JPH0222799Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌後方などに位置する障害物を運
転者などに表示し得る車載視界モニタに関し、特
に障害物の位置を検出し、該障害物に向けて撮像
機器を自動的に配向し得る距離センサ連動式車載
視界モニタに関する。

一般に車輌に於て前方の視界は良好であるが、
後方の視界が制限される場合が多い。そこで車輌
の後部にTVカメラを設置し運転席からTVモニ
タにより車輌後方の視界を確保することが行なわ
れている。

しかしながら通常のTVカメラはその視野が限
定されるという不都合があつた。複数のTVカメ
ラを用いることも考えられるが、コストが高くな
る。そこでTVカメラに超広角レンズを用いるこ
ともできるが、広角光学系による画像の歪みのた
め違和感があり、距離感も狂いがちである。

このような従来技術の欠点に鑑み、本考案の主
な目的は、一個の撮像機器のみを用いしかも広い
範囲の視界を画像の歪みを伴うことなく監視可能
にする車載視界モニタを提供することにある。

本考案によれば、このような目的は、撮像機器
と、画像表示機器と、障害物位置センサと、可動
ステージとを有する車載視界モニタであつて、前
記障害物位置センサは、車輌に取付けられて該車
輌から前記障害物までの距離を検出するものであ
り、前記可動ステージは、可動ステージ駆動部と
可動ステージ位置検出部と可動ステージ駆動制御
部とを有し、前記撮像機器を載置して前記車輌に
取付けられ、前記可動ステージ駆動部は、前記障
害物位置センサと、前記可動ステージ位置検出部
との出力信号を前記可動ステージ駆動制御部に入
力して前記可動ステージを少なくとも上下方向に
傾動駆動して前記撮像機器の照準を定めるもので
あり、前記画像表示機器は、車室内に設けられて
前記撮像機器の画像を表示するものであることを
特徴とする車載視界モニタを提供することにより
達成される。

本考案によれば撮像機器としてTVカメラなど
を用い、超音波測距センサなどを車輌から障害物
までの距離を検出するための障害物位置センサと
して用いると共に、車体に対する撮像機器の取付
け角度を可変なように構成し、障害物の位置に対
応して撮像機器の照準方向を自動的に変化させる
ことにより、車輌が障害物に接近しつつある間常
に歪みのない障害物の画像を運転者に提供するこ
とができる。TVカメラのレンズとして肉眼に近
い光学系を用いることにより、運転者は注目すべ
き障害物を常に正しい距離感をもつて監視するこ
とができる。特に、障害物位置を左右方向につい
ても検出し、かつ撮像機器を左右方向へも傾動可
能なように構成することにより、車輌に対する障
害物の位置をより一層正しくとらえることができ
る。

以下に添付の図面を参照して本考案を特定の実
施例について説明する。

第３図は本考案に基づく車載視界モニタの実施
例の構成がブロツク図により示されている。障害
物位置検出部としての位置センサ３は、第１ａ図
から第２ｂ図までに示されているように、車輌１
の後部の左右両端部に設けられた超音波距離セン
サなどからなつている。位置センサ３が複数設け
られているため、位置センサ３から障害物２まで
の距離のみならず、三角測量の原理により、２個
の位置センサに対する左右方向の角度位置をも検
出し得るようになつている。障害物２までの位置
は超音波を発射しそのエコーが戻つてくるまでの
時間を計測するとにより求めることができ、２個
の位置検出部３により同一の障害物について求め
た距離から障害物の左右方向の位置をも求めるこ
とができる。

次にTVカメラからなる撮像機器７が取付けら
れた可動ステージ６の車体に対する取付け角度を
ロータリーエンコーダなどからなる可動ステージ
駆動制御部６ｃに組込まれた比較演算部４に於て
障害物２の位置と可動ステージ６の角度位置とを
比較し、撮像機器７の照準方向が障害物２のある
方向を向くように、同じく可動ステージ駆動制御
部６ｃに組込まれた駆動制御回路５を介して例え
ばパルスモータなどを組込んでなる可動ステージ
駆動部６ａを作動させる。

