JPH02243739A - 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法 - Google Patents
油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法Info
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- JPH02243739A JPH02243739A JP6269889A JP6269889A JPH02243739A JP H02243739 A JPH02243739 A JP H02243739A JP 6269889 A JP6269889 A JP 6269889A JP 6269889 A JP6269889 A JP 6269889A JP H02243739 A JPH02243739 A JP H02243739A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、油井あるいはガス井(以下、単に「油井」と
総称する)に使用される油井用の鋼材とその製造方法に
関し、特に炭酸ガス、硫化水素、塩素イオンなど腐食性
不純物を含有していて極めて腐食環境の厳しい油井(ガ
ス井)で使用されるのに適した耐食性と強度とを有する
鋼材とその製造方法に関するものである。
総称する)に使用される油井用の鋼材とその製造方法に
関し、特に炭酸ガス、硫化水素、塩素イオンなど腐食性
不純物を含有していて極めて腐食環境の厳しい油井(ガ
ス井)で使用されるのに適した耐食性と強度とを有する
鋼材とその製造方法に関するものである。
(従来の技術)
近年、石油または天然ガスを採取するための井戸の環境
がまずまず過酷なものになっており、深さの増加に加え
て炭酸ガス、硫化水素を含む油井が増え、それにつれて
材料の強度が要求される一方、腐食などによる材料の脆
化が大きな問題となっている。
がまずまず過酷なものになっており、深さの増加に加え
て炭酸ガス、硫化水素を含む油井が増え、それにつれて
材料の強度が要求される一方、腐食などによる材料の脆
化が大きな問題となっている。
従来、一般の油井用鋼材の一つである油井管は炭素鋼や
低合金鋼を使用するのが通常であったが、使用する油井
の環境が過酷になるにつれて、合金量を増加させた鋼が
用いられるようになってきている。例えば、炭酸ガスを
多く含有する油井では、Crの添加が耐食性を著しく向
上させることが知られており、Crを9%添加した9
Cr −I Mo鋼や、Crを13%添加した5US4
20マルテンサイト系ステンレス鋼が多く用いられてき
ている。ところが、Crを添加したマルテンサイト鋼は
耐硫化物応力腐食割れ性が芳しくなく、前述のような炭
酸ガスだけでなく硫化水素をも同時に含むような環境下
では応力腐食割れ感受性が極めて高く、その使用が制限
されているのが実情である。
低合金鋼を使用するのが通常であったが、使用する油井
の環境が過酷になるにつれて、合金量を増加させた鋼が
用いられるようになってきている。例えば、炭酸ガスを
多く含有する油井では、Crの添加が耐食性を著しく向
上させることが知られており、Crを9%添加した9
Cr −I Mo鋼や、Crを13%添加した5US4
20マルテンサイト系ステンレス鋼が多く用いられてき
ている。ところが、Crを添加したマルテンサイト鋼は
耐硫化物応力腐食割れ性が芳しくなく、前述のような炭
酸ガスだけでなく硫化水素をも同時に含むような環境下
では応力腐食割れ感受性が極めて高く、その使用が制限
されているのが実情である。
このような炭酸ガスと硫化水素とを同時に含む油井環境
では、現状では、さらに合金元素を高めた2相ステンレ
ス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼を用いざるを得な
いが、合金元素の添加が多くなってくるのでコスト上昇
が著しい。
では、現状では、さらに合金元素を高めた2相ステンレ
ス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼を用いざるを得な
いが、合金元素の添加が多くなってくるのでコスト上昇
が著しい。
特開昭60−174859号公報には、上述の5US4
20鋼をヘースに、Ni、Moの添加および0.02%
