JPH0223742B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、トラツクに積載され荷物の締付固
定、被運搬物の梱包、荷物の繋止や緊縛等の目的
で使用するベルト長さ調節金具付き締付ベルトに
関するものである。

〔従来技術〕

従来、前記の目的で使用する締付ベルトとして
は、両端に係止部を備えている締付用ベルトの中
間部にベルト締付具が設けられている構造の締付
ベルトが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかるに、この構造の締付ベルトを使用して荷
物の締付けや繋止を行なう場合、ベルト締付具の
操作による締付けを行なう前に、荷物の大小等に
応じて両側の係止部間の締付用ベルトの有効長さ
を迅速に調節できれば、作業能率を向上させるこ
とができるが、従来の締付ベルトにおいては、締
付用ベルトにおける係止部とベルト締付具との間
にベルト長さ調節金具が設けられていないので、
荷物大小に応じて締付用ベルトの有効長さを大巾
にかつ迅速に調節することができないという問題
があつた。

〔発明の目的、構成〕

この発明は前述の問題を有利に解決できるベル
ト長さ調節金具付き締付ベルトを提供することを
目的とするものであつて、この発明の要旨とする
ところは、一端部に係止部１Ａを備えている第１
ベルト７Ａの他端部がベルト締付具３の支持杆１
０に連結され、一端部に係止部１Ｂを備えている
第２ベルト７Ｂの他端部が前記ベルト締付具３の
締付部に挿通されている締付ベルトにおいて、ベ
ルト長手方向に間隔をおいて配置された複数のベ
ルト挿通孔を備えているベルト長さ調節金具４に
おける各ベルト挿通孔に、前記第１ベルト７Ａの
中間部が、２重に重ね合わされた状態で交互に異
なる方向から挿通されていることを特徴とするベ
ルト長さ調節金具付き締付ベルトにある。

〔実施例〕

次にこの発明を図示の例によつて詳細に説明す
る。

第８図はこの発明の実施例において用いられる
ベルト長さ調節金具４を示すものであつて、長方
形の金属製平板５に、その平板５の巾方向に延長
する３つの長方形のベルト挿通孔６Ａ，６Ｂ，６
Ｃが平板長手方向に間隔をおいて設けられてい
る。

第１図ないし第７図は第８図に示すベルト長さ
調節金具４を備えている締付ベルトを示すもので
あつて、締付用ベルト２が第１ベルト７Ａおよび
第２ベルト７Ｂにより構成され、各ベルト７Ａ，
７Ｂはポリエステル繊維またはその他の合成繊維
により織成された可撓性帯状体により構成され、
かつ各ベルト７Ａ，７Ｂの一端部には縫着により
形成された環状部からなる係止部１Ａ，１Ｂが設
けられ、さらに第１ベルト７Ａの他端部に縫着に
より形成された環状部８には、締付具本体９の一
端部に固定された支持杆１０が挿通され、その締
付具本体９における両腕の端部には、軸方向に延
長するスリツト１１を備えている巻締軸１２が回
動自在に架設され、さらにその巻締軸１２の両端
部には、操作レバー１３における両腕の端部が回
動自在に嵌合されると共に爪車１４が固定されて
いる。

操作レバー１３の両腕に設けられたスリツト１
５には、送り爪保持板１６がスリツト長手方向に
摺動自在に嵌合され、その送り爪保持板１６に
は、各爪車１４に係合する送り爪１７および把手
１８が一体に連設されると共に送り爪１７を爪車
１４に向かつて押圧するように働くばね１９が係
合され、さらに締付具本体９の両腕に設けられた
スリツト２０には、戻り止め爪保持板２１がスリ
ツト長手方向に摺動自在に嵌合され、その戻り止
め爪保持板２１には、各爪車１４に係合する戻り
止め爪２２が一体に連設されると共に、その戻り
止め爪２２を爪車１４に向かつて押圧するように
働くばね２３が係合され、前記締付具本体９およ
び操作レバー１３とこれらに装着された各部分と
によりレバー揺動式のベルト締付具３が構成され
ている。

