JPH02236266A - 溶融金属用部材およびその製造方法 - Google Patents

溶融金属用部材およびその製造方法

Info

Publication number
JPH02236266A
JPH02236266A JP1054883A JP5488389A JPH02236266A JP H02236266 A JPH02236266 A JP H02236266A JP 1054883 A JP1054883 A JP 1054883A JP 5488389 A JP5488389 A JP 5488389A JP H02236266 A JPH02236266 A JP H02236266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cermet
thermal spray
molten metal
sprayed
thermal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1054883A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Harada
良夫 原田
Takashi Oka
岡 隆
Junichi Takeuchi
純一 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tocalo Co Ltd
Original Assignee
Tocalo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tocalo Co Ltd filed Critical Tocalo Co Ltd
Priority to JP1054883A priority Critical patent/JPH02236266A/ja
Publication of JPH02236266A publication Critical patent/JPH02236266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶融金属、特に溶融状態の非鉄金属およびそ
の合金と接触しても侵食されない溶融金属用部材とその
製造方法に関するものである。
溶融状態の亜鉛およびアルミニウム合金またはこれらの
溶融合金、その他溶融錫などと接触する部材ならびに前
記金属類の真空蒸着用装置の各種部材を適用対象とする
ものについての提案である。
〔従来の技術〕
一般に、自動車や土木、建築資材などの耐熱耐食部材と
して用いられる溶融亜鉛めっき鋼板、あるいは溶融アル
ミニウムめっき鋼板は、大部分が主として連続溶融めっ
き処理によって製造されている. かかる連続溶融めっき処理装置には、溶融金属中に浸漬
される浸漬ロール、溶融金属表面近傍に配設されるめっ
きロールやスナップロール、あるいはこれらのロールを
通過した後のめっき鋼板をガイドするガイドロール(ト
ップロール)などが配設されている。さらに、溶融金属
中から引き上げられた鋼板に付着している溶融金属の量
を制御するものとして、めっき浴上の通板材に沿って高
圧の窒素ガスを吹き付ける噴射ノズルが配設されている
これらのロールおよび噴射ノズルは、溶融金属中に浸漬
されているか、溶融金属が飛散して付着するか、あるい
は溶融金属を被覆した高温の鋼板と接触するため、次に
示すような性能、すなわち、■溶融金属による侵食が起
こりにくいこと、■通板する鋼板と接触しても摩耗しに
くいこと、■付着した溶融金属の剥離ならびに保守点検
が容易なこと、■ロールとしての寿命が長いこと、■低
コストであること、が要求される。
これらの要求に応えられる「めっき浴用部材」?提供を
目的にした従来技術としては、■ロール表面にJIS 
H8303 (1976)制定の自溶合金を溶射したも
の、■特開昭61 − 117260号公報に開示のよ
うなZrO■とAIZO3からなるセラミック被覆を施
したもの、■特公昭58 − 37386号公報に開示
のような、WC, Cr.C., TiCの1種または
2種以上に対し、NiやSiの如き熱間耐食性金属また
はその酸化物を共存させてなる0.1〜2.4fi厚さ
の被覆層を形成したロールなどが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記各従来技術については、例えば上記■,■従来技術
の場合、それ以前の無処理ロールに比べると寿命が長く
はなっているものの、2週間程度の使用によって自溶合
金皮膜やセラミック皮膜が局部的に剥離し、これがめつ
き綱板表面に変色模様として転写される結果、商品価値
を甚だしく低下させるという欠点があった。
また、上記■従来技術の場合、WC, Cr3C2, 
TiCなどの炭化物は要求に対しすぐれた耐侵食性を示
すものの、炭化物だけでは被覆層を形成できないため、
これと共存させる金属の種類によっては、それがたとえ
熱間耐食性金属であっても甚だしく性能が低下し、実用