以下へのC量の低下を閏って、腐食性の高い油井環境下
での耐硫化水素腐食性を確保させようという試みが開示
されている。
20鋼をヘースに、Ni、Moの添加および0.02%
以下へのC量の低下を閏って、腐食性の高い油井環境下
での耐硫化水素腐食性を確保させようという試みが開示
されている。
この公報に開示された鋼種によれば、確かにCr、Mo
の添加で耐食性は向上するが、ますまず苛酷化する油井
環境下で使用するには耐食性の面でいまだ十分でない。
の添加で耐食性は向上するが、ますまず苛酷化する油井
環境下で使用するには耐食性の面でいまだ十分でない。
(発明が解決しようとする課題)
ここに、本発明の一般的な目的は、それら従来技術の問
題点を解決することであって、油井用鋼材に要求される
高強度を備え、炭酸ガスと硫化水素の共存する環境下で
も良好な耐食性を有する鋼で、耐食性向上合金元素であ
るCr含有量を更に高めることによって十分な耐食性を
有する鋼材とその製造方法を提供することである。
題点を解決することであって、油井用鋼材に要求される
高強度を備え、炭酸ガスと硫化水素の共存する環境下で
も良好な耐食性を有する鋼で、耐食性向上合金元素であ
るCr含有量を更に高めることによって十分な耐食性を
有する鋼材とその製造方法を提供することである。
従来の9Cr−IMo鋼や5US420鋼では、炭酸ガ
スに対する耐食性が良好なものの、硫化水素に対する耐
食性が不十分であった。特に、油井の中では採油開始初
期は、腐食性不純物としては炭酸ガスのみであったのが
、採油を継続していくにしたがってバクテリアによって
硫化水素が発生ずる、いわゆるハタテリア腐食問題など
が近年報告されるにつれて、硫化物応力腐食割れに抵抗
性を具備した鋼材が求めれらている。現状ではコストが
大幅に向−卜する2相ステンレス綱や高合金を使用せざ
るを得ないが、これらの綱は、例えば油井管としての満
足な強度を有しておらず、冷間加工で強度を満足させる
ため、管端を据込鍛造で予め増肉するアンプセント品が
製造できないという弱点をも有している。このようなア
ンプセント加工は油井管の場合、管相互の連結用のネジ
が管端に形成されて薄肉化するため、所定の強度確保の
ために必要な工程である。
スに対する耐食性が良好なものの、硫化水素に対する耐
食性が不十分であった。特に、油井の中では採油開始初
期は、腐食性不純物としては炭酸ガスのみであったのが
、採油を継続していくにしたがってバクテリアによって
硫化水素が発生ずる、いわゆるハタテリア腐食問題など
が近年報告されるにつれて、硫化物応力腐食割れに抵抗
性を具備した鋼材が求めれらている。現状ではコストが
大幅に向−卜する2相ステンレス綱や高合金を使用せざ
るを得ないが、これらの綱は、例えば油井管としての満
足な強度を有しておらず、冷間加工で強度を満足させる
ため、管端を据込鍛造で予め増肉するアンプセント品が
製造できないという弱点をも有している。このようなア
ンプセント加工は油井管の場合、管相互の連結用のネジ
が管端に形成されて薄肉化するため、所定の強度確保の
ために必要な工程である。
したがって、本発明のより具体的目的は、耐食性合金元
素であるCr含有量のさらなる増加を図って、硫化水素
に対する耐応力腐食割れ性を充分に改善して、さらに油
井管として適正な高強度を有し、アンプセント品も製造
可能な加工性を備えたマルテンサイト単相鋼とそれを使
用した鋼材、例えば油井管とその製造方法とを提供する
ことである。
素であるCr含有量のさらなる増加を図って、硫化水素
に対する耐応力腐食割れ性を充分に改善して、さらに油
井管として適正な高強度を有し、アンプセント品も製造
可能な加工性を備えたマルテンサイト単相鋼とそれを使
用した鋼材、例えば油井管とその製造方法とを提供する
ことである。
(課題を解決するための手段)
本発明者らは、かかる目的を達成すべく、まず炭酸ガス
、硫化水素および塩化物イオンを含む環境下での耐応力
腐食割れ性を中心とする耐食性に及ぼす合金元素の影響
を調べるべく、各種の実験、検討を重ねた結果、次のよ
うな知見を得た。
、硫化水素および塩化物イオンを含む環境下での耐応力
腐食割れ性を中心とする耐食性に及ぼす合金元素の影響
を調べるべく、各種の実験、検討を重ねた結果、次のよ
うな知見を得た。
■従来の5US420鋼において、Cr、 Ni、 M