前記第１ベルト７Ａの中間部は２重に重ね合わ
され、その重ね合わせ部分は、ベルト長さ調節金
具４におけるベルト挿通孔６Ｂに裏側から挿通さ
れたのち、ベルト挿通孔６Ａに表側から挿通さ
れ、次いでベルト長さ調節金具４の端部および表
側を通つてベルト挿通孔６Ｂに挿通されたのち、
ベルト挿通孔６Ｃに裏側から挿通され、第１ベル
ト７Ａの重ね合わせ部分の長さを調節することに
より第１ベルト７Ａの有効長さを任意に調節する
ことができる。また前記第２ベルト７Ｂの他端側
は巻締軸１２におけるスリツト１１に挿通され
る。

第９図ないし第１４図はこの発明において使用
できるベルト長さ調節金具４の変形例を示すもの
であつて、第９図に示す第１変形例の場合は、長
方形の金属製平板５に、その平板５の巾方向に延
長する２つの長方形のベルト挿通孔６Ａ，６Ｂと
長手方向の一端が開放されている１つのベルト挿
通孔６Ｃとが平板長手方向に間隔をおいて設けら
れている。

第１０図に示す第２変形例の場合は、ベルト挿
通孔６Ａ，６Ｂ，６Ｃの長手方向の一端部が交互
に異なる方向に開放され、また第１１図に示す第
３変形例の場合は、ベルト挿通孔６Ａ，６Ｂの長
手方向の一端部が互いに逆方向に開放されている
が、ベルト挿通孔６Ｃの長手方向の両端部は開放
されていない。

第１２図に示す第４変形例の場合は、金属製平
板５に、長方形のベルト挿通孔６Ａ，６Ｂが間隔
をおいて平行に設けられ、第１３図に示す第５変
形例の場合は、２つのベルト挿通孔６Ａ，６Ｂの
長手方向の一端部が互いに逆方向に開放され、ま
た第１４図に示す第６変形例の場合は、２つのベ
ルト挿通孔６Ａ，６Ｂの長手方向の一端部が同方
向に開放されると共に、開放端部２４の巾がベル
ト挿通孔６Ａ，６Ｂの巾よりも狭くなつている。

ベルト挿通孔の長手方向の一端部を開放してお
けば、ベルトの中間部の２枚重ね合わせ部分の任
意位置を、ベルト挿通孔の開放端部からベルト挿
通孔内に迅速に挿入することができる。第１４図
に示すように、ベルト挿通孔の巾よりも開放端部
の巾を狭くしておけば、ベルト長さ調節金具４が
ベルトから側方に外れる恐れをなくすることがで
きる。

次に前記実施例のベルト長さ調節金具付き締付
ベルトを使用して、トラツクに積載された荷物を
締付ける場合の操作について説明する。

まず締付用ベルト２の有効長さをベルト長さ調
節金具４により必要長さよりも多少長く調節して
おき、次に第１５図に示すように、各ベルト７
Ａ，７Ｂの係止部１Ａ，１Ｂをトラツクの荷台２
５に設けられた係止金具２６に係合すると共に、
各ベルト７Ａ，７Ｂをトラツクに積載された荷物
２７の両側面および上面に沿つて延長するように
配置し、かつ第２ベルト７Ｂの自由端部をトラツ
クの側部または荷物２７の側部においてベルト締
付具３における巻締軸１２のスリツト１１に挿通
し、次いで操作レバー１３を反復揺動して、送り
爪１７および爪車１４を介して巻締軸１２を締付
方向に回動することにより、第７図に示すように
第２ベルト７Ｂの端部を巻締軸１２に巻取つて締
付用ベルト２を緊締し、その締付用ベルト２によ
り荷物２７を締付ける。

