JPH0224018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、共同住宅等の排気ダクト内に設けら
れるダンパの構造に係り、更に詳しくは防火ダン
パと防風ダンパの各翼板を同一軸に枢支して排気
ダクト内に納められるダンパの構造に関する。

排気ダクトに設けられるダンパの一つとして防
風ダンパがある。この防風ダンパは、外部風圧等
により外気が排気ダクトを通して室内に逆送され
ることを防止する為のものである。特に排気ダク
トが室外と直接連通している場合は、冬期の室外
冷気が排気ダクトを通して厨房室等に逆送され、
厨房室等の暖房効果を低下させる。同様に夏期に
は室外の暖気により冷房効果を低下させ、更には
室外の臭気が室内に侵入することがある。

防風ダンパはこの様な冷暖気や臭気の侵入を防
ぐ為設けられたもので、厨房室等に設けられた排
気フアンの風圧により翼板を一定方向に回動させ
て排気ダクトの風道を開口して排気を行なうもの
である。

しかも室外から外気が逆送される場合には、外
気の風圧によつて翼板が逆回動して排気ダクトの
風道を閉鎖するものである。

一方防火ダンパは、火災の発生時に火災の延焼
と発生した煙のまん延を防止して事故を最小限に
防止すると共に、在室者を出来る丈早くかつ確実
に安全な場所に避難させる効果を有するものであ
る。

その為排気ダクト内に於いて、常時は開放され
た状態となつており、火災の発生時、所謂火や煙
が排気ダクトに近接した場合に翼板を作動させて
換気ダクトの風道を閉鎖するものである。

従来、これら防風ダンパと防火ダンパはいずれ
か１つのみ、若しくは２つのダンパを必要とする
場合であつてもそれぞれ別個に設けられていた。
しかし最近では共同住宅等に於いて両ダンパはい
ずれも必要な装置とされている。しかし防火ダン
パと防風ダンパを同一の排気ダクト内においてそ
れぞれ別個に設けることは、設置の為に要する工
程や又メンテナンス等からしても合理的なもので
はない。

そこで本考案は、これら防火ダンパと防風ダン
パの翼板を同一軸に枢支することで同一排気ダク
ト内での両ダンパを納まり良くかつ簡潔に設置し
たものである。

以下、図面に基づき本考案に係るダンパの構造
について詳細に説明する。

第１図は、本考案に係るダンパの構造を説明す
る為の一部省略斜視図である。

１は排気ダクトで、亜鉛鉄板やステンレス鉄板
等の板材を断面長方形や円形にして風道を構成し
たものである。

排気ダクト１は、一方を厨房室等の吸気口に連
通させ、他方を例えば開放廊下側の排気口に連通
したものである。この排気ダクト１の側面１１，
１１には略水平に枢軸２が設けられ、この枢軸２
には防火ダンパ３の翼板３１が排気ダクト１の風
道方向（矢印Ａ方向）に平行状態で枢支されてい
る。

又同様に、枢軸２に防風ダンパ４の翼板４１が
排気ダクト１の風道を閉鎖した状態で枢支されて
いる。枢軸２に翼板３１と翼板４１を枢支する構
造の一実施例として、図で示すように翼板３１の
一端に短円筒状の軸受ａ，ａ……が固定され、一
方翼板４１にも同様な軸受ｂ，ｂ……が固定され
ている。軸受ａ，ａ……と軸受ｂ，ｂ……はそれ
ぞれ蝶番の枢支状態とほぼ似た状態で両軸受が交
互に配置した状態で枢軸２により貫通されてい
る。

又枢軸２は排気ダクト１の上辺１２から離れて
設けられる場合は、各翼板３１，４１の枢軸２反
対側には小翼板３２，４２を設けておかなければ
排気ダクト１の風道を完全に閉鎖することができ
ない。

第２図は防火ダンパ３と防風ダンパ４の構造を
説明する側断面図である。

防火ダンパ３は排気ダクト１の上辺１２と水平
状態に熱可溶のヒユーズ５を介して係着されてい
る。

火災時において、第３図で示す様に排気ダクト
１内に篭つた熱気によりヒユーズ５が溶解切断
し、防火ダンパ３の翼板３１を水平に係着させて
おくことが出来ず、翼板３１は枢軸２を中心にし
て矢印方向に回動する。そして排気ダクト１の下
底１３に設けられたストツパー６に翼板３１の下
端が係止し、排気ダクト１の風道を閉鎖する。

