JPH0222422A - 磁気特性に優れた一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性に優れた一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH0222422A
JPH0222422A JP63170788A JP17078888A JPH0222422A JP H0222422 A JPH0222422 A JP H0222422A JP 63170788 A JP63170788 A JP 63170788A JP 17078888 A JP17078888 A JP 17078888A JP H0222422 A JPH0222422 A JP H0222422A
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Michiro Komatsubara
道郎 小松原
Yasuyuki Hayakawa
康之 早川
Yoshiaki Iida
飯田 嘉明
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、磁気特性に優れた一方向性けい素鋼板の製
造方法に関し、磁気特性中でも磁束密度の有利な改善を
図ろうとするものである。
(従来の技術) 主として変圧器や電動機などの鉄心材料として用いられ
る一方向性けい素鋼板に要求される特性は、一定の磁化
力において得られる磁束密度が高いこと、および一定の
磁束密度を与えた場合にその鉄損が低いことである。通
常これらの代表値としては、磁化力800A/mにおけ
る磁束密度B8(T:テスラ)および磁束密度1.70
T、周波数50Hzにおける鉄損WI715゜(W/k
g)が採用されている。
これらの両特性を含む磁気特性を向上させるためには、
現在まで多くの研究がなされ、特に素材の成分、熱間お
よび冷間圧延法、熱処理方法等の改善によってそれぞれ
少なからざる成果が得られている。
従来の一方向性けい素鋼板は、通常Si:2.5〜4.
5wtχ(以下単にχで示す)を含む低炭素鋼に微量の
Mn、S、Se、Sb、Al、Sn、NおよびB等のイ
ンヒビター形成元素を添加した素材を熱間圧延した後、
1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を経て
、該冷延鋼板に脱炭を兼ねた1次再結晶焼鈍を施し、し
かるのち最終仕上げ焼鈍工程において2次再結晶処理を
施すことによって2次再結晶粒を(110)<001>
方位に高度に集積させると共に、引き続く純化焼鈍によ
って鋼板中の不純物を除去することにより良好な磁気特
性を得ている。
この際、2次再結晶粒の方位が(110) <ool>
へ集積するほど鋼板の磁束密度は高くなるが、−方で巨
大な2次粒と成り易く、粒内の磁区幅が増し、渦流損の
増加により鉄損特性が劣化する傾向にあった。そこで2
次粒を微細化することを目的とした努力が種々施され、
例えば特開昭60−89521号公報では、再結晶促進
域と遅滞域を交互に設け2次粒の核発生を増しかつ成長
を阻止することで2次粒の微細化を図り鉄損を向上させ
る方法が提案されている。しかしながら、近年物理的な
局所歪の導入による磁区細分化技術(たとえば特開昭5
8−26410号公報)の確立により、とくに2次粒を
微細化せずとも低鉄損が得られるようになったため、技
術開発の方向は、磁束密度の向上に傾いている。
この点、特公昭58−50295号公報では、2次再結
晶時に一方向の温度勾配を与え、(110) <ool
>方位の2次粒を選択成長させることで高い磁束密度を
得る方法が開示されている。この方法は、相対的に高温
では2次粒の核発生速度が大きく、−方低温では粒成長
速度が大きいという、2次再結晶に特有の現象を利用し
たものであり、発生した2次粒を温度勾配を与えながら
加熱することによって巨大に粒成長させて、鋼板全体の
方向性を向上させようとするものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら2次再結晶が進行するような高温度域で、
しかも数十トンもあるようコイルに特定の温度勾配を与
えることは、温度勾配付与技術および温度制御技術いず
れの面からも極めて難しく、さらに上記の方法では、最
初に発生する2次粒については何ら工夫が施されていな
いために、最初に核発生した2次粒の方位によって板金