に供し得ないという欠点があった。ただ、この従来技術
の場合、炭化物にCoを混合させたサーメット材料につ
いては、溶融金属に対して比較的良く耐えるが、それで
も0.1l以上の膜厚を必要とし、これ以下では被覆の
効果がないということを報告している。
さて、このような実情に鑑み、本発明者らは、先に特訓
昭63 − 49846号において、高価なIAC−C
o系サーメ−/ }材料の使用量を抑えた溶射薄膜を鋼
材表面に被成した耐溶融金属めっき用部材を提案した。
先に提案した上記先行技術については、被成したWC 
− Co皮膜は、気孔率が1.8%以下で、溶射皮膜の
厚さが0.04〜0.101m未満の薄膜である。
従って、高温の溶融金属浴中へ浸漬した場合にも、薄膜
であるが故にロール母材と皮膜の熱膨張差に起因する内
部応力によるる皮膜剥離の危険が減少し、また極めて経
済的でもあって、所期の目標は十分に達成された。しか
しながら、なお寿命の点で改善すべき余地を残していた
そこで本発明者らは、長寿命型皮膜の研究を行い、低圧
非酸化性雰囲気下で硼化物またはこれに5〜281%の
Coを混合したサーメット材料から構成される溶射皮膜
を提案した(特願昭63 − 192753号) さらに、その後本発明者らは、長寿命型皮膜について引
続き研究を進めた結果、低圧非酸化性雰囲気下でのアル
ゴン溶射であれば、炭化物でも耐溶融金属性を示し、ま
たCO以外のTa, Nbも溶射皮膜の結合力を強める
ことが判り、溶融金属用部材として好適な溶射部材の開
発に成功した。
〔課題を解決するための手段〕
ところで、先に 本発明者らが提案した特願昭63 −
 192753号に示す技術は、硼化物(ZrBz,T
iBz)とCoのサーメットに限定されたものであった
。しかし、この組成だけでは耐溶融金属用として広い使
途に適するものとは云えなかった。そこで、使用目的,
使用条件あるいは経済性など視点から自由に選択できる
応用範囲の広い皮膜材料の開発を目指した。
すなわち、網材表面にサーメット溶射皮膜を形成してな
る溶融金属用部材において、 前記鋼材表面に、ZrB.もしくはTiB.である硼化
物に5〜40重量%のTaまたはNbを混合してなるサ
ーメット溶射材料を、低圧非酸化性雰囲気下でプラズマ
溶射した溶射皮膜を有し、かつその溶射皮膜は表面粗さ
Raが0.01〜5μmで気孔率が1,8%以下を示す
もの、および、 前記鋼材表面に、Cr.C2, WC, TiC, Z
rC, TaC,NbCおよびB4−Cのうちから選ば
れる少なくとも1種である炭化物に5〜40重量%のT
aまたはNbを混合してなるサーメット溶射材料を、低
圧非酸化性雰囲気下でプラズマ溶射した溶射皮膜を脊し
、かつその溶射皮膜は表面粗さRaが0.01〜5μm
で気孔率が1.8%以下を示すものである。
そして、このような溶融金属部材は、鋼材表面にサーメ
ット溶射皮膜を有する溶融金属用部材を製造する方法に
おいて、 第1に、前記鋼材表面に下記(1)〜(2)の溶射材料
の少なくとも1種を、低圧非酸化性雰囲気下で気孔率が
1.8%以下を示すようにプラズマ溶射し、■ ZrB
もしくはTiBである硼化物に5〜40重量%のTaま
たはNbを混合してなるサーメット■ CrsC2, 
WC, TiC, ZrC, TaC, NbCまたは
B4Cである炭化物に5〜40重量%のTaまたはNb
を混合してなるサーメット 第2に、前工程で得られたサーメット溶射皮膜の表面を
、表面粗度Raが0.01〜5μmを示すように調整す
る方法である。
〔作 用〕
さて、我々の知る一般的な溶射法というのは、大気雰囲
気中で溶射するので、溶射材料は加熱溶融に伴って酸化
物となる。このようにして得られた酸化物を含む溶射皮
膜は、一般に、塑性変形しにく《かつ脆い酸化物粒子を
介して結合した堆積層であるため、上記粒子間には気孔
発生の主因である微少な空間が存在する。
その結果、このような溶射層は、その後加熱したとして
も上記酸化物粒子の存在が障害となって金属粒子どうし
の相互融合が阻害され、ボーラスな皮膜しかできない。
特に溶融金属による侵食作用に対して優れた性能を示す
TaやNbなどの金属は、ともに酸化物を形成しやすく
 (酸化物生成エネルギーが低い)、大気中の溶射法で
得られる皮膜中には多量の酸化物を含み、非常に多孔質
な皮膜しか形成できない。
もちろんこれは金属材料を溶射した際の一般的な現象で
あるが、非酸化物系のセラミソクス.例えば炭化物.硼
化物.窒化物などを同じように大気中で溶射した場合も
同じように酸化物への変化があり、形成された溶射皮膜
はすべて酸化物との混合体となっているのが普通である
このために従来は、炭化物.硼化物あるいは窒化物が有
する固有の諸特性(高硬度,高耐摩耗性,高耐食性など
)を損なわずにこれを皮膜化することは困難とされてい
たのである。
そこで、本発明では、もともと卓越した特性を有する非
酸化物系セラミックスに着目すると同時に、なかでも硼
化物としてZrB., Tie.、炭化物としてCr+
