JP3197609B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、量産性とGI型レンズ
のアレイ精度に優れるレンズアレイ板を用いた良好な表
示を示す視野角の広さに優れる液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に例示の如く、ロッド状のG
I型レンズ2を束ねて樹脂3で固定し、その端面を光学
研磨してなるレンズアレイ板が知られていた。しかしな
がら、製造に多工程を要して量産性に乏しい上に、ロッ
ド状レンズの配置が不規則になりやすくてアレイ精度に
乏しく、大面積板の製造も困難な問題点があった。
【0003】一方、図4に例示の如く、液晶43を透明
電極付きガラス板42で封止した液晶セル44に偏光板
41や位相差板45を接着してなる液晶パネル4の後方
に拡散光を出射する光源5を有する液晶表示装置が知ら
れていた。しかしながら、大画面を近距離で見る場合や
多人数で他方向から一画面を見る場合のように、画面を
見る角度によって視認性が大きくバラツキ、コントラス
トの低下や表示の反転、あるいは色相の変化などが発生
し、良好な表示状態で見ることができる視野角が狭い問
題点があつた。かかる視認性のバラツキは、液晶の組成
や偏光板、位相差板を種々取り替えても解決されない液
晶そのものが原因する本質的なものであるとされてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大面積板も
容易に製造できて量産性に優れ、GI型レンズが規則的
に配置されたアレイ精度に優れて、かつレンズの配置密
度に優れるレンズアレイ板を得て良好な表示状態で見る
ことができる視野角の広い液晶表示装置の開発を課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、レンズ形成材
をその成分モノマーに可溶で、かつ光透過性のプラスチ
ック基材に設けた貫通孔アレイに充填し重合処理して形
成した、重合組成の変化に基づいて屈折率が変化するG
I型レンズ単位が縦横に、かつ隣接状態で配列してな
ンズアレイ板を液晶パネルの視認側に配置したことを
特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
【0006】
【作用】上記構成のレンズアレイ板は、基材に設けた貫
通孔アレイへのレンズ形成材の充填重合処理でGI型レ
ンズを形成できて、量産性に優れると共に大面積板の製
造も容易である。また、プラスチック基材に画一的な貫
通孔を規則的に形成することが容易であることよりレン
ズを精度よくアレイすることができる。しかも成分モノ
マーに可溶性の基材を用いることにより、貫通孔間のプ
ラスチック基材部分をGI型レンズの形成に利用できて
レンズが隣接した高密度の配置を達成することができ
る。
【0007】一方、前記のレンズアレイ板を用いること
により、それを介して液晶パネルを透過した種々の方向
に進む画像形成用の光線より液晶層を垂直、ないしそれ
に近い角度で透過した光線のみを取り出すことができ
る。かかる取り出し光は、液晶の光学特性が光入射角に
依存することに基づく、すなわち光の入射角の相違によ
る視認性のバラツキが防止されたもので、良好な表示状
態を示して視認性に優れる画像を形成する。そして取り
出した光線を光拡散板上に結像させ、その光拡散板を介
して拡散させることにより良好な表示品位を有する画像
光線を広域に提供することができる。その結果、視角に
よるコントラストの低下や表示の反転、あるいは色相の
変化などが抑制され、良好表示の視野角、ないし視認性
が向上し、画像の伝送域を拡大できて良好な視認域を拡
大することができる。
【0008】
【実施例】図1に本発明において用いるレンズアレイ板
1を例示した。11がプラスチック基材、12がGI型
レンズ単位、13がレンズ形成材の成分が浸透してGI
型レンズ単位の外周部を形成するプラスチック基材部分
で、GI型レンズ単位の隣接域を形成する。
【0009】前記レンズアレイ板の形成は、例えば内壁
界面のゲル効果を利用した界面ゲル共重合法など、重合
組成の変化に基づいて屈折率が変化するようにしたレン
ズ形成材を、そのレンズ形成材の成分モノマーに可溶な
プラスチック基材に設けた貫通孔アレイに充填して重合
処理する方法により形成することができる。
【0010】前記の重合組成の変化に基づいて屈折率が
変化するレンズ形成材は、例えば屈折率が異なる重合体
を形成するモノマーないしオリゴマー、又は屈折率が異
なるポリマーを、重合速度やゲル化速度等の化学的特性
の相違に基づいて重合組成が変化する組合せで混合した
ものなどとして得ることができる(特開昭62−222
203号公報等)。
【0011】前記のモノマー、オリゴマー、ないしポリ
マーとしては透明性に優れる重合体を形成するものが好
ましく用いられる。その例としては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸トリフルオロエ
チルの如きメタクリル酸脂肪族エステル、無水メタクリ
ル酸、ジメタクリル酸エチレン、アクリル酸メチル、酢
酸ビニル、あるいはそれらの混合物、安息香酸ビニル、
O−クロロ安息香酸ビニル、P−クロロ安息香酸ビニ
ル、α−ナフトエ酸ビニル、β−ナフトエ酸ビニルの如
き芳香族カルボン酸ビニル、アクリロニトリル、ペンタ
クロロスチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、あるいはそれらの混合
物などがあげられる。
【0012】GI型レンズ、すなわち半径方向の中心か
ら外側に向かって屈折率が小さくなるレンズを形成する
組合せの具体例としては、メタクリル酸メチルと安息香
酸ビニル、アクリロニトリル、ペンタクロロスチレン、
メタクリル酸ベンジル又はα−メチルスチレンとの組合
せ、メタクリル酸トリフルオロエチルとO−クロロ安息
香酸ビニルとの組合せ、メタクリル酸n−ブチルと安息
香酸ビニルとの組合せ、アクリル酸メチルと安息香酸ビ
ニルとの組合せ、メタクリロニトリルとα−メチルスチ
レンとの組合せなどがあげられる。
【0013】 プラスチック基材としては、レンズ形成
材の成分モノマーに可溶なものが用いられる。これによ
りGI型レンズ単位の隣接配置が可能になる。一般に
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸トリフルオロエチルの如きメタクリル酸脂肪族エ
ステル等の、レンズ形成材の成分モノマーのいずれか少
なくとも1種、特に含有比率の最も高いモノマーを成分
とする透明体からなる光透過性のものが用いられる。
【0014】プラスチック基材の厚さは、貫通孔に形成
するGI型レンズ単位のレンズ効果等に応じて適宜に決
定してよい。一般には50μm〜30mmの厚さとされ
る。貫通孔アレイの形成は、例えばドリルやレーザー等
による物理的方式、エッチング等の化学的方式、スタン
パや金型等による孔付き成形方式など、任意な方法で行
うことができる。
【0015】形成する貫通孔は、目的とするGI型レン
ズ単位の大きさや配置密度などに応じて適宜に決定され
る。一般には、直径ないし一辺が0.05〜10mm程度
の大きさとされる。貫通孔の開口形状は、円形、正方
形、六角形などが一般的であるがこれに限定されず、画
素形状等に応じて適宜に決定してよい。
【0016】貫通孔アレイは、貫通孔間の間隔が可及的
に一定であることが好ましい。すなわち本発明では、図
1に例示の如く貫通孔間のプラスチック基材部分がGI
型レンズ単位12の外周部13を形成してレンズの隣接
域となるため、縦横かつ隣接状態の配置形態で形成され
るGI型レンズ単位の画一性や高密度配置などの点よ
り、貫通孔間の間隔が一定であることが好ましい。貫通
孔間の間隔は、レンズ形成材の浸透性などに応じて適宜
に決定されるが、一般には0.01〜5mmとされる。
【0017】上記のように本発明において用いるレンズ
アレイ板は、GI型レンズ単位が縦横に、かつ隣接状態
で配列するものであるが、これは例えば液晶表示装置の
視認性の向上、ないし表示の良好化などに好ましく用い
うる。
【0018】図3に上記したレンズアレイ板を用いて形
成した液晶表示装置を例示した。1がレンズアレイ板、
4が液晶パネル、5が光源、6が光拡散板である。なお
液晶パネル4は、液晶セル44の両側に偏光板41を接
着したものからなり、液晶セル44は液晶43を透明電
極付きガラス板42で封止したものからなる。
【0019】図3において液晶パネル4は、480×6
40画素の10インチ版からなり、画素サイズは約0.
3mm角である。液晶パネル4の視認側にはレンズアレイ
板1が配置されており、かつレンズアレイ板1を介した
液晶像の正立等倍結像面に光拡散板6が配置されてい
る。液晶パネル4の背面側には冷陰極管からなる光源5
が配置されている。
【0020】レンズアレイ板1は、厚さ5mmのポリメチ
ルメタクリレート板に0.25mm間隔で厚さ方向に垂直
に、かつ縦横のアレイ状態で形成した直径0.7mmの貫
通孔に、ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレー
ト:1/3(重量比)に過酸化ベンゾイル0.5重量%
を加えたモノマー混合物を充填して封入し、それを60
℃で10時間加熱硬化させて形成したものであり、各貫
通孔に形成されたGI型レンズ単位が、図1に例示の如
く縦及び横方向に充填物の浸透硬化部を介して隣接した
ものである。
【0021】本発明において用いる液晶パネル、ないし
液晶セルについては特に限定はなく、公知物のいずれも
用いうる。一般的な液晶パネル等の例としては、ツイス
トネマチック型やスーパーツイストネマチック型、ホモ
ジニアス型、薄膜トランジスタ型のもの、またアクティ
ブマトリクス駆動型や単純マトリクス駆動型のものなど
があげられる。
【0022】液晶セルに付設される偏光板の一般的なも
のとしては、ポリビニルアルコールの如き親水性高分子
からなるフィルムをヨウ素の如き二色性染料で処理して
延伸したものや、ポリ塩化ビニルの如きプラスチックフ
ィルムを処理してポリエンを配向させたものなどからな
る偏光フィルム、ないしそれを保護フィルムでカバーし
たものなどがあげられる。なお偏光板は、液晶セルの片
側又は両側に配置される。
【0023】位相差板は、液晶セルによる複屈折光を補
償する目的などで必要に応じて用いられる。位相差板
は、例えば高分子フィルムを一軸、ないし二軸等で延伸
処理してなる複屈折性フィルムやその積層体などとして
得ることができる。位相差板も液晶セルの片側又は両側
に配置することができる。
【0024】液晶表示装置におけるレンズアレイ板は、
液晶層を垂直、ないしそれに近い角度で透過した光で形
成される液晶像を取り出すためのものである。好ましい
レンズアレイ板は、画像のクロストーク、すなわち各画