体の特性が大きく影響されるという、言わば偶然性に負
うところが大きく、従って必ずしも常に高い磁束密度が
得られるわけではないところに問題を残していた。
この発明は上記の問題を有利に解決するもので、2次再
結晶前の低温度域において特殊な熱処理を施すことによ
って、(110) <001>方位に対する配向性が極
めて良い2次粒の核を高い確率の下で、優先的にしかも
局所的に発生させると共に、その後の2次再結晶におい
てこの粒を優先的に成長させ、もって2次粒の方位がゴ
ス方位に高度に揃ったひいては高磁束密度の一方向性け
い素鋼板を安定して製造することができる有利な方法を
提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) さて発明者らは、上記のような問題を解決子べ(鋭意研
究を重ねた結果、 i)とくに高温の2次再結晶時における温度勾配を制御
しな(でも、鋼板の2次再結晶開始温度を制御してやれ
ば、(110) <001>方位の2次粒を優先的に選
択成長させ得ること、ii)また核発生と粒成長に関す
る研究を系統的に進めた結果、鋼板の板面内での集合組
織またはインヒビターによる抑制力を変化させることに
よって2次再結晶開始温度(T sr)が変化すること
、 ji)さらにTsrを鋼板の位置によって変化させてや
れば、2次再結晶時に温度勾配を付与しなくても、極め
て高い磁束密度の製品が得られること の知見を得た。
この発明は、」二記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明は、含けい素鋼スラブを、熱間圧延し
、ついで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延
を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を
施し、しかるのち2次再結晶焼鈍ついで純化焼鈍を施す
一連の工程によって一方向性けい素鋼板を製造するに当
り、脱炭・1次再結晶焼鈍後、2次再結晶焼鈍前の段階
において、2次再結晶前熱処理として、鋼板に対し、温
度勾配を有し、かつ高温側の温度が650 ℃以上、2
次再結晶開始温度未満の範囲になる傾斜焼鈍を、5〜1
00時間にわたって施すことから成る磁気特性に優れた
一方向性けい素鋼板の製造方法である。
以下、この発明の解明経緯について説明する。
T S rを鋼板の位置によって変化させる技術として
発明者らは先に、素材のC含有量を変化させる方法(特
願昭62〜112402号)や2回冷延法で中間焼鈍温
度を位置によって変化させる方法(特願昭62−112
405号)を開発し、出願した。
しかしながらこれらの技術は、2次再結晶前の1次再結
晶集合組織やインヒビターを直接制御するものではなく
、それ以前の工程条件に工夫を加えて所望の効果を得よ
うとするものであるため、その効果において安定性に欠
ける傾向があった。
この発明は、上記の欠点を除き、最終仕上げ焼鈍工程前
において直接、1次再結晶集合組織やインヒビターを制
御することによって、2次再結晶が開始する温度Tsr
を鋼板の位置によって変化させるという画期的なもので
あり、(110) <001>方位への集積度が高い従
って磁束密度が高い2次再結晶組織が得られる。
この点、従来の一方向性けい素鋼板の製造方法では、2
次粒の核発生頻度が高いため(1101<001>方位
粒を十分に選択成長させることはできなかった。
しかしながら発明者らの研究により、鋼板内で(110
) <001>方位の核発生時期を局所的にずらすこと
で、先に発生した(110) <001>方位粒を選択
的に成長させることができ、かくして磁束密度の極めて
高い2次再結晶組織が得られることが究明されたのであ
る。
一方向性けい素鋼板の2次再結晶開始温度は、通常80
0〜1100℃の範囲にあるが、その成分、製造工程に
より鋼板固有の温度が決まる。ここで2次再結晶開始温
度は、最終冷延後、脱炭・1次再結晶焼鈍板を一定温度
で10h保持したときの、2次再結晶粒の発生した温度
を指標として用いるが、インヒビターとしてAlNを使
用した場合と使用しない場合とでは、この温度が大きく
異なる。すなわらAlNがインヒビターとしての機能を
果たすべく微細に鋼中に分散した素材においては、Ts
rは1000°C以上であるのに対して、インヒビター
としてAlNを使用しない場合2次再結晶開始温度は低
く、800〜900°C程度である。
