JPH0224485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、圧延設備におけるテンシヨンレベラ
のロール交換装置の改良に関する。

〈従来の技術〉 従来より帯板状の圧延製品の形状を矯正し平坦
度を向上させるためにテンシヨンレベラが使用さ
れている。このテンシヨンレベラは一般に、上下
に対向する複数個のロール間を進行方向に張力を
付与した板材を通過させ、ロールによつて板材に
上下に繰り返し曲げを与えることにより板材を平
坦化するものである。このようなテンシヨンレベ
ラにおいては、運転時間の経過とともにロールが
摩耗したり傷付いたりするので、所要時にロール
の交換を行わねばならない。このロール交換は、
ロールをレベラのハウジングから板材進行方向と
直角の方向にライン外に引き出すことによつて行
われる。このロール交換のためのテンシヨンレベ
ラの構造には種々のものがあるが、従来のものは
ロール交換作業に時間がかかり、また不安全な作
業を伴う等の欠点のあるものが多かつた。

第３図は上記のような従来のテンシヨンレベラ
の一例の板材進行方向と直角の方向から見た側面
図である。図に見られるように、ハウジング０１
内に設けられた複数個のロール間を張力の付与さ
れた板材０２が図示Ｘ方向に通過し、その形状が
矯正される。

ハウジング０１内部には、板材０２の通路を挾
んで上下に、上部フレーム０３及び下部フレーム
０４が設けられ、上部フレーム０３にはロールユ
ニツト０３ａ，０３ｂ，０３ｃが、また下部フレ
ーム０４にはロールユニツト０４ａ，０４ｂ，０
４ｃがそれぞれ保持されている。各ロールユニツ
ト０３ａ，０３ｂ，０３ｃ；０４ａ，０４ｂ，０
４ｃは、ロール０５，０６，０７，０８，０９，
０１０，０１１，０１２，０１３，０１４，０１
５，０１６，０１７をそれぞれ図示のように備え
たものである。上記ロールユニツトのうち、０３
ｂは使用頻度の高いワークロールを備えたワーク
ロールユニツトで、上部フレーム０３内に単独で
引出し可能なように分設されたものである。

上部フレーム０３、下部フレーム０４及びワー
クロールユニツト０３ｂはそれぞれに車輪０１８
ａ，０１９及び０１８ｂを有しており、ハウジン
グ０１内及び上部フレーム０３内に敷設されたレ
ール０２０ａ，０２１及び０２０ｂ上をこれら車
輪が転動し、ハウジング０１から板材０２進行方
向と直角の方向に引き出し得るように構成されて
いる。また、板材０２にロールにより曲げを与え
て矯正を行うために、下部ロールユニツト０４
ａ，０４ｂ，０４ｃは下部フレーム０４の下方か
ら油圧シリンダ０２３により上昇せしめられ、ま
た上部ロールユニツト０３ａ，０３ｂ，０３ｃの
うちデフレクタロール０５，０６，０７のあるロ
ールユニツト０３ａ，０３ｃは上部フレーム０３
の上方にある油圧シリンダ０２４により下降せし
められ、上部フレーム０３内にあるワークロール
ユニツト０３ｂは板材０２幅方向のハウジング０
１両側に設けられた油圧シリンダ０２２により下
降せしめられる。

以上のように構成されたテンシヨンレベラにお
いては、ロール交換のため上部フレーム０３又は
上部ワークロールユニツト０３ｂをハウジング０
１からオフラインに引き出す場合は、上部引出し
用レールをオフライン上に敷設しなければなら
ず、さらに上部ワークロールユニツト０３ｂの引
出し用レールを有する台車と、その台車の走行用
レールが必要となる。また、上部フレーム０３の
デフレクタロール０５，０６，０７の交換の際に
は上部フレーム０３を反転させねばならないが、
交換を要しないロールまでフレームと共に反転さ
せねばらない。このように余分な設備を設ける必
要があり、また反転する上部フレーム０３が大き
いため作業に危険を伴う上、交換作業に多大の時
間を要する等の欠点があつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は、以上のような従来の欠点を解消し、
上部フレーム内の所要ロールの交換を容易にする
ことのできるテンシヨンレベラのロール交換装置
を提供せんとするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、テンシヨンレベラ等のロール装置に
おける交換、修理の必要なロールのみの交換を容
易ならしめるために、上部ロール群を複数の上部
ロールユニツトにして各上部ロールユニツト毎に
引き出し自在にハウジングに支持し、各上部ロー
ルユニツトの引き出しを行なう移送手段を備える
と共に、各上部ロールユニツトをハウジング内で
昇降させる昇降装置を備え、上部ロールユニツト
の移送手段の高さに応じた架台を下部フレームの
一方側に設け、前記上部ロールユニツトと下部フ
レームとを同時に引き出し得る押送機構とを具備
してなるものである。