C., WC, Tic, ZrC, TaC, Nb
C, B4Cに着目し、これらを溶射材料とし、 一方、溶射環境からは酸素を除いて低圧のアルゴンガス
雰囲気を用い、その中で被処理材をまず加熱、その後ひ
きつづき同環境中にて溶射するという方法である。
本発明において、溶射材料として、硼化物および炭化物
をマトリックスとするサーメットを選択した理由は、高
硬度,耐摩耗性に優れている一方で、溶融亜鉛,溶融ア
ルミニウムおよびこれらの溶融合金に殆んど侵食されな
いためである。
また、金属としてTa, Nbを選択した理由は、共に
高融点を有し、使用環境(溶融亜鉛では460〜500
℃、溶融アルミニウムでは680〜750℃)の温度に
おいて、高い機械的強度を発揮して溶射皮膜に負荷され
る応力に耐え、セラミックス粒子の結合を強くするため
である。また、セラミックスが機械的衝撃に弱い欠点を
補うためでもある。
さらに、Nb, Taの含有量が5wt%に満たないと
、部材との密着力不足や耐衝撃性の改善に対する効果が
少なく、一方、40cut%以上では溶融金属との合金
反応が早くなるとともに、皮膜に付着した溶融金属が剥
離しに《くなるためである。
また、上記金属サーメット溶射被膜の膜厚は0.1〜5
寵程度とするのが好ましい。というのは、膜厚が0.1
m未満では、溶射皮膜に気孔が発生しやすく、このため
被処理体が侵食されやすい。一方、5nを超えると、高
価な溶射材料を使用するためにコスト的に不利になるか
らである。
上述のような溶射材料の溶射によって得られる皮膜は、
硼化物,炭化物金属とも実用上酸化物を含まない挙動を
示し、それぞれの溶射材料が保有する性質を損なわない
ばかりか、溶射粒子に相互に融合しやすいので、無気孔
な溶射層を形成するのに有効である。しかも、溶射に先
立って被処理材を予め加熱する場合には、そのロール上
に形成される溶射皮膜は内部応力が熱的に解放されたも
のであるから、たとえ皮膜を厚くしても剥離するような
ことが全くない。
この段階における上記溶射被膜層の表面粗度は1〜50
μm程度であるが、本発明ではその使途に応じて更に研
磨して使用に供する。この研磨溶射皮膜の最外層表面の
粗さは、Ra O.01〜Ra5μmの範囲にあること
が望ましい。 この理由は、RaO.01以下ではその
研磨仕上げに多大の労力と経費を要し、一方、Ra5μ
m以上の表面粗さでは、付着溶融金属離れが悪く、また
溶融めっき針板の表面に疵が発生するおそれがあるため
である。
つぎに、本発明の溶融金属用部材の製造方法の詳細を説
明する。
第1図は、本発明製造方法のとくに減圧溶射する際に用
いる装置について示す。この図において、図示の符号1
は溶射雰囲気を画成するためのチャンバーである。この
チャンバー1には、排気用バルブ2、吸気用バルブ3が
配設してあり、またチャンバー1内のガスを吸引する真
空ポンプ4が、雰囲気ガス中の粉塵類を除去するための
マルチサイクロン5およびフィルター6を介して接続し
てある。さらにこのチャンバー1には、内圧保持用のア
ルゴンガス供給管7、コンダクターロールである被処理
材冷却用のアルゴンガス冷却管8、および溶射ロボット
モータ冷却のために用いるアルゴンガス冷却管9が取付
けられている。
上記チャンバー1内には、ブラットフォーム10が設置
してあり、そのブラットフォーム10上には、溶射ロボ
ット11と回転駆動装置12が設置してあり、その回転
駆動装置12には被処理材(溶融亜鉛めっき用コンダク
ターロール)13が取付けられる。そして、この被処理
材13に対しては、温度計測用の熱電対14が、また溶
射ロボット11の先端部には溶射ガン15がそれぞれ取
付けてあり、いずれもチャンバー1の外から制御できる
ように構成する。前記溶射ガン15には、雰囲気調整も
考慮しプラズマ発生ガスとしてアルゴン,水素,窒素な
どの非酸化性ガス類を用いる。そして、この溶射ガン1
5と被処理材13とは、チャンバー外にて電気的に接続
することによって、必要に応じて極性が変えられるよう
にしてある。
次に、上記装置を使用して、上述のサーメット溶射材料
のいずれか一種を溶射被覆する方法について具体的に説
明する。
(1)チャンバー1に取付けられている吸・排気用バル
ブ2,3およびアルゴンガス供給管7を閉とした後、真
空ボンプ4を作動させてチャンハー1内の空気を系外に
排出し、内圧をIXIO−”〜10−3mbr(ミリバ
ール)とする。
(2)次に、アルゴンガス供給管7を開とし、チャンバ
ー1内に内圧: 60 mbr程度の希薄なアルゴンガ
ス雰囲気を構成する。
(3)その後、再び真空ポンプ4を作動させてチャンバ
ー1内のアルゴンガス圧力を20 mbrとした後、溶
射ガン15を作動させてプラズマアークを発生させると
共にそのアークの先端を被処理材の表面近傍へもって行
き、該被処理材を加熱する。
(4)  この被処理材の加熱は、外部電源の接続を、
溶射ガン15の方を陰極とし被処理材13の方を陽極と
して、プラズマアークを被処理材13の表面を数回掃走
