JPH0224466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は釣竿に使用する一部品である。釣竿に
は大別して継竿と振出し竿とがあり、また、糸通
ガイドのない竿とガイド付竿とがある。ガイド付
竿にはチヌ竿に代表されるように全てのガイドが
杆に固定されている竿と一部のガイドがスライド
できるようになつている竿とがある。本考案は主
として振出し竿に用いられているガイド付竿であ
つて少なくとも穂先杆にガイドがスライドできる
ように嵌合されている型式の釣竿を対象とし、該
型式の釣竿における穂先杆に設けられたガイドを
所定時に所定方向に向けて固定することができる
固定具に関する考案である。

〈従来の技術〉 上記型式の釣竿を本考案ではスライドガイド付
釣竿といい、以下において単に釣竿とはこの型式
の釣竿という。また、特に断わらない限り、ガイ
ドとは竿杆への嵌合部と垂下部と糸通し環部分と
を含むガイド体全体を指称するものとする。

而して、従来の釣竿は、魚種によつて、また仕
掛けに用いる重錘の大小によつて穂先の硬度の異
なる竿を用いる必要性があり、そのため釣行には
幾種かの釣竿を持参していた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 殊にサビキ釣りには重い網カゴを用いかつシヤ
クリ作用をするため、このシヤクリ作用に耐える
硬い穂先の竿を必要とし、またサビキ釣りの近隣
で使用する竿は通常小物釣り用の穂先の軟調子の
竿が必要である。また、この穂先の柔らかい竿で
は重い錘りを付けて遠くへ飛ばす投げ釣りには不
向きで、錘りの慣性で穂先の折れる危険性から使
用できないため、錘りの大きさに合つた穂先の硬
い投げ釣り用竿が用いられる。このように従来は
釣る魚の大小、仕掛けや釣法によりそれに適した
種類の竿を必要とした。

即ち、従来の竿は単用性のもので多様性に欠け
るものであつた。

本考案は、このような問題を解決することを目
的とし、小物釣り用の穂先の柔らかい竿で穂先の
硬度及び強度を必要とする投げ釣りやサビキ釣り
用竿としても用いることができるようにすること
ができる穂先ガイド固定具を提案するものであ
る。

〈問題点を解決するための手段〉 この目的を達成するための本考案の構成を、実
施例に対応する第１図乃至第５図を用いて説明す
ると、本考案に穂先用のガイドがスライド式に形
成されている釣竿Ａに用いるガイド固定具であつ
て、先端ガイド１と穂先杆２１に対して摺動自在
に嵌合された穂先用スライドガイド２…のみをカ
バーし、かつ、穂先杆２１を２番杆２２に対して
収納姿勢で固定する穂先ガイド固定具Ｂで、先端
ガイド１への接当部１１と、該先端ガイド１及び
釣竿Ａの穂先杆２１に摺動自在に嵌合された、穂
先用スライドガイド２…の両側に位置してこれら
のガイド１，２…を同一方向に向けて位置規制す
る方向規制部１２，１２と、穂先杆２１通過用切
目１３ａを有する形状とした２番杆２２の先端孔
２２ａ内への挿入用孔挿入部１３と、２番杆２２
の先端部に固定された固定ガイド３に係止する係
止体１４とからなるスライドガイド付釣竿におけ
る穂先ガイド固定具である。

〈作用〉 このようにした穂先ガイド固定具Ｂを用いて、
穂先の軟調子の釣竿Ａを、投げ釣り用竿として用
いることができるようにするには、先端ガイド１
と穂先杆２１に嵌合されているスライドガイド２
…とを接当状態とし、該固定具Ｂでこれらのガイ
ド１及び２…を一定の方向に向けて方向規制部１
２，１２で両側から位置規制し穂先杆２１を２番
杆２２に収納姿勢とするとともに、固定具Ｂの孔
挿入部１３を２番杆２２の先端孔２２ａ内に挿入
し、該挿入時に上記各ガイド１，２…を２番杆２
２の先端部に固定されている固定ガイド３の糸通
し環３ａの位置から回避した方向（例えば第３〜
５図において示した上方向き姿勢）に向け、同固
定ガイド３に対し係止体１４を係止させることに
よつて、その姿勢を維持させる。このようにし
て、２番杆２２の先端部に固定されている固定ガ
イド３の釣竿Ａの先端ガイドとし、該２番杆２２
を投げ釣り用の穂先杆代用として用いるのであ
る。