oを適正量添加するとともに、CおよびNの上限を定め
るごとにより上述した環境での耐食性が著しく改善され
ること。
oを適正量添加するとともに、CおよびNの上限を定め
るごとにより上述した環境での耐食性が著しく改善され
ること。
■さらに高強度を有する必要性からCr含有量を多くす
るに当って安定にδフェライトを含まないマルテンサイ
ト単相鋼を得る成分系とすること。
るに当って安定にδフェライトを含まないマルテンサイ
ト単相鋼を得る成分系とすること。
■上述のように成分系を適正に調整すれば、今までのマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の常識であった焼入れ、焼
き戻し処理を経ずして焼入れままでも適切な強度と耐食
性を有する画期的な鋼が得られること。
ルテンサイト系ステンレス鋼の常識であった焼入れ、焼
き戻し処理を経ずして焼入れままでも適切な強度と耐食
性を有する画期的な鋼が得られること。
よって、ここに本発明の要旨とするところは、重量%で
、 C:0.05%以下、 Sr: 1.0%以下、M
n: 0.1〜3.0%、 P:0.04%以下、S
:0.005%以下、 Cr: 15%超19%以下
、Ni: 3.5〜8.0%、 Al70.001〜
0.1%、N:0.1%以下、 Mo: 0.1
〜4.0%、残部はFeおよび不可避的不純物 より成り、かつ 30Cr(%)+36Mom + 1454%−28N
jF4≦455(1)21Crl’X) + 25Mo
CX +17Si(N + 35Ni1M≦731(ト
)である鋼組成を有する硫化物応力腐食割れ性に優れた
油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材である。
、 C:0.05%以下、 Sr: 1.0%以下、M
n: 0.1〜3.0%、 P:0.04%以下、S
:0.005%以下、 Cr: 15%超19%以下
、Ni: 3.5〜8.0%、 Al70.001〜
0.1%、N:0.1%以下、 Mo: 0.1
〜4.0%、残部はFeおよび不可避的不純物 より成り、かつ 30Cr(%)+36Mom + 1454%−28N
jF4≦455(1)21Crl’X) + 25Mo
CX +17Si(N + 35Ni1M≦731(ト
)である鋼組成を有する硫化物応力腐食割れ性に優れた
油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材である。
上記鋼組成にはさらに必要により
Ti:0.5%以下、Nb: 0.5%以下、V:0.
5%以下およびZr:0.5%以下のうちの1種または
2種以上、 および/または Ca:0.001〜0.05%、Mg:0.001〜0
.05%、La:0.001〜0.05%およびCe:
0.OO1〜0.05%(7)うちの1種または2種以
上 を含有していてもよい。
5%以下およびZr:0.5%以下のうちの1種または
2種以上、 および/または Ca:0.001〜0.05%、Mg:0.001〜0
.05%、La:0.001〜0.05%およびCe:
0.OO1〜0.05%(7)うちの1種または2種以
上 を含有していてもよい。
したがって、本発明によれば、高強度とすぐれた耐食性
とを有し、更に微量合金元素を添加することで従来マル
テンサイト系ステンレス鋼の常識である焼入れ、焼戻し
処理をせず圧延まま、あるいは焼入れままでも強度バラ
ツキが小さな鋼材が得られる。また、焼入れ時の強度バ
ラツキが小さいので焼戻し後の強度コントロールも容易
である。
とを有し、更に微量合金元素を添加することで従来マル
テンサイト系ステンレス鋼の常識である焼入れ、焼戻し
処理をせず圧延まま、あるいは焼入れままでも強度バラ
ツキが小さな鋼材が得られる。また、焼入れ時の強度バ
ラツキが小さいので焼戻し後の強度コントロールも容易
である。
このように、本発明によれば、熱間加工ままでも、焼入
れままでも、あるいは焼入れ焼き戻し処理しても、さら
には鋳造もしくは溶接ままでの使用にも耐えるのであっ
て、したがって本発明にかかる鋼材は、これまで知られ
ることのなかったすぐれたマルテンサイト系ステンレス
鋼材である。
れままでも、あるいは焼入れ焼き戻し処理しても、さら
には鋳造もしくは溶接ままでの使用にも耐えるのであっ