させることにより行う。この処理によって被処理材13
の表面は清浄化されるとともに加熱、昇温され、被処理
材13の予熱が果たされる。予熱の温度は、通常500
〜900℃が適温であるが、材質の機械的性質に悪影響
を与えない限り任意に選択できる。
(5)なお、前記工程(3)と《4)の処理時、冷却用
のアルゴンガス供給管7は開とし、熱電対によって指示
される温度を監視しながら被処理材13が過熱されない
ように制御する。もっとも、たとえ過熱されても雰囲気
中には酸素が含まれていないため該被処理材13が酸化
されるおそれはないが、過熱による基質の冶金的変化を
少なくする意味で上記温度制御は必要である。
(6)被処理材工3の表面を清浄にするとともに予熱を
完了したら、再びアルゴンガス供給管7を開としてチャ
ンバー1内の圧力を200mbrとする。
(7)その後、溶射ガン15の極性を陰極から陽極へ、
また被処理材13の方を陽極から陰極へそれぞれ切換え
、硬質溶射材料を被処理材13の表面へ所定の厚さに溶
射する。
このように、非酸化性雰囲気下で被覆形成した溶射皮膜
は、雰囲気中に酸素がないため酸化物をほとんど含まず
、無気孔で緻密な状態を示すので、耐溶融亜鉛侵食性に
優れた皮膜となる。
つぎに、本発明の別の工程例として、上記(7)の処理
後、引き続き次のような処理を行えば、一層緻密な溶射
皮膜を得ることができる。
すなわち、 (8)  (71の処理後、溶射材料の供給を中止して
プラズマアークだけを発生させ、これを再び溶射加工面
へ近づけて生成した溶射皮膜を加熱溶融させる。
(9)溶射皮膜を厚くするには、(7)の処理のみを繰
返すことによって溶射厚さを大としてもよいが、(7)
と(8)の両工程を繰返してもよい。
なお、本発明のさらに別の工程例として、α0 上記(
8)の処理後に再び(7)の溶射処理を施した後、そこ
で終わる溶射皮膜,すなわち再加熱なしの状態の皮膜を
被成させたものでもよい。
0υ (7)もしくは+71 + +81または(7)
 + (81+αωの処理が終了すれば、真空ボンブ4
と供給アルゴンガス量を調整して、チャンバー1内のガ
ス圧力を10rnbr程度とした後、再びアルゴンガス
をチャンバー1内に導入して 100mbr圧力とし、
このままの状態で30〜60分間放置する。
この処理中は常に真空ボンブ4を動かし、新しいアルゴ
ンガスを外部から供給しているため、被処理材13の温
度は次第に低下してくる。
α乃30〜60分間放置後、アルゴンガス供給量を大と
し、大気圧程度にするとともに真空ポンブ4の運転を中
止する。次いで、吸気用バルブ3および排気用バルブ2
を開として、大気とチャンバー1内の圧力差がなくなっ
たことをTiv認してから該チャンバー1の蓋を開き、
被処理材13を外に取り出す。
α蕩 その後、前記被処理材130表面を研摩して、表
面粗度Raを0.01〜5μmに調整すべく研磨する。
この研磨処理に当たっては、溶射皮膜が硬質であるため
、ダイヤモンド砥石を用いて研削するのがよく、平滑な
表面を得るには微細なダイヤモンド研磨剤を用いてラッ
プ仕上げすることが望ましい。
〔実施例〕
実施例1 第2図に、この実施例において本発明を適用するために
用いた連続溶融亜鉛めっき装置を示す。
図において、亜鉛めっき用鋼板21は、デフレクターロ
ール22を経て銅製のめっき槽23の溶融亜鉛24中に
導入浸漬され、めっき槽23のほぼ中央部に設けられて
いるシンクロール25によって浴中で方向を変えた後、
スナップロール26と接触しながら亜鉛浴中から引上げ
られる。この亜鉛浴上には、加圧(0.5〜10kg/
cm”)された窒素ガスを吹きつけるための噴射ノズル
27が設けてあり、めっき鋼板の表裏面に窒素を吹きつ
けて余分な溶融亜鉛を取り除いて所定の付着量に制御す
る。その後、めっき鋼板はサポートロール28を経て次
工程へ送られる。
さて、この実施例では、次に示す部材に本発明の方法を
適用する一方、同質,同組成の材料を用いて大気中でプ
ラズマ溶射したものを比較例とした。
■シンクロール(ロール材質JIS G3445(19
83)STKM13A) ■スナップロール(ロール材質同上) ■サポートロール(ロール材質 同 上)■噴射ノズル
(ノズル材質SUS 304)溶融亜鉛めっき浴温度:
470〜480℃めっき用鋼板: 厚0.35鶴×幅8
00鶴溶射材料:  ZrB.、TiB.にTaまたは
Nbを、5. 17,30. 40 wt%添加したも
の Cr3C2、 WC, TiC, ZrC, TaC,
 NbC, B4CにTaまたはNbをそれぞれ5. 
17, 30, 401%添加したもの 溶射条件: ・アルゴンガス圧力:  150〜250 mbrプラ
ズマ出力: 35 KVA 溶射距離:   300mm 予熱温度:350〜500℃ 研磨条件: ・研削用ダイヤモンド砥粒: #100,  #300, #600, #1000・
鏡面研磨用ダイヤモンド粒度:1〜0.01μm以上を
組合わせRa O.01〜8程度に表面粗度を8周整し