これにより室内外から発生した火災による延焼
は防火ダンパ３により遮断されることになる。

尚、第４図は第２図Ｂ矢視線方向からの正面概
略図である。

すなわち、排気ダクト１の両側面１１，１１に
枢軸２が固定され、この枢軸２を中心にして翼板
３１と４１が枢支されている。しかも防火ダンパ
３の翼板３１は例えばゼンマイバネ装置７によつ
て垂直方向いわゆる排気ダクト１の風道を閉鎖す
る状態に回動するよう付勢されている。ヒユーズ
５が溶解した場合はこのゼンマイバネ装置７の復
元力により直ちに翼板３１が垂直状態となる様に
回動して確実に風道を閉鎖することが出来る。

一方、防風ダンパ４の翼板４１は自重によつて
枢軸２からほぼ鉛直方向に垂下した状態となつて
おり、厨房室等からの強制排気の風圧により翼板
４１が枢軸２を中心に矢印方向に回動する。そう
すると排気ダクト１の風道が開口して厨房室等か
らの排気が行なわれる。

又、強制排気を行なうフアンの作動が終了する
と翼板４１は自重により元の位置、すなわち排気
ダクト１の風道を閉鎖する垂下状態となる。翼板
４１の一面にはガイドベーン４３が取付けられ
る。ガイドベーン４３は、排気を翼板４１に集中
させて翼板４１の回動をスムースにする丈でなく
ウエイトコントローラをも兼ねている。

第５図乃至第７図は、断面円形状の排気ダクト
１内に枢軸２を介して防火ダンパ３と防風ダンパ
４を設けたものである。

排気ダクト１が断面円形状であると、各ダンパ
の翼板３１，４１も略円形状とする必要がある。
しかもこの円形状の翼板３１，４１を円滑に回動
させるには、枢軸２を排気ダクト１の直径方向に
取付けなければならない。又防火ダンパ３の翼板
３１を水平に係着する為のヒユーズ５は、排気ダ
クト１内の上面１２、下面１３の何れでも良い。
ヒユーズ５が排気ダクト１の下方向に取付けられ
た場合は、コイルバネ８等により上面１２方向に
回動させる様に付勢しておく必要がある。その
為、通常は排気ダクト１の下面１３からヒユーズ
５で係着し、上面１２からは閉鎖用コイルバネ８
で付勢する。

又防風ダンパ４の翼板４１はその直径方向に枢
軸２が設けられているので、自重による回動が不
安定となる。その為翼板４１の下部にはガイドベ
ーン４３を固設してウエイトのバランスを図る。

第６図は、防火ダンパ３が作動して翼板３１が
閉鎖し、防風ダンパ４の翼板４１が垂直状態を維
持した状態の側断面図である。

同様に第７図は、第５図のＣ矢視線方向からみ
た防火ダンパ３と防風ダンパ４の枢支状態を示す
正面概略図である。

以上の様に本考案に係るダンパの構造は、防火
ダンパと防風ダンパの各翼板を同一軸に枢支した
ことを特徴としているので、従来の如き各ダンパ
の翼板を回動させる為の枢軸を複数設ける必要が
なく、その為製造工程やコストが低減され、かつ
メンテナンスも集中的に処理出来る等極めて実用
性の高いダンパの構造である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、排気ダクト内に設けられたダンパの
構造を説明する一部省略斜視図、第２図は、防火
ダンパと防風ダンパの構造を説明する為の側断面
図、第３図は、防火ダンパの作動を説明する為の
側断面図、第４図は、第２図Ｂ矢視線方向からみ
た正面概略図、第５図は、断面円形状の排気ダク
ト内に設けられたダンパの構造を説明する側断面
図、第６図は、防火ダンパの作動状態を説明する
側断面図、第７図は、第５図におけるＣ矢視線正
面概略図である。 １……排気ダクト、２……枢軸、３……防火ダ
ンパ、３１……翼板、４……防風ダンパ、４１…
…翼板、４３……ガイドベーン、５……ヒユー
ズ、６……ストツパー、７，８……バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 排気ダクト内に設けられた防火ダンパと防風
   ダンパにおいて、防火ダンパの翼板と防風ダン
   パの翼板を同一軸に枢支したことを特徴とする
   ダンパの構造。 ２ 前記排気ダクトは断面が長方形又は円形であ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のダンパの構造。 ３ 前記防風ダンパの翼板にはウエイトコントロ
   ーラを兼ねたガイドベーンが取付けられている
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のダンパの構造。