JPH02233032A

JPH02233032A - 線形歪補償帯域阻止フィルタ

Info

Publication number: JPH02233032A
Application number: JP5299889A
Authority: JP
Inventors: Kanemi Sasaki; 金見佐々木; Kenzo Urabe; 健三占部; Toshiharu Kashiwabara; 柏原　寿治; Hideo Wakao; 若尾　日出男
Original assignee: Kokusai Electric Corp
Current assignee: Kokusai Electric Corp
Priority date: 1989-03-07
Filing date: 1989-03-07
Publication date: 1990-09-14
Also published as: JPH0563974B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（発明の属する技術分野）本発明は、ＦＭ音声多重放送用中継装置の受信機に用い
られ、ＦＭ多重放送波に重畳されたステレオ信号に妨害
を与えることなく業務用信号帯域を除去し、通過域すな
わちステレオ信号帯域の線形．歪を補償した帯域阻止フ
ィルタの改良に関するものである。

（従来技術とその問題点）現在、ＦＭステレオ放送における業務用信号は、スタジ
オから放送所に番組を伝送する放送番組伝送回線（ＳＴ
リンク）に含められ、中継装置の例えば放送機器の遠隔
操作用，打ち合わせ用として利用されている．第１図は実用化されているＦＭ音声多重放送における変
調波の周波数配列及び信号帯域の比率の例を示す．図に
おいて、占有周波数帯域の５％を占めるＳＣＡ帯域は、
補助通信業務（ＳｕｂｓｉｄｉａｒｙＣｏｍｍｕｎｉｃ
ａｔｉｏｎｓ　Ａｕｔｈａｒｉｚａｔｉｏｎ）用信号帯
域を意味し、略してＳＣＡ信号又はＳＣＡ帯域と呼ばれ
る。このＳＣＡ信号は、放送所にあるＦＭ放送機器の遠
隔制御用として利用される業務用の信号であるから、中
継装置ではステレオ信号帯域に妨害を与えることなく、
ステレオ信号に対して７０ｄＢ以下に除去し、ステレオ
信号のみを放送用送信機に送らなければならない。

第２図は従来のこの目的のための帯域阻止フィルタの構
成例で、第３図はその減衰特性例である．図において、
１は低域通過フィルタ（ＬＰＦ部）であり、具体的には
、急峻な遮断特性と、阻止域で４５ｄＢ以上の減衰量を
確保し、通過帯域の振幅／遅延平坦特性を目標とした９
次の連立チェビシエフ形フィルタである。２は、この９
次のＬＰＦ部１の通過帯域内すなわちステレオ信号帯域
内の遅延偏差を１μｓｅｃ以下とするための２２次の遅
延等化器である．さらに、現実のハードウエアの回路の
Ｑは有限（ＬＣフィルタの構成ではＱ＝６００程度）で
あるため、振幅偏差を±０．１ｄＢ以下に抑えるための
２次の振幅等化器３と、全体の位相特性を補償するため
の１次位相等化器４とが付加されている．このようにステレオ信号帯域とＳＣＡ帯域が近接してお
り、しかも阻止減衰量が大きい場合、ＬＰＦの急峻な減
衰傾度のため通過帯域の位相特性の乱れが大きく、それ
を補償するために高次の等化器が必要になる。このこと
は生産の困難さ、品質保証の難しさを招くことはいうま
でもない。

さらに、この第２図の１〜４の回路ブロックが、どれだ
けステレオ信号帯域に妨害を与えているかの最終的評価
は、ステレオ信号がこの回路ブロック１〜４を経たこと
によってどれだけ左右（ＬとＲ）の信号の分離比が劣化
したかをステレオ信号変復調器を用いて測定して決めら
れる。従って、出力の分離比を最良状態とするために、
ステレオ信号帯域における振幅特性と遅延特性を測定し
ながら回路素子の微調整が行われる。しかし、これらの
回路は次数が高く素子数が多いため、この微調整作業は
難しく多くの労力と時間を必要とした．このため、生産
性を上げることができず、結局コストの高いものとなっ
た。また、素子数が多いため、経年的な安定性を高める
ために、通常のＬＣフィルタの数倍のエージング期間を
要した。

現実的には、このフィルタが性能の安定性に不安があり
、高価で形が大きいために、止むを得ずＳＣＡ信号の周
波数帯域を高くしてフィルタの減衰傾度を緩やかにして
フィルタの負担を軽くすることも試みられている。しか
しこれは望ましいことでないことは明白である。

（発明の目的）本発明の目的は、前記従来の問題を解決し、素子数が少
なくて優れた通過帯域特性と帯域阻止特性とを有し、高
安定で小形．軽量で、かつ、調整が容易で安価な線形歪
補償帯域阻止フィルタを提供することにある。