このようにしてTVカメラなどからなる撮像機
器７は、第１ａ図及び第１ｂ図に示されているよ
うに、車輌１が障害物２に接近するに従つて、下
向きに傾動して撮像機器７の視野中心部に障害物
２をとらえるので、運転者は常に障害物２を正し
い距離感をもつて、TVモニタからなる画像表示
機器８により監視することができる。また第２ａ
図及び第２ｂ図に示されているように、障害物２
が車輌の後方の、例えば後進方向左側に位置して
いる場合、車輌１が障害物２に接近するに伴い、
撮像機器７は後進方向左側に傾動し、同じく運転
者は常に障害物２を正しい距離感をもつて画像表
示機器８により監視することができる。

この場合撮像機器７の運動は、上下及び左右の
２つの角度方向に連続的に行なわれるものであつ
て良いが、上下方向に対しては下方、近後方及び
遠後方の３つの角度位置のみをとり、左右方向に
対しては左側、中央及び右側の同じく３つの角度
位置のみを取り得るようにし、画像表示部８の視
野角内にて互いに幾分かオーバラツプするような
範囲で計９通りの不連続な位置のみをとるように
することもできる。このように本考案によれば、
常に撮像機器の視野中心部に障害物をとらえるこ
とができるので、より正確に後方の障害物を認識
し易くなるという効果が得られる。

尚、位置センサ３と撮像機器７との車輌１に対
する相互の位置関係は機械的に定めることができ
るので、車輌１と障害物２との間の距離のみが分
かれば撮像機器７の上下方向角度を適正に設定す
ることができる。また、一般のTVモニタは、上
下方向視野に比して左右方向視野の方が広いの
で、場合によつては、撮像機器７の角度、即ち可
動ステージ６を上下方向にのみ可変とするだけで
も、実用上は支障のないように構成することもで
きよう。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図及び第１ｂ図は車輌が後方の障害物に
接近する際の撮像機器７の上下方向の運動を示す
図式的側面図である。第２ａ図及び第２ｂ図は、
車輌の後進方向左側に障害物がある場合、車輌が
後退するに伴い撮像機器７が行なう左右の傾動運
動を示す図式的平面図である。第３図は本考案に
基づく車載視界モニタの構成を示すブロツク図で
ある。 １……車輌、２……障害物、３……位置セン
サ、４……比較演算部、５……駆動制御回路、６
……可動ステージ、６ａ……可動ステージ駆動
部、６ｂ……可動ステージ位置検出部、６ｃ……
可動ステージ駆動制御部、７……撮像機器、８…
…画像表示機器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 撮像機器７と、画像表示機器８と、障害物位
   置センサ３と、可動ステージ６とを有する車載
   視界モニタであつて、 前記障害物位置センサ３は、車輌１に取付け
   られて該車輌１から前記障害物２までの距離を
   検出するものであり、 前記可動ステージ６は、可動ステージ駆動部
   ６ａと可動ステージ位置検出部６ｂと可動ステ
   ージ駆動制御部６ｃとを有し、前記撮像機器７
   を載置して前記車輌１に取付けられ、 前記可動ステージ駆動部６ａは、前記障害物
   位置センサ３と、前記可動ステージ位置検出部
   ６ｂとの出力信号を前記可動ステージ駆動制御
   部６ｃに入力して前記可動ステージ６を少なく
   とも上下方向に傾動駆動して前記撮像機器７の
   照準を定めるものであり、 前記画像表示機器８は、車室内に設けられて
   前記撮像機器７の画像を表示するものであるこ
   とを特徴とする車載視界モニタ。 (2) 前記障害物位置センサ３は、２つの超音波測
   距センサからなり前記障害物２の左右方向位置
   をも検出し得るものであり、 前記可動ステージ６の可動ステージ駆動部６
   ａは、前記可動ステージ６を左右方向にも傾動
   駆動し得るものであることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の車載視界モニ
   タ。