た。
第1表は、硼化物系皮膜を用い、連続めっき処理を20
日間実施した後の各部材の表面を観察した結果を示した
ものである。
以上の結果から明らかなように、本発明例では、ZrB
t, TiBzにTaまたはNbを添加したサーメット
皮膜は、すべて健全な状態を示した。ただ、Ta, N
bをそれぞれ40%添加した皮膜については、シンクロ
ール,スナップロール,サポートロールなどにおいて、
最高2%の剥離が認められたが、操業上全く問題はなか
った。また、噴射ノズルにおいても、溶融亜鉛飛沫は付
着したものの、全て容易に剥離し、その直下の皮膜面は
健全であった。
これに対し、比較例の大気中溶射皮膜は、シンクロール
,スナップロール,サポートロールなどすべてのロール
において剥離し、最高68%に達し、耐溶融亜鉛侵食性
に乏しいことが判明した。噴射ノズルにおいても亜鉛の
飛沫が強固であり、これを無理に剥離しようとすると、
基地の溶射皮膜そのものが剥離するおそれがあった。
以上の結果から、本発明方法に従って形成した皮膜は、
非酸化性雰囲気中で成膜したものであるため、ZrBt
. TiBz材料そのものの特性が十分に活かされてい
ることが判る。そして、溶射皮膜中には気孔が少ないた
め、気孔を通しての溶融亜鉛の侵入がなく、そのために
長期に渡って健全な状態を維持したものと考えられる。
これに対し、比較例としてあげた溶射皮膜は、同質,同
組成の溶射材料を使って被成したものであるが、大気中
で溶射したため、硼化物の一部が酸化物へ変化してその
特性が劣化している。しかも、それが原因で皮膜中に気
孔が多く発生し、この気孔中に溶融亜鉛が侵入したもの
と思われ、これが両者の性能差となったものと推定され
た。
なお、比較例の皮膜のように、大気中で溶射した皮膜は
、気孔が多いためこれを研削、ラップなどの機械仕上げ
を行っても鏡面にすることができず、その表面は必然的
に粗い状態を呈し、めっき鋼板の表面を疵つける傾向が
認められた。
第2表はCr.C., WC,、第3表はTiC, Z
rC,第4表は↑aC, NbC,第5表はB.C皮膜
の結果を示したものである。この種の炭化物溶射材料を
用いても、本発明の非酸化性雰囲気中で形成された溶射
皮膜は第2表の硼化物皮膜同様、優れた耐溶融亜鉛性能
を発揮した。
である. O剥離容易 ×剥離困難 しかし、ここでも大気中で溶射した比較例の皮膜は、す
べて剥離面積が大きく皮膜寿命が頗る短いことが判明し
た。なお、大気中でプラズマ溶射した皮膜は、一般に多
孔質であり、溶融亜鉛浴中に浸漬した直後から皮膜の気
孔を通して亜鉛が内部へ侵入し、ロール母材を侵食する
現象が認められた。この傾向は、特にTaC, NbC
, BaCにおいて顕著であった。したがって、溶射材
料そのものが耐溶融亜鉛性にすぐれていても、無気孔皮
膜が形成できなければ性能が発揮できないことがうかが
われ、本発明の非酸化性雰囲気中のプラズマ溶射法の優
秀性が立証できた。
実施例2 前記実施例1と同じ装置を用いて溶融アルミニウムめっ
き処理を10日間行ったケースでの本発明の効果を調査
した。めっき用調板の種類と寸法溶射材料および溶射法
は、いずれも実施例1と同じであるが、溶融アルミニウ
ムめっき浴の温度は720〜730℃と高めである。
第6表は本発明使用の硼化物,炭化物にTaを添加した
溶射皮膜、第7表はNbを添加した皮膜の耐溶融アルミ
ニウム侵食性を調査した結果を示したものである。この
結果から明らかなように、本発明の皮膜は、実施例1同
様すぐれた性能を発揮し、溶融アルミニウムの侵食に対
し高い抵抗力を示した。ただ、シンクロールに施工した
皮膜において、最高5%の剥離が認められたが、剥離場
所がロールの端部に集中しており、溶融アルミニウムめ
っきの操業および製品の品質には全く影響がなかった。
このロール端部における皮膜の剥離は、720〜730
℃の高温浴中にロールを浸漬した際のロール材質と皮膜
の熱膨張差に起因する応力の発生によるものと考えられ
るので、浴中に浸漬する直前にロールを予熱すれば防止
できる。
これに対し、比較例の溶射皮膜は、溶融アルミニウムに
よる侵食が激しく、大きく破壊された。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、第1にZrBz+Ti
B.などの硼化物にTaまたはNbを5〜40wt%を
添加したサーメット材料、第2にCriC2, WC,
 TiC,ZrC, TaC, NbC, B..Cな
どの炭化物、またはこれにTaまたはNbを5〜40−
t%混合したサーメット材料を、低圧非酸化性の雰囲気
下でプラズマ溶射することにより、溶融金属に対する耐
侵食性に優れた溶融金属浴用部材を提供できるものであ
る。また、本発明によって安定した溶融めっき作用と高
い生産性ならびにめっき製品の品質改善の点においても
大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、サーメット材料を低圧非酸化性雰囲気下で溶