通常、この2次再結晶開始温度以上の温度での焼鈍を長
時間行うことで2次再結晶を完了させることができるが
、この発明では、かかる2次再結晶焼鈍に先立ち、製造
条件に工夫を加えて、該鋼板の2次再結晶開始温度が鋼
板内で変化するように処理し、結果的に2次再結晶時に
2次再結晶が生じる鋼板内の位置を局所化させると共に
、他領域においては、2次再結晶粒が成長し易い地鉄素
地を形成させて、(110) <001>方位に高度に
揃った、2次粒を他領域に蚕食させて巨大な粒に成長せ
しめることで2次再結晶を完了させることが大きな特徴
である。なおこの際2次再結晶粒の大きさは、2次再結
晶温度の分布状態に依存するため、鋼板の2次再結晶温
度の温度差を制御することによって高磁束密度を維持し
たまま2次再結晶組織の制御も可能となる。
さてこの発明の端緒となったのは次に述べる現象を解明
したことによる。
すなわち、MnS とsbを主要インヒビターとする素
材に関し、特開昭50−123517号公報に記載され
ているような870°Cで30時間の2次再結晶のため
の低温保定を含む仕上げ焼鈍をコイル規模で箱焼鈍して
いる際、製品の磁気特性として、時に極めて磁束密度の
高いものが得られる場合があった。
この時得られた製品の2次再結晶粒について調べたとこ
ろ−110〜100皿と極めて巨大なものであった。
そこで発明者らは、この現象について詳細に検討した結
果、かような現象は870°Cでの低温保定に入る前の
昇温過程におけるコイル内の温度の不均一性と関連し、
コイル内での温度不均一の度合いが高い場合に生じるこ
とが判明した。
コイルのような重量物を箱焼鈍する場合、例え・ば特公
昭59−24167号公報の第6図にも示されているよ
うに、昇温過程においてコイルの幅方向に温度差、すな
わち温度勾配が生じることは公知の事実である。一方向
性けい素鋼コイルを箱焼鈍する場合は、2次再結晶時の
保定温度を場所的にも時間的にもできる限り一定とする
ための温度制御装置を付帯させているので、玉揚公報の
例はどには温度差はないが、それでも昇温過程において
は、コイル幅方向に温度差が生じることは免かれ得ない
。このため、温度制御の良くない場合には、前述のよう
な現象が生じたものと考えられる。
この発明は、上述したような現象を生起させる機構を解
明し、もって有利な方法で製品の磁気特性を向上させる
技術を新規に開発したものである。
さて発明者らは、2次再結晶前における熱処理によって
、板幅方向(圧延直角方向)における2次再結晶開始温
度Tsrが変化することを見出した。
第1図に、A1を0.025 wtχ(以下単に%で示
す)含有する幅100 msの脱炭・1次再結晶板3コ
イルを、圧延方向に対し直角方向(板幅方向)に高温側
:880°C1低温側: 630℃で25°C/cmの
温度勾配を与えてそれぞれ、2時間、10時間、30時
間焼鈍した後、圧延方向に11分割して1000°Cか
ら1100°Cにわたる温度範囲で20時間焼鈍したと
きの、板幅方向における2次再結晶開始温度(Tsr)
について調べた結果を示す。
同図から明らかなように、2次再結晶前の低温焼鈍にお
ける温度を変えることにより、2次再結晶開始温度がと
くに10時間、30時間と長時間保持した場合、大きく
変動している。したがって引続く2次再結晶時には、保
持温度ニア30°Cに対応する場所から優先的に(11
0) <001>方位の2次再結晶粒が出現し、他領域
に蚕食していって成長していくことになるわけである。
前述のコイルの場合にも、このような機構で巨大な2次
再結晶粒が成長し、磁気特性とくに磁束密度の極めて優
れた製品が得られたものと思われる。
このような2次再結晶前の熱処理によってTsrが変化
する理由を解明するため、2次再結晶前熱処理材のミク
ロ組織構造を観察したところ鋼板表層のインヒビターが
局所的に粗大化しており、しかも(110) <001
>方位に揃った1次再結晶粒の粒径が、1次再結晶粒の
平均粒径よりも大きく約2倍程度に成長していた。これ
により、(110)<001>方位に揃った1次再結晶
粒の成長速度が促進され、引続く2次再結晶時にTsr
の低下をもたらし、かくして製品の磁束密度を高めたも
のと思われる。
次に、この2次再結晶前熱処理の適正温度範囲を検討す
るために、Atを0.025%含有する前述と同じ脱炭
・1次再結晶板を用い、板幅方向に25°C/1の温度
勾配を付与し、かつ高温側をそれぞれ1000℃,95
0°C,900°C,850°C,800°C,750
°C。
