JPH0525289A - キチン成形体の製造法 - Google Patents

キチン成形体の製造法

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JPH0525289A
JPH0525289A JP20483091A JP20483091A JPH0525289A JP H0525289 A JPH0525289 A JP H0525289A JP 20483091 A JP20483091 A JP 20483091A JP 20483091 A JP20483091 A JP 20483091A JP H0525289 A JPH0525289 A JP H0525289A
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JP
Japan
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chitin
dope
phosphoric acid
molding
solvent
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Pending
Application number
JP20483091A
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English (en)
Inventor
Masaya Yoshimura
昌也 吉村
Koji Kibune
紘爾 木船
Nobuyuki Tanimoto
信行 谷本
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 キチンと溶剤とからなるキチンドープを湿式
成形してキチン成形体を製造するに際し、ドープにリン
酸化合物を加える。 【効果】 キチンドープの濾過が容易であり、成形性
に優れている。さらに機械的特性に優れた成形体を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キチン成形体を製造す
る際に溶液にリン酸化合物を加えることによりキチンの
機械的性質や成形性を高めることに関するものである。
【0002】
【従来の技術】キチンはかに、えびなどの甲殻類や昆虫
類の外骨格、あるいはきのこや菌類の細胞壁にも存在す
る天然高分子物質であり、自然界に広く分布しているポ
リ(N−アセチル−D−グルコサミン)からなる多糖類
であり、セルロースと類似の構造を持つものである。し
たがって古くから繊維や薄膜に使用する試みが行われて
いるが、その分子の繰り返し単位ごとに1個のアセチル
アミノ基を有しているため、きわめて強固な分子間力に
よる結晶構造を持ち、無機溶媒や有機溶媒にもほとんど
溶解しないという性質を有している。しかし一方、アセ
チルアミノ基を有しているがために多くの興味ある独特
の性質を有している。その性質の一つとして人体内で酵
素分解を起こして組織内に吸収されること及び良好な染
色性を有することがあげられ、このためキチンを繊維化
して吸収性外科用縫合糸として利用することも提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、キチンドープか
らキチン成形体を製造する方法は種々提案されている
が、キチンドープに適量のリン酸化合物を加えることに
よってキチン成形体の成形性を向上させる方法は知られ
ていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に直面し、優れた機械的性質を有するキチン成形体を製
造する方法を提供することを目的として鋭意研究を重ね
た結果、キチンドープを成形するに際し、そのドープに
リン酸化合物を加えることにより上記の目的を達成でき
ることを見出し、本発明に到達したものである。
【0005】すなわち、本発明は、キチンと溶剤とから
なるキチンドープにリン酸化合物を加え、成形すること
を特徴とするキチン成形体の製造法である。
【0006】本発明で用いられるリン酸化合物とは、リ
ン酸又はその塩、亜リン酸又はその塩、次亜リン酸又は
その塩などをいう。
【0007】加えるリン酸化合物の量は、キチンドープ
中に含まれるキチンの量に対して0. 1〜200重量%
の範囲にあればよく、好ましくは0. 1〜100重量
%、さらに好ましくは0. 1〜50重量%の範囲にあれ
ばよい。
【0008】本発明において用いられるキチンとは、精
製によって得られるポリ−N−アセチルグルコサミンで
あるキチン及びその部分的脱アセチル化物および高脱ア
セチル化物であるキトサン、さらにはこれらの誘導体を
いう。例えば甲殻類などの外骨格を塩酸処理並びにカ性