〈作用〉 本考案のテンシヨンレベラのロール交換装置は
上述の如く構成され、上部ロールユニツトのうち
ロール交換を要するロールユニツトのみを下部フ
レームに設けたサポートに片持ちさせて下部フレ
ームと共にオフライン上に引き出すことにより、
所要ロールの交換、修理を迅速、容易に行うこと
ができる。

〈実施例〉 以下、図面に示した実施例に基づき、本考案の
構成ならびに作用をさらに詳細に説明する。

第１図は本考案のテンシヨンレベラのロール交
換装置を適用したテンシヨンレベラの一実施例の
板材進行方向と直角の方向から見た側面図、第２
図は第１図のＡ矢視正面図である。

このテンシヨンレベラは、前述の従来例と同様
ハウジング１内に設けられた複数個のロール間に
板材２を図示Ｘ方向に通過せしめて矯正を行うも
のであるが、ハウジング１内部は、板材２の通路
を挾んで上下二つのブロツクに分かれており、上
部ブロツクは複数のロールユニツト３ａ，３ｂ，
３ｃよりなつている。また、下部ブロツクは下部
フレーム４とその上に支持された複数のロールユ
ニツト４ａ，４ｂ，４ｃとからなつている。各ロ
ールユニツト３ａ，３ｂ，３ｃ及び４ａ，４ｂ，
４ｃに、ロール５，６，７，８，９，１０，１
１，１２，１３，１４，１５，１６，１７がそれ
ぞれ図示の如く設けられていることは、従来例に
おけると同様である。

上部ロールユニツト３ａ，３ｂ，３ｃと下部フ
レーム４はそれぞれ車輪１８ａ，１８ｂ，１８ｃ
及び１９を有しており、これらの車輪がハウジン
グ１内に敷設されたレール２０ａ，２０ｂ，２０
ｃ及び２１上を転動し、ハウジング１から板材２
進行方向と直角の方向に引き出され得る。つま
り、車輪及びレールが移送手段を構成しているの
である。また、上部ロールユニツト３ａ，３ｂ，
３ｃはハウジング１の板材２幅方向両側に昇降用
の昇降装置としての油圧シリンダ２２ａ，２２
ｂ，２２ｃをそれぞれ有し、下部フレーム４はそ
の下方に昇降用の油圧シリンダ２３を有してい
る。

さらに、下部フレーム４の一方側としてのワー
クサイドＷ側上部におけるレール２０と同一高さ
の部位には、上部ロールユニツト３ａ，３ｂ，３
ｃの前記車輪１８ａ，１８ｂ，１８ｃの各片方を
それぞれ支持するサポートとして、架台２４ａ，
２４ｂ，２４ｃが固設されている。また、下部フ
レーム４を（前記の如く上部ロールユニツトを片
持ちさせた場合は該ロールユニツトと共に）ワー
クサイドＷ側に引き出す（押送する）ための押送
機構として油圧シリンダ２５が設けられている。