射するための装置の略線図、 第2図は、溶融めっき装置の概略図である。 1・・・チャンバー、2・・・排気用ハルフ、3・・・
吸気用バルブ、4・・・真空ポンプ、5・・・サイクロ
ン、6・・・フィルター7・・・アルゴンガス供給管、 8・・・被処理体冷却用アルゴンガス供給管、9・・・
ロボットのモータ冷却用アルゴンガス供給管、10・・
・ブラフトフォーム、11・・・溶射ロボット、12・
・・回転駆動装置、13・・・被処理体、14・・・温
度計測用熱電対、15・・・溶射ガン、21・・・めっ
き用鋼板、22・・・デフレクターロール、23・・・
めっき槽、24・・・溶融金属、25・・・シンクロー
ル、26・・・スナップロール、27・・・噴射ノズル
、28・・・サポートロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、鋼材表面にサーメット溶射皮膜を形成してなる溶融
    金属用部材において、 前記鋼材表面に、ZrB_2もしくはTiB_2である
    硼化物に5〜40重量%のTaまたはNbを混合してな
    るサーメット溶射材料を、低圧非酸化性雰囲気下でプラ
    ズマ溶射した溶射皮膜を有し、かつその溶射皮膜は表面
    粗さRaが0.01〜5μmで気孔率が1.8%以下を
    示すものであることを特徴とする溶融金属用部材。 2、鋼材表面にサーメット溶射皮膜を形成してなる溶融
    金属用部材において、 前記鋼材表面に、Cr_3C_2、WC、TiC、Zr
    C、TaC、NbCおよびB_4Cのうちから選ばれる
    少なくとも1種である炭化物に5〜40重量%のTaま
    たはNbを混合してなるサーメット溶射材料を、低圧非
    酸化性雰囲気下でプラズマ溶射した溶射皮膜を有し、か
    つその溶射皮膜は表面粗さRaが0.01〜5μmで気
    孔率が1.8%以下を示すものであることを特徴とする
    溶融金属用部材。 3、鋼材表面にサーメット溶射皮膜を有する溶融金属用
    部材を製造する方法において、 第1に、前記鋼材表面に下記(1)〜(2)の溶射材料
    の少なくとも1種を、低圧非酸化性雰囲気下で気孔率が
    1.8%以下を示すようにプラズマ溶射し、 (1)ZrBもしくはTiBである硼化物に5〜40重
    量%のTaまたはNbを混合してなるサーメット (2)Cr_3C_2、WC、TiC、ZrC、TaC
    、NbCまたはB_4Cである炭化物に5〜40重量%
    のTaまたはNbを混合してなるサーメット 第2に、前工程で得られたサーメット溶射 皮膜の表面を、表面粗度Raが0.01〜5μmを示す
    ように調整する、 ことを特徴とする溶融金属用部材の製造方法。 4、上記プラズマ溶射の処理に当たっては、まず鋼材表
    面をプラズマ加熱し、次いで溶射材料を溶射し、その後
    被成した溶射皮膜を後加熱することを特徴とする請求項
    第3項に記載の溶融金属部材の製造方法。
JP1054883A 1989-03-09 1989-03-09 溶融金属用部材およびその製造方法 Pending JPH02236266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1054883A JPH02236266A (ja) 1989-03-09 1989-03-09 溶融金属用部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1054883A JPH02236266A (ja) 1989-03-09 1989-03-09 溶融金属用部材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02236266A true JPH02236266A (ja) 1990-09-19

Family

ID=12982987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1054883A Pending JPH02236266A (ja) 1989-03-09 1989-03-09 溶融金属用部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02236266A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04173950A (ja) * 1990-11-02 1992-06-22 Agency Of Ind Science & Technol TiB↓2皮膜形成方法及びTiB↓2皮膜
US5316859A (en) * 1992-03-30 1994-05-31 Tocalo Co., Ltd. Spray-coated roll for continuous galvanization
