロキシエチル化キチンなどのエーテル化キチン、
アセチル化キチン、スルホン化キチンなどのエス
テル化キチンがあげられる。エステル化物として
は、たとえばギ酸、酢酸、酪酸、吉草酸、イソ酪
酸、イソ吉草酸、安息香酸、ケイ皮酸、サリチル
酸、アントラニル酸、フタル酸などのカルボン酸
類、硫酸、トルエンスルホン酸、スルフアニル酸
などのスルホン酸類、炭酸類あるいはそれらの無
水物のエステル化物があげられる。 本発明の吸収性縫合糸を構成するキチン繊維
は、上記のごときキチンより公知の方法で調製す
ることができる。たとえばトリクロル酢酸と塩素
化炭化水素の混合物、ジクロル酢酸と塩素化炭化
水素の混合物、ジメチルアセトアミドと塩化リチ
ウムの混合物あるいはN−メチルピロリドンと塩
化リチウムの混合物などのようなキチンの溶剤
は、キチンを溶解してキチン溶液を得、このキチ
ン溶液を湿式紡糸することにより調製することが
できる。好ましいキチン繊維は単糸デニールが
0.5〜20dであり、かつ、乾強度が2g/d以上、さ
らに好ましくはg/d以上、とくに好ましくは4
g/d以上のものである。そして総デニールが20
〜200dのものが好ましく用いられる。かかるキ
チン繊維は、ドープをノズルを通し凝固浴中に押
出し、引取ることにより溶剤を含有する糸条を形
成し、形成した糸条を、糸条に実質的に緊張力が
作用しない状態で凝固液にて処理することによつ
て調製することができる。 キチン繊維から縫合糸を調製する方法はとくに
限定されず、公知の種々の方法を採用することが
できる。たとえば、上記のごとき総デニールが20
〜200dのキチン繊維を8〜20本程度ひきそろえ
て組ひも又は撚糸することによつて調製すること
ができる。縫合糸としては、米国薬局方(USP
と呼称。)XXの759頁に記載のAbsorbable
surgical sutureの表1のUSPサイズ9−0号〜
4号及び表2のUSPサイズ12−0号〜5号の太
さのものが好ましく用いられるが、これに限定さ
れるものではない。 本発明の縫合糸を製造するには種々の方法が採
用されうるが、たとえば、(1)キチン繊維をアルデ
ヒド類処理し、得られたアルデヒド類処理キチン
繊維を用いて縫合糸を調製する方法、(2)キチン繊
維を用いて調製した縫合糸をアルデヒド類で処理
する方法、(3)キチン繊維から縫合糸を調製する工
程でアルデヒド類の処理を行なう方法などがあげ
られる。必要に応じてアルデヒド類処理は複数回
行なつてもよいし、又異なる工程で行なつてもよ
い。 本発明に用いられるアルデヒド類としては、た
とえばホルムアルデヒド、マロンアルデヒド、ア
クロレイン、コハク酸アルデヒド、グルタールア
ルデヒド、アジプアルデヒド、ピメリンジアルデ
ヒド、スベリンジアルデヒド、グリオキザール、
ジアルデヒドスターチ等があげられる。 キチン繊維又はキチン繊維から成る縫合糸をア
ルデヒド類で処理するには、たとえばアルデヒド
類を水又はアルコールに溶解して溶液としたもの
を使用し、キチン繊維又はキチン繊維から成る縫
合糸を浸漬処理すればよい。処理条件は、処理後
の縫合糸が、処理前の柔軟性を維持すること、強
力が低下しないこと、吸収速度の改良が望ましい
ものである等、縫合糸に要求される性能により適
宜決定されるが、水又はアルコール類中でのアル
デヒドの濃度は0.1〜10重量%、とくに1〜5重
量%が好ましい。処理液の温度は10〜50℃、とく
に20〜40℃が好ましい。処理液のPHは3〜9、と
くに4〜8が好ましい。処理時間は1〜48時間、
とくに3〜24時間が好ましい。処理液の濃度、温
度、時間に関しては値の大きいほど、又PHに関し
ては3に近いほど処理効果は大きい。 本発明によればキチン繊維からなる吸収性縫合
糸の生体吸収速度を容易に調整することができ
る。また、本発明によればアルデヒドの種類、又
は処理条件を変えることによつて一種のキチン繊
維から種々の生体吸収速度を有する吸収性縫合糸
を製造できる。本発明の吸収性縫合糸は、生体内
で使用した場合、使用の初期である10〜15日間で
は従来のものに比べて強力の保持率が高く、その
期間を過ぎるとすみやかに生体に吸収されるとい
う性能を有するので、吸収性縫合糸として理想的
なものである。 以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例 1 紅ずわいがに(chione Cepes Opilio−
O′fabricus)の外骨格を十分に水洗した後、40℃
の温風乾燥器で十分に乾燥し、ついで衝撃型粉砕
器(細川ミクロンビクトリーミルVP−10)で100
メツシユに粉末化した。この粉末220gを2の
2N−塩酸により室温にて5時間処理し、さらに
この91gを2N−塩酸500mlにより2日間処理し
た。処理後の粉末を水洗した後、500mlの1N−カ