ソーダ処理してカルシウム分及びタンパク質をあらかじ
め取り除き精製、粉砕することにより調製される。
【0009】本発明においてキチンドープの調整に用い
られる溶剤としては公知の種々のキチン溶剤があげられ
るが、例えば通常の脱アセチル化の低いキチンに対して
は、トリクロル酢酸とハロゲン化炭化水素の混合溶液
や、ジメチルアセトアミド溶液が好ましい。脱アセチル
化の高いキトサンなどでは、酢酸水溶液に溶かしてドー
プを作る。
【0010】本発明の製造法は、先ずキチンドープを作
製し、次いで湿式成形法にて成形品を得る。キチンドー
プは、前記した溶剤にキチンを溶解する。キチンドープ
中のキチン濃度は、好ましくは0.5〜20重量%、よ
り好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1
〜10重量%である。キチンの濃度が高くなりすぎると
溶解がしにくく、またそのようなキチンドープからの成
形体の製造もしにくくなるし、一方低くなりすぎると機
械的性質の優れた成形体が得にくくなるので好ましくな
い。
【0011】リン酸化合物の添加は、溶剤にキチンを溶
解するとき同時でもよいし、又溶剤にキチンを溶解した
後でもよい。
【0012】上記のようにして得られたキチンドープを
湿式成形して成形品を得る。すなわち、得られたドープ
を、例えばステンレスネットなどで濾過して未溶解物や
異物を取り除いた後、ギヤーポンプなどで輸送計量さ
れ、ノズルから例えば水、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン
などのケトン類、等の凝固液中に押し出されて凝固され
る。凝固された成形体は回転ローラーなどで引き取ら
れ、またさらには水洗などで糸中に含まれる溶剤を十分
に除去した後、乾燥される。
【0013】本発明の製造法で得られるキチン成形体と
は、繊維、フィルム、スポンジ、ビーズ、ロッドなどを
いう。
【0014】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 粗キチン粉末(新日本化学製)を100メッシュに粉砕
し、1N塩酸にて4℃、1時間処理し、さらに3%カ性
ソーダ水溶液中で90℃、3時間加熱処理し、粗キチン
粉末中に含まれているカルシウム分及びタンパク質を除
去した。このキチン粉末の脱アセチル化度は5.2%で
あった。別にジメチルアセトアミド90重量%及び塩化
リチウム10重量%からなる溶剤(全量915g)に、
リン酸5gを加え、さらに上で得た精製キチンを80g
加え、30分間攪拌したところキチンが膨潤した。得ら
れたキチンドープは1480メッシュのステンレルネッ
トを用いて濾過したところ1.5kg/cm2の圧力で簡単に
濾過できた。このドープを湿式紡糸装置を用い、ギアー
ポンプで孔径0.07mm、孔数40のノズルより排出量
1.11ml/minでプロピルアルコール中に紡出し、10
m/min の速度で引き取り、ワインダーに巻き取った。巻
取った糸をメタノール及び水で洗浄し、乾燥することに
よりキチン繊維を得た。得られたキチン繊維はトータル
デニールが60d、引っ張り強度4.11g/d 、伸度1
2%であった。
【0015】比較例1 ジメチルアセトアミド90重量%及び塩化リチウム10
重量%からなる溶剤(全量920g)に、リン酸は加え
ず、さらに実施例1と同様の精製キチンを80g加え、
30分間攪拌したところキチンが膨潤した。得られたキ
チンドープは実施例1と同様に濾過を試みたが、1.5
kg/cm2の圧力では濾過できず、6.5kg/cm2の濾過圧で
はじめて少量のドープが得られた。これを用いて実施例
1と同様の方法で紡糸し、キチン繊維を得た。得られた
キチン繊維はトータルデニールが31d、引っ張り強度
2.21g/d、伸度5.5%でり、実施例1のキチン繊
維に比べ、性能がかなり劣るものであった。
【0016】
【発明の効果】本発明のキチン成形体の製造法は従来法
に比べドープの濾過が容易であり、これは時間の短縮に
もつながる。さらには機械的特性に優れた成形体を得る
ことができ、かつ成形性に優れているので非常に有効で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 キチンと溶剤とからなるキチンドープを
    湿式成形してキチン成形体を製造するに際し、ドープに
    リン酸化合物を加えることを特徴とするキチン成形体の
    製造法。
JP20483091A 1991-07-19 1991-07-19 キチン成形体の製造法 Pending JPH0525289A (ja)

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