700″C,650°C,600℃,550°Cおよび
500″Cと種々に変化させて30時間焼鈍した後、1
5°C/hの昇降速度で温度分布を均一にして1200
°Cまで昇温して2次再結晶焼鈍を施した後、15時間
保持した時の磁気特性について調べた結果を第2図に示
¥。
なおこれらの鋼板の2次再結晶開始温度Tsrは102
0〜1100°Cである。
同図より明らかなように、650°C以上で、しかもT
srよりも低い900°C以下の温度範囲の2次再結晶
前熱処理によって極めて高いB8値が得られている。
以上の結果より、2次再結晶前熱処理は、1次再結晶集
合組織もしくはインヒビターの状態を変え2次再結晶の
核生成の活性化エネルギーを変化させる作用を有するこ
とがわかり、特に(110)<001>方位に揃った2
次再結晶粒の核生成の活性化エネルギーを効果的に低下
させ得ることが判明した。
2次再結晶前熱処理において、鋼板に温度勾配を付与さ
せるには、焼鈍炉の均熱を悪くさせれば良いわけである
が、2次再結晶時においては、鋼板内が均一熱処理され
ることが必要であるから、結局、自然に形成される温度
勾配ではなく、各鋼板位置における温度制御を正確に行
なう必要がある。一般に高温において所望の温度勾配を
付与することは熱流制御上極めて難しいけれども、この
発明で温度勾配を付与するのは「2次再結晶前熱処理」
であって比較的低温であるので、温度勾配の制御が易し
く、この点においてもこの発明は有利である。
次にこの発明法を、製造工程順に具体的に説明する。
まずこの発明の出発素材については、従来公知の一方向
性けい素鋼板の成分たとえば、C: 0.005〜0.
15%、Si : 0.1〜7.0%およびMn : 
0.002〜0.15%を含有する他、インヒビター形
成成分として、S : 0.005〜0.05%、Se
 : 0.005〜0.05%、Te : 0.003
〜0.03%、Sb : 0.005〜0.05%、S
n:0.03〜0.5%、Cu : 0.02〜0.3
%、Mo : 0.005〜0.05%、B : 0.
0003〜0.0040%、N : 0.001 〜0
.01%、Al : 0.005 〜0.05%、Nb
 : 0.001 〜0.05%、Cr : 0.03
〜0.30%およびP : 0.015〜0.045%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する素材いずれ
もが有利に適合する。
これらの素材は従来公知の製鋼法、たとえば転炉、電気
炉で製鋼され、さらに造塊−分塊法、連続鋳造法、また
はロール急冷法などによってスラブ、シートバーあるい
は直接薄鋼板としたのち、必要に応じて熱間圧延、温間
又は冷間圧延によって含けい素鋼板とする。ついで必要
に応じて均一化焼鈍、さらには1回の圧延もしくは中間
焼鈍を挟む2回以上の圧延により最終板厚に仕上げる。
次に湿水素中で700〜900°C,1〜15分間程度
の焼鈍を施して鋼中のCを除去すると共に、次の焼鈍時
にゴス方位の2次再結晶粒を発達させるのに有利な1次
再結晶集合組織を形成させる。
ついで焼鈍分離剤を塗布し、コイルに巻取って仕上げ焼
鈍を施すわけであるが、この時2次再結晶に先立って、
高温側の温度が650°C以上、Tsr未満の温度範囲
で温度勾配付与下に5〜1oo時間にわたる2次再結晶
前熱処理を施こすところに、この発明の特徴がある。上
記の熱処理において、処理温度がTsr以上では、引続
く2次再結晶時にTsrの最も低い鋼板位置で発生する
2次再結晶粒方位の(1101<001>方位への配向
性がさほど良くないため、磁束密度、鉄損ともに優れた
磁気特性は得ら−れない。一方650°C未満ではTs
rを変動させるのに十分な温度ではないため、やはり所
期した目的が達成されない。
また付与する温度勾配については、局部的にTsrを低
下させるためには十分な勾配が必要で1℃/ cm以上
が好ましい。ただしAlNをインヒビターとして含有し
ない場合(へ1含有量が0.004%以下の場合)には
、2次再結晶温度が低いので、2次再結晶前熱処理温度
については、高温側温度が650°Cから800°Cの
温度範囲内において、一方AlNをインヒビターとして
含有する場合(Al含有量が0.01〜0.04%程度
)には650〜900″Cの温度範囲においてそれぞれ
温度勾配を付与した熱処理を施すのが好適である。
引続く2次再結晶焼鈍は、工業的に可能な限り温度分布
の少ない均一焼鈍が好ましい。というのは2次再結晶焼