素からの画像形成光線の混合がないものである。液晶像
を画素単位でクロストークなく正立等倍像として光拡散
板に投影するには、0.3mm角程度の画素サイズの場合
で3本/mm程度の分解力を有するレンズアレイ板を用い
ることにより達成することができる。なお、画素よりも
小さいレンズ単位を液晶パネルの各画素に2個以上対応
させてアレイ化したレンズアレイ板は、取り込み光線を
液晶層をより垂直に近い角度で透過したものに絞り込め
て、画像の鮮明化に有利である。
【0025】液晶表示装置の視認側に設けられる光拡散
板6は、レンズアレイ板1を介した液晶像の正立等倍結
像面に配置して画像光を散乱させ、視野角を拡大させる
ためのものである。従って用いる光拡散板は、かかる画
像光を散乱させるものであればよく、その材質や構造等
について特に限定はない。その例としては、透明な樹脂
シート中に有機や無機の微粒子ないしフィラーを分散さ
せたもの、高分子又は低分子のドメインをシート状の樹
脂中に発現させたもの、高分子フィルムやガラス板上に
無機や有機の微粒子ないし繊維を分散させた樹脂層を設
けたもの、高分子フィルムやガラス板の表面を物理的な
いし化学的に粗面化処理したものなどがあげられる。
【0026】液晶パネルの背面に配置される光源として
は適宜なものを用いてよい。その例としては、冷陰極
管、熱陰極管、タングステンランプ、メタルハライドラ
ンプ、キセノンランプ、エレクトロルミネッセンスラン
プ等の点状発光体や面状発光体などがあげられる。冷陰
極管やエレクトロルミネッセンスランプの如き低温系の
光源が好ましく用いられる。本発明においては例えば、
光源からの光を光ファイバーや反射板等を介して液晶パ
ネルに入射させる方式などとすることもできる。
【0027】本発明において液晶パネル、レンズアレイ
板、光拡散板、ELランプ等の光源との各間は必要に応
じて固着した形態とされる。界面反射による表示品位の
低下を抑制する点よりは固着することが一般的に好まし
い。その固着は、例えば透明な接着剤、ないし粘着剤を
用いて行うことができ、接着剤等の種類については特に
限定はない。就中、被固着体と屈折率が同じか、近いも
のが好ましい。また被固着体の光学特性の変化防止の点
より、硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないもの
が好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないも
のが望ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置は、その視認側に
配置したレンズアレイ板を介し液晶パネルを透過した種
々の方向に進む画像形成用の光線より液晶層を垂直、な
いしそれに近い角度で透過した光線のみを取り出すこと
ができて見る角度によりコントラストや色相等が変化し
にくく、鮮明さに優れる良好な表示状態で見ることがで
きる視野角、ないし視認性に優れている。また光拡散板
の付加により、前記の取り出し光線を光拡散板上に正立
等倍で結像後拡散させて良好な表示品位の画像光線を広
域に提供でき、視角によるコントラストの低下や表示の
反転、あるいは色相の変化などが抑制された良表示画像
の伝送域を拡大できて良好な視認域を拡大でき、液晶表
示装置の前面のほぼ全方向から良好な表示状態で見るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズアレイ板の実施例の部分断面斜視図。
【図2】従来のレンズアレイ板の部分断面斜視図。
【図3】液晶表示装置の実施例の断面図。
【図4】従来の液晶表示装置の断面図。
【符号の説明】
1:レンズアレイ板 11:プラスチック基材 12:GI型レンズ単位 13:GI型レンズ単位の外周部(隣接域) 4:液晶パネル 41:偏光板 44:液晶セル 42:透明電極付きガラス板 43:液晶 5:光源 6:光拡散板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅本 清司 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 山本 英 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 小池 康博 東京都目黒区大岡山1丁目31番30号 モ ンド大岡山パーク303号 (56)参考文献 特開 平4−234701(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 3/00 G02F 1/1335

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ形成材をその成分モノマーに可溶
    で、かつ光透過性のプラスチック基材に設けた貫通孔ア
    レイに充填し重合処理して形成した、重合組成の変化に
    基づいて屈折率が変化するGI型レンズ単位が縦横に、
    かつ隣接状態で配列してなるレンズアレイ板を液晶パネ
    ルの視認側に配置したことを特徴とする液晶表示装置
  2. 【請求項2】 レンズアレイ板を介した液晶像の正立等
    倍結像面に光拡散板を配置したことを特徴とする請求項
    に記載の液晶表示装置。
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