て、したがって本発明にかかる鋼材は、これまで知られ
ることのなかったすぐれたマルテンサイト系ステンレス
鋼材である。
なお、ここに「g材」は板材、枠材はもちろん、管材を
も包含する。
も包含する。
(作用)
次に、本発明において上述のように鋼組成を限定した理
由を詳述する。なお、本明細書において「%」はとくに
断りがない限り、「重量%」である。
由を詳述する。なお、本明細書において「%」はとくに
断りがない限り、「重量%」である。
C:含有量が0.05%を超えると、強度が上昇しすぎ
、硫化物応力割れ感受性が高くなるので、上限を0.0
5%とした。なお、耐食性の面からはCは少なければ少
ない程よく、望ましくtよ0.02%以下である。
、硫化物応力割れ感受性が高くなるので、上限を0.0
5%とした。なお、耐食性の面からはCは少なければ少
ない程よく、望ましくtよ0.02%以下である。
Si:通常の製鋼過程で脱酸剤として必要である。
1.0%を超えると靭性が低下すると共に、δフェライ
トが生成しやすくなるので1.0%を上限とした。
トが生成しやすくなるので1.0%を上限とした。
Mn:熱間加工性を改善するために0.1%以上の含有
が必要である。3.0%超の添加ではその効果が飽和し
てしまう。Mn量が多いと残留オーステナイトが生成し
やすいので望ましくは0.5%未満がふされしい。
が必要である。3.0%超の添加ではその効果が飽和し
てしまう。Mn量が多いと残留オーステナイトが生成し
やすいので望ましくは0.5%未満がふされしい。
S:熱間加工性からは少なければ少ない程良好である。
脱硫コストとのかねあいで上限をo、oos%とずれば
通常の熱間加工が可能である。
通常の熱間加工が可能である。
P:0.04%を超えると硫化物応力割れ性が著しく低
下する。
下する。
Cr:炭酸ガスと微量硫化水素環境での耐食性改善に効
果を有する。15%以下では満足な耐食性が得られず、
19%を越えるとフェライトが生成しやすくなり強度が
得られなくなる。
果を有する。15%以下では満足な耐食性が得られず、
19%を越えるとフェライトが生成しやすくなり強度が
得られなくなる。
Ni:硫化水素に対する耐食性を確保するのに添加する
のであって、3.5%未満ではその効果が十分でないば
かりでなく、逆に耐硫化物応力腐食割れ性が低下する。
のであって、3.5%未満ではその効果が十分でないば
かりでなく、逆に耐硫化物応力腐食割れ性が低下する。
一方8%を超えると耐応力腐食割れ性の改善効果が飽和
するばかりでなく、コスト上昇を招く。
するばかりでなく、コスト上昇を招く。
Al:脱酸剤として使用する。0.001%未満ではそ
の効果がなく、0.1%を超えると介在物が多くなって
耐食性が損なわれる。
の効果がなく、0.1%を超えると介在物が多くなって
耐食性が損なわれる。
N: 0.1%を超えると強度が上昇しすぎ硫化物応力
耐食割れ感受性が高くなる。耐食性の面がらもNは少な
い方が良好で、望ましくは0.02%以下である。
耐食割れ感受性が高くなる。耐食性の面がらもNは少な
い方が良好で、望ましくは0.02%以下である。
Mo:硫化水素に対する耐食性に効果を有する。
0.1%未満ではその効果が少なく、4.0%を超える
とδフェライトが生成しやすくなり、強度が得られなく
なるので上限を4.0%以下とした。
とδフェライトが生成しやすくなり、強度が得られなく
なるので上限を4.0%以下とした。
Ti、 Nb+ L Zr: これらの合金元素は所
望により添加され高温の熱間加工時や溶体化時にC+N
と化合物を作り、鋼中のフリーな(C+N)量をコント
ロールする作用を有し、実生産において、圧延まま、あ
るいは溶体化まま、あるいは焼戻し後の強度のコントロ
ールがその配合量を調節することにより可能となる。そ
れぞれ0.5%を超えるとその効果が飽和する。
望により添加され高温の熱間加工時や溶体化時にC+N
と化合物を作り、鋼中のフリーな(C+N)量をコント
ロールする作用を有し、実生産において、圧延まま、あ
るいは溶体化まま、あるいは焼戻し後の強度のコントロ
ールがその配合量を調節することにより可能となる。そ
れぞれ0.5%を超えるとその効果が飽和する。
Ca+ Mg+ La、 Ce: これらの合金元素は
所望により添加され熱間加工性の改善に使用する。それ
ぞれ0.001%未満では効果がなく0.05%を超え
