JPH02221925A

JPH02221925A - メタクリル樹脂製導光板およびその製造方法

Info

Publication number: JPH02221925A
Application number: JP1041818A
Authority: JP
Inventors: Hidetoshi Innami; 印南　英敏
Original assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1989-02-23
Filing date: 1989-02-23
Publication date: 1990-09-04

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は面光源用の導光板に係るもので、特に各種デイ
スプレィの光源、液晶表示セルのバックライト装置に適
する、出光効率が良く、左右への光拡散性が改良された
導光板に関する。

〔従来の技術〕

従来の液晶デイスプレィは、裏面に光反射層を設け、前
面からの外光を利用して情報を表示する方式で、従来の
ＣＲＴに代えて使用する場合には、明るさが不足してい
るため、液晶デイスプレィの裏面に面光源を設けた装置
が使用され始めた。

従来、このような液晶デイスプレィの光源としては、白
熱ランプや蛍光灯等の照明ランプを液晶デイスプレィの
裏面からある程度の距離をもって設け、かつ、光を均一
にするため光拡散板を中間に配置したバックライト装置
が用いられていた。

しかし、このような装置は、全体の厚み゛が厚くなり、
液晶デイスプレィの特徴の一つである薄型の利点が損な
われるため、携帯型、可搬型、壁掛は型等の用途を中心
に、導光板等を用いた薄型の面光源が種々提案されてい
る。

これらの内で有望なものとしては、アクリル樹脂等の導
光板の側面に蛍光灯等の照明ランプを設け、導光板の一
方の面から出光する方式が知られている。この方式での
視野角の狭さを改良するため、導光板の出光面を粗面化
したり、ガラスピーズ等の光拡散剤を使用して出光する
光を拡散させ、画面の左右への光拡散性を改良する方法
が知られているが、光拡散剤もある程度の吸光性がある
ため、液晶デイスプレィが大型になると照明ランプと反
対側では明るさが不足するという問題が生じていた。

この問題を解決する方法として、特開昭５４−１０５５
６２号、特開昭５９−８１６８３号、実公昭５８−４６
４４７号等が提案されている。

これ等の方法では、照明ランプ側では、拡散剤の濃度を
低くし、その反対側では濃度を高くすることにより、出
光面各部から出る光量が等しくなることを提案している
が、実際に拡散剤の濃度分布を希望どうりにコントロー
ルした板を製造することがむずかしく、実用に至ってい
ない。

（発明が解決しようとする課題〕本発明は、前述した諸問題にかんがみなされたもので、
薄型でありながら出光面における明るさが均一で、画面
の左右への光拡散性が優れた実用性の高い液晶デイスプ
レィ用導光板と、その製造方法を提供することを目的と
したものである。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち、本発明は、（１）　　平均粒子径が２〜１１００ｕφで、屈折率が
１．４〜１．６、かつ、メタクリル樹脂の屈折率と異な
る屈折率を有し、かつ、比重が２．０以上の無機充填剤
が、導光板の端面に対して配置した照明ランプに近い所
では粒子径の小さな前記充填剤が低濃度に、照明ランプ
より遠い所で粒子径の大きな前記充填剤高濃度に分散さ
れ、出光量が全出光面にわたり実質的に均一であること
を特徴とするメタクリル樹脂製導光板。

（２）メタクリル樹脂を溶解したメタクリル樹脂シラッ
プに、平均粒子径が２〜１００μｍφで、屈折率が１．
４〜１．６、かつ、前記メタクリル樹脂の屈折率と異な
る屈折率を有し、かつ、比重が２．０以上の無機充填剤
と、重合開始剤とを均一に混合した組成物を重合用セル
に注入した後、重合用セルを立てた状態で重合すること
を特徴とする請求項第１項記載のメタクリル樹脂製導光
板の製造方法。

（３）重合用セルを構成するガラス板または、金属板の
表面に、ナシ地面を有するポリビニルアルコールのフィ
ルムを貼ることを特徴とする前記第２項記載のメタクリ
ル樹脂製導光板の製造法。