性ソーダにより100℃にて12時間処理し、ついで
水洗し、乾燥を行つた。得られたキチンについ
て、さらに分子量を調整するために1N−塩酸に
より40℃にて1時間処理した。このキチンを、塩
化リチウムを含むジメチルアセトアミド溶液〔ジ
メチルアセトアミド:塩化リチウム=20:1(重
量比)〕中にキチン濃度が3wt%となるよう室温
にて溶解し、過、脱泡を行つて透明で粘調なド
ープを得た。このドープをタンクに入れ、ギヤー
ポンプで送液し、0.08mm〓、50ホールのノズルか
らイソブタノール中へ吐出し、イソブタノール中
で凝固した後、10m/minの速度で捲取り、総デ
ニールが61d(単糸デニール1.22d)の繊維を得た。
このキチン繊維の乾強度は3.81g/dであつた。得
られた繊維を15本とり、芯部を3本として製紐を
行い、組紐としてUSPXXの表1の3−0に相当
する太さの縫合糸を得た。この縫合糸を、5%グ
ルタールアルデヒド水溶液中、中性下、40℃、4
時間浸漬処理した後十分に水洗し、グルタールア
ルデヒドで処理された縫合糸を得た。このものを
滅菌後、家兎の背筋に埋込み、経日的に動物を屠
殺して、糸条の強力の変化を30日まで測定した。
比較のため、グルタールアルデヒド処理を全く行
わなかつた縫合糸についても同様に埋込の試験を
行つた。それらの結果は表1の通りであつた。
【表】
【表】 実施例1は比較例1に比し、特に10〜15日間に
おいて強力保持率が高く、吸収性縫合糸として好
ましいものであつた。実施例1のものが初期の強
力保持率が高くなる機構は明らかでないが、繊維
の表面層において、キチン分子中に存在するアミ
ノ基間でアルデヒドが架橋反応を起し、そのた
め、生体中で使用した場合表面がキチン分解酵素
の攻撃を受けにくいためではないかと推測され
る。 なお、実施例1の縫合糸の取り扱い易さ及び縫
合性は比較例1のものと比べてほとんど差がな
く、極めて良好であつた。 実施例 2〜5 実施例1で作成した未処理の縫合糸を使用し、
PHが3で、温度が40℃のジアルデヒドスターチの
メタノール溶液を用い、表2に示すようにアルデ
ヒド濃度と処理時間をかえてアルデヒド処理を行
い、種々の試料を得た。これらを家兎の背筋に埋
込み経日的に動物を屠殺して、糸条の強力の変化
を30日まで測定した。その結果は表2に示すとお
りであつた。
【表】
【表】 表2から明らかなごとく、ジアルデヒドスター
チの濃度の高いほど、処理時間の長い程、埋込初
期の強力の保持率(%)は大きかつたがいずれも
生体吸収速度は著しく改良されていた。また、実
施例2〜5の縫合糸は取り扱い易さ及び縫合性に
おいて縫合糸としてとくに問題はなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アルデヒド類で処理されたキチン繊維からな
    ることを特徴とする生体吸収速度の改良された吸
    収性縫合糸。
JP57096580A 1982-06-04 1982-06-04 吸収性縫合糸 Granted JPS58212448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57096580A JPS58212448A (ja) 1982-06-04 1982-06-04 吸収性縫合糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57096580A JPS58212448A (ja) 1982-06-04 1982-06-04 吸収性縫合糸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58212448A JPS58212448A (ja) 1983-12-10
JPH0224541B2 true JPH0224541B2 (ja) 1990-05-29

Family

ID=14168893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57096580A Granted JPS58212448A (ja) 1982-06-04 1982-06-04 吸収性縫合糸

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JP (1) JPS58212448A (ja)

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Publication number Publication date
JPS58212448A (ja) 1983-12-10

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