ると耐食性が低下する。
所望により添加され熱間加工性の改善に使用する。それ
ぞれ0.001%未満では効果がなく0.05%を超え
ると耐食性が低下する。
さらに、本発明にあっては、鋼組成は次の式を満足しな
ければならない。
ければならない。
30CreFQ + 36Mom + 14Si m
−28Ni UJ≦455(’#−−・式(1)21
Cr l?Q→−25MoM +175i% 4−35
Ni(i’=j≦731fi−・・式(2)すなわち、
本発明の対象鋼種は油井用であるのでマルテンサイト単
相鋼が望ましく、通常のオーステナイト化温度である9
00〜1100’cでオーステナイト単相鋼となり、冷
却すればマルテンサイト鋼に変態することが必要である
。高温でδフェライトが生成せずにオーステナイト相と
なるには弐(1)を満足する必要がある。
−28Ni UJ≦455(’#−−・式(1)21
Cr l?Q→−25MoM +175i% 4−35
Ni(i’=j≦731fi−・・式(2)すなわち、
本発明の対象鋼種は油井用であるのでマルテンサイト単
相鋼が望ましく、通常のオーステナイト化温度である9
00〜1100’cでオーステナイト単相鋼となり、冷
却すればマルテンサイト鋼に変態することが必要である
。高温でδフェライトが生成せずにオーステナイト相と
なるには弐(1)を満足する必要がある。
一方、室温にまで冷却してマルテンサイト単相鋼になる
には式(2)を満足する必要がある。
には式(2)を満足する必要がある。
以上の組成を有する鋼は通常の熱間加工で例えば管体に
まで成形した後、特に急冷を要せず冷却したままでも適
正な強度と耐食性を兼ね備えているが、さらに熱処理を
行うと、−層耐食性が向上する。なお、熱間加工後に急
冷しても問題ない。
まで成形した後、特に急冷を要せず冷却したままでも適
正な強度と耐食性を兼ね備えているが、さらに熱処理を
行うと、−層耐食性が向上する。なお、熱間加工後に急
冷しても問題ない。
本発明にしたがって、製管を行ってから熱処理を行う場
合は、次のいずれかの方法が望ましい。
合は、次のいずれかの方法が望ましい。
(1)熱間加工後、急冷または徐冷したものをAc点以
下で焼戻す (II)熱間加工後、急冷または徐冷したものをAc+
点以上で加熱し、一部もしくはずべて再オーステナイト
化した後急冷または徐冷して焼入れる。
下で焼戻す (II)熱間加工後、急冷または徐冷したものをAc+
点以上で加熱し、一部もしくはずべて再オーステナイト
化した後急冷または徐冷して焼入れる。
(III)さらに(II)の材料を胱8点以下で焼戻し
だ後に急冷または徐冷する。
だ後に急冷または徐冷する。
(1)の場合は直接焼入れ一焼戻し過程となり、加熱温
度は直接焼入れ時の残留応力を緩和する意味合いでその
範囲の決定を行う。従って、好ましくは応力緩和の起こ
る450℃以上、Ac+点以下で行う。
度は直接焼入れ時の残留応力を緩和する意味合いでその
範囲の決定を行う。従って、好ましくは応力緩和の起こ
る450℃以上、Ac+点以下で行う。
(旧の場合は、焼入れままの熱処理となる。
Ac、点以上に加熱して、一部あるいは全部オーステナ
イト化した後冷却する。再オーステナイト化は均質化の
意味合いもあるのでAc3点以下の温度が望ましい。
イト化した後冷却する。再オーステナイト化は均質化の
意味合いもあるのでAc3点以下の温度が望ましい。
(I[[)の場合は、(It)で焼入れした材料の応力
緩和のための焼戻しを行うから再加熱はAc1点以下と
する。
緩和のための焼戻しを行うから再加熱はAc1点以下と
する。
なお、本発明における製管は特に制限されないが、例示
すればマンネスマン・マンドレルミル法のような工程を
経て行う製管法が例示される。
すればマンネスマン・マンドレルミル法のような工程を
経て行う製管法が例示される。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、以下の実施例にあっては熱間圧延を行うだけであ
るが、当業者には製管工程を行った場合も同様の作用効
果を示すものであることば理解されよう。
るが、当業者には製管工程を行った場合も同様の作用効
果を示すものであることば理解されよう。
実施例
第1表に示す組成を有するA〜0綱をそれぞれ溶製し、
熱間圧延で12龍厚の板とした。次いで、第2表に示す