（４）多官能上ツマ−を混合したメタクリル樹脂シラッ
プを用いることを特徴とする前記第２項および第３項記
載のメタクリル樹脂製導光板の製造法。

（５）前記第１項記載のメタクリル樹脂製導光板の下面
を、高反射率物質で被覆したことを特徴とするメタクリ
ル樹脂製導光板。

を提供する。

本発明において、メタクリル樹脂製導光板を形成するメ
タクリル樹脂としては、通常この分野で用いられるもの
は全て使用可能である。代表的な例としては、メタクリ
ル酸メチル５０重量％以上、好ましくは８０重量％以上
含有するものであり、その−例として、メタクリル酸メ
チル９５重量％、アクリル酸エチル５重量％の共重合物
が挙げられる。

本発明の製造法で用いるメタクリル樹脂シラップにおい
て、メタクリル樹脂とは、前記メタクリル樹脂と同様メ
タクリル酸メチル５０重量％以上、好ましくは８０重量
％以上含有するものであり、該メタクリル樹脂をメタク
リル酸メチル５０重量％以上と、これと共重合可能なア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ｎ−プ
ロピル、アクリル酸ｎ−ブチル等のアクリル酸エステル
、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ｎ−プロピル、メ
タクリル酸ｎ−ブチル、メタクリル酸２−エチルヘキシ
ル等のメタクリル酸エステル、および、スチレン、アク
リロニトリル、酢酸ビニル等との混合単量体に溶解して
メタクリル樹脂シラップとする。

本発明において重合開始剤は、１０時間の半減期を得る
ための分解温度が３０〜９０°Ｃのアゾまたはパーオキ
サイド含有化合物、例えば、２．２−アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンゾイルバーオサイド、ラウロイルパー
オキサイド等であり、より好ましくは、２．２−アゾビ
ス（４−メトキシ−２，４−ジメチルバレロニトリル）
、シミリスチルパーオキシジカーボネート等の低温活性
の重合開始剤を用いる。

本発明において用い得る無機充填剤は、屈折率が１．４
〜１．６、かつ、メタクリル樹脂の屈折率と異なる屈折
率を有し、かつ、比重が２．０以上、好ましくは２．３
以上のものである０例えば石英粉、ガラスピーズ、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、ホタル石等が挙げられる。

また、粒子の形状は球形に近い物が好ましい。

前記充填剤の屈折率がメタクリル樹脂の屈折率と等しい
場合は拡散効率が悪く、逆にあまりにも屈折率の差が大
きいと、隠ぺい性が出てくるため前記の範囲が好ましい
。

また、前記充填剤の比重は沈降速度に関連し、メタクリ
ル樹脂シラップの比重との差がある程度ないと前記充填
剤の沈降速度が遅くなるため前記の範囲が好ましい。

また、無機充填剤の平均粒子径は、これが２μ雷φ未満
になると沈降に時間がかかり過ぎ、逆に１００μｍφを
超えると沈降時間が速過ぎるため、前記充填剤の濃度分
布をコントロールすることが難しく、無機充填剤の平均
粒子径は、２〜１００μｍφが好ましく、より好ましく
は５〜５０μｍφの範囲である。

ここで、平均粒子径は、横軸に粒子径、縦軸に一定粒子
径までの粒子体積の累計をプロットした積分曲線におい
て、体積累計５０％に対応する粒子径を指すものであり
、コールタ−カウンター（米国、コールタ−エレクトロ
ニクス社）等の装置を用いて求めることができる。

無機充填剤は粒度分布を持っており、この技術分野に一
般に用い得る市販のものの範囲でよい。

代表例として、例えば、平均粒子径３０μｍφのガラス
ピーズの場合、ｌａｍφ以下の粒子から６０μ虱φの粒
子を含んでおり、１０μｍφ累下の粒子が体積累計で５
％、２０ｔ１ｍφ以下の粒子が体積累計１５％、３０μ
ｍφ以下の粒子が体積累計５０％、４０ｐｍφ以下の粒
子が体積累計８０％である。

無機充填剤の濃度は本発明の目的を達するために、無機
充填剤の種類、粒子径、導光板の肉厚、大きさ等によっ
て変える必要がある。しかし、−船釣な用途であれば５
重量％以下で充分である。

次に、本発明を、添付図面を参照にしてさらに詳細に説
明する。

第１図は、本発明によるメタクリル樹脂製導光板を使用
したバックライト装置の一例の断面を示したものである
。

第１図において、ｌはメタクリル樹脂製導光板、３は蛍
光灯等の照明ランプである。メタクリル樹脂製導光板１
は、無機充填剤（フィラー）粒子２がメタクリル樹脂板
８中に分散混合されており、その平均粒子径は２〜１０
０μｍφで、かつ、メタクリル樹脂の屈折率と異なる屈
折率を有しており、照明ランプ３に近い所では低濃度に
、遠い所では高濃度に、連続的な濃度勾配を持って分布
している。また、出光面５の下面６には、アルミ等高反
射率物質膜等よりなる反射層４を設けたり、出光面５お
よび下面６をナシ地にすることが出来る。