〈実施例〉 以下本考案の実施例について図面に基づいて説
明する。

第１，２図は、穂先杆２１を伸張姿勢とした軟
調子の釣竿Ａの通常の釣姿勢を示す。この状態で
小物釣りなどに使用する。これを投げ釣りやサビ
キ釣り用に用いるには、第４図に示したように、
先端ガイド１が外方に飛び出さないようにこれを
規制する接当部１１を傾斜姿勢に形成し、該先端
ガイド１及び前記穂先杆２１に摺動自在に嵌合し
た複数のスライドガイド２…とを、その両側に位
置して同一方向に向けて位置規制する方向規制部
１２，１２を断面Ｕ字形に形成し、前記接当部１
１形成側とは反対の側に、上方に穂先杆２１の通
過用切目１３ａを有する短筒状とした２番杆２２
の先端孔２２ａへの孔挿入部１３を連設形成し、
これら接当部１１、方向規制部１２及び孔挿入部
１３を合成樹脂材料で一体成形し、更に、前記方
向規制部１２の両側外面にゴム材料で形成した前
記固定ガイド３への係止用リング体１４を固着し
た構造とした固定具Ｂを、前記作用の項で説明し
たように、穂先ガイド１とスライドガイド２…と
を接当させて方向規制部１２，１２間に入れ、孔
挿入部１３を２番杆２２の先端孔２２ａ内に挿入
し、係止用リング体１４を２番杆２２の固定ガイ
ド３に係止し、第３，５図に示したように、これ
ら両ガイド１，２…を固定ガイド３の垂下方向と
は反対向きの上方向き姿勢として固定する。

このようにして第３図に示すように２番杆２２
の先端に固定されている固定ガイド３を先端ガイ
ドとして投げ釣り用やサビキ釣り用として用いる
のである。図中４は釣り糸（道糸）、５はリール
を示す。

第６図乃至第８図に示した実施例は、スライド
ガイド２…の垂下部の形状に合せて方向規制部１
２，１２を内方に凹入させた断面壷形形状とし、
係止体１４としてのリング体を先端ガイド１への
接当部１１の下端部分に連設した構造としたもの
である。第９図及び第１０図に示した実施例は固
定具Ｂの方向規制部１２，１２を断面繭形の筒状
とし、接当部１１を底部として有底筒状とするこ
とによつて両ガイド１及び２…の全体を覆うよう
にしたものである。第１１図は固定具Ｂを断面長
円形の有底筒状としたものを示し、第１２図乃至
第１４図に示した実施例は、固定具Ｂの２番杆２
２の固定ガイド３への係止体１４を、方向規制部
１２，１２の孔挿入部１３連設側に向けて二本の
突起を突出させその先端部分に互いに向かう合う
方向に向けて係止用段部１４′，１４′を形成した
構造とし、該係止用段部１４′，１４′をして前記
固定ガイド３の垂下部にその両側から嵌合係止す
るようにしたものである。この固定ガイドへの係
止は垂下部のみに限らず、固定ガイド３の竿への
嵌合部であつてもよいことは言うまでもない。

この２番杆２２の固定ガイド３への固定具Ｂの
係止は、要するに穂先杆２１のガイド１，２…
を、該固定ガイド３の糸通し環の穂先側方向位置
から回避させ、かつ、この回避した状態を保持す
ることができるものであればよい。