鈍において、コイルに温度勾配が生じると上述の処理に
よって実現されたTsrの変動効果が鋼板内の温度変動
によって弱められ、2次再結晶の出現位置が不明瞭にな
り好ましい2次再結晶粒を優先成長させるというこの発
明で所期する効果が弱められるからである。
2次再結晶後は、1100°C〜1250°Cでの高温
純化焼鈍により、フォルステライト被膜の形成と純化を
行なう。なお仕上げ焼鈍におけるガス成分としては、N
、、 H,、Arまたはこれらの混合ガスなどが好適で
ある。
実施例I C: 0.060%、Si : 3.05%、Mn :
 0.075%、S : 0.023%、Al : 0
.025%およびN : 0.0080%を含む連鋳ス
ラブを、常法に従って熱間圧延、焼鈍、冷間圧延ついで
脱炭・1次再結晶焼鈍処理したのち、焼鈍分離剤を塗布
した鋼板(厚み0.30mm)を下記の要領で焼鈍した
第3図(イ)に示したようなヒートサイクルに従い仕上
げ焼鈍前に2次再結晶前熱処理として、圧延方向に2°
C/cmの温度勾配を付与し、かつ鋼板の高温部(Tm
ax)と低温部(Tmin)の温度を種々に変化させた
傾斜焼鈍を施した。
この時の高温部側の温度T maxは(a)600°C
(比較材) 、(b)700 ℃1(C)800°C1
(d)900°C1(e)950゛C(比較材) 、(
f)1000°C(比較材)であり、それぞれの場合に
つき50時間の保定処理を行った。その後15°C/h
の昇温速度で昇温しで2次再結晶焼鈍し、1200°C
で10hの純化焼鈍を施した。なお純化焼鈍では純水素
を通人し、それ以外ではNZ : 25%、fh : 
75%の混合ガスを通人した。
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第1表に示す。
第  1  表 (a)比較材   600  °C1,908(b)本
発明   700  ℃1,967(C)本発明   
800  °C1、982(d)本発明   900 
 ”C1,974(e)比較材   950  °C1
,931(f)比較材   1000  °C1,91
21,06 0,84 0,83 0,86 1,05 1,24 実施例2 実施例1と同様に処理して得た脱炭・1次再結晶焼鈍板
の表面に焼鈍分離剤を塗布してから、圧延直角方向に0
.5°(: / cm、1°C/ cm、5°C/am
の温度勾配を付与し、いずれも高温側温度を800°C
に設定して50時間保定する2次再結晶前熱処理を施し
た。その後実施例1と同様の仕上げ焼鈍処理を施した。
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第2表に示す。
第2表 温度勾配なしく比較例)   1.923   1.2
30.5°C/cm  (本発明)   1.976 
  0.881 °C/cm  (本発明)   1.
985   0.855 °C/cm  (本発明)1
.987   0.82実施例3 C: 0.035%、Si : 3.25%、Mn :
 0.068%、Se : 0.020%、Sb : 
0.020%を含み、かつAlを0.002%に抑制し
た連鋳スラブを熱間圧延、焼鈍、1次冷延、中間焼鈍、
2次冷延ついで脱炭・1次再結晶焼鈍処理したのち、焼
鈍分離剤を塗布した鋼板(厚み0.23mm)を下記の
要領で焼鈍した。
第3図(ハ)、(ニ)に示したヒートサイクルで仕上げ
焼鈍を施したが、このとき2次再結晶前熱処理として冷
延方向と直角の方向に5°C/cnの温度勾配を付与し
、第3図(ハ)の熱処理では高温側温度Tmax = 
750 ℃として15時間の保定処理を、また第3図(
ニ)の熱処理ではTmaxを700°Cから750°C
まで5°C/hで10時間かけて除熱する焼鈍を施した
。なおその他の昇温部はいずれも50″C/hとした。
さらに雰囲気は、2次再結晶焼鈍(870°CX30時
間)までをN2とし、1200°Cで10時間の純化焼
鈍は純H2中で行った。
なお同一の鋼板で870°C,30hの2次再結晶焼鈍
と1200″C,lOhの純化焼鈍を施し、比較例とし
た。
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第3表に示す。
第3表 (ハ’I          1.958      
  0.79(ニ)           1.965
         0.78比較例    1.892