本発明によるメタクリル樹脂製導光板の作用を第１図に
よって説明する。

メタクリル樹脂製導光板ｌは、メタクリル樹脂板８の中
に、照明ランプ３に近い所では、粒子径の大きな無機充
填剤２が低濃度に、該照明ランプ３より遠い所では、粒
子径の小さな無機充填剤２が高濃度で分散混合されてい
るため、光量の多い照明ランプ３に近い所では、光拡散
率が低く、出光面５よりの出光率（−出光量／光量）は
小さくなるのに対し、照明ランプ３から遠くなり光量が
少なくなるに従って光拡散率が高くなるため、出光面５
からの出光率が大きくなり、出光面５各部からの出光量
（−光量×出光率）７が等しくなる。

また、出光面５の下面６に反射層４を設けることによっ
て照明効果を高めることが出来、出光面５および下面６
をナシ地にすることで、さらに、光拡散効率を高めるこ
とが出来る。

第２図は、本発明によるメタクリル樹脂製導光板の製造
法の一例を、その断面で模式的に示したものである。

第２図（ａ）において、１１は１対のガラス板、または
、金属板で、この間にガスケット１２を挟み、重合用セ
ル１５を形成する。

該重合用セル１５に、メタクリル樹脂を、メタクリル酸
メチル５０重量％以上と、これと共重合可能なアクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ｎ−プロピル
、アクリル酸ｎ−ブチル等のアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ｎ−プロピル、メタクリ
ル酸ｎ−ブチル、メタクリル酸２−エチルヘキシル等の
メタクリル酸エステル、および、スチレン、アクリロニ
トリル、酢酸ビニル等との混合単量体に溶解したメタク
リル樹脂シラップに、平均粒子径が２〜１１００ｕφで
、屈折率が１．４〜］、　６、かつ、メタクリル樹脂の
屈折率と異なる屈折率を有し、かつ、比重が′２．０以
上、好ましくは２．３以上の無機充填剤、例えば、石英
粉、ガラスピーズ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホ
タル石等２と、重合開始剤とを均一に混合した組成物を
注入した後、該重合用セルを立てた状態で重合しメタク
リル樹脂製導光板を得る。

重合温度は、使用する重合開始剤によって異なるが、ア
ゾまたはパーオキサイド含有化合物、例えば、２．２−
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド等一般に使用されている重合開始剤を用いて、４０〜
１００℃の温度で重合する。

第２図（ｂ）は、重合が完了した時の状態を示し、同図
（Ｃ）は、無機充填剤の濃度勾配の一例を模式的に表現
したものである。

無機充填剤の濃度勾配は、無機充填剤の比重、平均粒子
径、粒度分布、形状、およびメタクリル樹脂シラップの
粘度、重合温度、重合速度、肉厚等を変えることによっ
て自由に変えられる。

本発明においては、以上の諸条件を調整することによっ
て、導光板の出光面からの出光量（−光量×出光率）が
、出光面全面にわたって実質的に均一になるように調整
することができる。この場合の出光量の均一度は、出光
面各点における出光量が、それ等の平均値に対して±３
０％以内であればよく、好ましくは±１５％以内である
。

なお、導光板各点における出光量は、メタクリル樹脂製
導光板の端面から、蛍光灯等の照明ランプにて光を入射
し、各測定点に照度計（ミノルタ製デジタル照度計Ｔ−
ＬＭ等）を当て測定した。

第３図はナシ地面を持ったメタクリル樹脂製導光板の製
造方法を示したものであり、第２図で説明した重合用セ
ル１５の内側に、ナシ地面を有するポリビニルアルコー
ルのフィルム１６を貼ることにより、容易にナシ地面を
持ったメタクリル樹脂製導光板を得ることが出来る。

また、メタクリル樹脂シラップに多官能上ツマ−である
エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、トリメチルプロパントリメタ
クリレート等を少量混合することにより、容易に耐熱性
の優れた架橋メタクリル樹脂製導光板が得られる。