以上本考案の代表的と思われる実施例について
説明したが、本考案は必ずしもこれらの実施例構
造のみに限定されるものではなく、本考案にいう
構成要件を備えかつ、本考案にいう目的を達成
し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜
改変して実施することができるものである。

〈考案の効果〉 以上の説明から既に明らかなように、本考案に
おけるスライドガイド付釣竿における穂先ガイド
固定具は、穂先杆を２番杆に収納した姿勢におい
て、穂先杆の先端に固定されている先端ガイドと
該穂先杆に対して摺動自在に嵌合されているスラ
イドガイドとを、２番杆の先端に固定されている
固定ガイドを利用して、該固定ガイドの糸通し環
の糸の通過延長方向即ち穂先杆側方向から回避さ
せ、かつ、同時に穂先杆を２番杆に対して収納姿
勢で固定させておくことによつて、その回避した
姿勢を保持させることができるようにしたもので
あるから、前記２番杆の先端側固定ガイドを釣竿
の先端ガイドとし、該２番杆を釣竿の穂先杆代用
として、穂先杆の強度と硬度を必要とする投げ釣
りやサビキ釣り用に使用することができるのであ
る。従つて、１本の釣竿をして、穂先の軟調子を
必要とする小物釣り等の場合には穂先杆を延長し
通常の姿勢として使用し、穂先強度と硬度を必要
とする大物釣りや重い錘りを使用する投げ釣りや
重い網カゴを使用するシヤクリ作用を必要とする
サビキ釣り等には、前記の如く穂先杆を２番杆内
に収納姿勢とし、２番杆を穂先杆代用として用い
ることができるので、魚種や釣り方に応じた多数
の釣竿を必要とすることなく、釣行には少なくと
も従来の２分の１の数の釣竿を持参すればよいと
いう大なる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面中第１図乃至第５図は本考案の一実施例を
示す図で、第１図は釣竿の通常使用姿勢を示す全
体側面図、第２図は同穂先杆の斜視図、第３図は
本考案にいう固定具を取付けた姿勢を示す釣竿の
全体側面図、第４図は要部の斜視図、第５図は使
用状態を示す縦断側面図、第６図乃至第８図は別
実施例を示す図で第６図は釣竿の穂先部の斜視
図、第７図は固定具の斜視図、第８図は使用状態
の縦断側面図、第９図、第１１図及び第１２図は
それぞれ更に別の実施例を示す固定具の斜視図、
第１０図は第９図の、第１３図は第１２図のそれ
ぞれ使用状態を示す縦断側面図、第１４図は第１
３図におけるＡ−Ａ線縦断面図である。 図中Ａは釣竿、２は固定具、１は先端ガイド、
２はスライドガイド、３は固定ガイド、１１は接
当部、１２は方向規制部、１３は孔挿入部、１３
ａは切目、１４は係止体、２１は穂先杆、２２は
２番杆、２２ａは先端孔を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穂先用のガイドがスライド式に形成されている
   釣竿Ａに用いるガイド固定具であつて、先端ガイ
   ド１と穂先杆２１に対して摺動自在に嵌合された
   穂先用スライドガイド２…のみをカバーし、か
   つ、穂先杆２１を２番杆２２に対して収納姿勢で
   固定する穂先ガイド固定具Ｂで、先端ガイド１へ
   の接当部１１と、該先端ガイド１及び釣竿Ａの穂
   先杆２１に摺動自在に嵌合された、穂先用スライ
   ドガイド２…の両側に位置してこれらのガイド
   １，２…を同一方向に向けて位置規制する方向規
   制部１２，１２と、穂先杆２１通過用切目１３ａ
   を有する形状とした２番杆２２の先端孔２２ａ内
   への挿入用孔挿入部１３と、２番杆２２の先端部
   に固定された固定ガイド３に係止する係止体１４
   とからなるスライドガイド付釣竿における穂先ガ
   イド固定具。