熱処理を行い直径411、平行部341の丸棒引張り試
験片を採取して引張り強度を測定した。
熱間圧延で12龍厚の板とした。次いで、第2表に示す
熱処理を行い直径411、平行部341の丸棒引張り試
験片を採取して引張り強度を測定した。
腐食試験は、いずれも2龍厚XIO龍幅×80鰭長のU
ヘンド曲げ試験片をそれぞれ2個作成し、第1図に示す
ように、試験片1を曲げ治具2によって曲率半径Rが7
.5貫−となるように曲げ応力を付した状態で行った。
ヘンド曲げ試験片をそれぞれ2個作成し、第1図に示す
ように、試験片1を曲げ治具2によって曲率半径Rが7
.5貫−となるように曲げ応力を付した状態で行った。
試験環境は5%NaCQ+0.03気圧+125+30
気圧cowCIjL度:25℃)とし、336時間の浸
漬試験後、試験片を取り出し、腐食減量を測定するとと
もに肉眼による外観観察および試験片断面の光学顕微鏡
観察によって割れの有無を調査した。
気圧cowCIjL度:25℃)とし、336時間の浸
漬試験後、試験片を取り出し、腐食減量を測定するとと
もに肉眼による外観観察および試験片断面の光学顕微鏡
観察によって割れの有無を調査した。
これら再試験の結果を第3表にまとめて示す。
なお、表中「○○」は試験片2個共に割れなし、「××
」は試験片2個とも割れ発生を表わす。
」は試験片2個とも割れ発生を表わす。
従来例24.25は従来の13Cr鋼と9Cr−IMo
鋼の結果であるが、この環境では腐食速度が大きく硫化
物応力腐食割れも見られ、好ましくない。
鋼の結果であるが、この環境では腐食速度が大きく硫化
物応力腐食割れも見られ、好ましくない。
比較例26.27はC,N量が本発明鋼種の範囲外とな
っており、強度が著しく高く、腐食速度が良好なものの
応力割れを起こしている。比較例28.29は、それぞ
れF=30Crt’N+36Mo%+14SiN 2
8N+6=i≦455またはM =21Crm +25
Mom +1751m +35Ni(ホ)≦731を満
たさない例で、耐食性能は良好であるが、強度が油井管
として適切でない。
っており、強度が著しく高く、腐食速度が良好なものの
応力割れを起こしている。比較例28.29は、それぞ
れF=30Crt’N+36Mo%+14SiN 2
8N+6=i≦455またはM =21Crm +25
Mom +1751m +35Ni(ホ)≦731を満
たさない例で、耐食性能は良好であるが、強度が油井管
として適切でない。
比較例30は特開昭60−174859号に開示する鋼
に相当する。腐食速度は小さいが硫化物応力割れが認め
られ耐食性が十分ではない。
に相当する。腐食速度は小さいが硫化物応力割れが認め
られ耐食性が十分ではない。
しかしながら、本発明例】〜23に示すように、本発明
鋼種は種々の熱処理条件で処理しても、あるいは熱間圧
延ま\でも油井管としての必要な引張り強度と、耐食性
を兼ねそなえており、上述のような苛酷な環境で使用さ
れる油井管として好適に使用し得ることが分かる。これ
らの鋼はいずれも、マルテンサイト単一相であった。
鋼種は種々の熱処理条件で処理しても、あるいは熱間圧
延ま\でも油井管としての必要な引張り強度と、耐食性
を兼ねそなえており、上述のような苛酷な環境で使用さ
れる油井管として好適に使用し得ることが分かる。これ
らの鋼はいずれも、マルテンサイト単一相であった。
(以下余白)
(発明の効果)
以上実施例からも明らかなとおり、本発明は、塩化物イ
オンと炭酸ガスと微量の硫化水素ガスが存在する苛酷な
油井環境中でも満足する耐食性を備え、かつ油井管とし
て適当な強度も有し、さらに工業約4こは強度バラツキ
の小さい均質な鋼材が容易に得られるという、まことに
有益な鋼を提供するものであり、その実用上の利益は大
きい。
オンと炭酸ガスと微量の硫化水素ガスが存在する苛酷な
油井環境中でも満足する耐食性を備え、かつ油井管とし
て適当な強度も有し、さらに工業約4こは強度バラツキ
の小さい均質な鋼材が容易に得られるという、まことに
有益な鋼を提供するものであり、その実用上の利益は大
きい。
第1図は、実施例で用いたUヘンド曲げ試験片の応力付
与状態を示す図である。
与状態を示す図である。
Claims (7)
- (1)重量%で、 C;0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:0.
