JPH0223136B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、排ワラ搬送装置の搬送終端部に、結
束空間への排ワラ掻込み用パツカーを備えた結束
装置を配設してある脱穀機の排ワラ結束処理装置
に関する。

この種の排ワラ結束処理装置付き脱穀機、特
に、ハーベスタの場合では、前記結束装置の結束
空間内に所定量に満ない排ワラが収集されたまま
次の作業場所に機体を移動させる機会が多い。こ
の時、前記結束空間内の収集排ワラが自由移動状
態にあるため、機体の走行振動等によつて排ワラ
がずれ動いて収集姿勢の乱れを生じ、結束ミスや
放出ミスを招来し易くなる欠点があつた。

本発明の目的は、上述のような機体移動途中で
の収集排ワラの姿勢の乱れを、結束装置に本来装
備されている部材を有効利用して自動的に抑制す
ることができるように、又、その為の構造を簡素
に構成しようとする点にある。

上述の目的を達成するための本発明の特徴構成
は、前記排ワラ搬送装置の搬送終端部に、結束装
置の駆動を断続する伝動クラツチに連動させた排
ワラ検出用のセンサーを設け、このセンサーを、
排ワラの通過経路内に検出部を突入させた排ワラ
不存在検出姿勢と、排ワラの通過移動に伴つて後
退変位させられた排ワラ存在検出姿勢とに、姿勢
切換自在に構成するとともに、前記パツカーの排
ワラ最大掻込み位置又はその近く位置における排
ワラの存否検出が可能な位置に前記センサーを配
設して、そのセンサーの排ワラ不存在検出結果に
基いて前記パツカーを最大掻込み位置で停止すべ
く構成した点にある。

上記特徴構成による作用、効果は次の通りであ
る。

つまり、結束装置の結束空間内に所定量に満な
い排ワラが収集されたまま次の作業場所に機体を
移動させる際、前記結束装置の伝動クラツチの切
り作動に伴つて排ワラ最大掻込み位置又はその近
くで停止されるパツカーを利用して、結束空間内
の収集排ワラが機体の走行振動等によつてずれ動
くことを極力、抑制することができる。

従つて、特別な収集排ワラの押え装置を設ける
ことなく、この種の結束装置に本来装備されてい
るパツカーを利用した簡単かつ経済的な改造をも
つて、機体移動途中での収集排ワラの姿勢の乱れ
及びそれに起因する結束ミスや放出ミスを自動的
に良好に抑制し得るに至つた。

そして、パツカーを最大掻込み位置で停止させ
るに当たつて、結束装置の伝動クラツチの入・切
を自動的に行わせる為のセンサーを利用して行う
ものであるから、例えば、結束装置の伝動系に設
けられるクラツチとして、パツカーが最大掻込み
位置で停止する定位置停止クラツチを自動停止用
のセンサーと連係させて別途設ける場合に比し
て、パツカーを最大掻込み位置で停止させる為の
定位置停止機構を構造簡単、安価に構成し得る利
点がある。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

脱穀機の一例であるハーベスタを構成するに、
第１図で示す如く、左右一対のクローラ走行装置
１，１を有する機体フレーム２上に、それの脱穀
フイードチエーン３（排ワラ搬送装置の一例）が
左右横方向に沿う状態で脱穀装置４を搭載すると
ともに、前記脱穀装置４の穀稈供給口側には、ほ
ぼ水平の穀稈供給姿勢と格納姿勢とに変更可能な
穀稈供給台５を取付け、かつ、前記機体フレーム
２の、脱穀装置４の排ワラ出口側に立設されたフ
レーム６には、前記脱穀フイードチエーン３から
送り出されてくる排ワラ束の複数個を収集して結
束したのち放出する結束装置７を取付けている。

前記結束装置７を構成するに、第２図で示す如
く、結束空間８の下部に、この結束空間８に排ワ
ラ束を掻込むパツカー９及び結束紐供給用ニード
ル１０を配設するとともに、前記結束空間８の上
部には、紐ホルダー１１、紐結節用ビル１２、結
束処理された排ワラの大束を放出する放出アーム
１３を配設している。

また、第３図、第４図で示すように、前記脱穀
装置４の揺動軸１４から結束装置７のパツカー駆
動軸１５への伝動機構１６中にクラツチ１７を介
在するとともに、前記パツカー駆動軸１５からニ
ードル１０、紐ホルダー１１、ビル１２、放出ア
ーム１３への伝動系には、前記結束空間８内に所
定数の排ワラ束が収集されたときに自動的に入り
作動される結節作動用一回転クラツチ（図示せ
ず）を介在させている。