更に、メタクリル樹脂製導光板の出光面５の反対側の面
６に、アルミ蒸着等により高反射率物質を被覆すること
によって光拡散効率を高めたメタクリル樹脂製導光板が
得られる。

〔実施例〕

次に、本発明を実施例により、より具体的に説明すると
、平均分子量１０００００のポリメタクリル酸メチル６
０ｇを、メタクリル酸メチル２２０ｇとアクリル酸メチ
ル２０ｇの混合単量体に溶解しメタクリル樹脂シラップ
を得る。該シラップに平均粒径１７μｍφのガラスピー
ズ１ｇおよび２，２−アゾビス（４−メトキシ−２，４
−ジメチルバレロニトリル）を０．１２ｇ加え、真空脱
泡しながら均一に混合し組成物を得た。

組成物を、内寸が２２０ｎｍ＋　Ｘ　１４０鵬×９薗ｔ
の２枚のガラス板とガスケットからなるセルに注入し密
封した後、５０°Ｃに温度コントロールした水槽の中で
セルを立てた状態で重合させ、メタクリル樹脂製導光板
を得た。

得られたメタクリル樹脂製導光板は、上部（上部ガスケ
ットから約３ＣＩ下の位置）では平均粒子径５μｍφの
ガラスピーズの濃度が０．１重量％であり、他端（下部
ガスケットから約３ＣＩＩ上の位置）では平均粒子径２
２μｍφのガラスピーズの濃度が０．５重量％の、縦方
向に濃度が連続的に変化したものであった。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明のメタクリル樹脂製導光板
は、メタクリル樹脂板の中に、照明ランプに近い所では
、粒子径の小さな無機充填剤が低濃度に、該照明ランプ
より遠い所では、粒子径の大きな無機充填剤が高濃度で
分散混合されているため、光量の多い照明ランプに近い
所では、光拡散率が低く、出光面よりの出光率（＝出光
量／光量）は小さくなるのに対し、照明ランプから遠く
なり光量が少なくなるに従って光拡散率が高くなるため
、出光面からの出光率が大きくなり、出光面各部からの
出光量（＝光量×出光率）がほぼ等しくすることが出来
るため、視野角を大巾に改良することが出来る。

また、出光面の下に面に反射層を設ける場合は、これに
よう照明効果を高めることが出来、出光面および下面を
ナシ地にする場合は、これによりさらに、光拡散効率を
容易に高めることが出来る。

また、多官能モノマーを加えて重合する場合は、これに
よって架橋メタクリル樹脂製導光板が得られるが、この
ものは耐熱性が優れるため、導光板の近くに照明ランプ
を持ってこられるので、よりコンパクトなシステムとす
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のメタクリル樹脂製導光板を使用した
バックライト装置の断面図、第２図および第３図は、本
発明によるメタクリル樹脂製導光板の製造法の説明図を
示す。主な符号の説明は以下のとおりである。１・・・・・・メタクリル樹脂製導光板、２・・・・・
・無機充填剤（フィラー）、３・・・・・・照明ランプ
、４・・・・・・高反射率物質膜、５・・・・・・出光
面、８・・・・・・メタクリル樹脂板、１１・・・・・
・ガラス板、または、金属板、１２・・・・・・ガスケ
ット、１３・・・・・・組成物、１５・・・・・・重合
用セル、１６・・・・・・表面に、ナシ地面を有するポ
リビニルアルコール製フィルム。第１図第２図第３図特許出願人　　旭化成工業株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

（１）平均粒子径が２〜１００μｍφで、屈折率が１．
４〜１．６、かつ、メタクリル樹脂の屈折率と異なる屈
折率を有し、かつ、比重が２．０以上の無機充填剤が、
導光板の端面に対して配置した照明ランプに近い所では
粒子径の小さな前記充填剤が低濃度に、照明ランプより
遠い所では粒子径の大きな前記充填剤が高濃度に分散さ
れ、出光量が全出光面にわたり実質的に均一であること
を特徴とするメタクリル樹脂製導光板
（２）メタクリル樹脂を溶解したメタクリル樹脂シラッ
プに、平均粒子径が２〜１００μｍφで、屈折率が１．
４〜１．６、かつ、前記メタクリル樹脂の屈折率と異な
る屈折率を有し、かつ、比重が２．０以上の無機充填剤
と、重合開始剤とを均一に混合した組成物を重合セルに
注入した後、重合用セルを立てた状態で重合することを
特徴とする請求項第１項記載のメタクリル樹脂製導光板
の製造方法