1〜3.0%、P:0.04%以下、S:0.005%
以下、Cr:15%超19%以下、Ni:3.5〜8.
0%、Al:0.001〜0.1%、N:0.1%以下
、Mo:0.1〜4.0%、残部はFeおよび不可避的
不純物 より成り、かつ 30Cr(%)+36Mo(%)+14Si(%)−2
8Ni(%)≦455(%)21Cr(%)+25Mo
(%)+17Si(%)+35Ni(%)≦731(%
)である鋼組成を有する硫化物応力腐食割れ性に優れた
油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材。 - (2)重量%でさらに、Ti:0.5%以下、Nb:0
.5%以下、V:0.5%以下およびZr:0.5%以
下のうちの1種または2種以上を含む、請求項1記載の
油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材。 - (3)重量%でさらに、Ca:0.001〜0.05%
、Mg:0.001〜0.05%、La:0.001〜
0.05%およびCe:0.001〜0.05%のうち
の1種または2種以上を含む、請求項1または2記載の
油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材。 - (4)請求項1ないし3のいずれかに記載のマルテンサ
イト系ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐
冷することを特徴とする硫化物応力腐食割れ性に優れた
油井用鋼材の製造方法。 - (5)請求項1ないし3のいずれかに記載のマルテンサ
イト系ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐
冷してからAc_1点以下に加熱した後、急冷または徐
冷することを特徴とする硫化物応力腐食割れ性に優れた
油井用鋼材の製造方法。 - (6)請求項1ないし3のいずれかに記載のマルテンサ
イト系ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐
冷してからAc_1点以上に加熱した後、急冷または徐
冷することを特徴とする硫化物応力腐食割れ性に優れた
油井用鋼材の製造方法。 - (7)請求項1ないし3のいずれかに記載のマルテンサ
イト系ステンレス鋼を用いて熱間成形後、急冷または徐
冷してからAc_1点以上の温度に加熱した後、急冷ま
たは徐冷し、次いでAc_1点以下の温度に再加熱して
、以後急冷または徐冷することを特徴とする硫化物応力
腐食割れ性に優れた油井用鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269889A JP2814528B2 (ja) | 1989-03-15 | 1989-03-15 | 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269889A JP2814528B2 (ja) | 1989-03-15 | 1989-03-15 | 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02243739A true JPH02243739A (ja) | 1990-09-27 |
JP2814528B2 JP2814528B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=13207778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6269889A Expired - Lifetime JP2814528B2 (ja) | 1989-03-15 | 1989-03-15 | 油井用マルテンサイト系ステンレス鋼材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2814528B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0375337A (ja) * | 1989-08-16 | 1991-03-29 | Nippon Steel Corp | 高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼 |
US5383983A (en) * | 1992-04-09 | 1995-01-24 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel suitable for use in oil wells |
EP1514950A1 (en) * | 2002-06-19 | 2005-03-16 | JFE Steel Corporation | Stainless-steel pipe for oil well and process for producing the same |
EP2889390A4 (en) * | 2012-08-24 | 2016-05-11 | Nkk Tubes | MARTENSITIC STAINLESS STEEL WITH HIGH STRENGTH, HIGH TENACITY AND HIGH CORROSION RESISTANCE |
-
1989
- 1989-03-15 JP JP6269889A patent/JP2814528B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0375337A (ja) * | 1989-08-16 | 1991-03-29 | Nippon Steel Corp | 高強度かつ耐食性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼 |
US5383983A (en) * | 1992-04-09 | 1995-01-24 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel suitable for use in oil wells |
EP1514950A1 (en) * | 2002-06-19 | 2005-03-16 | JFE Steel Corporation | Stainless-steel pipe for oil well and process for producing the same |
EP1514950A4 (en) * | 2002-06-19 | 2005-07-20 | Jfe Steel Corp | STAINLESS STEEL PIPE FOR OIL WELLS AND PROCESS FOR PRODUCING THE PIPE |
US7842141B2 (en) | 2002-06-19 | 2010-11-30 | Jfe Steel Corporation | Stainless-steel pipe for oil well and process for producing the same |
EP2889390A4 (en) * | 2012-08-24 | 2016-05-11 | Nkk Tubes | MARTENSITIC STAINLESS STEEL WITH HIGH STRENGTH, HIGH TENACITY AND HIGH CORROSION RESISTANCE |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2814528B2 (ja) | 1998-10-22 |
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