前記伝動機構１６を構成するに、結束伝動ケー
ス１８に連設したケース１９に、前記パツカー駆
動軸１５にベベルギヤ２０，２１を介して連動さ
れた中間伝動軸２２を支承し、この中間伝動軸２
２に固着されたスプロケツト２３と前記揺動軸１
４に固着されたスプロケツト２４とに亘つて伝動
チエーン２５を掛張している。

前記クラツチ１７を構成するに、前記中間伝動
軸２２に摺動のみ自在にスプライン嵌合されたシ
フト部材２６と中間伝動軸２２に遊嵌された一方
のベベルギヤ２１との対向面間に、軸芯方向から
係合可能なクラツチ爪２７，２８を形成するとと
もに、前記ケース１９に架設された回転操作軸２
９に、前記シフト部材２６をそのクラツチ爪２７
がベベルギヤ２１のクラツチ爪２８に噛合うクラ
ツチ入り位置と離脱させたクラツチ切り位置とに
摺動させるためのシフトフオーク３０と操作アー
ム３１とを固着し、かつ、前記操作アーム３１を
介してシフト部材２６をクラツチ切り側に移動付
勢するスプリング３２を設けている。

而して、第２図乃至第５図で示すように、前記
脱穀フイードチエーン３の終端側スプロケツト
（図示せず）の回転軸３４に、搬送排ワラとの接
当に伴なつて上方に揺動変位するセンサー３５を
設け、このセンサー３５と前記伝動クラツチ１７
の操作アーム３１とを、前記センサー３５の上昇
動に連動して伝動クラツチ１７を自動的かつ可逆
的に入切作動させるべくレリーズワイヤ３６を介
して連係するとともに、前記伝動クラツチ１７を
切り作動させたとき、前記パツカー９を排ワラ最
大掻込み位置又はその近くで停止させる機構３７
を設けている。この機構３７は、前記センサー３
５を、その遊端部がパツカー９の排ワラ最大掻込
み位置に位置する状態にまで延出することにより
構成されている。つまり、パツカー９が排ワラ最
大掻込み位置にまで移動すると、センサー３５が
排ワラ束から外れて下降揺動し、クラツチ１７が
スプリング３２の弾性力で切り作動され、パツカ
ー９が排ワラ最大掻込み位置又はその近くで停止
される。

それ故に、結束装置７の結束空間８内に所定量
に満ない排ワラ束が収集されたままの次の作業場
所に機体を移動させる場合でも、前記の排ワラ最
大掻込み位置又はその近くに停止されたパツカー
９を利用して、結束空間８内の収集排ワラ束が機
体の走行振動等によつてずれ動くことを極力、抑
制することができるのである。

また、前記脱穀装置４の穀稈供給側に、ロツド
４４及び前記センサー３５を介してクラツチ１７
を入切作動させるための手動クラツチレバー３８
を設けるとともに、前記脱穀フイードチエーン３
を覆うカバー３９と脱穀フイードチエーン３の終
端側回転軸３４に夫々ブラケツト４０，４１を設
け、これら両ブラケツト４０，４１に亘つて回動
調節ならびに搬送方向に摺動調節自在に挿嵌固定
された支持杆４２には、脱穀装置４から穂先遅れ
の状態で送り出されて排ワラ束の株元部に搬送抵
抗を付与して該排ワラ束の姿勢を矯正する板バネ
等の弾性体４３，４３を取付けている。

【図面の簡単な説明】

第１図はハーベスタの全体背面図、第２図は結
束装置の拡大背面図、第３図は結束装置への伝動
機構を示す一部切欠図、第４図はクラツチ操作系
統図、第５図は要部の平面図である。 ３…排ワラ搬送装置、７…結束装置、８…結束
空間、９…パツカー、１７…クラツチ、３５…セ
ンサー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 排ワラ搬送装置３の搬送終端部に、結束空間
   ８への排ワラ掻込み用パツカー９を備えた結束装
   置７を配設してある脱穀機の排ワラ結束処理装置
   において、前記排ワラ搬送装置３の搬送終端部
   に、結束装置７の駆動を断続する伝動クラツチ１
   ７に連動させた排ワラ検出用のセンサー３５を設
   け、このセンサー３５を、排ワラの通過経路内に
   検出部を突入させた排ワラ不存在検出姿勢と、排
   ワラの通過移動に伴つて後退変位させられた排ワ
   ラ存在検出姿勢とに、姿勢切換自在に構成すると
   ともに、前記パツカー９の排ワラ最大掻込み位置
   又はその近く位置における排ワラの存否検出が可
   能な位置に前記センサー３５を配設して、そのセ
   ンサー３５の排ワラ不存在検出結果に基いて前記
   パツカー９を最大掻込み位置で停止すべく構成し
   てあることを特徴とする脱穀機の排ワラ結束処理
   装置。