上記のように構成されたテンシヨンレベラにお
いて、上下に対向するロール５〜１７間を板材２
がＸ方向に通板されている時、下方からはレール
２１に搭乗していた下部フレーム４を油圧シリン
ダ２３で上昇させ、上方からは上部ロールユニツ
ト３ａ，３ｂ，３ｃをそれぞれの油圧シリンダ２
２ａ，２２ｂ，２２ｃで下降させる。上部の各油
圧シリンダ２２ａ，２２ｂ，２２ｃは内部にスプ
リング（図示せず）を有しており、油圧のかから
ない時は該スプリングの附勢力でたえずロールユ
ニツト３ａ，３ｂ，３ｃを上方に位置させてい
る。板材２の矯正の必要に応じて、デフレクタロ
ール５，６，７あるいはワークロール１５をそれ
ぞれのロールユニツト３ａ，３ｂ，３ｃの油圧シ
リンダ２２ａ，２２ｂ，２２ｃで圧下し、張力を
付与されながら通過する板材２を上下に曲げるこ
とによつて板材の矯正、平坦化が行われる。

矯正運転時間の経過と共にロール５〜１７に偏
摩耗等が起りロール交換を要する場合、上部ロー
ル５，６，７，９，１０，１５については、その
交換を要するロールのある上部ロールユニツト３
ａ，３ｂ，３ｃの車輪１８ａ，１８ｂ，１８ｃの
片側を前記下部フレーム４に設けられた架台２４
ａ，２４ｂ，２４ｃに支持させ、油圧シリンダ２
５を作動させて下部フレーム４を押送させること
により所要の上部ロールユニツトを下部フレーム
４と共にワークサイドＷ側のオフライン上に引き
出す。第２図に鎖線でこの状態を示す。この状態
で、通常の方法と同様、ホイスト又はクレーンあ
るいは台車等の搬送手段を用いて引き出されたロ
ールユニツトを搬送し、ロールの交換、修理を行
えばよい。

上記実施例は本考案をテンシヨンレベラに適用
したものであるが本考案は、ローラレベラ、スケ
ールブレーカなど、圧延設備における種々のロー
ル装置に適用可能である。

〈考案の効果〉 以上の説明から明らかなように、本考案では上
部ロールユニツトをそれぞれ別個のものとし、交
換を要するロールのロールユニツトだけを引き出
し得るようにしたので、従来の上部ロールユニツ
トが上部フレームと一体構造となつたものにくら
べて修理、交換を容易且つ迅速に行うことができ
る。

また、上部ロールユニツトの各々を下部フレー
ムと共に引き出し得る構造としたことにより、従
来の如き上部フレーム用レールと車輪や、ワーク
ロールユニツトをオフライン上に引き出すための
延長レールを備えた専用台車の設備等が不要とな
る。

さらに、引出し後にロール交換を行う場合、従
来の如き一体構造の上部フレームでは重量が大き
いのでホイスト又はクレーン等に大容量を要し、
反転させる時の危険度が高く、作業時間も長くか
かるが、本考案によれば所要ロールユニツトだけ
を下部フレームと共に引き出し、これだけを搬
送、反転させればよいから、揚重容量も小さくて
すむ上、反転作業も容易で危険度が著しく低下
し、短時間で作業を遂行することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のテンシヨンレベラのロール交
換装置を適用したテンシヨンレベラの一実施例の
側面図、第２図は第１図のＡ矢視正面図、第３図
は従来のテンシヨンレベラの一例の側面図であ
る。 図面中、１はハウジング、２は板材、３ａ，３
ｂ，３ｃは上部ロールユニツト、４ａ，４ｂ，４
ｃは下部ロールユニツト、５，６，７，８，９，
１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６，１
７はロール、１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１９は車
輪、２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２１はレール、２
２ａ，２２ｂ，２２ｃ，２３は油圧シリンダ、２
４ａ，２４ｂ，２４ｃは架台、２５は油圧シリン
ダである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部ロール群を複数の上部ロールユニツトにて
   各上部ロールユニツト毎に引き出し自在にハウジ
   ングに支持し、各上部ロールユニツトの引き出し
   を行なう移送手段を備えると共に、各上部ロール
   ユニツトをハウジング内で昇降させる昇降装置を
   備え、上部ロールユニツトの移送手段の高さに応
   じた架台を下部フレームの一方側に設け、前記上
   部ロールユニツトと下部フレームとを同時にハウ
   ジングより引き出し得る押送機構とを具備してな
   ることを特徴とするテンシヨンレベラのロール交
   換装置。