（発明の構成及び作用）本発明による線形歪補償帯域阻止フィルタは、ＦＭ音声
多重放送波の変調波のうちステレオ信号帯域を通過帯域
とし業務用信号の帯域を阻止するために、前記阻止帯域の所望の減衰量を得るために必要な互いに
異なる複数の離調周波数の減衰極を有する該複数次の帯
域阻止フィルタと、前記ステレオ信号の右チャネルに対する左チャネルの電
力分離比を最大にする最小自乗逐次近似法によって最適
化することにより前記帯域阻止フィルタの前記通過帯域
に生ずる遅延歪を補償する高次の遅延等化器と、前記帯域阻止フィルタと前記遅延等化器とによって生ず
る前記通過帯域の振幅歪を補償する１次の振幅等化器と
が縦続関係で配置接続されたことを特徴とするものであ
る。

以下図面により本発明を詳細に説明する。

第４図は本発明の構成例を示すブロック図である。図に
おいて、５はＳＣＡ信号帯域を阻止する帯域阻止フィル
タ部（ＢＥＦ部）、６は遅延等化器、７は振幅等化器で
ある。これらの縦続接続の順序は固定されるもので哄な
《、実際の回路に即して決められる。第５図はＢＥＦ部
５の具体的実施例を示す回路図、第６図は第５図のＢＥ
Ｆ部５の振幅特性例図である。

第５図に示したＢＥＦ部５は７次の構成によって必要と
する阻止帯域減衰世が確保されている。

第６図のｂが第５図の回路の特性であり、阻止域内で複
数の減衰極周波数ｆ，〜ｆ，が少しずつ離調されて配置
されているため、無極ＬＰＦの周波数変換によって得ら
れるＢＥＦ特性（第６図ａ）に比べ、阻止帯域幅が広く
なっていることがわかる。

ＢＥＦ部５の通過帯域であるステレオ信号帯域の遅延特
性の劣化を補償する遅延等化器６は、従来の遅延の平坦
性を尺度に設計されたものとは異なり、ステレオ信号へ
の妨害の程度、すなわち、ステレオ信号の左右信号の分
離比を尺度として設計して構成したことが本発明の大き
な特徴の一つである。第７図は本発明の１部をなす遅延
等化器６を設計するモデルを示したブロック図である。

すなわち、理想ステレオ変調器８に入力としてステレオ
信号の右信号Ｒｔ（ｆ）＝Ｏと左信号Ｌ　ｔ　（ｆ）＝
１が入力されたとき、その出力がＢＥＦ部５及び遅延等
化器６を経て理想ステレオ復調器９を経て得られる出力
のＲｒ（ｆ）とＬｒ（ｆ）との振幅比が分離比である。

この分離比が最大になるように、遅延等化器６の伝達関
数の根を変数として〈計算機を用い最小自乗逐次近似法
などの手法により最適化が行われた所望の回路のブロッ
ク図である。

この設計法をさらに詳しく説明する。第８図は第７図の
設計モデルを詳しくした系の解析モデルを示すブロック
図である。図において、８は第７図の理想ステレオ変調
器の詳細を示しＦＭ放送局の一部である。同様に９は第
７図の理想ステレオ復調器の詳細を示すＦＭ受信機の一
部である。また、ＦＭステレオ中継装置１３の一部とな
る１４は第７図のＢＥＦ部５と遅延等化器６とを含んだ
線形歪補償フィルタであり、Ｇ　Ｃｆ＞　はその伝達関
数を示す。

ここで、ステレオ信号周波数をｆＡとし、右信号Ｒｔ（
ｆａ）−０と左信号ｔ，ｔ（ｒａ）とをマトリクス１５
に入力する。マトリクス１５の主チャネル出力Ｍい副チ
ャネル出力Ｓｔ＋変調器１６に入カするサブキャリアｒ
ｃ＋合成器１７に入方するパイロット信号ｆ，とＳＣＡ
信号はそれぞれ次式で示される。

Ｍｔ（ｆａ）　””　Ｌ　ｔ（ｆａ）　＋　Ｒ　ｔ（ｆ
Ａ）Ｓ　ｔ（ｆａ）　＝　Ｌ　ｖ（ｆａ）　　Ｒ　ｔ（
ｆａ）サブキャリア＝ｓｉｎ２ｘｆｃＬ　（＝３８ｋＨ
ｚ）パイロット信号ｆ　ｒ＝ａｉｎπｆｃｔＳＣＡ信号
＝　６　０〜７　４ｋＨｚこの理想変調器８の出力はＳＴリンクを経て中継装置１
３の線形歪補償フィルタ１４を通り、ＦＭ放送波となっ
てＦＭ受信機９で復調される。１８は復調器、１９．　
２０はＬＰＦ、２ｌは逆マトリクス、ｆｃ′は同期再生
キャリアで２ｓｉｎ（２πｆ，ｔ＋α）である．ここで
、復調側の主チャネル信号Ｍ−（ｆＡ）と副チャネル信
号ｓ，（ｒａ）は次式で示される。