ベルト長さ調節金具付き締付ベルトを取外す場
合は、ばね１９，２３の弾力に抗して送り爪保持
板１６および戻り止め爪保持板２１を巻締軸１２
から離反する方向に押圧移動すると、送り爪１７
および戻り止め爪２２が爪車１４から外れるの
で、第２ベルト７Ｂの中間部また巻締軸１２に近
い部分を引張ることにより、巻締軸１２を弛緩方
向に回動して第２ベルト７Ｂを巻締軸１２のスリ
ツト１１から抜取ることができる。

この発明を実施する場合、ベルト締付具として
は図示以外の任意構造のものを使用してもよく、
また締付用ベルト２の両端部に設けられる係止部
は金属製フツクであつてもよい。

〔発明の効果〕

この発明によれば、一端部に係止部１Ａを備え
ている第１ベルト７Ａの他端部がベルト締付具３
の支持杆１０に連結され、一端部に係止部１Ｂを
備えている第２ベルト７Ｂの他端側が前記ベルト
締付具３の締付部に挿通されている締付ベルトに
おいて、ベルト長手方向に間隔をおいて配置され
た複数のベルト挿通孔を備えているベルト長さ調
節金具４における各ベルト挿通孔に、前記第１ベ
ルト７Ａの中間部が、２重に重ね合わされた状態
で交互に異なる方向から挿通されているので、ベ
ルト長さ調節金具４における各ベルト挿通孔に交
互に挿通されるベルトの２枚重ね合わせ部分の長
さを調節することにより、締付用ベルト２の有効
長さを容易にかつ迅速に調節することができ、そ
のため締付ベルトによる荷物の締付け、繋止、梱
包等の作業を高能率で行なうことができ、また特
にこの発明の場合は、ベルト締付具３の支持杆１
０に連結された第１ベルト７Ａにベルト長さ調節
金具４が装着されているので、ベルト締付具３
を、荷物２７の隅部を避けた位置および操作し易
い高さに配置することができ、そのためベルト締
付具３により荷物が損傷されないように、かつ容
易にベルト締付操作を行なうことができる等の効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第８図はこの発明の一実施例を示
すものであつて、第１図はベルト長さ調節金具付
き締付ベルトの一部切欠概略平面図、第２図はそ
の一部切欠概略側面図、第３図はベルト長さ調節
部を示す斜視図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断面
図、第５図はベルト締付具を展開して示す平面
図、第６図はその縦断側面図、第７図はベルト締
付具によりベルトの締付けを行なつている状態を
示す縦断側面図、第８図はベルト長さ調節金具の
斜視図である。第９図ないし第１４図はベルト長
さ調節金具の他の例を示す平面図、第１５図はこ
の発明のベルト長さ調節金具付き締付ベルトの使
用例を示す側面図である。 図において、１は係止部、２は締付用ベルト、
３はベルト締付具、４はベルト長さ調節金具、６
Ａ〜６Ｃはベルト挿通孔、７Ａは第１ベルト、７
Ｂは第２ベルト、９は締付具本体、１１はスリツ
ト、１２は巻締軸、１３は操作レバー、１４は爪
車、１７は送り爪、１９はばね、２２は戻り止め
爪、２３はばね、２６は係止金具、２７は荷物で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端部に係止部１Ａを備えている第１ベルト
   ７Ａの他端部がベルト締付具３の支持杆１０に連
   結され、一端部に係止部１Ｂを備えている第２ベ
   ルト７Ｂの他端部が前記ベルト締付具３の締付部
   に挿通されている締付ベルトにおいて、ベルト長
   手方向に間隔をおいて配置された複数のベルト挿
   通孔を備えているベルト長さ調節金具４における
   各ベルト挿通孔に、前記第１ベルト７Ａの中間部
   が、２重に重ね合わされた状態で交互に異なる方
   向から挿通されていることを特徴とするベルト長
   さ調節金具付き締付ベルト。