    0.88実施例4 第4表に示す成分組成になる連鋳スラブを、熱間圧延、
焼鈍、1次冷延、中間焼鈍、2次冷延ついで脱炭・1次
再結晶焼鈍処理したのち、焼鈍分離剤を塗布した鋼板(
厚み0.23胴)を下記の要領で焼鈍した。
第、′3図(υ)に示したヒートサイクルで仕上げ焼鈍
を施したが、このとき2次再結晶前熱処理として、冷延
直角方向に15°C/ cmの温度勾配を付与し、T 
maxを650°Cから850°Cまで10”C/hで
20時間かけて昇温し、その後、均一な温度分布のもと
で15℃/hの速度で1200°Cまで昇温し2次再結
晶させた。
このときの雰囲気は、2次再結晶前熱処理ではN2、ま
た15°C/11の昇温における2次再結晶焼鈍中では
Nz: 25%、N2 : 75%の混合ガス、さらa
:1200″C11011の純化焼鈍中では純H2とし
た。
か(して得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第4表に併記する。
実施例5 第5表に示す成分組成になる鋼塊を分塊圧延してスラブ
とし、熱間圧延、焼鈍、冷間圧延ついで脱炭・1次再結
晶焼鈍処理を施したのち、焼鈍分離剤を塗布した鋼板(
厚み0.28mm)に第3図(イ)のヒートサイクルで
仕上げ焼鈍を施したが、このとき、2次再結晶前熱処理
として圧延直角方向に10°C/cmの温度勾配を付与
し、この時のT maxを820 ℃として20時間保
持した。2次再結晶は、15“C/hの昇温速度で均一
な温度分布の下で1200”Cまで昇温しで行ない、そ
の後、1200°Cで10時間の純化焼鈍を施した。雰
囲気としては、2次再結晶前熱処理までをAr雰囲気と
し、また1200°Cまでの昇温における2次再結晶焼
鈍中はN225%、N275%の混合ガス雰囲気とし、
さらに1200°Cでの純化焼鈍中はN2雰囲気とした
かくして得られた製品の磁気特性について調べた結果を
第6表に示す。
なお第6表には比較のため、同一の鋼板を均一温度分布
下で15°C/hの速度で1200°CまでN225%
、11□75%雰囲気下で昇温し、ついでN2中で12
00℃110時間の純化焼鈍を施して得た従来材の調査
結果についても併せて示す。
第5表 第6表 ントがある。
またこの発明法は、従来2次再結晶が困難で、磁束密度
が低いとされていた厚み: 0.25m+n以下の薄肉
材に適用しても同等の効果が期待でき、さらに種々のイ
ンヒビター成分の素材にも適用でき普遍的なものである
【図面の簡単な説明】
第1図は、2次再結晶前熱処理における処理温度と処理
時間が鋼板の2次再結晶開始温度(Tsr)に及ぼす影
響を示したグラフ、 第2図は、2次再結晶前熱処理の鋼板最高温度と製品の
磁束密度との関係を示したグラフ、第3図(イ)〜(=
)はいずれも、ヒートサイクルの模式図である。 (発明の効果)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、含けい素鋼スラブを、熱間圧延し、ついで1回また
    は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚
    としたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、しかるのち
    2次再結晶焼鈍ついで純化焼鈍を施す一連の工程によっ
    て一方向性けい素鋼板を製造するに当り、 脱炭・1次再結晶焼鈍後、2次再結晶焼鈍 前の段階において、2次再結晶前熱処理として、鋼板に
    対し、温度勾配を有し、かつ高温側の温度が650℃以
    上、2次再結晶開始温度未満の範囲になる傾斜焼鈍を、
    5〜100時間にわたって施すことを特徴とする磁気特
    性に優れた一方向性けい素鋼板の製造方法。 2、素材スラブ中のAl含有量が0.004wt%以下
    であって、2次再結晶前熱処理を、温度勾配:1℃/c
    m以上、高温側温度:650〜800℃および処理時間
    :5〜100時間の条件下に施す請求項1記載の製造方
    法。 3、素材スラブ中のAl含有量が0.01〜0.04w
    t%であって、2次再結晶前熱処理を、温度勾配:1℃
    /cm以上、高温側温度:650〜900℃および処理
    時間:5〜100時間の条件下に施す請求項1記載の製
    造方法。
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