Ｍ，（ｆａ）　＝　Ｇ　（ｆＡ）冨　　　　　　　・・
・・・（１）十Ｇ（ｆｃ−ｒＡ）ｅ−Ｊ＆｝・・・・（
２）但し、＊は複素共役、ｆｃは副チャネルサブキャリ
ア周波数、ａ　＝　２　Ｘ　Ａｒｇ　（　Ｇ　（ｆｃ／
２）　）である。

このとき、逆マトリクス２１の出力となる左信号Ｌ．．
と右信号Ｒ，の電力分離比ｘ　（ｆａ）は次式で定義さ
れる。

Ｘ　（ｆａ）　”’　ｌ　Ｌ−（ｆＡ）／　Ｒ−（ｆＡ
）　Ｉ　”この（３）式で示される分離比を最大にする
ため、前述の第５図に示したＢＥＦ部５の構成による第
６図の阻止帯域の特性及び通過帯域の振幅／遅延特性を
保持する条件下で、最小自乗逐次近似法によって予測さ
れる初期値が与えられた遅延等化器部分を最適化する。

すなわち、具体的な手順は次の通りである。

（１）候補となルＢＥＦ　（Ｑ−６００）と理想遅延等
化器（Ｑ＝（Ｘ））を用いて上記の最適化処理によりそ
れぞれの所要次数を決定する。

（２）等化器に実際のＱ値を与えときの通過域の高城側
振幅強調効果を見込んだＱ値（１２００）をＢＥＦに仮
設定し、再び最適化処理を実行する。

以上の手順により、実施例では遅延等化器は１４次で実
現できることがわかった。

第１０図はこのようにして得られた遅延等化器６の回路
実施例である。この実施例では、ｆ０とＭがそれぞれ相
異なる２次の遅延等化器が７段縦続接続され、合計１４
次の遅延等化器６が構成されている．第１１図の曲線ｂ，　　ｃは、ＢＥＦ部５及び遅延等化
器６の振幅特性であり、これらを縦続接続することによ
ってＢＥＦ部５の通過帯域の高城側振幅特性ｂの劣化が
遅延等化器６の振幅特性Ｃによって補われ、その合成特
性は第１３図ｄのようになる。

この合成特性ｄは、従来の回路に比べて本発明の回路の
次数が低いため振幅特性の劣化は従来に比べれば少ない
が、それでもこのままでは低域側の振幅特性が不十分な
ため分離比特性が十分ではない。そこで、第１２図に示
す回路構成で第１３図ｅに示す特性を有する１次の振幅
等化器７を第４図に示すように付加する。第９図は低域
側のステレオ主チャネル周波数帯における分離比特性で
あり、破線ｈはＢＥＦのＱ　＝　１２００，遅延等化器
のＱ＝ωのときの１次振幅等化器７がないときの特性で
あり、実線ｉはＢＥＦのＱ＝６００，遅延等化器のＱ＝
カタログ値のときの１次振幅等化器７を付加したときの
特性である。なお、斜線部は規格値である。

この振幅等化器７が１次のＲＣ回路で構成されることは
本発明の特徴の一つであり、そのＲＣの値は分離比特性
から容易に求められる。

以上により構成された第４図に示した本発明の線形歪補
償帯域阻止フィルタの通過帯域すなわちステレオ信号帯
域における総合特性は、第１３図ｇに示すように線形歪
が補償された優れた特性が得られる．第１５図（ａ）（ｂ）（Ｃ）は、第４図に示した本発明
の線形歪が補償された帯域阻止フィルタの実測特性例で
あり、（ａ）は総合特性、（ｂ）はステレオ信号の分離
比（クロストーク）特性、（Ｃ）は拡大された部分特性
である。図において、斜線部分は要求性能を示す規格値
を示す。図から明らかなように、−１０゜Ｃ〜＋５０’
Ｃの温度範囲において、ＳＣＡ信号帯域で４５ｄＢ以上
の所望の減衰量が得られるとともに、ステレオ信号帯域
の振幅偏差は０．　１ｄＢ以内であり、分離比はオーデ
ィオ信号周波数１０　ｋ　ＩＩ　ｚまで４５ｄＢ以上、
１５ｋＨｚまで３５ｄＢ以上を満足している。