US5360675A (en) * 1992-05-14 1994-11-01 Praxair S.T. Technology, Inc. Molten zinc resistant alloy and its manufacturing method
US5391135A (en) * 1991-03-29 1995-02-21 Tocalo Co., Ltd. Rolls for hot dipping bath
US5397650A (en) * 1991-08-08 1995-03-14 Tocalo Co., Ltd. Composite spray coating having improved resistance to hot-dip galvanization
US5472793A (en) * 1992-07-29 1995-12-05 Tocalo Co., Ltd. Composite spray coating having improved resistance to hot-dip galvanization
US6129994A (en) * 1995-03-08 2000-10-10 Tocalo Co., Ltd. Member having composite coating and process for producing the same
US6815013B2 (en) * 2000-11-27 2004-11-09 Ikebukuro Horo Kogyo Co., Ltd. Glass lining application method
JP2008537019A (ja) * 2005-04-21 2008-09-11 スタンダード・エアロ・リミテッド 耐磨耗性セラミック複合体被膜およびその製造のプロセス
CN114086112A (zh) * 2022-01-24 2022-02-25 北京航空航天大学 一种ps-pvd用复杂型面工件均匀预热方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52146729A (en) * 1976-06-01 1977-12-06 Nippon Steel Corp Members to be dipped in molten aluminum bath
JPS5469529A (en) * 1977-11-16 1979-06-04 Nippon Steel Corp Member dipped in molten metal bath
JPS57126961A (en) * 1981-01-28 1982-08-06 Hitachi Ltd Plasma flame spray coating method
JPS5855019A (ja) * 1981-09-28 1983-04-01 Kurita Water Ind Ltd 廃水の処理方法
JPS58171549A (ja) * 1982-03-31 1983-10-08 Nippon Steel Corp 耐ビルドアツプ性の優れたハ−スロ−ル

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52146729A (en) * 1976-06-01 1977-12-06 Nippon Steel Corp Members to be dipped in molten aluminum bath
JPS5469529A (en) * 1977-11-16 1979-06-04 Nippon Steel Corp Member dipped in molten metal bath
JPS57126961A (en) * 1981-01-28 1982-08-06 Hitachi Ltd Plasma flame spray coating method
JPS5855019A (ja) * 1981-09-28 1983-04-01 Kurita Water Ind Ltd 廃水の処理方法
JPS58171549A (ja) * 1982-03-31 1983-10-08 Nippon Steel Corp 耐ビルドアツプ性の優れたハ−スロ−ル

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04173950A (ja) * 1990-11-02 1992-06-22 Agency Of Ind Science & Technol TiB↓2皮膜形成方法及びTiB↓2皮膜
US5391135A (en) * 1991-03-29 1995-02-21 Tocalo Co., Ltd. Rolls for hot dipping bath
US5397650A (en) * 1991-08-08 1995-03-14 Tocalo Co., Ltd. Composite spray coating having improved resistance to hot-dip galvanization