上述の実施例では、ＢＥＦ部５及び遅延等化器６はＬＣ
回路で構成されているため、これらを縦続接続する場合
には第１４図に示すように、装置として必要な利得及び
各回路の入出力インピーダンス整合の点から緩衝増幅器
１０．　１２や抵抗減衰器（ＡＴＴ）　１１等を介して
接続されることはいうまでもない．しかし、ＬＣ回路の
代わりにアクティブフィルタ（ＡＦ）やスイッチドキャ
パシタフィルタ（ＳＣＦ）などで構成される場合は、緩
衝増幅器１０．　１２や抵抗減衰器１１等は不要である
。さらに、例えばディジタルフィルタのようにＱを無限
とみなせる回路で実現する場合は、振幅等化器７は当然
省くことができる．また、最近はＳＣＡ信号帯域に音声や文字の信号を重畳
させたＦＭ音声多重放送による一般家庭への放送が検討
されているが、この場合においても小形と安定性の点で
本発明は極めて有効である。

（発明の効果）以上詳細に説明したように、本発明によって次のような
著しい効果がある。

■　ＳＣＡ信号帯域除去用きして、阻止域内で複数の減
衰極周波数が少しずつ離調させて配置され、減衰量を十
分満足させた阻止域を有するＢＥＦ部を実現したことに
より、従来のＬＰＦ構成に比べて次数を下げ、素子数を
減らすことができる． ■　ＢＥＦ部に縦続接続される遅延等化器の構成が、ス
テレオ信号の分離比が最適となる最小次数の関数を用い
たことにより、従来は必要不可欠であった位相等化器は
不要となるばかりでなく、簡単な回路で実現できるため
有限のＱの場合に必要な振幅等化器の次数を下げて１次
にすることができる．これらは、素子数を激減させ、製
作を容易にし、調整作業をも容易にすることができ、コ
スト低減や小形化に著しい効果がある。

■　回路全体の次数が少ないため、安定性が増し、製品
の信頼性が高められた。

■　さらに、ＬＣフィルタで実現した場合でも従来に比
べて小形軽量であり、ディジタルフィルタ化やＩＣ化に
寄与できる． ■　将来、ＳＣＡ信号帯域に音声を含めて一般家庭に対
する放送サービスの向上がなされ、ステレオ番組と同時
に多重化されている番組も聞くことができるようになっ
た場合、家庭用受信機の小形化低コスト部品として著し
い効果がある。

■　さらに、本発明を実施することによりＳＣＡ信号の
周波数を高い方へずらす必要はなくなり、従って、占有
周波数帯域を広げることなく周波数の有効利用に寄与す
る効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は変調信号の周波数配列図、第２図は従来の帯域
阻止フィルタの構成ブロック図、第３図は従来の帯域阻
止フィルタの特性例図、第４図は本発明の線形歪補償帯
域阻止フィルタの構成ブロック図、第５図は本発明の一
部分の帯域阻止フィルタ部の回路図、第６図は第５図の
帯域阻止フィルタ部の特性例図、第７図は本発明の一部
分の遅延等化器の設計法のモデルを示す回路ブロック図
、第８図は設計の系のモデルの詳細を示すブロック図、
第９図は本発明のフィルタの分離比特性例図、第ｌＯ図
は本発明の一部分の遅延等化器の回路図、第１１図は本
発明の部分であるＢＥＦ部と遅延等化器の部分特性例図
、第１２図は本発明の一部分の振幅等化器の回路図、第
１３図は本発明によるフィルタのステレオ信号帯域の総
合特性例図、第１４図は本発明によるフィルタの実用接
続回路例を示すブロック図、第１５図（ａ）（ｂ）（Ｃ
）は本発明によるフィルタの特性例図である．１・・・ＬＰＦ部、２．６・・・遅延等化器、３，７・
・・振幅等化器、４・・・位相等化器、５・・・ＢＥＦ
部、８・・・理想ステレオ変調器、９・・・理想ステレ
オ復調器、１０．　１２・・・緩衝増幅器、１１・・・
抵抗減衰器、１３・・・中継装置、１４・・・線形歪補
償フィルタ、１５・・・マトリクス、１６・・・変調器
、１７・・・合成器、１８・・・復調器、１９．２０・
・・ＬＰＦ、２１・・・逆マトリクス。第　１　圓

Claims

【特許請求の範囲】　ＦＭ音声多重放送波の変調波のうちステレオ信号帯域
を通過帯域とし業務用信号の帯域を阻止するために、前記阻止帯域の所望の減衰量を得るために必要な互いに
異なる複数の離調周波数の減衰極を有する該複数次の帯
域阻止フィルタと、前記ステレオ信号の右チャネルに対する左チャネルの電
力分離比を最大にする最小自乗逐次近似法によって最適
化することにより前記帯域阻止フィルタの前記通過帯域
に生する遅延歪を補償する高次の遅延等化器と、前記帯域阻止フィルタと前記遅延等化器とによって生ず
る前記通過帯域の振幅歪を補償する１次の振幅等化器と
が縦続関係で配置接続された線形歪補償帯域阻止フィル
タ。