US5316859A (en) * 1992-03-30 1994-05-31 Tocalo Co., Ltd. Spray-coated roll for continuous galvanization
US5360675A (en) * 1992-05-14 1994-11-01 Praxair S.T. Technology, Inc. Molten zinc resistant alloy and its manufacturing method
US5456950A (en) * 1992-05-14 1995-10-10 Praxair S.T. Technology, Inc. Molten zinc resistant alloy and its manufacturing method
US5472793A (en) * 1992-07-29 1995-12-05 Tocalo Co., Ltd. Composite spray coating having improved resistance to hot-dip galvanization
US6129994A (en) * 1995-03-08 2000-10-10 Tocalo Co., Ltd. Member having composite coating and process for producing the same
US6815013B2 (en) * 2000-11-27 2004-11-09 Ikebukuro Horo Kogyo Co., Ltd. Glass lining application method
JP2008537019A (ja) * 2005-04-21 2008-09-11 スタンダード・エアロ・リミテッド 耐磨耗性セラミック複合体被膜およびその製造のプロセス
CN114086112A (zh) * 2022-01-24 2022-02-25 北京航空航天大学 一种ps-pvd用复杂型面工件均匀预热方法
CN114086112B (zh) * 2022-01-24 2022-03-25 北京航空航天大学 一种ps-pvd用复杂型面工件均匀预热方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9562281B2 (en) Thermal spraying material, a thermally sprayed coating, a thermal spraying method and also a thermally coated workpiece
EP1951932B1 (en) Method of coating metal sheet
KR910009163B1 (ko) 큰 부피분율의 내화산화물을 가지는 내열충격성 피복물
JP4628578B2 (ja) 低温溶射皮膜被覆部材およびその製造方法
MXPA04008463A (es) Revestimiento y polvo resistente a corrosion.
CN110117788A (zh) 一种CoCrFeMnNi高熵合金熔覆层的制备方法
CN108048784A (zh) 一种等离子热喷涂制备氮化物增强高熵合金涂层的方法
JP2583580B2 (ja) 溶融金属浴用部材の製造方法
JPH02236266A (ja) 溶融金属用部材およびその製造方法
TWI677589B (zh) 一種濺射靶材的製備方法
CN106591761B (zh) 耐熔融金属浸蚀复合涂层的制备方法
WO1999039020A1 (fr) Procede servant a fabriquer un element de revetement par pulverisation d'alliage a fusion automatique
JP2000233986A (ja) めっき浴用部材およびその製造方法
JP4053673B2 (ja) アルミニウム・亜鉛めっき浴用部材の製造方法
JP4602998B2 (ja) 溶射皮膜形成方法
Tucker An overview of alternative coatings for wear and corrosion resistance
CN109913787B (zh) 一种冶金结合的耐磨耐腐蚀复合涂层的制备方法
JP2728254B2 (ja) コンダクターロールの製造方法
CN104943269B (zh) 一种局部强化热轧镀锌铝钢板及其制造方法
JP2007146268A (ja) 防食被覆鋼材及びその製造方法
JP3136502B2 (ja) 耐溶融金属反応性粉末組成物の利用方法及び利用物
JP2003105426A (ja) 冶金用水冷ランスおよびその製造方法
JP2728264B2 (ja) 通電性に優れるコンダクターロールの製造方法およびコンダクターロール
JP3338734B2 (ja) 耐溶融金属用部材およびその製造方法
JP3502332B2 (ja) 溶融金属めっき浴用部材およびその製造方法